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暴風が吹き荒れる高速道路の中、二体の人型が向かい合うように低空を飛んでいる。
仮に彼らが人間だとしたら、睨み合っているであろう。
互いにある程度の距離をキープしていながらも、すぐにでもぶつかり合ってもおかしくない雰囲気だった。

「機皇帝ワイゼル∞、カッコいいポーズ!」
「こっちも負けませんよ、カッコいいポーズ!」

片方の機械のすぐ傍を走るバイクに乗る、否、バイクそのものと一体化している男、
プラシドは自身の下僕に指示を送る。
ワイゼルと呼ばれた機械は両手を左右に向かって大きく広げ、右膝を前に突き出した。
対する機械、『防衛システム』と名乗るそれもワイゼルと同じポーズをとる。

「「うおっまぶしっ」」

次の瞬間プラシドと防衛システムのそれぞれに乗っていた少女達は目を覆う。
激しい光が辺りを覆い、深夜なのにも関わらず太陽を直視したかような錯覚を受ける。
しかしそれは一瞬の出来事で、ワイゼル、防衛システムらから輝きが消えると二人は目を開けた。



「「ってなんだこれ」」

そして少女達は呆れ果てた声を上げた。
(ある意味では)争っていたはずの機械の巨人達が、先ほどとは違って穏やかなムードを放っていたからだ。

「貴様中々やるな。 まさか俺のワイゼルとここまで渡り合えるとは・・・・・・」
「いえ、私も貴方を侮っていました。 つい久しぶりにはりきってしまいましたよ」

ワイゼルと防衛システムは互いの手を取り合って握手をする。
未だに降り続ける雨にも構わず、彼らはマシンの熱の温もりを共有している。
気づけば既に嵐は止んでいた。






「やっぱりネルお姉ちゃんだ!」
「リン! やっぱりリンだったのね!」

プラシド達が友情を確かめ合った後のことだ。
私はでっかいロボに乗っている相手の女の子が気になったから、
プラシドに数分間だけ、という許可を取って確認することにした。
すると案の定、知り合いの鏡音リンだったのだ。
だから今私は、『防衛システム』というロボットの上に乗せられて、リンと話をしている。

「お姉ちゃんが無事で本当によかったよ!」
「そ、そうね」

なんかこのリン、いつもよりも随分かわいいような気がする。
そもそもリンは姉のことを『お姉ちゃん』等と呼ばない。
『○○姉』と馴れ馴れしく呼ぶのが私の知っている鏡音リンであり、
こんなピュアでイノセントな娘ではない。

「・・・・・・お姉ちゃんどうしたの?」
「い、いやなんでも無いわ!」

リンが不安そうに顔を覗き込んできたので、相槌を打つ。
まあ今目の前にいるリンは恐らく平行世界の別人だろう。

私、亞北ネルは元々この世界の住人ではない。
今バトルロワイアルの主催をやっているやつらによって、この世界に呼び出されたのだ。
私以外に呼ばれたVOCALOIDがいるかどうか気にはなるが、
少なくとも最初に呼び出されたドームの中にはいなかった。
できれば彼らには元の世界でゆっくりしていて欲しい。



「他の家族が無事である保証は無いがな」
「え?」
「ちょっとプラシドさん何言ってるのよ!」
「流石に今の発言は空気を読めと言わざるを得ません」

プラシドの一言でリンは動揺し、私と防衛システムは彼に反論をする。
だがプラシドは、私達を無視して言葉を続ける。

「考えてもみろ。 何処だとも思えぬ場所に全員バラバラに飛ばされたのだぞ?
 今は世界各地で武器を持った連中が、いつ獲物にされないかと怯えているんだ。
 そんな疑心暗鬼となった連中に混ざってみろ。 自然と殺し合いに巻き込まれることなど目に見えている」
「で、でも・・・・・・」
「自分の家族なら俺達みたいなやつらに守られて、みんな大丈夫ですとも言いたいのか?
 笑わせるな。 そいつが、あるいは他の誰かが、牙を剥きお前の家族を殺すことだってある。
 この状況で安全圏など無い。 それぐらい貴様ならわかるだろう? 防衛システム」

駄目だ、全然言い返せない。
考えてみれば私達は運が良かったのかも知れない。
最初に出会った参加者が、強い対主催というのは、一般人からしたら相当恵まれているだろう。

