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「さーって、次はどう動くか…」

肩をコキコキと鳴らしながら、テルミはおぞましい笑みを浮かべて次の方針を考える。
邪魔者やウザい奴、そしてあのクソ鳥を始末しつつ、最終的には自身の計画を完遂する。
それは変わらないのだが、そこに至るまでの過程をどうするか?
遊び、戯れに過ぎないのだが、ストレス発散も必要だ。
ハクメンらをおちょくってもいいが、いかんせんあのクソ鳥への殺意が思考の結構な割合を占めてしまっている。
何しろ草加を持ってるせいで、カイザの日にまで遭遇できない可能性があるのがまた腹立たしい。

「ッあああぁぁ!思い返したらまた腹立ってきたァ!」



「そうか。実は俺も同じ気持ちだ」


「あン!?」
「フル・ダークネス・スーパーノヴァッ!」



突如、テルミを暗黒の破壊エネルギーが呑み込んだ。

「…カードを3枚伏せる」

冷徹に配下のサイバーダークwith冥竜に砲撃を命じ、自身は冷静にカードで身を守る男。
DMC狂信者、ヘルカイザーである。

「光秀達を殺したのはきさ
「きぃかねぇなあッ!?クソゴミカスがよおぉ!?」
「っ!冥竜を破壊し、代わりにサイバーダークの破壊を無効にする!さらにトラップ発動、新たなドラゴン族をサイバーダークに装備っ!」

不意打ちを受けたテルミだが、僅かなダメージのみでサイバーダークへと肉薄する。
手に持つサイファーの切れ味の前には、機械竜程度は紙屑同然だ。
相対するヘルカイザーも瞬時にそれを理解し、冥竜を犠牲にしてサイバーダーク本体を守る。
一瞬にして切り刻まれる冥竜。抜け殻とはいえ最高ランクのドラゴンを容易く始末するこの男の危険性は、計り知れない。
光秀からの連絡が途絶え、スマホのGPSが本来の予定とは異なる位置に向かったのを怪しんだのは失策だったか。

(いや、この男の存在は確実にクラウザーさん復活の妨げになるっ!この命を賭して、SATSUGAIせねば!)

ヘルカイザーは意を決して、墓地からドラゴン族を選択する。


(冥竜が破壊されるのでは、都庁で討ち取った雷竜でも結果は同じ!ならばここは…!)

~~同刻、冥府~~


「いや、やめてください…!お父様、正気に戻って…!」
「ハァハァ、オチ○ポはいいぞサクヤ!儂らは性の喜びを知らなかった!親子仲良くマーラ様と繋がったのだ!儂らも仲良く繋がって、共有すべきじゃ!」
「っ!確かにあの時肉体こそ屈しましたが、この魂までは穢されてない!お父様、堕ちないで!」
「何故快楽に抗うサクヤ!お前とて、先程から何やらもじもじと物欲しそうなそぶりを見せているではないか!」
「そ、それは、私の身体がレスト様と一緒になってて、その…」
「人間の若造なぞより、マーラ様を崇めよ!」
「この身も心も、あの方のものです!断固拒否します!」
「お前ももっと激しいテクで責められればマーラ様のよさが…ん?なんじゃこのコード?」

