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現在時刻は午後七時を回ったところだろうか。
黒き仮面の男にして現カギ爪団の頭領であるゼロもといルルーシュと、C.C.は上層部に呼び出されていた。
上層部に近づけることは、このビッグサイトに潜伏しているカオスロワちゃんねる管理人(一連の事件の黒幕と見ている)のあぶり出しをしやすくなるので本来は喜ばしいことなのだが、仮面で隠したルルーシュとC.C.の表情には焦りの方が浮かんでいた。

その理由はビッグサイトの外に待機させていた妹たち五人が行方をくらませていたからである。
部屋には誰かが暴れた形成があり、美遊・美柑・唯・美也・クロエそして深雪に何かあったことは想像に苦しくない。
他者にはまず見せない狼狽ぶりをルルーシュは隠すことができなかった。
その直後に上層部からお達しが来たとあれば、タイミングが良すぎて嫌な予感を感じずにはいられなかった。

足はやに上層部のいる一室の扉にたどり着いたルルーシュは恐る恐る、重い扉を開けた。


扉を開けたルルーシュの目に飛び込んだのは、部屋の奥に王の如く座る有翼の男――上層部筆頭のディー。
金髪の冷酷そうな軍人――機動部隊隊長のドリスコル。
竜殺剣を担いだ爆乳脇見せ人修羅おばさん――水面下の同盟であるセルベリア。
ムキムキマッチョのコメディアン――松本。
まるで雪の妖精にような愛らしい妹――深雪。


そして――


「美遊…美柑……ッ!!」

椅子に縛り付けられ、顔や体に無数の痣や切り傷をつけられたルルーシュの妹である美遊・美柑がいた。
元の可愛らしい顔がわからなくなるほどの拷問を受けたようだ。
松本の拳に血が付いているところからして拷問を行ったのはこの男らしい。
なぜ自分の妹たちが痛めつけられているのか……ルルーシュは多少無様ななりでも構わずに声を荒らげて筆頭のディーに訴えかけた。

「これはいったい……何の真似ですか! ディー!!」
「ゼロ……彼女たちから色々と話を伺ったよ」
「なに!?」
「このビッグサイトに裏切り者が入ってくるとはな……!」
「「!!?」」

ディーの言葉にルルーシュだけでなく、後ろにいたC.C.をも震撼させた。
察するに妹たちを拷問して得た情報からクラウザーの蘇生方法を奪ってナナリーを生き返す野望や、対主催や主催と接触しようとした計画がバレたのか。
そうなると自分たちの運命はどうなるか。

「裏切り者には死を」

ディーが冷酷に言い放ってからは早かった。
彼は『裏切り者』に向けて刀を投げつけた。
大神の力による加算もあり、人間離れした速度で投げつけらた刀を肉体面で弱いルルーシュが避けることは叶わない。
そして刀はドスリと刺さった。

「え……?」
「ルル……――」

……ルルーシュの隣にいたC.C.の脳天に。
彼女は不死のギアスの持ち主であったが、未だに外れていない首輪によってそれは制限されており効果を発揮しない。
すなわち頭部破壊イコール即死であった。
命を失ったC.C.の体が糸の切れた人形のように床に倒れた。

「し……C.C.ーーッ!! ディー貴様ァ!!」

妹たちを傷つけられた上に相棒である女の死にルルーシュも我慢ならずにディーに吠える。

「お待ちくださいお兄様!」
「深雪?!」
「これには理由があるのです!」
「ワケ……?」

危うく殴りかかる勢いだったルルーシュを止めたのは拷問を受けていない深雪であった。
妹の言葉により噴火寸前だったルルーシュの怒りも、一時的にでも休火山にまで戻すことはできた。

