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「馬鹿な、こんなことが……」

一人のDMC狂信者の男は思わず呟いた。
クラウザーさんを復活させるには大量の生贄が必要。
敵は既に二度の大襲撃を凌ぎきった強力無比な軍勢。
だが少なからず損害は受け、特に三匹の竜の一角を落としているのはでかい。
加えて連中はこの拠点そのものの防衛に力を入れており、外に救援を呼びに出ることはない。
どれだけ強かろうが、狂信者と違って補充がきかないのであれば、いつかはパワーバランスも傾くはずだ。
だからこそ、大量の信者で都庁の世界樹を包囲したはずだった。

「メギドフレイムー! おーし、ようやく黄昏エナジーも溜まってきたが、こいつらに使うのはもったいねぇ。
 もっともっと鍛えなおして、いざというときの切り札にしないとな」

だが状況は最悪を通り越していた。
狂信者側からすれば僥倖だった、地下からの光線で黒い怪物が真っ二つになった事件。
これを好機と見てより深く踏み込んだのが完全に仇となった。
その怪物はものの数分で復活したばかりか、何故だかさらに強くなっている始末。

「いい加減に去ね愚者共。いよいよもって、私達には貴様らを相手にしている暇はないのだ」

それはこの都庁攻略の難易度を跳ね上げている魔王にも適用されていた。
もはや片手間なレーザーでさえ、狂信者の部隊が複数まとめて遺品も残さず消し飛ぶのだ。

「ああ、もう一度クラウザーさんのライブ、見たかったなぁ……」

また一人、狂信者が消し飛んだ。
狂信者と呼ばれる彼らも、流石にもう勝ち目がないことは理解している。
理不尽な火力で滅茶苦茶な範囲を攻撃してくる怪物と魔王が十分な脅威だというのに、まだ連中はあのにしゃにしゃ鳴く触手も抱え込んでいるのだ。
勝てるわけがない。
僅かにでも抱いてしまった諦めの感情と、自分が死んでもクラウザーさんの生贄になれると信じ込んでいる彼らに、もはやハザマ達のような連携はとれない。
ただ無謀な突撃を繰り返し、消えていく。
都庁側からすれば、溜まり溜まった埃や塵の大掃除。

「ヒャッハ―、レベルアップだー」

いや、フィーバータイムと言うべきか。
せめてハザマか大和が生きていれば。この場にまだセルベリアがいてくれたならば。
どうして彼らの攻撃がさらに凶悪になったのかを考え、そこから敵が大幅なレベルアップをしたからという結論に辿りつけるような冷静な頭の持ち主がいれば。
無謀な突撃などせずに、大人しく逃走していれば。(それでも背後から半数は焼かれる可能性が高いが)
まさか幹部からしごかれ、狂信者の中でもかなり強くなった自分達が、そのままおいしい経験値扱いされているなんて、モブの誰が考え付こうか?
今は絶対逃げないメタルキングの群れが我先にと突っ込んできて刃の鎧に突き刺さって勝手に自滅する……そんな状況なのだ。

そしてここにさらに都庁の協力者が雪崩れ込んできたともなれば。

「クラウザーさん……」

ものの数分で、彼らが完全に狩り尽くされるのは自明の理と言えた。



【狂信者都庁包囲軍 全滅】

「っしゃあ! こいつで最後だ!」

最後の狂信者を遥か彼方にぶっ飛ばした桑原が勝ちどきをあげる。
首相官邸から鬱憤が溜まっていた彼に、狂信者への慈悲などありはしない。

「しっかしスゲェなドラゴンハートってのは。あいつらに追いつこうと頑張った修業とかでももうこれ以上は強くなれねぇかもと思ってたんだがな」
「僕もだよ。これがレベル50000の壁を越えた世界なんだね」
「俺も久々に影の薄さを忘れて暴れた気がするな。まだまだ経験が積めるってのはいいことだ」

そして桑原と同じく人間の枠組みを軽く飛び出ているレストと日之影も充足感を得ている。


(かなりスタミナが増えた気がします)
(黒子、なんでちゃっかりあんたもステルス狙撃で経験値荒稼ぎしてんだい……)
(今こそ落ち着いてますけど、東横さんが雀力解放して拳王連合に無謀な突撃をしかける可能性ありますし。
 いざというとき彼女を止められないのは嫌ですからね)
(……安心しなって。仮にそうなってもまたあたいも止めてやるから。あんたらを殺させやしないよ)


そしてもう一人、抜け目なく追加のレベルアップをしている影薄の一人である黒子。
彼らの協力もあり、ダオス達は予定よりも早く包囲網を形成していた全ての信者を黙らせることに成功したのだ。
これにより、少し前に発覚した救済の予言の考察に本腰を入れることができる。


「ん? ありゃあ……氷竜達か?」


そんな時、日之影が世界樹の長たる竜の姿を視認する。
先刻聖帝軍を助けに行ったばかりの彼らがもう戻ってくるとなると、救助は無事に成功したのだろう。
これでおそらく予言を知るであろう聖帝軍とも意見をかわすことができ、予言の考察をさらにすすめることができる。


……そうであれば、どれだけよかったことか。


僅か数分後、聖帝は世界樹の地を踏むこととなる。
だが聖帝が率いる軍勢はその数を減らし。
また救援に向かった仲間達にいたってはその数を半分以下にしているのだ。


狂信者の包囲網を崩すといういいニュースは、それ以上の絶望によって黒く塗り潰されることとなった。







「……俺が、聖帝サウザーだ。この度は我が軍勢への救援、誠に感謝する」
「私はダオス。かつての魔物の長より引き継ぐ形でこの都庁、いや、世界樹の軍勢を率いる身となった者だ。
 聖帝よ、私と魔物達はお前達を迎え入れよう」

聖なる帝と魔の王が、握手をかわす。
聖帝軍と世界樹の同盟が正式に結ばれた瞬間である。

しかしながら、そこに喜びの感情は少なかった。
無論双方にとって協力者が増えたことは喜ばしいことなのだが。
聖帝軍の救助と同時に、世界樹側にもたらされたのは絶望そのものだったのだから。

「すみません、私たちを助けたばかりに……」
『……気にするな、子供達よ。私もあいつも覚悟は決めていた』
「カギ爪団そのものは壊滅させたが、その後に身内にまさか瘴気の感染者がいるとは誰も思うまい。
 救援隊を出すと決めたのは、私に赤竜と氷竜だ。そちらが気に病む話ではない。
 今はとにかく、そのきらりという少女にどう対処するかが肝要だ」

サウザーを含め、聖帝軍の面々は沈み込んだ様子であった。
救援にかけつけたこの世界樹の軍勢に多大な犠牲を出してしまい、自分達も仲間を失い、さらにきらりをも失いそうなのだから。
しかしそれに対して、世界樹の面々は思った以上に寛容であり、そして冷静であった。
魔物の長たる竜と魔王、冷静さを持ち合わさねばトップとして君臨できないのは理解できるが、それ以上の何かを感じさせたのだ。
まるで、もう僅かたりとも立ち止まることを許されていないかのような。

「すまねえな……ところで、そっちのカヲルが教えてくれたんだが、ここには化物になっちまった奴を救える手段があるそうだが」
「だからこそ我が聖帝軍は前進した。これは後退ではなく、我が軍の一員を救い出すための前進なのだ!」

「それは、セルちゃんのことですね。初めまして、聖帝さん達。私は鹿目まどか。未熟だけど、この世界樹の巫女をやらせていただいています」

高津とサウザーが求めていた情報を聞けば、ダオスの後ろから桃色の髪の少女が姿を現す。
見た目こそ聖帝軍の子供達に近いが、その佇まいや決意の表情に一同はただただ驚いた。
彼女こそいまやダオス以上の世界樹の要ともいえる、まどかその人である。

「ヌゥ……せ、聖帝軍に欲し「自重して下さいサウザー」へぶっ!?」
「ただ者ではありませんわね。しかし巫女というとまさか予言の……?」
「やはり救済の予言とやらをそちらも知っていたか。その他のことも色々と話し合いたいところだが、あいにくと今はその時間もない。
 とりあえずは最低限の事を話し次第、きらりを止めに向かわねばならぬ」
「えっと、そのきらりさんを救えるかもしれないセルちゃんは見て貰わないと駄目だよね?」


(セルちゃんって、ルビーみたいな感じかな?)
(あの子もプリキュアや魔法少女といった空気でしたし、可愛いマスコットなのでは?)
(きらりさんのエンジェル・ハイロウに対抗できるとなると、やっぱり歌姫な女の子?)
(セルちゃんって呼んでたからな。女の子なのは間違いないだろ)
(な、何故でしょうか? 頭の中にニュルニュルえっちぃ光景が……)



ぼむんっ




「にしゃああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――!!!」


「「「「「うわあああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――!??」」」」」


無垢な少年少女の夢を木端微塵にぶち砕き、災厄にして救済者であるフォレスト・セルがモンスターボールから飛び出てきた。


「「都庁怖い」」

聖帝軍の子供達に若干のトラウマを植え付けつつも、時間がないので作戦は押し進められることに。

「都庁怖い」
「サ、サウザーも混じって何震えているんですか! さっきまでのカッコいい貴方はどうしたんですか!」
「そういうお前も震えているぞ闇ェ……仕方がないだろう、いきなりボールからセルちゃんといった名前からかけ離れた存在がでてきたんだぞ?」
「確かにそうなのですが……鹿目まどか、恐ろしい人です」
「アレで本当にきらりが治せるのか?」

