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野球というスポーツはエンターテイメントだ。
行われている試合内容だけでなく、それを見て野次を飛ばしたり歓声を上げる観客、
応援団のトランペットの甲高い音などが合わさって生まれる「熱気」も含めて「野球」なのだ。

「だから……いまわたしたちに出来るのは、応援することですっ!」
「ええ! 旗は私が降りますので、みなさんは踊りを!」
「うはwwwチアコスで踊ってみたってやつだなwwwww」

千本桜ミクが勝利の二文字を掲げた旗を振る。
そのリズムに合わせ、どこから持ってきたのかチアガールコスをした吉川ちなつがボンボンを高く挙げた。
さらにその後ろには同じくチアコスをしたニコ厨などの姿もある。
からくりドーム。
ハラサン率いる大正義巨人軍vsイチロー率いる素人野球チームのプレイボールは迫っていた。
イチロー側にいた24人のうち、3人は殺され、ポッチャマは人質となった。
残る20人(DAIGOの腕輪の中のウルトラマンゼロを除いたら19人)からイチローは熟慮の末スタメンを選んだ。

イチローチーム スターティングメンバー◇

1番 ショート      長友佑○
2番 ライト       ロイ@FE
3番 セカンド      DAIGO
4番 ピッチャー    イチロー
5番 サード       北島〇介
6番 レフト        美堂蛮
7番 ファースト      佐治
8番 センター       TDN
9番 キャッチャー   伊吹萃香

残りのメンバーはチアコスで応援団へと回った。
千本桜ミクを筆頭に、ちなつ、霊夢。
伊藤誠、平田真、万玖波海、ニコ厨。そしてダイゴ(チャンピオン)。

そして勇次郎。

「勇次郎のチアコスやばいな……」
「なんで素直にチアコスなんてして仁王立ちしてんのあの人」
「さっきから微動だにしてないし」「ちょっと怖いわね……」

チアコスするにしては男女比というか、明らかにチアコスしてはいけない生物が混じっていたものの、
ともかく応援団は客席右側、イチローサイドのベンチの上に陣取って試合を盛り上げる。
BGMが何なのかは各読者の脳内で違うだろうから言及しない方向で行く。

「――さて、ようやくスタメンが決まったようだね。それじゃあプレイボールといこうか」

対し、左側の相手サイド。
パチパチと拍手をし、大正義軍ユニフォームに着替えた雀ヶ森レンが開始の音頭をとった。
ベンチから出てくるのは闇オーラを纏った強者たちだ。


◇大正義巨人軍 スターティングメンバー◇

1番 サード      ナッパ様
2番 センター     武田観柳
3番 ファースト    雀ヶ森レン
4番 ピッチャー  ◆6/WWxs901s
5番 セカンド      闇DAIGO
6番 キャッチャー   ラミレス
7番 ショート      ハレクラニ
8番 ライト       中邑真輔
9番 レフト       真壁刀義


ベンチには監督のハラサン、そしてDCSでムキムキになった松本人志。
松本には人質であるポッチャマが抱えられている。イチローたちはポッチャマを救うため、
大正義巨人軍と野球勝負をし、相手を負かさなければならない。

「みんな、済まない。もっと僕に力があれば、穏便に済ませられたかもしれないが」

イチローは自らが選んだスタメンたちに、運命を背負わせたメンバーに、ただ頭を下げた。
もとはと言えばからくりドームに行こうと言ったのはイチロー。
この状況を作ってしまったのもイチローだと考えれば優しい彼がメンバーに謝るのは必然だ。

「別に気にしてませんよ、イチローさん」
「要は勝てばいいんだろ勝てば」
「そ。売られたケンカは買うだけさ。大丈夫、この萃香様があんたのタマ、受け止めたげるよ」

しかし頭を下げるイチローにメンバーはからっとした声をかけた。
イチローサイドにいるメンバーは多少の意識の違いこそあれ、基本的には殺し合い反対派。
いいやつの集まりだといっても過言ではない。
巻き込まれた形となるこの状況で、わざわざ仲間内で誰かを攻めるようなことをする奴はいないのだ。

「……ありがとう。それじゃあ、やれるだけやってみよう!」
「「「「「「「「おう!!!!」」」」」」」

そしてイチローたちはグラウンドへと出ていく。
からくりドームの白い照明がそんな彼らの姿を鮮やかに照らし出した。


大正義巨人軍

         vs

              イチローチーム


――――プレイボール!


