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明けぬ夜はない。
如何に大災厄に見舞われても、新惑星は朝を迎える。
いつもなら日が昇り始め、普通ならばまだ布団に包まっているか、
あるいは味噌汁をすすりご飯を掻き込んでいるであろう、そんな時刻。
しかし今この瞬間は違った。
津波、火災、地震、竜巻、豪雨、落雷、噴火、吹雪…
およそ人間が知っているであろう天災のほとんどを同時に食らった新惑星の住民達。
彼ら彼女らはそれでも抗い続けていたが、止めの一撃とばかりにやってきた最後の災害…
【オヤジ】にばかりは恐怖し、震え上がった。
そのまがまがしいオーラもあるが、主催者が直接参加者を狙ってきた事実も大きい。
現れた圧倒的力を持つ主催者…そんな姿を見てしまったら、
あぁ、所詮自分達は主催者の遊びの道具でしかないんだ…
そう思うのも無理はなかった。それほどまでに【オヤジ】は圧倒的力を持っていた。
しかしそんなオヤジに立ち向かう一団がいた。
地上で震える者達にとって、その一団は希望でもあった。
みなが祈る。どうかこの災害に打ち勝ってくれと。
そうすればきっと自分達も希望を取り戻せるから…そう祈り、願い、見守った。
だが…

「くっ…」
「どうした…?その程度か?」

現実は非情だ。
最後の災害であるオヤジ…徳川家康に果敢に挑んでいった鷹の爪団は…
善戦むなしく敗色濃厚であった。

「星を守る最終兵器に吸血鬼に炎熱系能力者か…
破壊神と創造神…2体も神を吸収したわしをここまでてこずらせるとはな…
じゃが、そろそろ限界じゃろう?」

家康とて、決して無傷ではない。それ以上に相手がボロボロなのだ。

「幹也…貴方の言っていたこと…本当でしたね。確かにこの男は規格外だ…」

攻撃の要となり、同時に仲間を守る盾ともなっていた真・最終防衛システム。
しかしその身は自動修復とオメガバリアを持ってしても傷だらけだった。

「まだ…倒れるわけには…」

その高い魔力を持ってして、バリアや仲間の回復を行ってきたエリス。
しかし常時魔法を使っていれば、どんな魔術士でも魔力は枯渇してしまう。

「も…もっと熱く…」

溢れる熱意で、家康の吐く灼熱と絶対零度のブレスを遮断し、仲間を励ましてきた松岡修造
しかし彼は一応まだ人間。励まし続けた結果、喉を痛め情熱も下がっていた。

「逃げたあの蓬莱人がいれば、まだ粘れただろうな。もっとも、わしの勝利に変わり無いがね」

家康の言葉通り、藤原妹紅は現在この場にはいなかった。
真・最終防衛システムの計らいで、唯一一般人である総統を逃がすために、
戦闘開始後、暴風雨の中総統を担いで戦いの場から脱出したのだ。

「逃げることは恥ではないぞ?わしもかつて戦で戦略的撤退をしたことがある。
だが今回は無駄じゃ。どこに逃げようと、信長様の脅威となる者は全て殺す!
死ぬのが早いか遅いか…それだけの違いじゃ。ギガデイン!」

家康が天高く刀を構えると、そこに雷が落ちた。
しかし家康は感電せず、刀が雷を纏うだけ…そう、これは家康の技。
雷の巨大な刃で全ての敵を一掃する必殺剣『ギガブレイク』…!
放たれたその必殺剣を、真・最終防衛システムは左腕でガードする。
オメガの持つバリアは非常に強力だ。炎氷風地水毒聖属性の技を全て吸収できる。
唯一吸収出来ない…オメガ自身にいたっては弱点でさえあるのが、雷だった。
それ故に、この必殺剣はバリアに遮られず直に本体を襲う。