「思っていた以上に都庁はヤベェとこだったな……」
「レイジ、助けて貰ったのは確かなんだ。そんなことを言っちゃいけないよ。怖いけど」
「青髪の子が僕の耳やみんなの怪我を治してくれましたし、十分信頼できますよ」
「しかし俺達じゃどうしようもねぇのはわかっているが、休んでるだけで作戦は全部あっち任せってのも申し訳ないんだが……」

「これは、お墓? ……っ! そうでしたの、マナ……
 みんなの想いは引き継ぎますの。だからどうか安らかに……」
「都庁には魔物以外にも沢山の人がいて、みんなで必死に戦ってたんだね……
 でも紘汰はいなかったし、う~ん?」

聖帝軍は新たな都庁の同盟として迎え入れられ、まずは世界樹で休息をとる運びとなっていた。
それぞれ思うところや聞きたいことは山ほどあったが、事態は急を要する。
聞けば既に都庁に集った多数の同盟軍も半壊状態であり、救援隊も連続出動は不可能。
限られた減った戦力で、迅速にあのきらりを止める方法を考えなければならないダオス達の苦労は推して知るべきだろう。

「――しかしそれでは」
「――これしかないでしょう」
「でもそれじゃあ――」
『いや、最も可能性が高いのは――』

「ううむ、やはり俺も話し合いに参加せねば示しが……」
「座りましょうサウザー。悔しいですが、疲労した私たちではきらりさんを止める戦力とはなりません」

悔しげに呻くサウザーを闇が留める。
きらりは聖帝軍の一員だ。予言の歌姫ではなかったのかもしれないが、だからと言って聖帝軍ではないというわけではない。
できればサウザー自分の手で、彼女を助け出してやりたかったのだ。

「それでは、各自配置について貰おう。一刻の猶予もないぞ」

そんな中でいつの間にか都庁同盟たちの話し合いは終わったらしい。
ロリコンという業を背負っているが氷嵐の支配者の頭の回転は速く、魔王たるダオスの状況判断能力も高いということなのだろう。
この短時間で、本当にきらり救出作戦を考え付いたというのか。

「サウザーさんと、えっとそちらは……闇ちゃん?闇さん?」
「……好きに呼んでいただいて構いません。貴方は……姿に変化が見られますが、ネット上でも話題だった風鳴翼を退けたという?」
「レストです。これから件のきらりさんを僕が止めに行くので、できれば融合したというきらりんロボの性能を教えて頂きたいのですが」
「待てィ!? 貴様のような若造が一人でアレを止めるだと!?」

しかし都庁同盟軍が練り出した救出作戦はまさかのものであった。



「むうぅぅぅ……」

サウザーは項垂れながら、しかし同盟軍が出した作戦に縋るしかなかった。

いわく、今のきらりはあの風鳴翼に限りなく近い状態であるとのこと。
そして彼女が持つエンジェル・ハイロウのような歌の前には何人送り込んでも犠牲者を増やすだけ。
機械を嫌っていた都庁に機械の味方はフェイのみであり、また非生物な魔物も当然のように存在しない。
犬牟田のように聴覚を一時的に破壊する手段も、やはりいつどこからきらり以外の敵に襲われるかわからない危険性の中では実行は難しい。
最大戦力であるフォレスト・セルさえデバフ耐性は無く、万が一にも彼を失うことは避けたいというのが正直な話らしい。

「信じましょう、サウザー」

だがきらりの存在がとても放置できるものではないというのも事実であり、きらりを止めることには全面的に協力はしてくれるらしい。
ここに来て初めて知ったが、魔物達という存在は認めた者には協力は惜しまない性格のようだ。
あの氷竜が声高々に『偽りはなかった!聖帝は後にも先にもこの漢、サウザーのみだ!』と宣言すれば、魔物とあと何故か青髪の少女が称賛の言葉をサウザーに投げかけたのだから。

しかしいくら協力しようにも、都庁の同盟軍は半壊状態。
世界樹の魔物は主戦力のほとんどを失い、人間の対主催も激闘の果てに倒れ続け、無事なのは影の薄い集団だけだという。
彼らはいずれもここまで生き延びてきた強き肉体と精神を持つが、やはり生物である以上きらりの歌から逃れる術はない。
そんな中で白羽の矢がたったのが、先程の青年だという。
都庁の番人を務め風鳴翼を撃退したともなればその実力は高いのだろうが、彼も生物でやはりデバフ耐性はないそうだ。
しかしながら唯一、飲食によりデバフ状態を反転させることができる体質の持ち主でもあるらしい。
さらにはデバフ以外には冗談じみた無類の防御性能を誇り、万が一きらりが他の能力を使用してきた場合でも耐えられる可能性が高い。

そして何より、彼自身も志願したのだという。
自分と同じ『症状』を患ったきらりを、助けたいと。

「その、急でしたのでその辺の草を磨り潰した青汁とその原料の草だけなんですけど……」
「十分です。ありがとう小鳥さん」

デバフ解除のための食材をしこたま受け取り、いよいよ作戦の決行が伺える。

「それでは、行ってきます」

と、ここで聖帝軍の誰もが疑問に思う。
一人で、どうやってあの場まで行くのだろうか。エヴァと氷竜も無しに行くには、少々距離がある。

「神樹にエリカ、よろしくね」
「かしこまりましたわ」
「任せときなって。目標、あのデカブツだな」

「おい……都庁の人たちは一体何する気なんだレイジ……?」
「わからないよ、全容までは聞かされてないし」

不穏な言葉に、聖帝軍の子供たちはみな不安げな表情を浮かべる。
ついでに言えば、でかい黒い樹まで動いて喋っているのだ。あらためてこの場所が魔境なのだと再認識させられる。


「風向きは、大丈夫そうですね。神樹!」
「距離よーし、角度よーし……行ってこぉぉぉぉぉぉぉい! ウオラァッ!」


「「投げた――――ッ!?」」
「こ、こいつは……天性のピッチャーか!?」

そしてきらりの元へ行く手段がまさかの『神樹による投擲』であると判明した瞬間、彼らは声を揃えて叫んだ。
だが高津の漏らした言葉通り、神樹の投擲力とコントロールは抜群であった。
かつてエリカも、その才能に助けられ生きて都庁に辿りついたのだから。
いまや全快しレベルも上がり、この距離で投擲物を目的の場所に叩き込むことなど神樹にとっては朝飯前だ。

「ちょ、大丈夫なんですの!?」
『問題ない。それよりも下がっていろ子供達。ここもすぐさま危険域となるぞ』
「え? それはどういう意味?」
『先の戦いでのきらりの反応を見る限り、あ奴に自我はほとんど残っていない。視界に映った惹かれるものになんらかのアクションを起こしている。
 さてスカイツリー無き今、同じように高層のこの世界樹から、高速の弾丸が投擲されたのだ。ともなればつまり……』



『NYOWAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!』



「げ!?」
『奴の次のターゲットはこの世界樹となり! あの熱線も飛んでくるというわけだ!』
「どうなってるの!? ビームアイの出力が桁違いよ!?」

遠方から放たれたビームアイに一気に場は騒然となる。
氷竜はミラーシールドを展開したいところだが、首の傷が癒えていない今はまだアイスシールドの発動が限界だ。
そしてミラーではないアイスシールドは、限度を超えた超高熱には耐えきれないのはマーラ戦で判明している。


「ゆくぞ、まどか!」
「はい!」


だが氷竜は慌てることはなかった。
この事態は既に想定済みであり、世界樹の中腹には既に魔王と巫女が移動している。

「ハイパーである必要はない! 私を真似て、速射式を憶えよ! ダオスレーザー!」
「よ、よし……! まどかレーザー!」

直後、異色の師弟が放ったレーザー光線がきらりのビームと空中で激しくぶつかりあって相殺される。

「あのビームを正面から止めた!?」
「だがネーミングセンスゼロだ!?」

聖帝軍は二つの意味で驚きの声をあげた。
きらりんビームアイはきらりんロボのメイン攻撃手段であり、異形と化した現在はさらにその性能を上げている。
それを二人がかりとはいえ、難なく相殺してみせたのだ。口ぶりからしてまだ余力を残しながら。

『世界樹の巫女となったまどかに魔王たるダオスの魔力は我々を遥かに凌駕している。
 きらりをただ殲滅するだけならば、この離れた世界樹から二人の最大出力でレーザーを放てばすぐに勝負はつくだろう』

氷竜の言葉に一同は震えあがる。
元々敵対するつもりはなかったが、万が一都庁の軍勢と敵対していれば聖帝軍は全滅していただろう。
サウザーの当初の行動は敵からの逃亡、へたれとも見られるが結果として聖帝軍はその恐るべき力の持ち主と同盟を結べたのだ。

『だが、あいつの遺言でもあるが……我々はきらりを殲滅することはしない。お前達も黙っていないだろうからな』
「当たり前だ! 聖帝軍に牙を向けるということはすなわちこの聖帝サウザーへの反逆!」
「……本当に、感謝いたしますわ」
「ですが、それは」
『ああ。あの凶悪な歌を持つきらりを殺さず無力化にとどめ、治療を行う。それははっきり言って難題極まりない』

見上げれば、二発目のビームとレーザーが衝突する。
殺さず、殺されないように。少しでも判断を誤れば崩れ去ってしまうような危うい綱渡り。

「万が一に備えてあたいの『距離を操る程度の能力』もあるが、過信は禁物なのはベジータとの戦いで思い知ったよ」
「僕のフィールドも同じくだ。今の状態のきらりさんが、予想外の行動をとらないとも限らない」

防衛の要として小町とエヴァに乗るカヲルが身構えているが、彼女達が言うようにそれも絶対ではない。
この殺し合いの場において、人智を超えた強敵相手に殺さずに無力化などという無謀な作戦は予断を許すことなく続いていく。