「それでも今は、リン達の精神状態を考慮するべきだと思います」

そしてプラシドの問いに対し防衛システムは答える。
今リンを追い詰めすぎると、いつか彼女の心に限界が来てしまう。
そうなったら対主催どころではないし、何よりリンがかわいそうだ、との主張だ。
それでプラシドが目を閉じたため、私達の意見が通ったかと思った。
しかし、彼は俯いて、吐き捨てるように言った。


「愛すべき者がいなくなった絶望を知っているか?」

突然の台詞に、私達は再び黙り込む。
絶望? いきなりこいつは何を言っているのだろうか。
私もリンも防衛システムも、何も言うことができぬまま、プラシドは言葉を続ける。

「覚えておくがいい。 例え拒んでも絶望が襲い掛かってくる時がある」
「・・・・・・」
「そしてその運命は受け入れなければならない」

そう語ったプラシドの横顔は、雨のせいか悲しそうに見えた。
そして運命の瞬間がやってくる。

キーンコーンカ『フハーッハハハハ!!!』






『ではまた次の放送の時までさらばだ!』
「まさか彼らがこんなにあっさりと・・・・・・」


竜の嘲笑混じりの声が消え、ネルは何も言うことができなかった。
防衛システムも落胆し、彼らの様子を察したプラシドは黙ってバイクの運転を続けている。

「そんな・・・・・・ミクお姉ちゃん・・・・・・」

防衛システムの上で涙を流すのはリンだ。
愛すべき姉である初音ミクの死は、年端もいかない少女であるリンの心を深く傷つけた。

「リン、お気持ちは察しますが、今はどうか耐えてください・・・・・・」
「なんでよ! なんでミクお姉ちゃんが死んじゃったの!
 ミクお姉ちゃんすごくいいお姉ちゃんだったのに・・・・・・だったのに・・・・・・!」

雨とともに、涙が防衛システムの体を濡らす。
自分の姉が何をしたのだろう。
なんで自分の姉が殺されなければならないのだろう。
鏡音リンは、たった今、絶望と言うものに直面していた。

「リン、少し落ち着いて・・・・・・」
「ネルお姉ちゃんは悲しくないの!? ミクお姉ちゃんが死んじゃったんだよ!」

亞北ネルは決して、ミクの死に何も感じていないわけではない。
彼女の心にも少しならず動揺が走っていた。
もしかしたら別世界の人物かも知れないという可能性と、
既に前の殺し合いで耐性がついてしまっていることが、合わさって、それらがネルの感情をせき止めていたのだ。
そうすることで平常を保っている彼女の姿は、リンから見て酷く残酷に見えた。


「では俺はもういくぞ」

沈黙を破ったのはプラシドであった。
彼はエンジンを鳴らし、サイクロン号を加速させる。
そしてネル達の乗っている防衛システムから徐々に離れていく。

「どこ行くのよプラシドさん!」
「決まってるだろ? 不動遊星を倒しに行くんだ」
「そんな無責任な・・・・・・」

独断行動を取ろうとするプラシドに呆れるネルであったが、
彼は彼女に構わずサイクロン号のスピードを上げた。

「既に制限は解かれ、俺がお前と行動する意味が無くなった。
 後は防衛システムに守ってもらうんだな!」
「ちょっとプラシドさん!」

ネルは叫ぶが、既にプラシドは視界からほとんど見えなくなってしまった。
しかし、彼女達に落ち込む暇は無い。
なぜなら・・・・・・


「「「第7期参加者の亞北ネルと最終防衛システムを発見! 殲滅する!」」」

アンチ連盟の兵士達があげて襲い掛かってきたからだ。
彼らは量産型のMSやPT等に乗って防衛システムを囲んでいる。

「あなた達は何者ですか!?」
「我々はアンチ連盟だ。 鏡音リンをこちらによこせ。 そうすれば楽に壊してやろう」

隊長機と思われる、一際目立った機体が防衛システムに答える。
その答えにむざむざ破壊を選ぶ防衛システムではない。
リンとネルにしっかり掴まっているように促し、戦闘体勢を取った。



「リンは狙うなよ・・・・・・スプレットミサイル発射!」
「了解! ミサイル、てー!」
「グレンキャノンもだ!」
「それガンキャノンだろ!」

防衛システムを狙って放たれたミサイルとキャノン砲が爆炎をあげる。
しかし防衛システムは、自身にミサイルが届く前にブラスターで全て撃ち落とす。
幸いリンを考慮したのか、胴体のみを狙って放たれたため、防衛システムにそれほど負担がかかることはなかった。
まともに命中したと思った兵士達の一部が、直後爆発を突き破って出てきたブラスターに巻き込まれる。