「ぐっ…っ!まだだ…!」
「ぐむっ!?」

左腕を押し返すように薙ぎ払い、雷刃を家康に返撃する真・最終防衛システム。
しかしそれと同時に、既にヒビの入っていた腕が音をたてて砕け散った。

「おのれ貴様っ…!何故そこまで抗う?何故逆らう?
わしは力を手に入れた!相手が蓬莱人であろうが滅することのできる圧倒的な破壊の力!
どれだけこの身に炎を、魔法を、星を砕く程の攻撃を受けても倒れず再生する創造の力!」

そう言うと家康の体が光り輝き始めた。
すると傷付いていた家康の体がみるみる癒えていく。吹き飛んだ肉も、火傷も、欠けつつあった刀さえもが元に戻っていく。

「どうじゃ?これぞ創造神の力!神は何度も復活する!」

その光景に、全ての者が息を呑んだ。
地上で祈っていた者達の口から次々に諦めの言葉が口にされる。
――殺される…みんな徳川家康に殺されるんだ…
――あれだけの傷が一瞬で…無理だったんだ!主催者に勝つことなんて!
その時、真・最終防衛システムが口を開いた。

「…ええ、その力は知っていますよ。世界を創造した神の技…
シンプルに技の名は【ふっかつ】自身の体力の完全回復効果。…3回まで使用可能」
「な、なんじゃと!?何故貴様がそれを…!」

突然自分の能力を暴露され、初めて家康が顔色を変える。

「…私が本来守っていた世界は、無数の小さな世界の集合体でした。
そんな無数に広がる世界には異世界、異次元に繋がる場所もあります。
貴方が吸収した神のうち1体は、私と完全に無関係ではない…それだけの話です」
「なん…じゃと…!」
「それに私には【神と機械を一撃で取り込む】光線がありますしね」

続けての発言に、家康は今度こそ冷や汗をかいた。
表情は崩さずに、しかし神の頭脳をフル回転させる。
(そんな代物あるわけがない!…いやしかし、万が一この神の力を奪われたら…!
強者は追い詰められて初めて自身の最高奥義を使うのが常ではあるが…
そもそも何故今になってそのことをわしに教える?はったりなのか?
はったりと見せかけて、やはり本当にそんなものが使えるのか…?
いや、心を落ち着かせるんだ!わしのこの気の迷い…迷走が奴の狙いやもしれん!)

「なんで今になって…そんな顔をしていますね。教えてあげましょうか?
私に備え付けられているBGM再生機能…曲は死闘の果てに、必殺の一撃、Save the world…
これは死闘の果てに必殺の一撃を持ってして世界を救え…という神の私への隠れた指令なんです。
戦闘開始と同時に吸収光線使ってもよかったんですが、任務失敗になってしまうでしょう?
だからわざわざかわせる攻撃を食らってまで死闘の演出を…」
「きさまあぁあああぁぁぁっっっ!」

言葉が終わるよりも早く、家康は怒りにまかせ突撃を仕掛けた。
光線の話が本当にしろ嘘にしろ関係ない。
仮に本当だとして、どこからそれが発射されるかも関係ない。
【発射する暇もなく仕留める】これだけで済んでしまうのだから。
何もないはずの空を蹴り、家康は超スピードで敵を穿ちにかかる。
狙うは、全ての機械の弱点とも言っていい本体…【コア】だった。
その速さ、何人たりとて回避は不可能。家康が突撃してきたことを知った時には…
既に真・最終防衛システムの黒いコアに深々と刀が、家康の腕が突き刺さっていた。

「…!!!!!」
「ふ…ふはは!やはりはったりじゃったか!神がそう容易く…」
「…、――」
「うん?なんじゃ?」


「確かに…光線はあるけど…当てにくいんですよ…それより…後ろがお留守です――」

「!?」

慌てて家康は振り返る。その視線の先には…

『これ以上!』
「私の前で!」「わしの前で!」
『仲間を殺させるものか!』

豪雨の中をありったけのスピードでこちらに向かってくる妹紅と総統の姿があった。
妹紅は片腕で総統を支え、総統も片腕で妹紅につかまっている。
そして、2人の空いたもう片方の腕にソレは握られていた。