「危ない、もう少しでビーム同士の衝突とかちあうところだった」

世界樹の防衛隊が奮戦する中、神樹に投げ飛ばされたレストは空中で旋回してきらりんビームアイを回避。
そのまま降下すれば、目的の人物はすぐに見つかった。

「よっと。なるほどこれが君の本来の姿なのか、フェイ
 まあ今はそんなことは置いておこう。みんなを逃がしてくれて、ありがとう」
「レスト!? どこから飛んできたの!? いや、それよりも!」
「くぅ……!?」

きらりを足止めしていたフェイの肩に着地するも、その場でレストは膝をつく。
見ればきらりはその姿に似つかわしくない歌を歌っている。
生きとし生ける生命全てを超弱体させる無慈悲な歌を。

「っ、これは、話に聞く以上に強烈だな……!」
「だ、大丈夫!? やっぱり私があの子をどうにかしなきゃ!」

フェイはネギを構えるが、その構えに攻めの姿勢は見受けられない。
既にフェイの身体はところどころが傷つき、きらり相手に押されていたことは明らかだ。

「っ! ふぅ、無茶だよフェイ。いくら君の正体が機動兵器とはいえ、相手との体格差は歴然だ。
 それに見たところ相当に装甲も硬そうだし、あの風鳴翼に近いとなると……」
「それはわかってるよ。でも、あの子を助けたいの。あんな悲しい歌を歌う、あの子を」
「勿論そのつもりで僕もここに来たし、皆も待機している。とはいえ……これはアゼルが苦労したっていうネイティブジャイアントよりさらに厄介そうだ」

フェイは確かに人間から見れば機動兵器、巨体である。
しかしながら彼女のフルサイズは表記に直してしまえばいわゆるMサイズ止まりにしてヴァ―チャロイド故の歩行タイプ。
対するきらりんロボこときらりの全長は200メートルを超え、フリルスカートのジェット機能により飛行も可能。
文句なく超ド級のスーパーロボットにして、今や融合によりその性能はさらに上がっている。
元のきらりの性格なのか、幸いにして動きが緩慢であったからこそここまで凌いでこれたが、機体差は明らか過ぎる。

「とりあえず、きらり救出の作戦は考えてきているよ。この歌も……これでほんの僅かな間だけど耐えられる。
 まさか僕が機械と共闘するとは思わなかったけど、フェイ、君には援護を頼みたい。どうにかして、僕が彼女を弱らせる」
「わ、わかった!」

草を飲み込み、きらりの超デバフを解除するレスト。
しかし剣を構えた瞬間には、もう強烈な倦怠感が全身を襲ってくる。
攻撃と防御、回避。それぞれにあわせてタイミングよくデバフを解除しなければ、それは即座に致命傷へと繋がる。
こちらもまた厳しい綱渡りの果てに、ようやく対峙ができるのだ。


「NYOWA? NYOWAAAAAAAAAAAA!!!」


世界樹と激しい光線の撃ちあいをしていたきらりの眼が、ぎょろりと向きを変える。
単調な撃ちあいが面白くなく、火力をあげて立川市のように消し去ってやろうかと思った矢先。
自分の足元で邪魔をしてきた羽虫に、さらに小さな羽虫がくっついたのだ。
それでいて羽虫は力なく這いつくばるではなく剣を構え――愚かにも立ち塞がってきた。
脳の奥底から来る命令。世界をカオスに。そして目の前の立ち塞がる敵を塵に。

「来るよ、フェイ!」
「ええ!」

「NYO、WAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」

かつての面影などない眼で獲物を捉え。
かつての面影を残した咆哮をあげてきらりだった少女は再び羽虫へと手を伸ばした。



その光景は、ほとんど人目に触れることは無い。
立川市を蒸発させた怪物相手にわざわざ近づくような命知らずはいない。
この殺し合いは数多の参加者を淘汰し、狂信者を除けば殺し合いを良しとする者もそれに立ち向かう者もその数を多く減らした。
今なお隠れて震えるのはどちらにもつけない無力な者達。早くこの悪夢が終わってくれと願う者達。
そんな者達も大きく数を減らしている……つまりはこの星の人口そのものが淘汰され、野田総理の謳っていた人口削減が既に達成できていると誰が思えようか。
北の地は凍結。九州はロボ化。関西は腐毒の海。残された関東の地を焼き払うロボは誰が見ても脅威そのものであり、あえてその姿に注視するわけがない。

「せりゃあ!」

ただそれでも、こんな世の中でも情報を発信したがる無謀な人間は少なからず存在し、彼らだけはその戦いを見ていた。

「NYOWAAA!?」

そんな光景を言い表すならば……それは泥沼の消耗戦だろう。

鋭い斬撃が、易々ときらりの超合金装甲やあらゆる兵装を破り肉体を切り裂く。
巨体過ぎる故の鈍重さに加え、きらりの戦闘経験の少なさはそのまま反応速度に直結していた。
能力は強力であるが戦闘そのものは素人に毛が生えた程度。
対する相手は戦闘経験の塊。絶対に埋まらない実力差がそこにはあった。

「NYOWAAA……!!」
「させないよ!」

飛んで空中から押し潰す……頭の中によぎったマウンテンドロップという技をしかけようにも、飛ぼうとした瞬間にネギがしばいてくる。
これが剣ならば装甲が弾いたのだが、あのネギは鈍器の部類であるがため内部に衝撃は蓄積されていく。
それでなくとも既に無数の斬撃で装甲を剥されてエンジンはネギで打ちつけられまくって機能がダウンしている。
そしてそれを止めようとと動けば、再び鋭い斬撃が上から飛んでくる。
1対2。この状況にきらりはなれておらず、優秀なセコンドがいなければ戦い方もわからない。

ではきらりは一方的に打ちのめされて敗けたかといえば、そうでもない。

「NYOッ!」
「くそっ、またか!」

きらりが拳を振るえば、相手は回避行動をとる。
そこから再攻撃まで、幾ばくかの猶予。
その間にきらりの傷口は、溢れだした新たな肉によって塞がれていた。
きらりの持つ肉体の成長はそれ即ち細胞の増殖と成長。これが風鳴翼とは異なるがそれに類似した再生能力となっていたのだ。

(どうやら、この子の能力は固有の歌と高速細胞分裂による再生と機械を取り込んでの融合らしい。
 風鳴翼は捕食による能力の略奪。エリカの情報ではユーノの能力はエネルギーや魔力を取り込んでの増幅反射。
 そして僕は、元来持っていたエーテルリンクの強化。つまりは人や物を取り込んでの姿や能力の模倣。
 瘴気の感染、肉体の変調。その本質は『何かを取り込む』ことなのか? いや、仮にそうだとしてもこの状況は……)

草を磨り潰し飲み込むが、倦怠感が拭いきれない。
きらりの歌は超凶悪なデバフである前に、やる気を失わせる歌なのだ。
身体のデバフは解除できたところで、精神のデバフまでは早々回復できないだろう。
いくら身体が十全でも精神がそれに追いつかねば、やはり動きは鈍る。

「NYOWAッ!!」
「っ! はぁっ!」

もう一方のきらりの拳は切り裂いてかわす。
しかし少しだけ前にうちあった時よりも反応が遅れた。

「危ない、一回下がって!」
「まいったね、本当に……!」

じりじりと、フェイ達はきらりに押されていた。


「NYOWANYOWA―――ッ!!」

きらりが足を振り上げ、ビルを蹴り砕いて飛ばす。
それはさながら散弾の様であり、容赦なくフェイを傷つけていく。

「くうぅ……!」
「僕よりも自分のことを心配した方がいい! 君だってかなり不味い状態だろう!?」

レストが風の魔法で散弾を押し返すも、有効範囲外の散弾までは防げない。

「ん?」

だがそんな散弾の処理中に異物が目についた。
岩だ。何故か柔道着を着こんだ。

「ゲヘァー!?」
「しまったあれ岩じゃなくて生存者だ!?」
「え、どこどこ!? ……アレ、じゃなかったあの人!?」

柔道岩が突風を耐えているのを見て、ようやくあれは岩ではなく生存者だということに気がつく二人。
まさかきらりがこれだけ暴れる地において、岩みたいな生存者がいるとは流石に予想はできまい。



この時この岩――魔雲天こそが勝利のカギであるとは、本人も含めて誰も知る由はなかった。








「いや、本当に失礼しました魔雲天さん」
「ゲヒヒヒ……謝る必要はねぇ。今はそんなことより、あいつのことだ。貴様ら何か知っているんだろう?」

フェイが即座に拾い上げ、レストが治療し首輪を外した魔雲天という男は、聞けば聖帝軍の一員であるという。
思わぬ収穫であったが、彼は自分が死にかけたことよりもきらりのことを優先していた。
そんな魔雲天に現在のきらりの状況が伝えられると、彼は低く唸る。

「グムムー……なんということだ」
「なんとか僕らも彼女を止めたいところなんだけど、予想以上に歌と再生が厄介で力加減が難しい」
「世界樹からのレーザーであの子も気が散ってるから、私たちの退避はできても攻め入るとなるとね……」

きらりも装甲が破壊され飛行能力を失っている今は確実に弱体化している。
その気になれば、倒すことは十分可能。
まどかとダオスのレーザーでも、レストが溜めた斬撃を飛ばすでもいい。
遠距離からの強力な攻撃を、サウザーから聞いたきらり本体がいるであろう場所に打ち込めばそれで勝負はつく。
だが強力すぎる攻撃は、確実にきらりの命を奪う。