【1回表 イチローチームの攻撃】


O『澄み渡る青空! は見えませんが、白熱した熱気が入道雲でも生み出しそうな勢いを見せています!
  東京・からくりドーム! 数々の激戦が行われてきたこの地にまた新たな歴史が刻まれようとしています
  実況は担当者がいないということでわたくし太田光が! 解説には偶然ドームの中にいた二人をお招きしました』
K『どうも、解説のKAT-TUN カメナシです』
H『解説の野球応援系アイドル、姫川です! ……というか、えっと、
  なんで今回いきなり野球なんかやってるんだっけ? いまロワじゃなかったっけ日本』
O『俺もよくわかんないんだけどね。
  ともかく、監督のハラサンは大正義巨人軍を優勝させたいと。
  そのほかにも年棒契約とか、目立ちたいとか、そんな理由で野球やりたい奴がそろってるみたいよ』
K『えーっと、試合形式は描写の都合上、2回裏までで終わる短縮ルールだそうです。
  先攻はイチローチーム。アウトカウントは普通に3OUT。全員に打順が回らないかもしれませんね』
H『っと、始まるみたい?』

実況席からマウンドへ視点を移すと、バッターボックスにはイチローチームの最初の打者、
インテル長友がしっかりとバットを構えて立っているところだった。

K『1番に長友さんか……俊足を生かした初手バントかな?』
H『とにかく塁に出て、大正義イチローに回さないとだもんね。
  何回アウト取られずにイチローに回せるかで勝敗が決まるといっても過言ではないと思うよ』
O『初心者でも運動神経良ければバントは出来るかもしれねえしなあ。考えたな』
K『でも……そう上手くいきますかね……』

実況席のカメナシが不安をあおる発言をする。
なにしろ、相手ピッチャーの6/からは鬼気迫るオーラが出ている。
いったいどんな練習を受けたのかはしらないが、プロの野球選手でもたじたじな気迫だ。

「だけど、僕だってスポーツマンのはしくれ。一般人の君から、バントもできないようではな」
「そういう妄言は俺の“球”を打ってから言うんだな」

怖気づかない長友に対し、挑発する様にピッチングフォームをとる6/。
振りかぶって――投げる!

「!!」

K『あれは!?』

その球は――――――――野球ボールではなかった!


            \ │ /
            / ̄\
   ゴゴゴ    ─( || )─  ゴゴゴ
            \_/
           / │ \


O『あれは……トゲのついた黒球! カービィに出てくる触れると死ぬ存在!』
H『ゴルドーじゃん!』


「ぐっ!!」
「――無駄だ! ゴルドーに触れるということが、どういうことか分かってないのか?」

どうにかバットをゴルドーに重ね合わせた長友だが、そのバットが音を立てて破壊される!
そしてゴルドーはキャッチャー・ラミレスのミットの中へと収まっていった。


「そんなボールありなのか!」
「ありだ。さあ、テンプレなリアクションをとっている暇があるならば、自分の身の心配をするんだな」

長友は振るバットを失い、次の球も見送るしかない!
しかし……6/の手から放たれた次の弾は、呆然としていた長友をさらに唖然とさせた。

H『あっ!』

それは今までの投球よりも速い!
しかし明らかなボール球、いや……これは!?