ギュイッギュイッギュュイイィィィィィン!
雨と風の音に負けないほどの凄まじい音をたてているソレ。
銀色に光り輝くソレを見た瞬間、家康の脳は本人の意思とは無関係に信号を送った。
【逃げろ、今すぐに】と。
しかし家康はその場を動くことが出来なかった。右腕はコアに埋まり引き抜けず、
左腕もいつの間にか真・最終防衛システムにメキメキと握り潰されていたからだ。

「やめろ!やめろっ!やめろおおおおぉぉぉ!!!」
『くらえええぇぇぇ!!!』

妹紅と総統が持つソレは、エクスカリバーやラグナロクと言った伝説の剣…ではない。
伝説どころか、普通に市販されている道具だ。
ソレの名前は…


チ ェ ー ン ソ ー ! ! !


そう、何の変哲もない市販のチェーンソー
しかしその高速回転する刃は神の肉体をまるでボロ布の様に容易く切り刻んだ。

「ぐあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!馬鹿な゛!の…信長様あ゛あ゛あ゛…っ!!!」

断末魔の絶叫と血飛沫をあげ、忠神・徳川家康はバラバラになり、地に墜ちゆく。
文字どおりの血の雨が降るなか、やがて地上からは歓声があがった。


「むぅ…一応そこコアなんでもうちょっと優しく抜いてくださいよ…」
「まったく…!【自分が攻撃を耐えているから急いでチェーンソーを持ってきてくれ】なんて…
ここまでボロボロにされて、本当にギリギリじゃないのよ!」
「面目ない…」

バラバラに刻まれた家康が二度と復活しないように吸収も済ませ、一同は高台に降りていた。
周りには、避難していた人達の姿もある。

「…正直な話、私1人では家康を止められなかったでしょう。
守るべき貴方達に…私が守られるとは…つくづく人間の力には恐れ入りますよ…
そう、20年程昔…まだ旧型機だった私を破壊した4人組も…その父親も…」
――正真正銘、最後の戦いだ!みんな、やるぞ!
――どうやってこのでかいメカを倒すんだよ!
――父さんはチェーンソーでシルクハットの神様を一撃で倒したって言ってたよ!
――そうか!じゃあこいつにもチェーンソーが…駄目だ弾かれる!
――仕方がない、勿体ないけどこの七支刀でみじん切りに…
「そうか、それでいきなりチェーンソーを持ってきてくれなんて…」
「ええ、破壊された後もプログラムは残っていましたから、その妙な神のことは調べていました。
人をモノ扱いし、ゲームの駒として扱った神だったそうですよ…」
「そんな神をあの男は吸収したのか…あれ?死んだ神を吸収…?」
「平行世界の同一人物でしょう。人を侮った神が人に吸収される…なんとも言えない話だ」

そこで言葉を区切り、真・最終防衛システムは辺りを見渡す。
辺りにいるのは、無数の希望に満ち溢れた人達だった。

「凄いよあんた達!主催者の1人を倒すなんて!」
「おかげで俺達も希望を持てたよ!こんな災害や首輪なんかに負けてたまるか!」
「わしら鷹の爪団は誓う!みんなが笑顔で暮らせる様、必ず織田信長達を倒してみせると!」
「だからお前達ももっと熱くなって頑張れ!やればできっ…ごほっ、げほおっ!」
「しゅ、修造さん!無理に喋らないでください!」
「おうよ!俺達もお前達に負けずに主催者の野郎をぶん殴ってやるぜ!」

総統の演説に、避難民は賛辞の言葉と感謝を述べ、希望を取り戻す。
荒れていた空も大地も、僅かではあるが鎮まったように感じれた。

「本当に人はたくましい。世界を壊すのも人だが…守るのも神でも私でもなく人なのでしょうね…
やれやれ…用済みになった機械は、大人しくシャットダウンするとしますかね…」

ズゴッ!と一発。
刀を抜き終えた妹紅の横から修造の鉄拳が真・最終防衛システムのコアにもろに命中した。

「諦めるな!もっと熱くなれ!頑張るんだ!」
「修造!?」
「うごっ…破損しているコアにいきなり鉄拳はないでしょう…
冗談ですよ。自分で決めた防衛…途中で投げ出してたまりますか!とは言ったものの…
さすがにこの体ではまともに動けそうにありませんね…」

改めて鷹の爪団全員の様子を見ると、かなりボロボロである。
戦闘にはあまり参加していなかった妹紅と総統も、
チェーンソーを探しに行く際に雨風に晒され続け体力を消耗していた。

「悪いな…俺達も力になりたいが、災害から生き延びる時に魔力ほとんど使っちまっててな…」

集まっていた避難民も協力したいのは山々ではあったが、傷付いているのはこちらも同じ。
高台に集まった一同が、さてこれからどうしようかと悩んでいた、その時!