「……オレは諦めが悪くてなぁ。どれだけ絶望的と言われようが、必ずきらりは取り戻すぜ」

そんな厳しい状況の中でも、魔雲天はただ一人不敵な笑みを浮かべていた。

「何か策があるの?」
「いいや、正直まだ理解もおいついてねぇ。だが、オレはあいつと約束した。
 あいつが怖くて動けないようなそんな時は……傍にいてやると。オレが、あいつを支えてやるんだ。
 ゲヒヒヒ……姿こそ変わっちまったが、あいつはあいつのままだ。また暗くめそめそしてるような奴には、気合をいれ直してやらんとなぁ?」

魔雲天は異形と化したきらりをしっかりと見据える。
策など無い。しかし揺るがぬ信念がそこにはあった。

「……魔雲天さん、今の彼女は残念ながら巨大な怪物だ。あなたの力では、彼女を止めることはできない」
「ムグゥ……!?」
「でもきっと……彼女を助けられるのは、彼女を想うあなただけだ。
 僕らも彼女を、きらりを助けたい気持ちは同じです。遭ったばかりの僕らを信用するのは難しいかもしれませんが、
 これから決行する作戦に何も言わず、僕らを信じてついてきてくれますか?」

そんな魔雲天に対して、レストは静かに言葉を投げかける。
世界樹内部で決めた作戦は緊急故に、手荒である。
魔雲天にとっても、全容を聞かされていない聖帝軍も、そのままでは確実に反対するだろう。

「きらりが少しでも助かる道があるというならば、オレはそれに乗るまでよ。
 聖帝達が既にお前達を味方と認めているなら問題はねぇ。アイツはああ見えて、人を見る目はあるからなぁ」

しかし魔雲天は快諾する。
きらりを助ける。これこそが最優先であり、魔雲天自身も今の自分ではあのきらりに接近することも難しいことはわかっていた。

「でもレスト、どうするの? あの子は私のエモーショナル・アタックを受け付けないし、弱らせて治療するのは……」
「……それだよ、フェイ」
「え?」
「戦っていて妙だと思ったよ。君のエモーショナル・アタックもあの歌も強力なデバフ技だ。
 いくら機械と融合しても彼女本体は人間。それがデバフの影響を受けないってのは――彼女の歌の能力に併せて発現した『デバフ無効化能力』だと思う」

フェイは機械、魔雲天は岩。だからこそきらりがいるこの場においても生き延び、足止めを実行できた。
しかしそのきらり自身は人間であり、本来であれば歌の影響を受けてしまうだろう。
だが強大な力を持つ者は、自分自身がそれに滅ぼされないよう進化し、対策を施す。
自然界であれば猛毒などがわかりやすいだろう。自分の毒には抗体を持ち、獲物だけをしとめる。
きらりの歌もこれと同じであり、テラカオス化が加速する中で能力に併せて歌への抗体、すなわちありとあらゆるデバフへの完璧な耐性を得ていたのだ。
今は亡き偉大なる赤竜も攻撃力を著しく下げる歌(という名の咆哮)を持っていたが、もし彼がきらりを前に歌えていればもっと早く判明しただろう。

「なるほどね。でもそれがわかったからって――」


「――エーテルリンクッ!」


フェイが止める間も無く、レストは禁術を唱える。
拾い上げていたのは、斬り飛ばしたきらりの肉片。
禍々しい混沌の欠片を彼は躊躇いなく取り込み、きらりへと挑みかかって行った。



(……身体が動く。やはり彼女の肉体の能力はデバフ無効化か)

きらりの歌の影響を受けなくなったレストは、きらりへと突き進んでいく。

『NYOWAHT!?』

突然動きの変わった獲物に、きらりも動揺する。

(……今ならわかる。これは全てを歪め飲み込み取り込む混沌の力。
 でもフォレスト・セルによる治療と抗体、そしてサクヤの闇を払う光の力……もう、こんな力に負けるものか!)

身体から僅かに漏れていた瘴気は掻き消え、きらりの肉の力が完全な制御下に置かれる。
正直再び暴走の危険性がある賭けではあったが、実行せずにはいられなかったのだ。

「きらり、君は恵まれているよ。魔雲天さんにサウザーさん、聖帝軍の誰もが君の帰りを待っているんだ」

振るわれるきらりの拳は、もはや危なげなく回避できる。

「魔雲天さんは君がそんな姿になろうとも、君を支えると言った」

――誰がなんと言おうと、私はあなたにつきます。万が一、闇に呑まれてしまったとしても――

脳裏によぎる、守り切れなかった大切な少女からの言葉。
今のきらりと魔雲天は、過去の自分と似た境遇なのだ。
一歩間違えれば、自分がきらりの様になっていたのかもしれない。
もしそうだったとして、ならば彼女は魔雲天のようにに生き延びることができたのか。

「……」

首を振り雑念を払い、かわした拳を足場にして跳躍。
きらりの正面へと飛び出ながら、言葉は続けられた。

「……手放しちゃ、いけないよ。自分を想ってくれる大切な人を。……僕は間に合わなかったけど、君はまだ間に合う!」
「NYOWAWA―――ッ!!」

接近を許した相手に対して、きらりのビームアイがエネルギーを溜める。
しかし同時に世界樹にも二つの大きなエネルギーが収束するのをきらりは感知した。

「NYO、NYOWAA……?」

そして思わず、動きを止めて迷ってしまう。
ビームアイはその性質上、一直線にしか撃つことができない。
眼下で動き回る羽虫を撃てば、その間に世界樹からのレーザーを迎撃することはできなくなる。
上を向き世界樹のレーザーと撃ちあえば、今度は羽虫を潰すことができなくなってしまう。

「NYOWAッ!!!」

そして僅かな迷いの後、きらりは世界樹へと狙いを定め、顔を上げた。


この行動は、そのまま勝敗へと繋がることとなる。

「っ、今だ!!!」



きらりが上を向くと同時に、レストはその拳に力を込めた。
きらりの判断は間違ってはいなかっただろう。レーザーの直撃を受けた方が、確実にきらりの全身に致命傷を負うこととなるのだから。
対してレストの斬撃は強力とはいえ一撃一撃で破壊される部位は少なく、だからこそ再生で応戦できた。

相手が対人、1対1の戦闘を得意とし、広範囲攻撃が苦手なのに対し局所的な点の破壊に優れているということを、きらりは知らない。


「NYo゛゛――


振り上げられた拳、レストが所持するスキルの一つスターダストアッパーは、きらりの顎を捉えると同時に彼女の顔を抉り飛ばした。
悲鳴すら許されない、上への凝縮された力はきらりの肉も機械も星屑のごとく空へと飛散させて、やがて恐ろしい血肉と鉄の雨として地へ降り注がせる。

「!?」

流石の魔雲天もフェイも思わず絶句する。
他の地方にまで降り注ぐ細やかな血肉の雨に、顔を抉られた巨大少女。非常に衝撃的かつグロテスクな光景だ。
しかし、この行為に意味があることも同時に理解できた。
顎から上の口まわりは完全に破壊され、拳が振るわれた際の衝撃波で喉も損傷している。

とてもではないが、これではもう歌うことはできない。

「よし! フェイ、魔雲天さんをこっちに投げて!」
「ええっ!? わ、わかった!」
「ゲェ―――!?」

しかし作戦はこれで終わりではなかったようだ。
矢継早に出された指示に思わずフェイは従ってしまうが、突然投げられた魔雲天はたまったものではない。

「今から僕の魔法できらりと魔雲天さんを都庁に連れて行く! フェイ、悪いけど少しだけここで待ってて!」
「う、うん!?」

なにやらとんでもない言葉が聞こえた気がするが、フェイは頷いてしまう。
おそらくは意味があり、かつ一刻を争う作戦なのだということは理解できた。

「待て、流石に説明を――」

魔雲天が喋り終える前に、転移の光に包まれる。
レストが扱える転移魔法は微妙に使い勝手の悪い、特定のポイントへの仲間二人まで同行可能なテレポートというもの。
受け取った魔雲天でまず一人。
そして『同じ混沌の力に侵された者』と認識することで、きらりも仲間として扱い二人目。

あのきらりの巨体も光に包まれ、一瞬で消える。



彼らが転移した先は――世界樹の前方にあった新宿中央公園前だ。




光が集まったかと思えば、公園跡地の上空には顔を失ったきらりんロボが現れた。



「えっ?」



突然のことに、世界樹で待機していた聖帝軍は誰もが驚いてしまう。



「きたね――距離を操る程度の能力っ!」

そして次の瞬間には、小町の能力で一気に真下――ベジータの砲撃でぽっかりと空いていた大穴へときらりは暴れる間もなく叩き落とされる。

「神樹、今です!」
「おうよ。増えた俺の蕾、威力を遥かに上げたライオットランスを味わいな!」

顔を失い、何が起きているのかきらりにはわからない。
半身が埋まった状態で拳を振り回そうとするが、無数の蕾がきらりの両腕を次々に貫いていき、地面に縫い付ける。

「ごめんね、サイクロンルーツ!」

腕が動かない。ならば足はと思った頃には既にまどかの操る世界樹の根が伸ばされ、地下深くで雁字搦めにされていた。

「また歌われては厄介ですわ。念には念を。これもおつけしますわよ?」

ふーっとアルルーナが吹きつけたのは太古の呪粉。
フォレスト・セルも操るこの世界樹の呪粉は、敵対者に死以外のあらゆる異常を与える。
今回アルルーナが選んだのは最も凶悪な石化の粉。全身の動きを封じられたきらりにこれから逃れる術はない。
瞬く間に損傷部位が石化し、肉の再生を阻害した。