「今度はこっちの番ですよ!」

防衛システムはその鋼の肉体で隊長機に飛び込む。
そしてその腕で隊長機ごと周囲の機体をなぎ払った。

「む、無念・・・・・・脱出する!」
「隊長早すぎですよ!」
「仕方ないじゃんMSの操作慣れてないんだから」
「もうあんたリアルファイト専門でいいよ」

隊長機を撃墜した防衛システムの背後に、残った機体が一斉に銃を構え、撃つ。
それを察知した防衛システムは、上空に飛び上がりつつミサイルを放つ。
いくつもの放物線を描いたミサイルは、次々とアンチ連盟の機体を撃ち落していった。

(残った機体は・・・・・・!?)

アンチ連盟が撤退していく中、防衛システムはこの場に高速で飛んでくる機影を発見した。
暗闇の空に映る二対を翼の持ち主は・・・・・・

「あんたって人はぁぁぁぁぁぁぁ!!!」





「前作で活躍したからって今回も活躍しようとする……。
 前作レギュラーはそんなに偉いのかよ!!まるで信者共のお家芸だな!!」
「なんなんですかあなたは!?」

突如現れたMS、デスティニーガンダムを前に、防衛システムは質問する。
しかし、デスティニーガンダムのパイロットはそれに答えることなく防衛システムに殴りかかった。

「お前みたいなやつがいるから、俺は、俺達はぁぁぁぁぁぁ!!!」
「まともに返答はしてくれませんか・・・・・・」

片腕でパンチを受け止めた防衛システムは、やむを得ぬと残った右腕でデスティニーガンダムに殴りかかる。
それを読んだデスティニーガンダムは、即座に斜め上空まで飛び上がって拳をかわした。

「俺は主役になるんだぁぁぁ!!!」
「くっ・・・・・・!」

デスティニーガンダムのパイロットの名はシン・アスカ。
彼は本編で主役を奪われた身だ。
故に主役、ここではカオスロワのメインキャラを恨む。
前作で活躍しただけならまだいい。
だが何故、今の世代の活躍の機会を奪ってまで目立とうとするのか。
どうして噛ませ犬にしてまで今期でも活躍しようとするのか。
シン・アスカはそれが許せなかったのだ。

だが、それは八つ当たりをしているのに過ぎない。
彼が先ほど殺したブロント達前期キャラだって、前期では新参のキャラだった。
そしてその前期にも今期同様にさらに前期のキャラもいたのだ。
その中でブロント達は、彼らに負けない活躍をしてメインキャラに昇格している。

(結局弱肉強食か)

デスティニーのコックピットで目を覚ましたアレルヤはシン・アスカを哀れむ。
結局の所、主役になれるかどうかはそいつの努力次第であり、前作がどうのとか関係無いのだ。
脇役に終わったならそれはそいつがその程度のキャラだったということである。

(さてどうするか・・・・・・)

シン・アスカはデスティニーガンダムの操作に夢中になっている。
今なら彼を気絶させ、このMSを奪えるかも知れない。
しかしデスティニーガンダムの操作系統はまだ自分でも把握しきれていない。
それに戦闘中だ。 下手に動かせばそのまま墜落してしまうだろう。
アレルヤはもう少しコックピットの中で気絶するフリを続けることにした。



「こんなところで俺はぁぁぁぁっ!!!!!」

シン・アスカのSEEDが弾け、デスティニーガンダムのスピードが上がる。
そしてデスティニーガンダムはアロンダイトビームソードを構えて防衛システムに斬りかかる。
防衛システムがブラスターを撃ち続けるが、それらは全てデスティニーガンダムの残像だ。

「危ないですよ!」

間一髪でそれをかわした防衛システムはミサイルを放つ。
しかしデスティニーガンダムはかわす動作も無くそのまま突っ込んできたため、
斬られる前に体当たりで弾き飛ばす。

「んぐ!?」

今度はまともに直撃したため、デスティニーガンダムは大きく弾き飛ばされる。
しかし機体に目立った外傷はない。
これは、デスティニーガンダムに使われているヴァリアブルフェイズシフト装甲という装甲技術が原因だ。
あらゆる実弾兵器の機体ダメージを軽減する装甲のお陰で、先ほどのミサイルのダメージを極端に抑えることができたのである。