「カオスロワの野球が普通の野球だと思ったら大間違いだ。これは野球という名の、殺し合いなんだよ!」

ニヒルに笑いながら6/は宣言する。
ベンチのハラサンも満足そうに頷く。
――6/の放った内角大幅オーバーの明らかなデッドボールが、長友の腹部をえぐっていた。
応援団は言葉を失いBGMも止まる。イチローチームのメンバーも顔を青ざめさせる。

「が」

長友がバッターボックスに倒れこみ……そして息を引き取った。
ハラサンが拍手を送った。大正義巨人軍のチームメイトもみな6/に賞賛のことばをかけている。
どうやら。
相手チームは今のこれを、「野球だ」と言い張るつもりのようだ!
からくりドームに流れていた野球独特の土臭い空気が、どんどん血の匂いへと変わる!
それは野球の名を借りた殺戮ゲームの幕開けであった。


【長友祐○@現実 死亡】


K『……大変なことになりましたね。一気に雰囲気が変わりましたよ』
H『あたしもいろんな試合見てきたし、芸能界だと変則ルールの野球もやったりするけどさ。
  さすがにこれは……止められないの太田さん!?』
O『多分止めようとしたら俺らのほうにあの“球”が飛んでくるぜ……奴ら本気だ。
  それに人質もとられてるし、どうすりゃいいんだか……お!?』

長友の遺体はラミレスに担がれてイチロー側のベンチへと運ばれていった。
ベンチは当然のようにざわついている。だが一度受けた以上、試合を放棄することは許されない。
血まみれのバッターボックスには二番目の打者、FEのロイが進み出るしかないのだ。
しかし……実況席は見ていた。深刻な顔をしたイチローが、バッターボックスへと向かうロイになにやら耳打ちをしている。

O『どうやらイチローチーム、なにか策があるようです』

しばらくして勇ましい目をしたロイがしっかりとした足どりでベンチから出てくる。
彼の瞳には動揺も焦燥もないように見える。人が死んだのにどういうことなのか?

「何か策があると見たが――」
「悪いけど、その球打たせてもらうぞ」

策など無駄だぞ、と続けようとした6/の言葉を遮りながら、
ロイはバットを取りだ……いや。それは、バットではなかった。


「僕はこれを使う。ボールが球状ならなんでもいいんなら、バットも棒状なら何使ったって構わないよな?」
「!!」

ロイは――火を纏った剣を6/に向けて突き出すように構えた。
これは彼の愛用の剣、マスターソードである!

O『おおーっとぉ! ここでロイ選手が扱いなれた剣を取り出しました!』
K『なるほど。ルール無用なのを逆手にとって、自分の土俵に持ち込めば』
H『まだ勝機はあるかもしれないわけだねっ! でも、問題はここからだよ……』

「ふん、剣だろうとバットだろうと関係ない。
 俺のゴルドーボールはラミレスのミットとの間に移動プログラムを組んである。
 その進行線上のものはすべて破壊する! それがこのボールだ。俺のボールは無敵だ!」
「投げてみれば分かるさ」
「……減らず口だ!」

実際6/の言うとおりであった。
バットが剣に変わったところで、無敵の球に触れることはできないのは変わらないはずだ。
6/はこの球で度胆を抜くためにかなりの修業を重ねた。
一歩間違えれば自分がダメージを負いかねないゴルドーボールを、カオスロワで得た知識と忍耐力で身に着けるのに、
かかった時間は3時間。そうやすやすとブレイクされてはたまらない!
ピッチャー6/は不敵に投げる!
トゲの付いた黒い悪魔がおおよそ130km/hのスピードでロイを襲う――!

「よし。煽れば最初からデッドボール狙いで来る。イチローさんの言った通りだったな」

対してロイは構えを変えた!
身を屈め、剣を防御姿勢で構えて、集中したまま……一瞬を待つ体勢!
これはスマブラでFEキャラが使える専売特許とでもいうべき技! 無敵に対する無敵返し!
特に彼の場合は――タイミングがむずかしい代わりに、炎を纏いしその威力は1.5倍!

「うぉおおおおおおおおお!!!」
「――――!!」

O『か、カウンター、決まったァ!』

カウンターである! 200km/hオーバーとなったゴルドーが一直線に6/へと帰っていく!
速度が二倍されれば衝撃は二乗! つまり速度を1.5倍返しすれば衝撃はだいたい二倍!