「う、うおおぉぉ……」

目の前で繰り広げられた光景に、サウザーは思わず身体を震わせながら声を漏らした。
いくら暴走したきらりと融合したというよくわからない状況とはいえ、きらりんロボは聖帝軍が誇った死国を超える最終決戦兵器だったのだ。
それが一瞬のうちに完全に無力化された。
今となってはありえないことだが、もし自分が調子に乗り都庁も畜生と決めつけて攻め込んでいたら?
このように連携であっという間に無力化され、そしてこの後総攻撃を浴びて聖帝軍は全員星になる……そんな運命になっていただろう。

「サウザー!」
「お、お前は魔雲天!? 無事だったのか!」

そんなサウザーの前に、魔雲天が舞い降りる。
殺されたと思っていた聖帝軍の一員が無事だったことに、思わず笑顔を浮かべてしまうサウザー。

「いくぞ! かなり恐ろしい光景だったが、あいつの動きは完全に止まった。きらりを救い出すなら、今しかない!」
「わ、わかっておるわ! 我が聖帝軍にあるのは制圧前進のみよ!」

しかしすぐさま聖帝の顔となり、きらりの下へと駆けていく。

「「おおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」」」

叫び進む二人の漢。
その気配を感じたきらりは迎撃を試みようとするが、既に装備は破壊されている。
頭も、腕も、脚も、全てが封じられている。
せめてもの抵抗として行えるのは、石化していない部位から肉を急成長させて相手を押し潰すことくらい。

「ええい、きらりの奴め! 聖帝に刃向うなど本来は厳罰なのだからな!
 嫌ならば俺の前で、ちゃんとした歌を歌ってみろ! それで不問にしてくれるわっ!」

だが伸ばされた肉は全てサウザーが振るう手刀で切り飛ばされていく。
聖帝の制圧前進を止めることはできない。
その間に魔雲天は、一際大きな肉の塊がある場所へと辿りついていた。

「きらり、そこにいるんだろう?」

静かに響く魔雲天の声。

「ッ!?」

その瞬間に、全てのきらりの肉が震えた。

「いつまで悲しい歌を歌って引きこもっているつもりだ? お前が歌うべきなのはハピハピできる歌だろうが!」

怪力を発揮した魔雲天が、きらりの肉を割り開いて奥へと侵入する。
そしてついにそれは見つかった。

「―――」
「きらり!」

肉に埋もれ、半ば同化しかかったように見えるきらり。
光の無い虚ろな瞳はしかし静かに涙を流していた。

「―――天――ちゃん――?」
「ああ、そうだとも! どうした、そんなに泣いて。
 いつまでもうじうじしてないで立ち上がるんだ。まだちゃんとお前の歌も戦いも披露していないのに試合終了だなんて、早すぎるだろう?」
「でも――」
「一人で立てないなら、オレが立たせてやる。言っただろう? 怖くなったらオレが近くにいてやる。だから安心して……
 さあ、この手を掴めきらり!」
「――天ちゃんっ!」

震えながら伸ばされた本来のきらりのしなやかな手を、魔雲天は離すまいとしっかりと掴んだ。
そして魔雲天は無意識のうちに、己の超人強度をきらりに分け与える。
繋がれた手と手。流れる誇り高き戦士の力は、きらりの中のテラカオスの力を一時的に押し出す。
淡くきらりの身体が光れば、混沌の肉は力なくボロボロと崩れてきらりの身体から離れていく。
やがて、きらりの首の傷も塞がっていった。

「もう、大丈夫だからな。きらり!」
「て、天ちゃんっ―――!」

肉の呪縛から解放されたきらりを、魔雲天は強く抱きしめる。
きらりもまた泣きじゃくりながらもしっかりと抱き返してそれに応えた。







「にしゃ~ん」

「「――え?」」

そんな光景に、化物の声が割って入った。
いや、声だけではない。

「にぇ!?」
「ぬおっ!?」

圧倒的な速度で伸ばされる、フォレスト・セルの逞しい触腕。
それはきらりを捕えたが、抱き合っていたために魔雲天までもが巻き添えで捕まることとなった。

「なん――!?」

有無を言わさない。
触腕は再び高速で引き戻され――フォレスト・セルの顔面へともっていかれる。

「ひぃっ!?」
「だ、大丈夫だきらり! オレがついているぞ!」

突然とんでもない化物と目があったきらりは、直前までのことも何もかもを忘れて純粋に恐怖する。
魔雲天はそんなきらりを励ますが――



「にしゃしゃしゃ(いただきます)」



二人は何もできずそのままフォレスト・セルの口の中へ。
そして――












「ひにゃああぁぁぁぁ♥ お尻気持ひよくてアタマがハピハピすゆぅぅぅぅぅ♥♥♥」
「きらりぃ――――! しっかりしろぉ――! 耐えるんだアッ――――♥♥♥」


仲良く治療という名の官能世界に飲み込まれた。



「「うわぁ……」」

都庁軍も聖帝軍も、目の前の光景に声も出ない。
なんという台無しっぷりだろうか。

「サ、サウザーのせいですよ。貴方もカッコいいのにすぐ台無しにするから……!」
「流石に横暴だぞ闇ェ……」
「こ、こんなえっちぃ……えっちぃの……」
「連呼するな。俺だってまさかこんなことになるとは思わんわ!」

「やっぱりお尻は気持ちいいんだね!」
「だああ、まどか落ち着いてってば! とりあえずその、アレだけどこれできらりさん助かるんでしょ!?
 なら次の事考えるべきだと思うのですよさやかちゃんとしてはね!? ちくしょー、ほむらなんでこんな時に傍にいないのよぉ!?」

『……恐るべしフォレスト・セル。しかし巫女様をどう止めたものでしょうか、氷竜様?』
「あの……きらりさんはどうしてあんな声を?」
『君たちにはまだ早いぞ子供達。大人になって欲しくないが、大人になってから調べるといい……』

「お、俺には雪菜さんがががが……」
『どうしたことか、この俺の巨根が滾ってしまいそうだ……』
「アイドルの初体験がいきなり青○で獣○のアナ○プレイとか同人誌でもなかなかありませんぞwwwwwwwうっ!……ふぅー」
「きらりさんはともかく、あのホモ達もそうだがやっぱり男の人の喘ぎ声はちょっとキツいね……」
「何前屈みになってますのあなた達……。アレは凌辱ではなく、ちゃんとした治療ですのよ?」
「一体どういう進化を遂げたら、治療法があんなになるってんだ!?」
「大自然の神秘ですの」

詳細は割愛するが、ぐちょぐちょと言った水音にフォレスト・セルから漏れ聞こえる二人分の嬌声は一向に収まる気配がなかった。
かなり重度の進行だった様子のきらりの治療にはやはりそれなりに時間を要するのか、はたまた単純にきらりの味が気に入ったからなのか。
なんにせよそのBGMはこの場の者には刺激が強すぎた。全体的に年齢が若すぎるか変質者が揃っているのだから当たり前である。

「お前達、騒いでいないで次は予言の情報の交換をだな……」
「あー……流石にこれじゃあ難しくないか? 大人しくあのとんでもない治療が終わるまで待った方がよさそうだぞ」

高津の言葉にダオスは頭を抱えるが、止む無くその意見に従う。
誰がどのような情報や発想を持っているかはわからない。もしかしたらきらりか魔雲天が大きなヒントを持っているのかもしれない。
ならば治療が終わり、本当に全員が揃ってからでも予言の考察は遅くはないのではなかろうか。

「……小鳥」
「はひぃ!? な、なななんでしょうか!?」
「騒音が気になるのはわかるが落ち着け。情報収集はどうなっている?」
「カオスロワちゃんねるですか? 確かに小まめに見てはいますけど」
「恐らくだが、大多数の人間はあの機動兵器の暴走と瘴気の因果関係には全くの無知であり、説明しても無駄だろう。
 そうなれば聖帝軍は息を潜めていた殺戮集団と受け取られても止むをえまい。それを相手にし破壊した我々もな」
「うっ……お察しの通り、まだ皆さんには伏せていますが既に聖帝軍の皆さんへは掌を返したようなバッシングの嵐ですよ。
 正直見ていて気持ちのいいものではありません。誤解だってスレ建てした方がいいですかね?」
「全くいつの時代も人間は愚かよ。私がかつて魔科学を止めるように人間に提言した時もそうだったが……
 少数派の意見は、数の力には勝てぬ。真実がどうあれ、多数がそれを是と唱えてしまえばそちらが正しくなってしまうのだ。
 ここで聖帝や我らが何を思って動いたかを書き込んでところで火に油を注ぐだけよ。当に聖帝にも我らにも、退路も味方もありはしない」

言葉と共に息を吐きだし、落胆する小鳥を見やりながらダオスは言葉を続ける。

「生き残れそうだからと、我らの陣営についたことを後悔しているか?」
「い、いえそのようなことは!?」
「ならば前を向け。誰に何と言われようとも何と罵られ敵視されようとも。己が為すべき信念を折らず只管に抗え。
 行き過ぎた科学の排除、世界樹の存続……私の信念には当然敵対者が生まれ、理解されないことも多い。
 だがここに集まった者の信念……予言の解明と大災害の回避はこれだけの理解者がいる。
 電脳世界に入り浸り自ら動かず真実を探そうともしない連中など、動向に警戒こそすれまともに相手をしてやる必要もない」
「閲覧はともかく一々書き込んでる暇があれば、予言を考えて皆さんを助けろってことですね?」
「そういうことだ」

置かれている状況に猶予はない。
予言の考察はまだ進められずとも、互いの状況整理はできる。
魔王は美女と戯れていた聖帝へと歩みより、聖帝軍の風評被害の件を伝えるのであった。