「ゼロ、いきなりすぎて混乱を招いてすまない……怒っても当然だろう」

ルルーシュの怒りに特に動揺した様子もなく、ディーはまず謝辞をし、そして妹たちを拷問したわけとC.C.を殺した理由を淡々と語った。

「そこのC.C.と美柑・美遊、クロエという雌豚どもは都庁の関係者であることが発覚した。
ないしはクラウザーさんの蘇生を阻み、内部からの破壊工作を狙っていたスパイだったのだ」
「C.C.とクロエたちが!? どこにそんな証拠が?!」
「そこにいる美柑と美遊が自供した。
厳密には都庁の関係者の身内がいるくらいだが、支援をしようとは考えていたらしい。
彼女らの口は硬かったが強烈な自白剤と拷問を加えたら観念して知ってる限りの情報を吐いてくれたよ」
「馬鹿な、ありえない! ならば私も……」
「おっと二人によると君や深雪君は無関係らしいから安心したまえ。
彼女らは君の類まれな指揮と深雪君の魔法の才能を使ってバーターとしてビッグサイトに入るつもりだったらしい。
仲間だと思って信じて裏切られて君には同情するよ」

C.C.とギアスで操っている妹たちが自分を裏切るなど考えられない。
都庁に関しては侵入したらしい聖帝軍の中に妹たちの知り合いが何人かいるぐらいで、味方するためのパイプなどは持っていない。

だが、ルルーシュは幾つかの理由によりそれ以上反論に出ることができなかった。
下手に周囲を刺激すると疑われる危険が増大して今度は自分に死の矛先が向く。
この会議室最弱は間違いなくルルーシュであるし、深雪も強いがディーやセルベリアにまで勝てるかは怪しい。
動けない美柑や美遊は言わずもがな。

ギアスで味方につけようにもドリスコル以外に効くかは微妙。
他の三人は人外の気配がし、仮に耐性があった場合は詰む。
おまけに奪取予定の蘇生手段がなんだかよくわかっていないので、ここで暴れて破壊の末にナナリーの蘇生手段を喪失する可能性があるのだ。

ここは事を荒立てずに仲間に裏切られた悲しき狂信者を演じるしかなかった。

「……先ほどの狼藉はすみません。彼女は味方だと信じていただけに」
「気にしていないさ。あれぐらいは想定の範疇さ。
スパイを油断させるためにも君には教えずにここへ招き入れる必要があった。
先に教えてしまったら近くにいる君が殺されてしまう危険もあったからな。
敵を騙すにはまず味方からというわけだが、君が動揺したり怒っても無理はないだろう」

どこか恩着せがましく聞こえるディーの言葉にルルーシュは反吐を吐きそうになるが、ぐっとこらえる。
今は妹たちの安全が最優先――

「よし、彼女らは用済みだ。松本」
「……ま、待って」
「約束と違――」
「へッ、悪く思うんやないで!」

松本の持つ槍の一撃によって命乞いをする美柑と美遊の首が切断された。

「なッ……」

自分が堪えれば妹だけは助かるだろう――ルルーシュのその甘い考えは打ち砕かれた。

「裏切り者には当然の報いであるな、レ○プされる価値もない雌豚にはお似合いだ」

放心状態になったルルーシュに構わず、ドリスコルが冷たく言い放ち、その横で松本は槍でC.C.の首をも切断し。

「見てみい、ワイの会心のギャグ、団子三姉妹や!」

一番上にC.C.、中間に美遊、一番下に美柑の順番で三人の生首を槍で串団子のように突き刺して周囲に見せびらかした。





「……ッ!!」

瞬間、妹をなぶり殺しにされたルルーシュの怒りは頂点に達した。
ルルーシュの手がポケットの中に隠しているナイトメアフレーム入りホイポイカプセルに伸びようとする――

(お兄様!)
(深雪!)

しかし、ルルーシュが反抗に出る前に隣にいた深雪に手を掴まれ、止められた。
その腕はひどく汗ばんでいるのか濡れていた。

(申し訳ございませんお兄様。
でもこうするしか、お兄様を守る方法がなくて……)
(深雪……)

思わず怒りを噴火させそうだったルルーシュであったが、深雪のおかげで踏みとどまることができた。

(謝るのは俺の方だ。妹たちを殺されて頭に血が上った愚兄を許してくれ)
(いいえ、みんなを守れなかった愚妹である私をお許しください)

実際、ガウェイン一機では上層部相手に勝ち目は薄く、仮に勝ててもビッグサイト中の狂信者の総攻撃を受けて殺されていただろう。
ナナリー蘇生までは死ねない身である以上、ルルーシュにとってそれは嬉しくない。
幸い、自分が裏切りかけたのは上層部や松本には気づかれてないようだ。

