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「くそっ……」

とある家の一室で、KAITOは忌々しげに舌打ちをする。
彼が眺めるのは、窓の外。だが見ているのは雪ではない。

「ヒャッハー!女はみんな俺様のもんだー!」
「ワンワンワン!」
「よいではないか、よいではないか!」

窓の外、つまりは公道にあふれかえる無数のモブの変態達である。
脱衣の制限以後、加速的にその数を増した変態達。
ロワの恐怖で頭がいかれたか、欲望を解放してしまったか、死期を悟って快楽に溺れたか……
どんな理由があるにしろ、変態が公道を(ほぼ全裸で)爆走している事実は変わらない。
そしてこのモブ変態、当然だが『いい男』を探している奴らもいる。
KAITOももれなく被害にあい、危うくやられるところだったりする。
だが真に危なかったのは連れのLilyの方だ。
なにせもともとけしからん格好だった彼女は脱衣できる服は限られている。
当然のごとく、下着オンリーになってしまったのだが、ここでまさかの出来事が。

(Lily……何故ノーブラだったんだ……)

頭を抱える兄は比較的服を着込んでいたため、上半身裸にマフラーで済んだ。
だが哀れ、妹は現在下の下着のみである。
そんな姿で今の公道を歩けばどうなるか。
当然、変態に追われる。追われ続ける。
服を再び着れるようになるか、変態が減らない限り、KAITO達は籠城せざるを得ない。

「兄さん……まだ駄目そう……?」
「ああ……むしろ悪化してる気さえするよ……」

家にあった毛布に包まりつつ、LilyがKAITOに小さな声で外の様子を尋ねる。
だが、状況は一向によくならない。
思えば彼らもなかなか災難続きである。
この前に入った家では自殺体まで見てしまったわけだし。


「くそっ……」

再び舌打ち。
KAITOの精神もかなり消耗が激しい。
これまでの道のり、生き残っている家族の安否、八方塞がりな現状。
一応、食事に関しては他人の家のものであっても食べていいらしいから籠城は可能。
とはいえ、変態風景を延々と眺め続けなくてはならないのは酷だ。
だが、外の様子を知らなければ、危険極まりない。見ざるをえない。
たとえその光景が、青少年の理性をガリガリ削るようなものであってもだ。

「兄さん、やっぱり見張り代わろうか……?」
「……いや、大丈夫だ」

Lilyの姿を見ないよう、声だけで制する。とても外を彼女に見せられるわけがない。
それに窓付近は冷えもする。ここは自分が頑張るしかないと、KAITOはその精神を保ち続ける。
窓の外では、とうとう動物の交わりまで始まる始末だ。

(なんなんだよ、この状況は……!
こんなところにLilyを出すわけにはいかないし、ハクだって……ああくそっ!)
頭を掻き毟り、KAITOはミクトランの声を思い出す。
東京がなくなり、さらに家族が減り、変態に追われ……
とにかく慌ただしい状況の中、兄はただ家族の無事だけを祈り続ける。

【一日目・18時30分/埼玉県・民家/天候・雪】

【KAITO@VOCALOID】
【状態】疲労(極大)上半身マフラーのみ
【装備】ヴォーパルソード@テイルズオブシンフォニア
【道具】支給品一式
【思考】
1.変態が減るor変態を蹴散らす方法が見つかるまでは籠城
2.早く家族を探したい
3.ミクトランは許さない
※七期とは別人です。

【Lily@VOCALOID】
【状態】疲労(大)下着のみ
【装備】穴抜けの紐@ポケットモンスター
【道具】支給品一式
【思考】
1.KAITOとしばらく籠城
2.外の様子が気になる
最終更新:2011年04月03日 00:22