「やってくれるじゃないか・・・・・・だけどこのまま戦っていていいのか?」
「なんですって・・・・・・!?」

シン・アスカの言葉の意味に、防衛システムは気づく。
防衛システムは今、亞北ネルと鏡音リンの二人を乗せて戦っているのだ。
幸か不幸か、二人の悲鳴は聞こえてないため、まだ自分の上に乗っているが、
それでも防衛システムは二人のことが心配だった。


「ネル! リン! 大丈夫ですか!?」
「私は・・・・・・平気・・・・・・でもリンが・・・・・・」

リンの返事が無く、ネルの声も覇気が消えてしまっている。
その様子から防衛システムは二人の肉体が衰弱してきていることがわかった。

「おいおいそいつらもうやばいぜ?
 だけど心配するな、俺が守ってやる。
 なーに。 VOCALOIDは前期も出ているけど、ヒロインポジションでいるなら許してやるよ」
「誰が・・・・・・あんたなんかに・・・・・・!」

ネルが反論するが、デスティニーガンダムはフラッシュエッジを構えている。
最早防衛システム達の話を聞く様子はないようだ。
そして防衛システムに向かってフラッシュエッジが投げられた。







『インフィニティ・ショット!』

防衛システムのいた下方の方角から、ビームが飛んできてフラッシュエッジを消し飛ばしたのだ。
そして貫通したビームはデスティニーガンダムの片翼を破壊した。

「なんだってんだよ!?」

シン・アスカは怒声を上げ、ビームの飛んできた下方を見る。
すると、バイクと合体した妙な白髪の男が白いロボットを従えていたのだ。
ロボット、ワイゼルの胸の∞マークは、次のビームを撃つために発光している。

「貴様ら随分苦戦しているようだな」
「プラシド!? 来てくれたのですか!」
「先ほどこちらに飛んでくるロボットを見たので気になったからな。
 今回は特別に手を貸してやろう」

腕を組むプラシドを見て、防衛システムとネルは安堵する。
しかしそんな彼をシン・アスカが放っておくわけがなく、
彼に向かってビームライフルを撃つ。

「甘いな、インフィニティ・ガード・フォーメーション!」

プラシドの号令にあわせて機皇帝ワイゼル∞が分離した。
そして彼の前方を覆うように配置されたワイゼルは、それぞれが電磁波を出し合って
ビームを弾いた。



「さて、まだやるか?」
「・・・・・・糞!」

相手は未知のロボットと、未だ大したダメージを負ってない防衛システム。
対してデスティニーは機動の要である翼を欠損している。
よってシンは逃げるしかなかった。





「リン、落ち着いた?」
「うん・・・・・・」

ガンダムとかを退けた私達(というより防衛システムとプラシド)は、
パーキングエリアで休んでいた。
プラシドさんも今はサイクロン号と分離している。
色々あったせいかリンも泣き止み、話を聞いてくれる程度まで落ち着いた。

「そういえばリン。 あなたの家族は一体どのような人なのですか?」

そして防衛システムは、私達の家族構成について質問する。
ミクは死んでもミク以外のVOCALOIDが残っているのだ。
彼らを是非とも探したいところだが、情報が無くてはどうしようも無い。
最も私は少なくとも外見は知っているから聞かなくても大丈夫だけど。

「まずKAITOお兄ちゃんは青いマフラーを着ていて、とってもアイスが好きで・・・・・・MEIKOお姉ちゃんは・・・・・・」

なるほど。
こちらのKAITO兄さんは普通の好青年か。 チェンジして欲しいなぁ・・・・・・
MEIKO姉さんは特に変わらないと。

「レンお兄ちゃんは男の人が好きで・・・・・・」

は? 愛しのレンきゅんがガチホモ?
どういうことですかリンさん?

「いや、お兄ちゃん昔『ガチホモパンツレスリング』って動画を見ていたんです」
「随分変わったものもあるのだな」

変わったどころじゃないよプラシドさん。
それはもうただのネタだと思いたい。
結局別世界のボカロだけどそれでもレンきゅんがガチホモとか泣ける。

「そしてルカお姉ちゃんはお尻叩きに詳しいんです。 そういえばいつも『叩かれたい』とか
『生きたまま解体されるのってどんな快感だろう』とか言っていたから少し心配」
「ひょっとして変態ですか?」
「変態以外にありえん」

