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軽く一万人を超すDMC狂信者に占拠された東京ビッグサイト。
その内部はいつの間にやら怪しい装置がいくつも組み込まれ、連結している。
これらの装置はビッグサイトが占拠されてから数時間の間に狂信者たちが手を加えたものだと伺える。
都庁が世界樹と化して自然のダンジョンになりつつあるのに対局するかの如く、ビッグサイトはさながら機械のダンジョンと化していた。
そしてビッグサイトの中央の空間には、装置の中枢であると思われる設備と狂信者たちをまとめる『上層部』という者たちがいた。
ちなみにその部屋のBGMにはもちろんデトロイト・メタル・シティが用いられている。


「このような装置で本当にクラウザーさんが蘇るのか?」

装置に向けて、そう疑問気に言ったのはセルベリア・ブレスという女傑だった。
黒い軍服に白銀の髪と血のように赤い瞳、スタイルは抜群の上にそのバストは豊満であった。
彼女は東ヨーロッパ帝国という国の軍人でヴァルキュリアという存在であり、ラグナイトという力を用いて単身で大部隊と渡り合える戦闘力から敵対国にとっては驚異の存在となっていた。
しかし、大災害によって所属していた国家が消滅してしまい、流れ着いた日本で心の拠り所となっていたのはクラウザーの歌であった。

「私はオカルト的な物はあまり信用できないんだがな」

セルベリアの問いに便乗したのはドリスコルという男である。
緑の軍服を着た金髪の美人ではあったが、氷のような冷酷な雰囲気を醸し出していた。
彼はザーフトラという国家の軍人であり、ハフマン島という島でとある任務を受けていたが大災害でハフマン島そしてザーフトラが沈んでしまったため、愛機のヴァンツァー(ロボット兵器)であるレイヴンと共に日本へ避難することに。
目的のためなら手段を選ばぬ卑劣漢ではあるが同時に愛国者でもあったが忠誠を尽くしていた国家を失い、途方に暮れていた彼はクラウザーの歌によって新たな生きる意味を見つけたのだった。

「フンッ、できないのなら俺が首をへし折るまでだ」

そのように吐き捨てたのは格闘家・三島一八であった。
幾多もの戦いを乗り越えた証である傷跡の数々を刻まれた筋骨隆々の身体を持つ元日本人(国籍は捨てた)。
かつては三島財閥の冷血御曹司もしくは冷血当主と言われ、現在は財閥からは追い出された代わりに遺伝子工学で名を馳せたG社を操る立場となっている。
今は人間の形をとっているが、デビル因子という力によって悪魔の如き姿と力を行使できる恐るべき男である。
そんな彼は鉄拳トーナメントという格闘大会では試合前に必ずDMCを聞くほどのクラウザーの大ファンであった。

「不安を持つのは仕方ないと思うけど、僕の作ったマシンは完璧だよ。
……あとは、この中で一番強いかもしれないカミサマが裏切らないことを祈るばかりだね」

狭間偉出夫という少年は仲間たちにそう言った。
彼は黒いウェーブの髪を持つ白い学ランを着た怪しい雰囲気の少年だ。
この中でも得に若いがIQ256を持ち、悪魔召喚を可能にするアームターミナル型COMPを独力で開発できる天才的頭脳の持ち主だ。
しかし、恵まれた頭脳に反して学校では孤立し、他生徒からのイジメも受けていた上に愛のない家庭で生活をしていた。
そんな彼の生き甲斐はDMCだけであり、クラウザーの歌がなければ大災害より先に学園を生徒ごと魔界に封じ込めるようなテロを引き起こしてただろう。

「セルベリア、ドリスコル、三島、狭間。私のクラウザーさんへの敬愛と畏怖は本物だ、そこだけは信じて欲しい」

そして中央の玉座にいるディーという男は仲間の疑問に答えた。
一見すると髪や衣装や生えている翼まで白づくめの、まるで天使でも意識したような出で立ちの青年だったが、その正体は大いなる神とうたわれるもの『ウィツァルネミテア』……の片割れ、分身である。
彼は闘争こそが進化の本道であるとし、人間の感覚を超越した愛を持って戦乱を引き起こして人間をより高い存在へと導こうとする存在である。
そして種を進化させて自分と同等かそれ以上の高次的な存在を作り出すことによって「無限の孤独から解放される」己の願いを叶えるために、元の世界では歴史の裏舞台から様々な闘争を引き起こしていた。
だが、何かの力が働いたのか、大災害後の世界に彼は転送され、そこで彼はDMCそしてクラウザーに出会ったことによって状況は一変する。
彼の歌は既に高次的なものになっており、すなわち神をも魅了するレベルにまで至っていた。
よって、ウィツァルネミテアの目的である孤独からの解放は果たされたも同然であり、もはや闘争を生み出す意味もなくなったのだ……クラウザーが生きている内までは。