「な……何だと!!?」
「何がなんだかわかんねえけど……目の前で一瞬でも仲間だったやつ殺されて、
 黙ってる僕じゃないんだ! あんたには文字通り、倍返しで受けてもらうぞ!」

圧倒的殺人的ピッチャー返しが6/を襲う――――――がしかし!

「……残念ですがあなたのその攻撃は、僕のPSIクオリアに映っていましたよ」

ぽす。と。
ファースト雀ヶ森レンがすっと伸ばしたグラブへと、その打球は吸い込まれていった。
雀ヶ森レン。彼の持つ特殊能力、
PSIクオリアにはデッキのカードから勝利の方程式を導き出す能力がある。
それは予知にも等しい絶対の力だ。
ゆえに野球でもバッターの動き、ピッチャーの投げた球から、ゲーム展開を予測することは容易い。

「バッターアウト。次のバッターに交代しなさい、ロイさん。
 そして……そうですね……こちらもピッチャーを交代します、6/氏」
「!? 何言ってるんだレン! 俺はまだ投げれる!」
「ダメですよ。貴方のその球は目立ちたがりの一発芸のようなもの。いずれ対策されます。
 予想より早かったですが一度下げて様子を見ましょう。まだあなたには本命の“クルミ”もあるでしょう?」
「……ちっ。わかったよ。カオスロワ流儀を教えることはできたしな」


K『第二打席もアウト。ロイ選手、悔しそうな表情でベンチへともどっていきます』
H『おっと、ここでピッチャー交代みたい! 6/氏に代わって……闇DAIGOだって!』
O『ということは――』

「さて、オレの出番か。さくっと捻って、お前らの勝利可能性をゼロにしてやろう」
「希望はある! それが俺だ! お前らなんかには……負けやしない!」

第三打席。アウトカウントは2。ここで塁にでないと、イチローに回らないという状況。
バッターボックスに一人の男が進み出る。
マウンドにはその男を凶悪にしたような男が進み出てくる。
似て非なるその二者は――ゲームが再開されるや否や、腰のホルダーからカードを取り出し高らかに宣言した。

「「スタンドアップ! THE! ヴァンガード!」」

一枚カードを相手に突き出す。
どこからともなく風が吹き、カードから異形のヴァンガードユニットが現れる。
かたや“火の球”を今にも吐きそうな翼竜!
かたや“魔法剣”を携えた勇敢なる騎士!


O『DAIGO VS 闇DAIGO。……第三打席は野球の名を借りたヴァンガード対決だ!』


【一日目・9時20分/東京・からくりドーム】


≪大正義巨人軍≫

【◆6/WWxs901s氏@カオスロワ書き手】――目的:目立つ
【ラミレス@横浜DeNAベイスターズ】――目的:ハラサン…
【ハレクラニ@ボボボーボ・ボーボボ】――目的:契約金
【武田観柳@るろうに剣心】――目的:契約金
【闇DAIGO@現実?】――目的:DAIGOの抹殺
【雀ヶ森レン@カードファイト!! ヴァンガード】――目的:勝利
【中邑真輔@現実?】【真壁刀義@現実?】――目的:闇DAIGOのお付き
【ナッパ様@ドラゴンボールZ】――なんで俺ここに?

≪巨人軍ベンチ≫

【ハラサン@大正義巨人軍】――目的:大正義巨人軍を優勝させる。
【松本人志@現実】――目的:浜田を生き返らせる。ハラサンに協力。DCS状態
【ポッチャマ@ポケットモンスター】――目的:野獣先輩捜索組。とらわれの身

≪イチローチーム≫

【イチロー@現実?】――目的:川崎宗則を倒すため仲間を集める
【DAIGO@現実?】&【ウルトラマンゼロ@ウルトラマンサーガ】――目的:殺し合いを止める
【美堂蛮@GetBackers-奪還屋-】――目的:とくになし。野球しようぜ組
【佐治雪哉@LIGHT WING】――目的:とくになし。野球しようぜ組
【TDN@真夏の夜の淫夢】――目的:免許を返してもらう。野球しようぜ組
【伊吹萃香@しゅわスパ大作戦】――目的:野獣先輩捜索組
【北島○介@現実】――目的:野獣先輩捜索組
【ロイ@FE封印の剣】――目的:レンにモテるコツを聞く


