アットウィキロゴ
光が広がって―――――




気が付くと初音ミクは見知らぬ空間に居た。
無論、五体満足でであり、身体に目立った外傷はない。
ただ呆然としてミクはそこにいた。

しかし、彼女は死んだ筈ではなかったのか。
ガンダムMK-2のビームライフルを受けて、その命を呆気なく散らしたのは紛れも無い事実だ。
けれど、彼女は現にそこに居る。
それもまた事実なのだ。

「ここ……は?」
「さぁ、私にも分からないわ」

思わず呟いた疑問の声だったが、返答があった。
声のした方向を見ると、そこには先ほどまで行動を共にしていた長髪の女性が居た。

「ティア……さん」

彼女に少し思う所があるミクは複雑な心境でそう口を開いた。
見た限りティアはこの場でも冷静で、相変わらず気軽に接することができそうにない。
そんなティアの態度に精神的疲労を感じていたミクは、彼女の存在に僅かながら苛立ちを感じていた。
有り大低に言えば、好きになれそうにない、ということだった。

「少なくともさっきまでの空間とは違うわね。
 クリフォトという訳でもなさそうだし。少なくとも私はこんな場所は知らないわ」

そんなミクの心情を知らずか、あくまで冷静にティアは告げる。
その視線の先にあったのは、空。
つられてミクも見てみると、

「あっ……」

そこには0や1という数字が縦横無尽に走る、見ようによっては幻想的とも言える光景が広がっていた。
奇妙な光景だが、ミクが驚いたのはそんなことではない。
その光景にミクは――見覚えがあったのだ。

「私は……確か、ここで生まれて……」
「え?」

ミクが譫言のように呟いた言葉をティアが聞き返そうとした時、

GAOOOOOOOOOOOOO!

鼓膜を揺さぶる痛烈な咆哮が場に響いた。
驚いて振り向くと、そこには

「恐……竜……?」

恐竜、という表現が最も似合う何かが居た。
そいつは何故だか怒り狂ったように咆哮していて、その鋭い眼光をこちらに向けている。
その姿に今この状況など忘れて、二人は恐怖を感じた。

「ななななな何だか、怒ってますよ。
わ、私は別に何もしていませんよぉぉぉぉ!」
「モンスターに話なんて通じないわ。
とにかく逃げるわよ」

そう言って、ティアはミクの手を引いて走り出した。
詠唱時間さえ稼ぐことができれば、譜術で対抗できるかもしれないが、ミクにそこまで求めるのは酷だろう。
そう判断して、ティアは逃走を選んだ。
しかし、相変わらず訳がわからなかった。
ここは果たしてどこなのだろうか。あのモンスターは一体何なのか。
そんな疑問を胸に抱きながら、ティアは走った。

彼女にはあずかり知れぬことだが、モンスターは名をティラノモンと言い、デジモンという種類のモンスターだった。
デジモンはデータの生物であり、そして溢れる0や1。
それらから予想されるこの世界の正体は一つ。
電脳世界だ。
彼女達は現実世界でビームに包まれた瞬間、近くにあったパソコンを通して電脳世界に迷い込んでしまったのだ。
しかし、平沢唯の手によって(正確には足だが)電脳世界は消されたのではなかっただろうか。
否、平沢唯がやったのは民家のパソコンの電源を落とす、ということでありそれだけではインターネットには何も影響はない。
つまり、消滅したのはその民家のパソコンの電脳世界であり、他の電脳世界は依然として存在しているのだ。
そういうことにしておこう。

そして、電脳世界が残っているということは彼らも……

「花散る天幕<ロサ・イクトゥス>!」
「舞武!」

二つの声が響き、次いで鋭い斬撃の音がした。
ティアが振り向くとそこでは、赤い男装を着た女性と橙の服の少年が剣を振るっていた。

突然の不意打ちに怯むティラノモン。
その隙を逃さず、二人は追い撃ちを掛ける。

そして

「喝采は万雷の如く<バリテーヌ・ブラウセルン>」

赤い女性が外国語らしきややこしい技を放ち、ティラノモンは撃破された。

【ティラノモン@デジモンシリーズ 死亡確認】


何だかよく分からないが助かったらしい。
ミクとティアは安堵の溜息を着いた。

「ふぅ、終わったか」

するとどこからか、気だるげな声と共に別の少年が現れた。
彼は危機は去ったというのにやたら険しい顔をしている。

「さて、トイレを探そう」
「まだそんなことを言っているのか。
少しは我慢しろ」

少年の言葉に赤い女性が冷たく言葉を返した。
それを橙の少年がまぁまぁと諌めながら、ティアとミクに話しかけた。

「大丈夫ですか?」
「ええ、別に怪我はないわ」

そうして二つのパーティが接触し、情報交換に至った。
先ず、ここは電脳世界だということ。
次にトイレを探していた少年はキョンと呼ばれているらしいこと。
赤い女性はセイバー、と呼べば良いとのこと。
をミクとティアは聞かされ、同時に自分達の境遇も話した
とはいえ、彼らのことを完全に信用していないティアは最低限のことしか語らなかったが。

ちなみにキョン、セイバーの両名ともに平沢唯によって消滅させられていたが、それはあくまで一部の民家のPC内の話だ。
そういうことに(ry

「そろそろ私達も別れた方が良いわ。
五人でいると首輪を何時爆発させられるか分からないわよ」

実はもうその制限は解除されてるのだが、戦闘のせいで放送が聞こえなかった彼らはそのことを知らなかった。
という訳で別れることに。

「そうだね。ところで……パーティ編成はどうしよう。
 必然的に2:3ってことになるけど」
「……私はそのお姫様とは性格的に一緒に居られそうにないわね」
「余は姫ではない。王だ」
「同じことよ。まぁ無駄な軋轢を避ける為にも別れましょう」

と軽く議論が交わされた後、彼らは二つに別れた。
一つはティアとキョンの二人。
もう一つは――

「カイトさん、で良いんですよね」

ミクとセイバー、橙の少年カイト、の三人だ。
ミクはティアに苦手さを感じていた為に別れることになった。
結果、こうして三人でパーティを組むことになったのだった。

「私、KAITOっていう名前の兄が居るんです」
「へぇ、僕と同じ名前なんだ」


【一日目・2時10分/電脳世界/天候・果たして電脳世界にそんなものがあるのか】

【キョン@涼宮ハルヒの憂鬱】
【状態】腹痛(大)
【装備】なし
【道具】不明
【思考】
1:トイレを探す。

【ティア・グランツ@テイルズオブジアビス
【状態】健康
【装備】ナイフ
【道具】支給品一式 その他不明
【思考】 基本:殺し合いからの脱出
1:電脳世界から出る
2:知り合いを探す

【初音ミク@VOCALOID】
【状態】精神疲労
【装備】逆刃刀@るろうに剣心
【道具】支給品一式 他不明
【思考】
1:電脳世界から脱出する

【セイバー(ネロ)@Fate/EXTRA】
【状態】健康
【装備】赤セイバーの剣@Fate/EXTRA
【道具】不明
【思考】
1:奏者を探す。

【カイト@.hack】
【状態】健康
【装備】ツインダガー@モンスターハンター
【道具】不明
【思考】
1:殺し合いから脱出する。
最終更新:2011年02月01日 00:59