「……」
「あら、こんなところでどうしたのかしら?」
「さすがにあの場は居ずらいっすよ……」
「そう? マーラの凌辱劇はあんな可愛いもんじゃなかったわよ。
 まあ治療だからあの程度だけど、アレが凌辱に動いたらとマーラ以上に恐ろしいことになるんでしょうけど」

騒ぎの地から少し離れた所で、桃子は膝を抱えて座っていた。
それに声をかけたほむらは、彼女の横へと座る。

「……貴女、予言の考察の時起きてたでしょ?」
「バレてたっすか。まあ正直……色々気持ちの整理がつかないんですよ。今も、ぐちゃぐちゃなままっす」

膝を抱く腕に、力が込められる。

「大好きな先輩が殺された。そして犬牟田さんから聞いたっすけど……蒲原部長も聖帝軍にいて、あのきらりさんに殺されたそうっす」

その言葉にほむらの眉が僅かに動くが、口を挟むことはしない。
それを知ってか知らずか、桃子の言葉は続いていく。

「わかるんすよ。悪いのはきらりさんじゃなくて、瘴気のせいだって。主催者や拳王連合、そして超人こそが悪者なんだって。
 だからそいつらを殺さなくちゃって思ったんすけどねー……みんなに止められたっす。
 そこに予言だとか大災害とか途方もないことを言われて、そしてさっききらりさんと一緒にいたのは超人で、でもあの人はちゃんときらりさんを想ってるいい人で……
 もう、何を信じて何を敵と見なせばいいのか、どうすればいいのかわからない。先輩という大きな支えを失った私はもう……」
「なるほど、そういうことね。……じゃあ悪いけど、今度は私の話を聞いてもらえるかしら?」

髪をかきあげ、桃子と視線を合わせるほむら。
あまり自分を語らない少女の予想外の言葉に、桃子は思わず頷いた。

「貴女達には言ってなかったけどね、私は実はばりばりのマーダーだったの」
「えぇっ!?」
「貴女に大切な先輩がいたように、私にも同じような大切な存在がいた。それこそがまどか。まどかを生き延びさせるにはどうしたらいいか考えて……
 私が規定人口になるまで邪魔者を殺して回れば、まどかは何もせずとも安全に生き延びられるって結論に達したわ」
(えぇー……愛が重いっていうか、この人クールビューティーっすけど、あのドジョウ顔総理の言うこと真に受けるとかもしかしてポンコツさんっすか?)
「貴女も、先輩以外の人間殺して回ろうとか思わなかった? 爆弾でまとめて始末しようとか」
「い、いやー……武器に恵まれてなかったすからね! 斬鉄剣は後から手に入りましたし!」
(もう発想がテロリストっすよ。今こうして一緒に話せてるのって結構な奇跡だったんすね……)

人は、自分より重度にぶっ飛んだ同族を見てしまうと、途端に冷静になってしまうものである。

「それで、ある時一人の女の子を殺した。正確には殺しきれてなかったんだけど。それが……ラブだったわ」
「!!」
「彼女が生きていたのには驚いたけど、彼女が私を許し、友達になろうとまで言ってきたのにはもっと驚いたわ。
 私にとって、まどかは全て。まどかが私の全てを構築していると言っても過言ではないわ。まどか以外の友達なんていらない……
 そう思っていたのに、邪険にしたのに。ラブは構わず私と馴染もうとしてきた、してくれた……」

声が震え始めたのは二人ともわかっていた。
だが、止めることはしない。一度大きく息を吸った。

「ほむほむなんて妙なあだ名つけられてね。オオナズチからも何故かそう呼ばれて定着したみたいだったけど……
 あの子は、私には眩しすぎた。自分を殺そうとした相手を許し、あだ名をつけてまで仲良くなろうとして、私を庇って助けてくれて……
 でも……さっき殺された。あの諸星きらりに」
「……」

ほむらの言葉に、桃子は返す言葉が出てこなかった。
自分よりも年下ながらに冷静で強き魔法少女であった彼女が、今は年相応に見える。

「最期にラブは私に謝ったそうよ。戻れなくてごめんって。本当にあの子は、どこまでも馬鹿よ。
 まだちゃんと、私と友達になってくれたことにお礼も何も言えてなかったのに……!」

静かに頬を伝う涙は、すぐさま拭われる。
しかし確かに見たその光景は、桃子の心を揺さぶった。

(そうだ。私だけじゃない、みんな大切な人を失って……それでも気丈に振舞って前を見ようとしてるんすね)
「そう……確かにラブの死はとても辛いわ。それだけじゃない、マミさんだって杏子だって私の大切な人だった。
 時を繰り返す中で荒み果てて、たった一つの約束に拘り続けて周りが見えなくなって、久しく忘れていた感情。
 本当にこの殺し合いと、この後に待つ大災害には反吐が出るわ」
「それには同感っす……」
「でも……こんな最悪な時間軸、逃げ場のない絶望的な世界でも、いいことはあったわ」
「え?」

予想外の言葉に、目が丸くなる。
見れば泣いていた筈のほむらが、微かな笑みを浮かべている。

「ラブにもだけど、私は貴女たちにも感謝しているのよ東横桃子?」
「うぇっ!? ど、どうしてっすか!?」

そして追撃の言葉に、思わず顔が熱くなるのを感じた。

「貴女たち影薄は、遭ったばかりの私を信じて一緒にまどかを助けに来てくれたじゃない。
 こんな殺し合いの環境下でそんな風に動ける人、珍しいのよ? 信じて貰えないかもしれないけど、本当に感謝しているの。
 この最悪な世界でも、最悪な世界だからこそ……色々な人と知り合えた。失うことは辛いけれど、それでも、新たに信じられる人たちを見つけられた」

その言葉には重みがあった。
確かにこの殺し合いの世界は最悪と言っていいだろう。先輩も部長も殺され、どうしようもなく辛い。
しかし確かに、こんな世界だからこそ動き回り……小町たち影薄の仲間や、この都庁に集った仲間とも出会えたのだ。

「……さやかにからかわれそうだから、一度しか言わない。私は貴女たちを、ここに集まったみんなも……まどかに次いで、大切な友達と思っているわ。
 みんなを守るためにも殺し合いだろうが大災害だろうが、絶対に乗り越えてみせる。ラブ達のためにも、折れたりなんかしない!」
「な、なんか照れるっす。でも、確かにそうっすね。
 先輩も、最期に私の名前を呼んでくれたけど……その最期の時まで、拳王連合軍の危険性をみんなに伝えようと頑張っていたっす。
 部長も聖帝軍で拳王連合軍に対抗しようとしてた。ここで私が折れたら……その頑張りも無駄になってしまう」
「そうよ。大切な人だからこそ、その想いは無駄にできない。
 ほら、そろそろ立ちなさい。死を悼んだり悩んだりは後でもできる。今はみんなで、立ち向かう時よ」
「そうっすね。いつまでも情けない格好じゃ、先輩も安心できないっすよね。ありがとうっす――ほむほむさん」
「…………貴女も、その呼び方なのね。別にもう慣れてしまったからいいのだけども」

差し出された手を握り返し、桃子は立ち上がる。
その姿は揺らぐものの、瞳の奥には新たな揺るがぬ信念が生まれていた。

「おやおや、あたいらはお邪魔だったかね?」
「こ、小町さん!?」

そんな二人の元に、小町たちも訪れる。

「もう大丈夫そうだけどモモ、改めて言うよ。あたいも、あんた達が大切だ。この身にかえても守ってみせるよ。
 辛く悲しいことも多いが、そんな時は溜め込まないでどーんとこの胸にぶつかってきな! 一緒に頑張ってきた仲じゃないか」
「ははは、こまっちゃんみたく柔らかくはないが、俺の胸にも飛び込んできていいぞ」
「あかりも受け止めてみせるよ!」
「僕も頑張ります」

「皆さん……ありがとうございます。随分と心配かけちゃったみたいっすね」
「んんwwwwwww元気が出たならなによりですが、まだ辛いなら我の胸にも飛び込んでいいですぞwwwwwww」
「あ、オオナズチは結構っす」
「まさかの差別wwwwwwwでもこの流れが嫌いじゃない我もいるwwwwwww」

見れば、いつのまにか影薄の仲間が全員揃っていた。
オオナズチの笑い声がうるさいが、不思議と今はそれも不快には感じない。

(ああ、そうだ。ほむほむさんと同じっす。先輩ばっかりを見て、忘れそうになってしまったけども……
 この人たちも、私と一緒に笑って泣いてここまで一緒に頑張ってきた、かけがえのない大切な人たちだ)
「もう、大丈夫っすよ。影が薄いだけで未だ何の活躍もできていないっすけど、予言の考察で一旗あげてやるっす!」

決意も新たに桃子が叫ぶが、それを見た小町が思わず噴き出した。

「ちょ、人の決意表明笑うって流石に酷くないっすか?」
「くくっ、ああごめんごめん。いやさ、自覚無いのかなって思ってついね。ほむら、あんたからも言ってやっておくれよ」
「仕方がないわね。モモ……というよりも、そこの二人も含んだ三人組。あなた達の功績ってかなり大きいのよ?」
「「??」」
なおも気がついていなさそうな桃子たちに、小町は助け舟を出す。

「最初にあたいらがここに来た時を憶えているかい? そう、レストにボッコボコに叩きのめされたあの時さ」
「未だにあの時の恐怖は残っているわ。足が竦んで、銃もろくに構えられなかった。そんな相手に、貴女たち三人は挑んでいった」
「あ、あの時は無我夢中というか、結局失敗したし」
「いやあ、あたいは結構嬉しかったね。ちゃんとあんたらもあたい達を仲間って認めてくれてるってのがわかったし、勇気があるのもわかったしね」