今はもう一度、自分を孤独から解放したあの歌を聴きたいがために、殺し合いには不干渉を貫くつもりだった彼は再度血染めの世界に身を投じることになる。
ついでに神の片割れである空蝉の方はとっくの昔に死んでいるが、今の彼にとってそんなものよりクラウザー復活の方が大事であった。

彼らこそDMC狂信者を総括する上層部である。
いかに人数が多くとも指導する者なくして組織は成り立たない。
力だけではなく知力や指揮力に冷酷さ、そしてクラウザーへの多大なる忠誠を持っている彼らは、信者たちを統率する権利を持つ上層部として信者たちから認められた者である。
彼らがいなければ、DMC狂信者たちは祐一郎や都庁軍に並ぶ驚異にはならなかっただろう。



ここで彼らの考えるクラウザーさん復活計画を教えよう。
この世界では大災害以降、死者を蘇生する手段がほとんど使えなくなっている(byフォズ大神官)。
瀕死までなら魔法やアイテムでどうとでもなるようだが、完全なる死からの蘇生は難しくなっている。
どういうわけか黄泉から魂が戻らないのだ。
その気になれば一国をまるごと滅ぼせる力を持ち、人間の体細胞を変化させてスライムに変えてしまうこともできる万能の神であり、その気になれば人間の蘇生もできる筈だったディーもといウィツァルネミテアですら、それは例外ではなかった。
いちおうサイボーグ化することで蘇生した人物もいるらしいが、クラウザーは遺体の損傷が激しすぎたために機械化による蘇生は不可能であった。
では、どうやって復活させるというのか?

神であるディーと、神話や霊的なものの知識が深い狭間は互いに知恵を出し合い、考えた。
その結果、一つの案にまとまった――『黄泉から魂を呼び戻せないなら、こちらから黄泉に出向いてクラウザーさんの魂を取り戻す』と。

これだけでは荒唐無稽な話にしか聞こえないので詳しく説明しよう。
死後の世界には、天国地獄といった冥府の前に中継地点である『霊界』が存在する。
霊界については読み手の方々には『死者スレ』と言い変えた方がわかりやすいかもしれない。
クラウザーも地獄に帰る前には必ず死者スレにいるだろうと想像がつく。
その死者スレにいくための装置を狭間はその頭脳をフルに使い、ディーからの入れ知恵や法術、他の三人からは資金、資材、人材を提供してもらい、完成させたのであった。

装置の名は『黄泉レ○プシステム』、彼らの目の前にある装置がそれである。
この装置が起動すれば現世と死者スレとを結ぶゲートが開き、その門を潜れば死者スレへと行けるのだ。
術がダメなら、死後の世界そのものを犯した方が早いと見た結論である。
狂信者の誰かが死者スレへと向かい、そこでクラウザーの魂を見つけ、またゲートから現世へと戻らせる。
クラウザーの肉体は大阪のライブハウスで滅茶苦茶になったが、一八がG社に楽屋から彼の体毛を発見回収させ、体毛から再生したクローンの肉体を用意させている。
クローンだけでは彼の美しく狂っている歌声や人格は再現できず、魂だけではまた死者スレに帰ってしまう。
だが肉体を完全にコピーしたクローンに、彼自身の魂が宿るとどうなるか?
二つが合わされば、ヨハネ・クラウザー二世は現世へと完全復活を果たし、狂信者たちの悲願は果たされる……それこそが計画であった。

しかし、この死者スレとの境界を無くす黄泉レ○プシステムを起動するには莫大なエネルギーが必要であった。
発電所から大量の電力を回してしまうと、そこを辿って他の参加者や主催の手勢に妨害される恐れがある。
かといってディーやセルベリアのような超能力を持つDMC狂信者全員がエネルギーを結集させても起動にはまだまだ足りないことが狭間の計算でわかった。
計画は暗礁に乗り上げるか……否、狭間は自分の知りうる中で使えそうなエネルギーを思い出し、それを装置の動力に使うことにした。

「狭間、現在までで生体マグネタイトはどれくらい溜まっている?」
「まだまだ規定量には届かないけど予定していたペースよりは早いぐらいだよ、ディー。
信者たちがしっかりと『殺し』『殺されている』おかげだね」