≪イチローチーム応援団≫※チアコスしてます

【平田真@LIGHT WING】――目的:とくになし。野球しようぜ組
【万玖波海@LIGHT WING】――目的:冒険者。野球しようぜ組
【吉川ちなつ@ゆるゆり】――目的:野獣先輩捜索組。応援団エース
【博麗霊夢@クッキー☆】――目的:野獣先輩捜索組。声がヘン
【千本桜ミク@VOCALOID】――目的:野獣先輩捜索組。応援団長
【ニコ厨@現実】――目的:野獣先輩捜索組。草生やすなkasu
【伊藤誠@School Days】――目的:女性との仲をうまく取り持つ方法をレンに聞く
【ダイゴ@ポケットモンスター】――目的:きれいな石をあつめる
範馬勇次郎@範馬刃牙】――目的:禁欲など無意味だとレンに教える。仁王立ち

≪実況席≫

【太田光@現実?】――目的:なんとなく実況ポジにおさまっておく
【カメナシくん@現実?】――目的:野球のコメンテーター役
【姫川友紀@シンデレラガールズ】――目的:野球のコメンテーター役


――【現在スコア 巨0-0イ】――


◇◆◇◆


一方、からくりドームの外では。

「――やばいお! スマホのTV中継! もう試合始まっちゃったお!」
「誠くん……チアコスなんてさせられて……必ず助けに行きますからね!」

やる夫宅から飛び出すようにして伊藤誠を助けに来た桂言葉と、
自暴自棄におなごをレ○プすることにしたがビビりなやる夫がようやくドーム前についたところだった。
二時間もかかる距離ではなかったのだが、やる夫が運動不足でスピードが出なかったのだ。
なのに文句も言わずむしろ途中休憩を設けるなどいたわってくれた言葉にやる夫は感謝を禁じ得なかった。

(でも道程はともあれ童貞は捨てたいお! いくら優しくしてくれてもやる夫の意思は変わらないお)

このやる夫、クズの極みである。
……と、二人が急ぎからくりドーム入口に入ろうとした時であった。

「ま、待つんや!」
「おっ!?」

やる夫の背中に突然おっぱいの感触!
背中から女の子に抱きつかれたのだ。なすすべもなくやる夫は射精した。

「おっ……(どぷっ)おお……ぱーい」
「や、やる夫さん、どうしたんですか!?(やる夫のモノは小さすぎるため言葉には見えないのだ!)」
「な……なんでもないお……というか何なんだお、君!!」

無様な姿を晒したやる夫は怒り気味に抱きついてきた女の子を振り払う。
地面にしりもちをつく関西弁の少女は悲鳴を上げる。

「ゃあっ。……ち、違うんや! あんたら、聖域が見えてへんのか!?」


しかしすぐに気を取り直すと、ドームの上のほうを指差してそちらを見るよう促した。
彼女の名前はユー子。
野獣捜索隊Aチャンネル組の唯一の生き残りである。
ユー子のことばにハテナを浮かべながらも、やる夫と言葉はドームの上を見る。
すると――ドームの上には、
野球のユニフォームを着た男がギラギラとサムライのような目を輝かせてドームの上に立っていた!

「あれは! だ、誰なんだお!?」
「聖域や。あの野球選手がドームに聖域を張ってるおかげで、うちらはドームの中に入れないんや。
 今、わくわくさんとゴロリがからくりドームの上まで登れるハシゴを折り紙でつくってあそぼしてくれとる。
 ドームの中に入りたいなら、もう少し待つんや。
 あの男――巨人小笠原を殺さん限り、あたしたちはドームの中には入れない」
「そんな……」

視界の隅では確かに、わくわくさんとゴロリのこうさく教室が始まっている。
しかし子供番組なので(しかも拡大版30分枠だ!)なかなかこうさくが始まらない。
このままではハシゴはなかなか作られず、さらに時間が経ってしまう。

「誠くん……っ」
(ま、まずいお! 言葉ちゃんがうるうる目になってる!)