からからと笑う小町に、賛同するようにほむらが静かに頷く。
確かにあの時に動けたのは三人だけであり、こうして称賛されるのであれば悪い気はしない。
とはいえその程度では活躍とは言えないのもまた事実であり、疑問符はまだとれない。

「ま、それも大きいんだけどさ。あんたらはそのレストも救ってるのさ。
 それが後々にこうやって、世界樹に色々な人材が集まる基盤にもなってるんだ。誇っていい立派な功績さね」

小町の言葉に、今度こそ戦えない三人の影薄は驚きの表情を浮かべる。
自分達は彼に一撃を与えこそしたが、無傷でかわされ後は他愛のないことを話した程度だ。

「あいつ自身が口をすべらせてたからね。なんでもない無い会話が久々で、楽しいってさ」
「……結局のところ、彼も私と根底は同じなのよ。魔物を庇い強すぎた為に人から迫害され、荒み果ててやがて誰かを信じることなんて忘れてしまった。
 でも貴女たちは、魔物にも彼にも怯えることなく接した。誰にも頼れない孤独の中で、久しく忘れていた人との触れ合いは大きな救いとなるわ」
「うーん、あかりにはあんまり実感ないなぁ……」
「それも大きいだろうねぇ。あたいらじゃどうしてもあの戦闘能力を警戒しちまって本心では話せなかっただろうさ。
 無意識の行為。嘘偽りのない、純粋で真っ直ぐなあんた達だからこそ、あいつもまた人を信じてくれるようになった」
「僕たちは、助けになれていたのでしょうか?」
「ああ、間違いなくね。あの子、サクヤも大きな支えだったろうが、それを折られてもあいつはまだ戦ってくれている。
 あいつもあたいもあんたらもみんなも……悲しみを背負いながら前を見れている。それは支えが一つだけじゃないってことさ」
「そもそも貴女たち三人をなんとも思っていないのであれば、貴女たちは風鳴翼にまとめて食い殺されていたでしょう?」

その言葉にはっとする。
確かにあの時、自分達は狂気に染まった風鳴翼に狙われた。
人とも獣ともつかない恐ろしい姿の化物の接近。恐怖で身体は竦んで動かなかった。
そんな時に彼は身を挺し庇い、今でこそ癒えたが深手を負わされてしまったのだ。
自分達のような戦力にもならないたった三人の人間を捨て置けば、十全な状態で風鳴翼と対峙できていたかもしれないのに。

「……そうっす。あの人は、大怪我をしても私たちを助けてくれたっす」
「そういうことよ。たとえ戦えなくとも、誰かを救うことはできる。貴女たちも、誰かを救える手を持っている」
「勿論、あんたらの存在はあたいにとっても救いだし、戦う原動力でもある。柄じゃないってか? はは、大いに結構!」

再び笑う小町の言葉に、三人の影薄は照れ臭そうにする。
そんな中で、英雄だけは少しだけ気まずそうに頭を掻いていた。

「戦わず誰かを救う、それも立派な武器だ。まぁ、俺は影が薄いのと腕っぷししか取り柄がないからそんな真似は難しそうだがな」
「我の記憶が正しければ一番強そうなお前が一番凹されてますがなwwwwwwもっと頑張れですぞwwwwww」
「よーしオオナズチ、歯ァ食いしばれ。ま、冗談はさて置き、俺もドラゴンハートの恩恵を受けている。言われずとも頑張るさ」

「そういえばオオナズチ、貴方も地下で結構色々喋ってたわよね? 草も生やさずにに私たちのことを色々と……」
「え、何それあかり気になる!」
「えちょwwwwww」
「僕も興味があります」
「勿論私もっす。草を生やさないオオナズチとかかなりレアなんじゃないすか?」
「やめてほむほむwwwwwww我の築き上げたキャラ壊れちゃうwwwwwwそんなことより今は予言のことですぞwwwww」
「あら、てっきりきらりの嬌声をまた聞きに行くと思ったのに。やっぱりあっちが本当の貴方なのかしらね?」
「オウフwwwwwwあまり苛めないでほしいんですぞwwwwwミヤザキの話教えてやんねーぞですぞwwwwwww」
「ミヤザキ?」
「やっと食いつきましたなwwwwwwまあ確証はないけど予言と無関係とも言い切れなくて――」


未だ外で響くきらりと魔雲天の嬌声を掻き消すように笑いながらオオナズチの言葉は続けられていく。
失ったものも多いが、とにかくきらりという大きな脅威は去ったのだ。
戦えずともできることはある。立ち止まれない理由がある。
それを再度確認した少女たちは、他の仲間よりも先に予言の考察をするのであった。




「なんとか上手くいったか。魔雲天さんがとばっちり受けたのは想定外だけど」
「レストさん、お疲れ様でした」
「きらりがフォレスト・セルに飲み込まれてからこのロボはピクリともしなくなったな。もう蕾を抜いても大丈夫だろ」

その頃、レストは神樹に登っていた。
見下ろす格好となったきらりんロボは完全に静止し、神樹が突き刺した蕾が引き抜かれた瞬間に両腕は音をたてて崩れ去った。

「なんかあっちで聖帝さんと子供達がすごい落胆してるね……」
「結構自慢のロボだったらしいからな、これ。仕方がなかったとはいえここまでやっちまったらもう粗大ゴミよ。
 まあ俺自身も学習させられたことだが、どんだけ強い奴でも弱点突かれたり束になって攻め込まれたらキツイって教訓にしてもらおうぜ。
 ところでどうよエリカ? その俺の弱点の一つ、もやしみてえなボディも今じゃレベルアップでこんな黒々と太く逞しくなったぜ?」
「とても素敵ですわ、神樹」

神樹の肌を撫ぜて満足気にするエリカ。
手持ちのポケモンを全て殺されてしまった彼女ではあるが、まだ神樹が残されている。
そんな神樹もエリカのために戦い傷つき、異形と人間の少女の奇妙な信頼関係がそこには確かにあった。
お互いの存在そのものが救いであり、この二人はお互いに救いの手を伸ばした結果、この都庁に辿りつけている。

(この二人が互いの救いであるように、やっぱりきらりにとっての救いは魔雲天さん。そして魔雲天さんの救いもきらりだったんだね)
「無事にきらりさんが救えて何よりですわ。これならユーノさんも助けられますわね」
「……そうだね」

レストが僅かに言い淀んでしまったのは、今回のきらり救出作戦が実は失敗しかけていたことを知っているからである。
自分よりも遥かに混沌の侵攻が進んでいたきらりは、限りなく風鳴翼に近く見えた。
不幸中の幸いだったのは、元から戦闘経験を多く積んでいた風鳴翼と異なり、きらりは戦闘経験が浅かったことだ。
強力な歌とビーム、触れれば何でも壊せる拳に脚。大きすぎる力に振り回されていたというのが正直な印象である。
もし彼女がもっと経験を積んでおり、ビームや拳の使い方が上手くなっていたら。
それこそ、こちらがデバフを解除する瞬間を狙い撃ちにされていた可能性もある。
時間をかけられないと踏んだからこそ、きらりの肉を取り込むという強行突破手段を用いたのだ。

そしてその選択は正しかった。
先程サウザーと魔雲天が救出したきらりの姿を目視した瞬間、実は諦めかけていたのだ。
あの時点できらりと肉と機械の融合侵攻具合は、エーテルリンク以上であった。
あれでは無理に引きはがそうとすれば、きらりの本来の身体も傷ついてしまう。
あの状態ではきらりの尻を狙うことはもちろん、全身を舐めまわすこともフォレスト・セルにはできなかっただろう。
ほとんど残されていなかったであろう自我の中、魔雲天の声に反応し手を伸ばしたきらり。
見たことも無い力で、一時的とはいえ混沌の力を退けてみせた魔雲天の力。
二人の強い絆があったからこそ、今回の救出は上手くいったと言える。
だからこそ、彼女達を救えた喜びもひとしおだ。

「さて、そろそろもう一人の功労者を迎えに行ってあげないと。神樹、さっきと同じ位置に頼むよ」
「任せときなって。そいやっ!」

そして再び神樹に投げられ、レストは空を飛んだ。
今回の救出作戦において、魔雲天と同じくらい重要であった機械の少女。
彼女が足止めをしてくれていなければ、救援隊も聖帝軍も皆殺されていただろう。
彼女も早く労い、治療してやらねば。




そう思いながら飛んでいて、何故だか全身が強く震えた。




「フェイ……?」

本当は、神樹に投げ飛ばされた瞬間からその違和感は感じていた。
投げられて数秒、その正体にも気がついた。
同じ位置に投げて貰った。その筈なのに、着地地点のフェイの肩がなかったのだ。

彼女も移動はしているから全く同じ位置にないのはわかる。
だが彼女のサイズからすれば、目視できなくてはおかしい。

ああ、きっと戦いが終わったから人のサイズに戻ったんだ。
そう考えた。そう思いたかった。

共に戦ったのだ。彼女は狂信者がいくら束になったところで蹴散らせるだけの力はあった。
だから大丈夫。

仮に強敵がいても、きらりを足止めできる立ち回りがある。エモーショナル・アタックもある
逃げることはできるはずだ。



余程の――理不尽でもない限り。



「フェイ――」






「ズェェェェェェアァッッ!!!」








スカイツリー跡地。
その残骸に埋もれるように沈んでいたフェイの姿を見つけるのと同時。
上空から振り下ろされた斬撃は、そのまま相手を流星のごとく地へと墜とした。





「……」

飛ぶ、という行為は非常に便利かつ強力である。
しかし地上で戦う以上にできることは制限されてしまう。

容赦なく空中から獲物を叩きつけたのは白き侍、ハクメンであった。
彼は『凶』を追い東へとひたすらに走っていた。
かつて見せたように時間を斬り、道中立ち塞がった悪も、狂信者も、何もかもを斬り、この東京へと辿りついていた。