生体マグネタイト――それは磁鉄鉱のことではなく、召喚された悪魔が人間界に実体化するために必要なエネルギーである。
そして生体マグネタイトは人間や魔物などの生きとし生けるもの、すべてが持っている。
これに目をつけた狭間は黄泉レ○プシステムマシンの他に、COMPの要領でビッグサイトを超巨大なマグネタイト収集マシンに変えた。
収集範囲は北海道・沖縄・中国・九州(どれも諸事情で不可侵領域である)を除いた日本全域まで届き、日本で死んだ者のマグネタイトはほぼ全てビッグサイトに集まるようになっている。
死ねばマグネタイトを抽出されるのは狂信者たちも例外ではなく、彼らは自分たちが死んでも、クラウザーさん復活のための生贄になると信じている……サバトに必要なエネルギーになっているという意味では、その考えは間違いではない。
発電所などの大掛かりな設備が必要なく、狂信者たちは本拠であるビッグサイトだけを守り、ひたすら他の参加者を殺して、死ねばいい。
もっとも計画については、情報が漏れると主催をはじめとする他の組織に狙われる危険が予想され、クラウザーさんが復活するその時までは上層部間での秘密となってため、他の信者たちは何も知らないが。

「では、あとどれくらいかかる?」
「このペースなら放送に換算するとあと二回分…どんなに早くても半日は無理だ」
「よろしい、信者たちには引き続きSATUGAIを続けてもらおう。
さて、クラウザーさんの復活計画も大事だが、我々のいる日本の情勢にも目を向けなくてはな」

上層部はクラウザーとSATUGAIのことしか考えていない他の信者に比べれば冷静に事態を見つめられる者たちだ。
この組織の行く末にもしっかりと見通しを立てている。

「日本海の巨大ロボを拠点としているらしい殺し合いの主催たち、都庁を巨大な樹に変えた魔物の軍、四国には超危険人物の祐一郎たち、不気味な沈黙を保っている議事堂の魔物たち……現状で目立った勢力はここいらだな。
だが、どれもこれも危険な集団であることには違いない。
クラウザーさんに危害を加える可能性がある以上、いずれは残らず排除しなけばなるまい」

ディーはそう言った。
仮にクラウザーさんが生き返っても、もう一度死んでは意味がない。
クラウザーさんの安全のためにもそういった組織には残らず消えてもらうしかないのだ。

一八曰く「総理が死に、主催は参加者の攻撃でダメージを受けていたらしいが、その割にはピンピンしている印象だ。
第二回放送でデモンストレーションを行ったバーダックも、あれで全力とは思えんし相変わらず底の知れない連中だ」
ドリスコル曰く「都庁の魔物たちは刺激しない限り、仕掛けてくるつもりはないらしいが、どれも凶悪な魔物ばかりだ。
幸いにも二匹の工作員をうまく送り込めた。戦いになれば大いに役に立てるだろう」
セルベリア曰く「祐一郎は行動の先が読めない怖さがある。最近、危険な戦艦と人員をこしらえたとの噂があるな」
狭間曰く「他の勢力に比べれば圧倒的に数が少ないけど議事堂の魔物の動きにも注意するべきだ。
あそこにいる魔物たちは冥闇に堕した者レベルじゃないと歯が立たないんじゃないかな」
ディー曰く「ふむ、その者たちが相手では、今まで通りの人海戦術だけでは心もとないな……」

DMC狂信者の人数は異常と言えるほど多いが、人材自体は有限だ。
強者たち相手に無為に攻めさせて虐殺の憂き目を受けるわけにもいかない。
死ねば生体マグネタイトが取れるとはいえ、狂信者たちが減れば殺し合いも減速しマグネタイトは集まりにくくなり、さらにはクラウザーさん復活の要であるビックサイトを守る人員もいなくなる。
されど、今のDMC狂信者たちには他の組織と渡り合える決定打が少なかった。

「では、クラウザーさん復活の計画と並行して、他の勢力との殺し合い…いや、戦争に備えるために組織全体の強化に取り掛かろう。
それぞれの才能に合わせて、狭間は魔界魔法を、三島は格闘技を、セルベリアは銃の扱い方を、ドリスコルは機動兵器の操縦方法を教えるんだ」
「わかったよ、アギラオやブフーラぐらいは使えるようにする」
「了解だ」
「了解した。ついでに死んだ狂信者たちの脳をブレインデバイスに加工し兵器に装備させれば、性能が向上するだろう」
「俺に指図するな……と言いたいところだが、全てはクラウザーさんのために腕に覚えのある奴は三島流喧嘩空手を教えてやろう」

ディーの示した提案は上層部をトレーナーに名も無きモブ信者たちの訓練をさせ、強化することであった。
これにより組織全体の力は上がる見立てである。

「私はここで情報を統括し、必要に応じて信者たちに指示を出す。それでは信者たちの強化を任せるぞ」
「「「「全てはクラウザーさんのために! SATUGAIセヨ! SATUGAIセヨ! SATUGAIセヨ!!!」」」」

ディーを除いた上層部の者たちは狂った掛け声をあげ、クラウザーへの忠誠を胸にビックサイトの外へと向かっていった。



四人が見えなくなった所で玉座に座るディーは考えていた。

(しかし、なぜ蘇生術が使えないのだ?)