つまりドMってことか?
いくらなんでも変わりすぎだぞ。
内のKAITO兄さんと絡ませたらどうなるんだろう。
それはきっと愉快なことになるかも知れない。

「ハクお姉ちゃんはネガティブで、がくぽお兄ちゃんは武人なの」

あーこっちもあまり変わらないのね。
でもこっちのがくぽ兄さん、あっさりKAITO兄さんに返り討ちにあっていたなぁ・・・・・・

「GUMIお姉ちゃんとLilyお姉ちゃんとそれから(以下略)」

ちょっと待て誰だそれは。
まさか私の知らないボカロがいるのだろうか。
そういえば前のバトロワ前に『もうすぐ新しい家族が入る』とかなんとか聞いたような気がする。
その後、テトとかの情報も聞いて、プラシドと防衛システムもVOCALOIDを知った。



「しかし随分変わった家族だな・・・・・・」
「容姿どころか名字も統一性がありませんね」
「でもちゃんと私の家族なんですよ!」

プラシドと防衛システムの感想にリンが反論する。
そりゃ容姿も名字もバラバラなのだから突っ込みどころ満載だろう。
私の元いた世界ではボカロはロボットということになっていたが、
色々あって人間と変わらない肉体になっているっぽい。 バイオロイドか?

まあそこは養子説や、デジタル生命体説や、ロボットだからマシンだから説とか、
色んな見方があるから各自で脳内保管してほしい。

「さて大分立ち直ったようだな」
「どこいくんですか?」

すると、プラシドさんはいつのまにかサイクロン号と合体していた。
リンが止めようと、彼の元に駆け寄る。

「おい小娘」
「な、なんですか?」

自分が見下ろされているのか、リンは萎縮してしまった。
しかしプラシドさんはそんなリンに構わず言った。

「今ままでは貴様は絶望に流されているだけだ」

それは、家族を失って泣いていた時のリンのこと。

「次にもまた絶望が襲い掛かってくる。 そしてそれに立ち向かえないようでは、
 貴様は破滅の運命を迎えることになる・・・・・・が」

リンは彼の言葉を聞くなり、プラシドさんの目をしっかりと見る。
そんなリンの様子を確認したプラシドさんが言葉を続けた。

「これからの貴様次第では、破滅の運命を修正することができるかもしれない。
 だから誰かに依存するだけでなく、貴様にもできることをよく考えるんだな」
「はい!」

リンが大きな声で答えた。
それを聞いて満足したのか、プラシドさんは駆けていく・・・・・・






はずだった。



「では勝負は私の勝ちですね」
「なんだと?」

突然防衛システムが勝利宣言として、私とリンのみならず、
プラシドさんまで戸惑った。
どういうことだ?

「貴様! それは一体どういうことだ!?」
「私の本業は『防衛』! 守ることにあるのです!
 ですがあなたとの勝負はこれ以外互角・・・・・・つまり勝負を放棄したあなたの負けだということです!」

なんじゃそりゃ。
でもプラシドさんもムキになって答えた。

「そんなの俺は聞いていないぞ!
 よし、勝負だ! 防衛の面でも俺の機皇帝が優れていることを見せてやる!」

こうしてプラシドさんが仲間に入った。
ちゃっかりしてるよシステムさん。


【一日目・2時15分/長野県/天候・雨】

【プラシド@遊戯王5D's】
【状態】健康、サイクロン号と合体中
【装備】サイクロン号、機皇帝ワイゼル∞(スターダスト入り)
【道具】支給品一式
【思考】
基本:不動遊星を倒す。 バトロワそのものにはあまり興味なし。
1:防衛に置いて、防衛システムよりも優れていることを証明する。
2:防衛システム達と行動

【亞北ネル@VOCALOID派生】
【状態】健康、プラシド(と合体しているサイクロン号)に乗っている
【装備】なし
【道具】支給品一式、他不明
【思考】基本:この世界のレンきゅんを助ける
     1:プラシド達と一緒に行動する
※七期からの参戦です。

【防衛システム@SaGa2秘宝伝説GOD】
【状態】ダメージ小、最終形態
【装備】七支刀、鏡の盾、自己修復システム、サイバーダークドラゴン
【道具】支給品一式
【思考】
基本:主催者の完全抹消
1:防衛に置いて、プラシドよりも優れていることを証明する。
2:自分の上司や知り合いがいれば、そちらも防衛
3:プラシド達と行動
※7期より参戦です

【鏡音リン@VOCALOID】
【状態】健康、悲しみ
【装備】不明
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:生き延びる
  1:家族を探す
  2:防衛システム達と行動する
※7期とは別人です。
※KAITOがとても強いと信じ込んでいます。