「君の仲間事情に関しては残念だが、つい先ほど逃走中と思われた唯・美也の惨殺死体が東京湾で確認された。
二人は裏切り者ではなかったそうだが、クロエに殺されたようだ。
その逃走中のクロエは、とあるネームド狂信者が討ってくれたことで問題はそこまで拡大しなかったのは僥倖だ」
「……そうですか、クラウザーさんへの恥を重ねないためにも裏切り者が討たれて良かったです」
「どうやら気持ちの整理がついてくれたようだね」

新たに報じられた唯と美也、そしてクロエの死にルルーシュは表面上は動揺せず、平静を保つ。
もちろん心の中では生存を信じたかった三人への望みが絶たれた失望感と黒く煮えたぎる狂信者への怒りがあるが、ただ一人生き残った妹の深雪を守りたい一心で噴きこぼれないように深く蓋をした。

「……ただ一つ、クラウザーさんの蘇生手段は確かにこの施設にあるんですかな?」
「詳細は言えないが、蘇生手段は確かにビッグサイトにある。
だが、それにはどうしても生贄の数が足りないのだ」
「具体的な必要人数は?」
「都庁のヘルヘイム、聖帝軍、拳王連合軍、千葉に居るイチロー率いる同盟、主催がいると思わしき九州ロボ。
この組織の内、最低三つは滅ぼしておけば蘇生は可能になる」

ルルーシュはそれは本当なのかと、同室内にいるセルベリアに視線で質問する。
答えはイエスであった。
蘇生手段があるのは嘘ではないらしい。

「良かった……そうでなければ私がここにきた意味はない」

もちろん、それはクラウザーさんの蘇生のためではなくナナリーのためという意味であるが、狂信者たちにはわかるまい。

「熱心なのは結構。
では、ゼロ、君と深雪くん、カギ爪団の長となった君に仕事を与えよう。
ここにいるドリスコルと機動部隊、以下ネームド狂信者数名と共に都庁攻略に向かって欲しい」
「!!」

筆頭のディーから与えられた仕事は狂信者と戦争中であり、二度の侵攻を退けた都庁の攻略。
すなわち最前線送りであり、主催との接触方法と管理人を見つけていないままビッグサイトを離れたくないルルーシュとしては非常にありがたくない展開であった。
パイプを持っているセルベリアとも引き剥がされてしまう。

だが、断るわけにもいかない。
ただでも名目上は、裏切り者を招き入れてしまった戦犯一歩手前の狂信者である。
本当ならば諸共処刑されてもおかしくない立場であり、口答えすれば今度こそ抹殺される可能性が濃厚。
生かされているのはおそらく、カギ爪団をコントロールできる指揮官が足りないためでもあるのだろう。

「わかりました」
「ああ、21時までにはここを出発し、22時までには作戦を開始できるように準備して欲しい」
「随分、短いですね……もう少し作戦を練る時間が欲しい」
「その気持ちはわかるが、クラウザーさんが待ってくれなくてね」
「は?」

ディーの口から漏れたクラウザーさんが待ってくれないという言葉にルルーシュは耳を疑う。
だがクラウザーは死んでおり、まだ生き返ってないはず。
これはどういうことなのか?

「これを見てくれ」
「……な」

部屋に備え付けのモニターに映し出されたのは、異常気象を引き起こしている現状の沖縄。
ただの嵐や台風ではない……魔力を持たぬ者でも見ればわかる明らかな『異常事態』であった。

おもわず絶句するルルーシュ……なぜならば、ルルーシュは妹キャラ(55歳)から横流しされたプロジェクト・テラカオスの概要を知っているため、異常気象の正体がTCによるものだと感づいていた。