彼は某騎士と同じく、別世界から来た存在である彼はこの世界のことについて考えていた。
ウィツァルネミテアの力は流石にロワ及び日本を滅ぼしかねないとでも思われたのか、主催にはめられた首輪によって制限はされている。
だが、蘇生術に関しては首輪による制限だけでは説明できない事柄がある。
狭間のCOMPにはリカーム・サマリカームという蘇生魔法を使える悪魔がいるが、呼び出された悪魔には首輪はついていないにも関わらず、蘇生魔法でモブ一人生き返せなかった。
もし、使えてたら黄泉レ○プシステムなんて作らずともクラウザーさんは復活でき、そもそも狂信者たちの暴走自体あり得なかっただろう。
蘇生術を使えないのは首輪以外の要因があるようだ。

(何か大きな力がこの世界で働いているようだが…いったい誰が、どうして?)

ディーは考える、そして目星を立てる。

(主催者たちによるものか……いや、もっと怪しいのは大災害とやらだな)

この世界の大半を滅ぼした大災害……ディーはそれが起きた後にこの世界に来たため、詳しい事情はわからない。しかし。

(私にはどうも大災害がただの天災には思えない。
話を聞くところによれば宇宙にまで被害が出ている……大規模な地殻変動でもこうはならんな。
きっとその大災害こそ蘇生術が使えない原因なのではないか?)

大災害について考察するディー、だがしかし彼の手元には大災害絡みの情報があまりにも少なすぎた。

(……やめよう、考えても埒があかない。
クラウザーさんを蘇えらせ、敵対勢力を駆逐した暁にはいくらでも調査できる。今はそんなことよりクラウザーさんだ)

大災害への考察を早々に打ち切り、自分の役割である組織運営の仕事に戻ることにした。
だが、二度目の大災害による危機が迫っていることを彼はまだ知らない。
クラウザーさんへの狂った『愛』が、彼の視野を狭めてしまっているのも原因だ。
他の四人の上層部の者たちや下々の狂信者たちすら、それは同じであった……

二日目・1時00分/東京ビックサイト】

【DMC狂信者上層部】
※ビックサイトは日本中の生体マグネタイトを集められるように改造されており、日本中のほぼ全域における死者のマグネタイトはここに集まる仕組みになっています。
※集めた莫大なマグネタイトのエネルギーで現世と死者スレを繋げるマシン『黄泉レ○プシステム』を起動させ、クラウザーさんの魂を現世に戻す計画を立てています。

【ディー@うたわれるもの】
【状態】健康
【装備】刀
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:他の狂信者たちにマグネタイトを集めさせ、黄泉レ○プシステムを用いてクラウザーさんを復活させる
2:クラウザーさんのために、いずれくる各勢力との戦争に備えて戦力を増強する
3:大災害などに疑問はあるが、後回し
4:空蝉がSATUGAIされたのは坊やだからさ……
※制限によりウィツァルネミテアの力がある程度制限されていますが、蘇生関連の能力制限だけは首輪とは別の力が働いていると見ています。


【狭間偉出夫@真・女神転生if...】
【状態】健康
【装備】アームターミナル型COMP(悪魔数体入り)
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:戦力を増強するために他の狂信者たちに魔界魔法を使えるようにする
2:クラウザーさんを死なせたこの世界への裁きとして、より多くの者をSATUGAIする
※召喚できる悪魔の種類や数(少なくとも一体は蘇生呪文が使える)については次の書き手氏にお任せいたします。


【三島一八@鉄拳6】
【状態】健康
【装備】己の肉体、デビル因子
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:戦力を増強するために他の狂信者たちに格闘技を教える
2:親父(三島平八)を見かけたら容赦なくSATUGAI


【セルベリア・ブレス@戦場のヴァルキュリア】
【状態】健康
【装備】ラグナイト製の槍と盾
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:戦力を増強するために他の狂信者たちに銃の使い方を教える
2:マクシミリアン殿下が生きてたらクラウザーさんとSATUGAIの素晴らしさを伝える


【ドリスコル@フロントミッション】
【状態】健康
【装備】Type 11 DS(レイヴン)
【道具】支給品一式、カレンデバイス
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:戦力を増強するために他の狂信者たちにロボット操縦技術を教える
2:SATUGAIされた信者の脳はブレインデバイスにして再利用
最終更新:2014年03月15日 03:10