※4人で東京に向かっています。




「ちっくしょぉぉぉぉぉぉ!!!」

とある基地の一角で、シン・アスカは叫ぶ。
良いところまで防衛システムを追い詰めたのに、邪魔が入ってしまったのだ。

シンは近くの壁を殴り、拳を密着させたまま全身を振るわせた。
このままではまた主役を奪われてしまう。
その焦りが彼を怒らせ再び壁を殴られる。


「荒れてますね」
「あんたは・・・・・・」

シンの肩を叩いた男はムルタ・アズラエルだ。
そう、ここはアンチ連盟の本部なのだ。
先ほど敗走してきたシンは、各地に隠されている旅の扉で基地まで帰ってきたところである。

「デスティニーはいつ直るんだ!?」

基地で修理されている愛機のことを思い出し、シンはアズラエルに詰め寄る。
焦るシンに呆れたのか、彼は苦笑いをして答えた。

「まあ落ち着いてください。
 損傷はそこまで酷くないのですが、完全に直すとなると後何時間かは必要です」
「それじゃあ遅いんだよ! 俺は早く主役を倒すんだ!」
(所詮脇役はこの程度か)

激昂するシンとは正反対に、アズラエルはとても冷静だった。
いや、彼を見下していた。
シン・アスカの言う主役とはなんなのだろうか?
一般的には、作品の中心となっている人物達のことである。
例えば、特撮番組の変身ヒーロー、ロボットアニメのスーパーロボットのパイロット、
恋愛ゲームのもてもて野郎、やる夫スレのやる夫、カオスロワの6/etc・・・・・・があげられる。

(だから君はヒーローになれない)

シン・アスカの望む主役は、対主催であった。
仲間を集めて首輪や制限を解除し、主催との激闘の末に倒すという、
パロロワに置けるメジャーなポジションを目指していたのだ。

「俺が主役になるにはあいつらが邪魔なんだよ!」

しかし今のシンは、むしろ倒される側のポジションだ。
何処に、仲間となってくれる人物を自ら打ち倒す対主催がいるであろうか。
私怨で参加者に八つ当たりをするような人間は、彼の言う対主催にはいないであろう。

(まあ、だから使い物になるのですが)
「早くデスティニーを直せ!」

ため息をついたアズラエルはシンに助言することにした。

「まあまあ落ちついて。
 デスティニーガンダムを直すのはもうしばらく時間がかかります。
 ですから代わりにインパルスガンダムをお使いください」
「そんなんじゃ駄目なんだよ! あいつらを倒すにはさ!」
「別に彼らといきなり戦う必要はないでしょう?
 他にも前期のメインキャラはいます。 彼らを片付ける方が先なのでは?」

アズラエルの説得を聞いたシンは、
何も答えることなく基地の格納庫へ向かう。
ようやく納まってくれたようだと、ほっとしたアズラエルは再び自分のディスクに戻った。


(まあ精々頑張ってください。
 青き清浄なるカオスロワの為に)


【一日目・2時10分/???/天候・雨】

【ムルタ・アズラエル@機動戦士ガンダムSEED】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】不明
【思考】
1.前作キャラ、オリキャラを粛正する。
2.シン・アスカを利用する
〔備考〕
※アンチ連盟の盟主ですがトップではありません。
※何故か氷のフォルスが使えます。

※アンチ連盟の格納庫にデスティニーガンダムがあります(3:30~6:00には直るかと思われます)

(さて無事に基地に侵入できたが、動けない)

「何してんだあんた?」

デスティニーのコックピットから追い出されたアレルヤは動けなかった。
とりあえずシンはこいつを連れていくことにするかどうか迷った。

【シン・アスカ@機動戦士ガンダムSEED DESTINY】
【状態】健康
【装備】インパルスガンダム
【道具】支給品
【思考】
基本:自分が主人公になって主催を倒す
0:こいつどうしようか
1:前期主要参加者を優先的に殺す
2:他にも主人公候補を見つけたら殺す
3:後でデスティニーガンダムを取りに戻る
4:バイクと合体しているやつ(プラシド)と防衛システムは絶対殺す・・・・・・が今は保留
※アンチ連盟の仲間です

【アレルヤ・パプティズム@機動戦士ガンダムOO】
【状態】健康、縛られている
【装備】なし
【道具】支給品
【思考】
0:どうしよう
1:台詞がほしい
最終更新:2011年02月02日 00:53