「なんやこれは?」

TCのことなど微塵も知らない参加者である松本が疑問を口にする。
真実に近いものはルルーシュが知っているが、その疑問に答えたのはディーであった。

「これほどの形容し難い天災を引き起こせる存在は一人しかいない……クラウザーさんだ」
「?!」
「は?」
「なに?」

上層部筆頭の言葉にルルーシュだけでなく、深雪や松本も首を傾げる。
狂信者はともかく、この三人はクラウザーがそんな力など持っていないことを「知っている」のだから。

「ちょいまてや、クラウザーさんはまだ生き返っておらへんのやろ!?
大阪でグルドって奴に殺されたハズやないのか?」
「おまえたちこそ何を言っている。
この世界を統べるクラウザーさんなら冥府から異常気象を起こすなど朝飯前だ。
グルド相手には根岸崇一という存在に『世借り』していた弱体化状態だったためにしてやられてしまったが、本来の彼なら世狩りしていないと世界を一瞬で滅ぼせる力の持ち主に違いない。
故に沖縄に発生した神格者すら近づけさせない気象はクラウザーさん以外はありえないのだ」
「は、はぁ……なるほど(め、滅茶苦茶な理論やな)」

ドリスコルの解説になっていない解説に松本は表向きは納得しつつ、内心では呆れ果てていた。

余談だが、上位クラスの狂信者になると根岸崇一(つまりクラウザーさんの中の人)のことは周知されている。
ただし、クラウザーさんの正体ではなく、クラウザーさんが化けていたアバターのようなものと思われているが。
クラウザーさんは絶大な力を持っているが故に、人間レベルに力を落とさないとこの世界で歌えないらしい。
そのための器が根岸であり、波長のあう彼に世借りしていたというのが超のつく狂信者の理論である。

当然真実は違うのだが、狂信であればあるほど目が曇っていくので信じているのだ。
自分たちの英雄がクソザコナメクジだったと信じたくない者たちと同じ心理である。


「見ての通り、クラウザーさんは非常に怒っていらっしゃる。
このまま行けば我らは忠義を示せぬまま滅ぶことになるだろう。
あの方が望むのならば滅ぼされるのもやむなしだが、忠義の証を立てられぬまま死ぬわけにもいかんだろう。
クラウザーさんを認めなかった世界への復讐も終わってはいない」

ディーは異常気象をクラウザーの怒りと受け取ったようだ。
彼の怒りを鎮めるためにもSATUGAIを続け、装置でクラウザーさんを蘇えらせないといけないと考えに至ったようだ。

「もう、我々には一刻の猶予もない。無茶は承知の上だ。
手始めに都庁を滅ぼし、次はイチリュウチーム、拳王連合、そして最期は主催だ。
第一ステップとして都庁への最終攻撃作戦を実行に移す。
まずはドリスコルとゼロを中心に作戦を立て、都庁を陥落させてもらいたい。
防衛隊長であるセルベリアと残りのネームドは辞令があるまで待機、以上だ」

筆頭のディーは命令を下し、部屋に集まった集団を解散させた。
ディーとドリスコル以外は一度ビッグサイトの外に出た。
なお、深雪は裏切り者を見つけた功績を認められ、(やたら悪臭漂う)薬によって首輪が解除された。



【C.C.@コードギアス 反逆のルルーシュ 死亡確認】
【美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 死亡確認】
【結城美柑@ToLOVEるダークネス 死亡確認】




※ ※ ※


(クソッ、先手を打たれたか!!)

ビッグサイト入口の手前の野営地、一つのテントの中でルルーシュは悪態をついた。
C.C.や妹たちを殺された、ということもあるが、それと同じくらい彼を苛立たせることがあった。

(神格者であるらしいディーが沖縄の異常気象を見抜けないだと!? そんなわけがあるか!)

ディーは神格者には違いないのだろうが、それほどの存在であればTCを知らなくとも異常気象の正体がクラウザーの手によるものではないと気づくはずだ。
少なくても種族:神ではないルルーシュでもわかったぐらいなのだから。
せめて組織を率いるほど正常な知性が残っているなら松本ぐらいの反応が正しいはずである。

(……もしかすると、奴こそが俺が警戒している『カオスロワちゃんねる管理人』なのではないか?
 集めた情報によると他の上層部連中と違ってディーだけはビッグサイト占拠後から一歩も外に出ていない。
 狂信者と認められれば安全圏であるこの場所ならサーバー管理も難しいことではない)

まだ仮設段階であるが、ルルーシュが危惧する殺し合いの真の黒幕である管理人がディーではないかと結論づける。
上層部筆頭なら表向きで数だけならダントツである狂信者集団を扇動し、掲示板を操作すれば殺し合いのほぼ完璧なコントロールも不可能ではない。
これまでの一部例外を除いた、被害過多のガバガバな作戦もクラウザーさん復活ではなく、テラカオスを生み出し簒奪するのが目的とも取れる。