「サイバーダーク、黄龍ファガンを墓地から引き摺り出せ!」


「んほおぉぉぉ!?こ、コードが全身をこしゅってんギもちィィィ!?おひりにもぶっといのきたぁぁぁ!し、触手プレイも素晴らしいものだったのかぁぁあはぁぁん!?」
「お父様ーっ!?」

~~~~

「…おい、俺がいうのも変だが、別のもん呼んだ方がよかったんじゃねぇか?」
「言うな」

地上での戦闘の中、テルミはらしくない程に呆れた表情を浮かべ、殺す対象に思わず同情の言葉を投げかけてしまう。
確かにエネルギーは感じるのだが、サイバーダークに装備された瞬間に白目を剥いて痙攣する生き物を見てしまえば当然の反応だろう。

「サイバーダークの攻撃!」
「無駄だって言ってんだろぉが!その屑鉄と変態諸共、光秀ちゃんとこに送ってやんよぉ!!!」

「○○○○ーッ!」
「うおキモッ!?」

全身にマグネットパワーを巡らせ、ヘルカイザーらを殺そうとするテルミ。
しかしまさかサイバーダークごと尻をこちらに向けて突進してくるとは思わなかった。
そのおぞましさに対する感情は、生理的な殺意100パーセントである。

「死ねやカス野郎がっ!」

ヘルカイザーは後回し。今はこの眼前の奴を完膚なきまでに叩きのめす。
ウロボロスでまとめて全てを喰らい尽くす。
断末魔の悲鳴を残すことも許さない。

「んおぉぉ!?マ、マーラ様ばんざああぁぁぁい…!!!」

残された。


「クッソがぁッ!」

堪らなく不快な気分だ。これを見越してアレを召喚したのであれば、大した奴だ。
あの鳥野郎に次いでぶち殺し確定。光秀以上に無様な最期を晒させてやろう。
ウロボロスで執拗なまでにオーバーキルを決めながら、テルミは決心した。



「決闘は熱く、しかし冷静であれ。相手の次の一手を考る、そのためにも相手から注意を逸らすな」

「ンだと…!?」

冷静に響くヘルカイザーの声に、テルミは思わず青筋を浮かべる。何本か血管をやったかもしれない。
しかしその直後、表情にこそ出さないが僅かに驚愕した。
今しがた、奴の操るサイバーダーク及びそれの装備品となったドラゴン共は破壊した。
だというのに、奴の前にはサイバーダークが存在している。
決闘者は同じカードを3枚まで操るという以上、サイバーダークが追加召喚されていてもおかしくはないのだが、今度は何を装備した?
冥竜と黄龍、闇と光のドラゴンは、テルミが理解している範囲では墓地の(死んだ)ドラゴンの中では最上位だ。
さらに強力なドラゴンもいることはいるが、彼らはドラゴンズに所属したりと現在も生存している。

「お前の速さは驚異的だ。お前が今、2体目のサイバーダークを無視して俺にも攻撃をしかけていれば、カードの発動より先に俺は死んでいただろう」
「ヒャハ、雑魚がいきがんなよ。つまりその3体目がテメェの最後なんだろうが」
「…ああ、最期のカードだな。だが、悔いはない。俺はクラウザーさん復活の、確かな礎となれたと、確信できたからな」
「はあ?テメェも光秀ちゃんと同じかよ。クラウザーの馬鹿は魂ごと消滅…」

煽ろうとしたテルミだが、ヘルカイザーの眼を見た瞬間に思わずたじろいでしまう。
それは光秀のものとは違っていた。死の覚悟を決め、かつ何かをやり遂げたような…そんな感情が見て取れる。

「これは、俺の最後のサイバーダーク。そして同時に発動した、このカードの名は…」

「っ!?」

「トラップカード【輪廻独断】!このカードの効果は、墓地に存在する全ての死者を対象にできる!
ああ、俺には見えたぞ、クラウザーさんの名前が!あの方はまだ墓地で復活を待っていた!」
「なっ!?」
「だがそれは俺の役目ではない。ディーの、他の仲間達の役目だ。俺の役目、それは彼らの妨げとなるような者全てのをSATSUGAI!
輪廻独断の効果により、俺は墓地のカードをドラゴン族に変更できる!墓地全域の効果を全てこいつ一人を対象とすることで、ようやく呼び出せたぞ!
サイバーダークの装備対象!それは…魔王マーラだ!」


「フォッフォッフォッ!まさか、このワシを契約に縛り付けるとは、この世界の若造はみなやりおるのぉ!」
「!?!?」

御立派様が顕現した。
その光景を目の当たりにしたテルミは、かつてないほどに震える。