「君達の活躍!水中からでも見ていたぞ!せめてものお礼をさせてくれ!」

あ、そ~れっ!ハッスルハッスルゥ!

『うわっ…うわああああああああああああああ!!!???』

未だ流れる濁流の中から突如現れた、新たなオヤジのダンスを見た一同の絶叫が辺り一帯に響いた…


三日目・6時30分/新惑星・大田区】
【鷹の爪組】
【真・最終防衛システム@サガ2GOD】
【状態】究極合体中、鷹の爪団員、全身大ダメージ、左腕粉砕、黒コア損傷(各修復中・要時間)
【装備】砲台×6・自己修復システム・浮遊システム、オメガ、秘宝75個、サイバー・エンド・ドラゴン、徳川家康
【道具】無し
【思考】
0:人間って本当に凄いですね…色々な意味で
1:できる限りの惑星防衛をする
2:惑星を破壊するもの及び、防衛対象に害なす者は殲滅。それ以外は様子見
3:いずれ襲ってくるであろう惑星破壊活動を行う敵全ての殲滅
4:空気王は見つけ次第再攻撃

【藤原妹紅@東方Project】
【状態】全身に包帯が巻かれている、若干の自己嫌悪、ダメージ(小)、魔力消費(小)鷹の爪団員、中疲労
【装備】チェーンソー、斬鉄剣
【道具】支給品一式、蜆、米の苗、将棋セット一式、ゾフィー直筆サイン色紙、黒竜号
【思考】基本:戦いを止めたい。『生きる』
0:回復してくれるのは助かるけど変態だー!
1:02の仇である空気王は倒す。鷹の爪団の仇も倒す
2:KAITOを警戒
3:輝夜が若干心配?
4:輝夜とは幻想郷で殺し合う(ここでは殺し合わない)

【エリス@ルーンファクトリー】
【状態】陽が傾き行動可能、魔力枯渇、合体中(黒ベース)、空気王、真竜ニアラを警戒、大疲労
【装備】なし
【道具】支給品一式×2、ホウレン草
【思考】
0:これは直視できません…
1:夫(ラグナ)と合流
2:最終防衛システムの戦いの手伝い

【総統@秘密結社鷹の爪】
【状態】健康、中疲労、打倒織田信長その他改めて決意
【装備】チェーンソー
【道具】支給品一式、不明支給品、女神の心臓
【思考】基本:織田信長、空気王を倒す
0:…凄い男じゃ
1:吉田君らを探すと同時に新しいメンバーを補充する

【松岡修造@現実】
【状態】健康、熱枯渇、魔力枯渇、鷹の爪団員、大疲労、喉の痛み
【装備】なし
【道具】支給品一式 蜆×97 米の苗 不明支給品
【思考】
0:もっと情熱的に踊るんだ!
1:もっと熱くなる!
2:空気王と真・空気組を熱く倒す!

【勇者オルテガ@ドラクエ3(FC版)】
【状態】健康、名前以外記憶喪失、ハッスルダンスとマッスルダンスを習得、濁流を泳いだため中疲労
【装備】灰色のパンツ、灰色の覆面マント、肌色の斧、勇者の肉体
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】1:鷹の爪団をハッスルダンスで元気づける
2:避難民もハッスルダンスで元気づける
※ハッスルダンスは魔力無消費で全体の体力を回復させます

【徳川家康@テラカオスバトルロワイアル・死亡確認】
死因・妹紅と総統によるクロスチェーンソーアタック
最終更新:2010年03月14日 00:29