想い人が近くに居ながら会えない悲しさに、言葉は目に涙をためて悲愴な顔になる。
やる夫は狼狽した。そして少し、迷うこととなった。
……というのも、やる夫にはこの状況を打破するだけの支給品があったのだ。
睡眠薬と、AK47。
やる夫に支給された睡眠薬はカプセル状や粉状のほか、弾薬状のものもあった。
この睡眠薬をAK47に混めて小笠原を撃つ。
するといくらサムライといえど眠るだろう。
さすがに試合中に眠るようなプレイヤーは「退場」だ、
ドームに貼られた結界もとい聖域は消え、やる夫と言葉はドームの中に入れるはずだ。

(でも。ここで睡眠薬をもっていることがバレたら――言葉ちゃんをレ○プできないお!)

もちろんさすがにそれだけが理由ではない。
現在ドームのなかでは殺戮野球が行われていることを、やる夫はスマホのTV中継で知っている。
つまりこのままドームの中に入るということは、死地に向かうのと同義なのだ。

できれば試合が終わるまでドームの外で待っていたい。
しかしそうすれば誠くんとやらはどんどん危険になっていき言葉ちゃんは泣いてしまう!
やる夫の頭の中で二つの選択がぐるぐると回ることになった……。

「というかなんなんだお……? 巨人小笠原って、さっきの放送で3回くらい呼ばれなかったかお!?」

はたしてこの先いったいどうなってしまうのか。後半へ、つづく。


(ナレーション:キートン山田)


【一日目・9時20分/日本・からくりドーム前】

【ユー子@Aチャンネル】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:野獣死ね!
 1:中にいる人たちを助けないと……!

【ワクワクさん@つくってあそぼ】
【状態】健康
【装備】工作道具もろもろ
【道具】支給品一式
【思考】
基本:とにかく工作したい
 1:折り紙でハシゴを工作しよう!
 2:みんないままでありがとうね!

【ゴロリ@つくってあそぼ】
【状態】仮面ライダーG
【装備】工作道具もろもろ
【道具】支給品一式
【思考】
基本:見敵、必殺
 1:さあ――工作の時間だ

【やる夫@2ch】
【状態】健康、豆腐メンタル、開き直り
【装備】AK-47
【道具】支給品一式、お茶、睡眠薬
【思考】
基本:死ぬ前におにゃのこをレ○プして童貞を捨て去る
1:言葉のために巨人小笠原を睡眠弾で撃つ……?
2:途中で隙を見つけて言葉をレ○プしたい
※ このやる夫は豆腐メンタルです。SAN値の行方は皆次第です。

【桂言葉@School Days】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:誠くんが心配なので探したい
1:何故か誠君が東京ドームにいたので向かう
2:誠くんが心配。西園寺さんも。
※ 誠と交際し始めた頃からの参戦です。しかし逆ベクトルで言葉様が降臨する可能性があります。

【ナレーション(キートン山田)@ちびまる子ちゃん】
【状態】健康、天の声
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:10期テラカオスロワのナレーション
1:このような仕事、誠に遺憾である。
2:それにしてもこの男、すごく白饅頭である。
3:そして屑である。





――風が吹いている。
風が吹いている。
もう何度もスレが立った。もう何度も違う方法で殺された。
だがよみがえる。何度も。
そうだ。
俺は地獄へなど行けない。もうできなくなっていたのだ。
風が吹いている。

誰も俺を、本当には殺せない。


【一日目・9時20分/日本・からくりドームの上】


【巨人小笠原@現実?】
【状態】野比玉子症候群、聖域化
【装備】サムライのバット
【道具】なし
【思考】
基本:……。
※聖域と化しています。
※野比玉子症候群にかかりました。普通に殺してもすぐ復活してしまいます。
最終更新:2013年07月27日 04:15