形容し難い、自分とは性質の違う悪の化身。
装備品の身に成り果てながら、自我を保っているというか、むしろ触手がサイバーダークを絡めとっている。
あれではどちらが装備品となっているかわかりゃしない。
加えて灰になっていくが効果は発動した輪廻独断のカード。その効果により、魔王マーラはドラゴン族になっている。
ただでさえ御立派な逞しボディだったのが、ドラゴンの強靭な生命力とそそり立つ鋭さまで手に入れ、より凶悪さを増している。
言うなれば、今の彼は龍王マラゴン。

「さて、契約内容はあやつを昇天させればお主も昇天させて構わないということでOKじゃな?」
「ああ、それでいい」

暴力的な御立派がぶるんぶるんと荒ぶれば、サイバーダークが悲鳴をあげる。
カードを構えるヘルカイザーも汗をだらだらと流している。
とてもではないが、まとまに制御できる相手ではないのだから当然だろう。

(ち、明らかにアレはやべぇ相手だ。早いとこカードを操る決闘者を始末して…)



「遅すぎるのぉ、お主」
「な、ぐガアアアアァアアアァアッ!?」




だが気がつけば、テルミは貫かれていた。

「ぬほっ、いい締まりじゃな。
しかし勿体無い。ストライダーの屈強な肉体に、この星の力ともいえるマグネットパワー…いい材料を持ちながら、お主はそれを使いこなしきれていない。
借り物の力は所詮借り物。本来の碧も持たぬ…いや造るのを後回しにしたのがお主の敗因じゃな」
「が、がが、く、そ、ガアアアアッ!?」
「自身の強さに胡座をかきすぎたのぉ。お主が思っている以上に、この世界の運命に抗う者達は強く、襲いがいがあるものばかりじゃったぞ」
「アア、アアアアアアアア!?」
「この世界の行く末が気になるか?ならば天より見守ろうではないかっ!いざ昇らん、めくるめく官能の天国!」
「アッ、アッ、アッーーーー!!??」

吐き出される特濃の白濁液。
それはテルミの思考や精神、彼そのものを快楽で埋め尽くすには十分過ぎた。
艶のある断末魔の嬌声を最後に、彼はピクリとも動かなくなった。膨大な快楽が精神を破壊し、憑依の間もなかったのだ。

「ふぅー。さて、次はお主の番じゃぞヘルカイザー」

すぐさまマーラ様は標的を変える。

「俺にDMCを教えてくれた光秀たちの仇は討てた。恐らくクラウザーさん復活の妨げとなっただろう黄龍も処理できた…
野球チームの始末もしてやりたかったが…俺もクラウザーさん復活の生贄となろう。さあ、来るがいいマーラ!」
「いざ!」
「クラウザーさアッーーー!!!」

覚悟を決めていたヘルカイザーすら、嬌声を抑えることはできなかった。
しかしずっと握り締めていたカードを、脳が焼き切れる前に発動していた。

トラップカード【亜空間物質転送装置】

「ぬおっ、こ奴と繋がった瞬間に発動とな!?」

次の瞬間、マーラ様と繋がったヘルカイザーとサイバーダークは亜空間へと転送され、この世から消滅した。
決闘者が死ねば、カードモンスターやカード効果は消滅する。
しかし相手は規格外の化物マーラ様である。念には念を入れて、自分諸共亜空間へと連れさる。
ディーとの会話で、マーラ様がクラウザーさんを狙う危険性を危惧していたヘルカイザーの、最後の障害排除の戦法がこれだったのだ。



後には白い液体に塗れた男の屍が残されるのみ。手を下した者は元は既に死者。
それをカードの力でドラゴンとして蘇らせる奇跡のような力の持ち主も、亜空間。
ここで何が起きたのか、誰も知りえない。
そして誰もいなくなった。
ただ冥府にて、魔王の復活が近づいたのみ。


二日目・13時40分/東京都】

【ユウキ=テルミ@BLAZBLUE】死亡確認
※支給品や装備などは遺体の周りに残されています
【ヘルカイザー亮@遊戯王GX】 死亡確認
※支給品や装備なども亜空間のため、回収は不可能です


※輪廻独断の効果選択時、クラウザーさんが死者スレにいることが確認されました
※冥闇に堕した者、星輝の黄龍帝・ファガン、マーラ様はそれぞれこの戦闘の影響で一時的に死者スレ外送りとなっています
※これにより、ディーたちが再度黄泉レ○プシステムを使い死者スレに乗り込んだ場合、クラウザーさん発見の可能性が高まりました
最終更新:2017年05月08日 21:37