「……」

そんな彼は、東京の異質さをすぐさま肌で感じた。
大量に湧き出て、もはやハクメンですら完全に滅するには相当な時間を要すると判断したDMC狂信者。
そして風鳴翼に類似した気配を持つ『凶』が、複数個所に確認できたのだ。
あまりの異常事態。
最終的に全て滅するのは変わらないが、優先順位はハクメンの中には存在する。
関西でクライシス皇帝を無視できなかったように、捨て置ける『凶』と捨て置けない『凶』がある。

そして彼が目をつけたのは――圧倒的な速度で膨れ上がる『凶』、諸星きらりであった。

そしていざ断罪処分を下そうと向かったところで、きらりの頭部が破壊された。
何事かと思えば、それをやってのけた存在もまたきらりと同じ気配……いやきらりの一部を取り込んだ更に凶悪な『凶』だった。

そんな二つの『凶』が、一瞬にして転移したのだ。
勿論気配でわかる。それほど距離は離れていない。東京都庁だ。
あそこには既にユウキ=テルミすら上回りかねないとてつもない『凶』がいることは遠方から感知していた。
都庁に集まる複数の『凶』はとても無視できるものではない。
渋谷や九州ロボ付近にもやはり強大な『凶』を感じたが、一体のみだ。
優先順位は、決まった。


ただ黙々と、ハクメンは『凶』を滅するために動く。
たとえその直後、かつてのOTONAの様に『凶』ではないが行く手を遮る機動兵器が現れたとしても。
彼女が必死に言葉を投げかけ、止めようと奮戦しても。







ハクメンは容赦なく、そんな彼女を斬り伏せた。

殺意は無かった。だが抵抗の激しい彼女に重い一撃を放ったのは事実。

彼女が生きていようが死んでいようが、信念の前には無意味。

全ては『凶』を滅するために。

それこそがハクメンの道なのだから。

「……っ!」

そんなハクメンに、突如として竜の尾が叩きつけられる。
最早確認するまでもない。先程の一撃で仕留めきれなかった『凶』のものだ。


「ぬん!」


横薙ぎのそれを、受け止めて受け流す。
この程度の攻撃で傷を負う程、ハクメンは甘くない。


「よくもっ……!」


『凶』は、空中で対峙した時よりもさらに異形の姿となって瓦礫より舞い上がってきた。
竜の尾に爪に翼。それぞれ色の異なる様相なのが、より異形らしさを引き立たせている。
さらにいずれの竜とも合いそうにない、独特な形状をした角も目を惹く。

その瞳に宿るは憤怒の感情。
しかし『凶』はそのまま突っ込んでくるかと思えば、軌道を変えて先程沈黙させた機動兵器の元へと飛んで行った。

(くそ、僕じゃ機械の彼女が無事かどうかなんて判断できないし、治せない……! どうか無事でいてくれフェイ!)

そして触れたかと思えば、機動兵器は光に包まれ消え去った。
彼女の気配は辿れないが、先程と同じ術だとしたら行先は決まっている。『凶』の根城たる東京都庁だ。

「どうして彼女を斬った……! お前は一体……!」

『凶』が口を開くが、ハクメンの答えは決まっている。

「貴様ら『凶』を滅するため。あの地に集いし『凶』は、貴様が転移させた『凶』は無視できる存在ではない」

淡々と、しかし鋼の意思でもってそう返した。

「……っ!? 彼女は、間に合ったんだ! 彼女を支えとする人のためにも、そんなことさせてたまるか!」

『凶』が吠える。
成程『凶』は『凶』同士で通ずるものがあるとでもいうのか。

「……戯言だ。安心するがいい。まずは、貴様からだ」
「っ!」


ハクメンの刃は、一瞬にして『凶』へと届いた。

「ぐっ……!?」

それは一瞬であった。
ハクメンの刃は確かに『凶』の身体を捉えた筈だった。

『秩序』の力は『混沌に対しての絶対的な特効を持つ。
それ故にかつて対峙した緑間という男も、ガチレズコンビも殺処分できた。
目の前の『凶』もまた紛れもない『混沌』の力を持っている。本来であれば秩序の一撃の前には為すすべもないはずだ。
いや、一つ。一つだけ混沌が秩序に対抗する手段を持ち得ることもあり得なくはない。
忌むべき邪法だ。

捉えた筈の刃が弾かれ、追撃として振り下ろされた『凶』の刃をかわしながら、ハクメンはその結論に至る。

「貴様……その人と竜が混ざり合った姿。それに飽き足らず『光』をも取り込んだか。
 やはり先程の『凶』以上に、貴様の方がより滅すべき存在のようだな……!」

光太郎やOTONA達に向けた殺気の非ではない。
確実に相手を滅するという『凶』にのみ向けられるハクメンの鋭き刃の如き殺気。
秩序の特効がなかろうが、滅しきってみせるという気迫。

その気を受けてなお『凶』とされたレストは退くことをしなかった。
いや、退けないといった方が正しいか。
ハクメンの言葉から、彼のおよその目的はわかってしまったのだから。

(奴の言う『凶』は、あの混沌の力に侵された者のことだろう)

(つまり奴は、きらりやユーノ達を狙っている。それだけじゃない、おそらくきらりを守るために立ち上がったフェイすら手にかけたんだ)

(つまり聖帝軍やエリカ達、そして都庁のみんなも……攻撃対象とされる)

(僕は一度侵されたとはいえ、抗体はできている。僕自身にもう影響は出ないとはいえ、さっき取り込んだきらりの欠片が仇になったかな?)

「ははっ」
「何がおかしい?」

(いやいや、やっぱりあの選択は正しかった。取り込んだからこそ、こいつはきらりより先に僕を狙ってきたんだから)

(……『凶』か。確かにいくら抗体を得たとはいえ、滅茶苦茶なエーテルリンクをしている僕はほぼ風鳴翼と同じかもね)

「僕は『凶』で結構。でも彼女達は『凶』なんかじゃない」

(でもあいつの反応からするに、サクヤの力があいつの力の一部を弾いてくれているのは間違いない)

「そう簡単に滅せると思うな、怪物。ここから先は、通さないっ!」

『凶』とされながらも、竜と光の気を持って向かい合う。

滅するために、世界を『凶』から救うために次の地に手を伸ばすハクメン。
『凶』とされた仲間を滅びの手から守るために抗うレスト。
相反する信念を持った大きな力が、スカイツリー跡地にてぶつかり合う。




お互いの殺気で、沖縄県の異変に未だ気が付けていないことは、果たして二人にとって幸か不幸か?

二日目・14時30分/東京都・世界樹】

【都庁同盟軍】
【ダオス@テイルズオブファンタジア】
【氷嵐の支配者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【音無小鳥@アイドルマスター】
【渚カヲル@新世紀エヴァンゲリオン】
【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
【アイスシザース@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【ウォークライ@セブンスドラゴン2020】
【小野塚小町@東方Project】
【日之影空洞@めだかボックス】
【東横桃子@咲-Saki-】
【黒子テツヤ@黒子のバスケ】
【赤座あかり@ゆるゆり】
【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【オオナズチ@モンスターハンターシリーズ】
【エリカ@ポケットモンスター】
【アルルーナ@新・世界樹の迷宮】
【歪みし豊穣の神樹@世界樹の迷宮4】
【桑原和真@幽遊白書】

聖帝軍
【サウザー@北斗の拳】
【ターバンのガキ(円亜久里)@ドキドキプリキュア!】
【ターバンのガキ(イリヤスフィール・フォン・アインツベルン)@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
【ターバンのボイン(金色の闇)@ToLOVEるダークネス】
【ターバンのガキ(イオリ・セイ)@ガンダムビルドファイターズ】
【ターバンのガキ(アリーア・フォン・レイジ・アスナ)@ガンダムビルドファイターズ】
【ターバンのおっさん(高津臣吾)@ササキ様に願いを】
【ターバンのガキ(犬牟田宝火)@キルラキル】

【共通思考】
0:きらりの治療が終わるまで休息の後、双方の陣営と情報交換
1:予言の考察を進める

※新宿中央公園跡地にきらりんロボの残骸が残っています
 相当な技術がないと修復は困難です
※世界樹入り口にフェイ・イェンが生死不明の状態で転送されました

二日目・14時30分/東京都・フォレスト・セル】

【フォレスト・セル@新・世界樹の迷宮】
【諸星きらり@アイドルマスターシンデレラガールズ】
【ターバンのレスラー(ザ・魔雲天)@キン肉マン】
【共通思考】
0:キモチイイ……
※現在、フォレスト・セルの治療を受けています。だいたい30分くらいで終了すると思われます
※治療が済み次第、きらりと魔雲天にテラカオス抗体が作られます
 またテラカオス化によって手に入れた能力も制御され、きらりはデバフ歌(弱)とデバフ耐性と再生(弱)の能力を引き継ぎます
※治療に使われているのは後ろの方なので、アイドル的にはまだ大丈夫です

二日目・14時30分/東京都・スカイツリー跡地】

【レスト@ルーンファクトリー4】
【ハクメン@BLAZBLUE】
【共通思考】
0:互いを滅する
※殺気の影響で、まだ沖縄の異変(シャドウの存在)に気が付けていません
最終更新:2018年02月13日 23:59