(仮に奴が管理人ならば、セルベリアと引き離しと同時に最前線送りも、急に狂信者に接近してきた俺を警戒してのこととも思える。
 ディーが俺の正体と目的に気づいているならば、俺の首輪を外さなかったのも合点がいく。
 そしてでっち上げの反逆罪で妹たちとオマケのC.C.が見せしめ的に殺されたとも思える)

ディーもとい、上層部の不可解な行動に疑念を持たざるおえない。
深雪にも話を伺ったが、先程は自身や兄を守るためにディーに従うしかなかったと語っており、少なくとも何らかの理由で自分を追い詰めたいのは確かなようだ。
ディーがクロである可能性は濃厚である。

(仮に管理人だったら絶対に許さん……いや、そうでなくとも深雪以外の妹たちが殺されたのはディーのせいだ。
奴には必ず死んでもらう……ついでに松本にも地獄を味あわせてやる!!)

……ルルーシュとしては妹たちが惨たらしく殺された時の怒りがでかいので、ディーの正体がなんであれ殺す気満々だったが。

(まずは最前線で生き延びなくては……どのみち一定以上の犠牲者を出さないとナナリーの蘇生は夢のまた夢。
都庁と聖帝軍はどのみち、疑いの目を向けられすぎて誤解の払拭など今更できないだろう。
数少ない英雄視された対主催の小町が、都庁の魔物を絶対悪とする旨の記録もあった。
本当の真実やスタンスは不明だが、勢いが止まらない以上、都庁には必要な犠牲として滅んでもらおう)

掲示板の書き込みを鵜呑みにするわけではないし、むしろ嘘の書き込みの方が多いと思っているルルーシュであるが、頭の回らない愚民はそれに気づかないし、切り捨てるなら拳王連合軍と同時に都庁同盟軍も視野に入れた方が良いだろう。
ルルーシュの最終目的は妹ナナリーと共に過ごせる平和な世界であり、少なくとも都庁は必要ないと判断したのだった。

(こうなっては仕方ない、まずは都庁攻略を考えなくては。
うまくいけば対主催の小野塚小町、イチリュウチーム、主催との接触もできるかもしれん。
ナナリーのためにも一端、ビッグサイトを離れるよう腹をくくらねば)

※ ※ ※

一方、ルルーシュと深雪がいるテントとは別のテント。
そこには脇見せ爆乳おばさんことセルベリアが一人でいた。

「なんてことだ……ディーとドリスコルがあそこまで狂っていたとは!」

比較的冷静沈着であるはずのセルベリアは怒り任せに机を叩いた。
更年期障害? NO。 彼女なりの怒れる理由があったのだ。

「沖縄の異常気象がクラウザーさんの仕業?
バカな、あの人は世界の消滅なんか望んじゃいない。
世界の消滅を望むのならば、歌で殺し合いを止めようなんて考えなかったはずだ!
あれは絶対に別の何かの仕業だ!」

セルベリアはルルーシュと同じく、異常気象はクラウザーさんによるものではないと見抜いていた。
所持しているヴァルキュリアと悪魔の力による本能的直感力がそうさせており、彼女なりにクラウザーさんを知っているからこその解答だった。

冥府さえ支配する偉大な力を持つクラウザーさんならば、こんな回りくどいことしなくても大災害以上のパワーで世界を滅ぼすことは可能。
それをしないのは彼なりに世界を愛していたからであり、歌で殺し合いを打破しようなどと考えなかったはずだ。
ディーらとは違うセルベリアなりの持論であった。

先ほどの場では、変に反対意見を述べるとゼロと企てている反乱の準備がバレてしまう危険があったため、ポーカーフェイスを気取っていたが、同じ狂信者であるセルベリアから見てもディーとドリスコルの考えは異常に見えたのだ。
まあ、常人から見たらどっちも狂ってるけど。

「……いや、曲がりなりにもディーは神。ドリスコルは秘密機関の主任だった男だ。
もし二人が異常気象をクラウザーさんによるものでないと見抜けなかったのではなく、最初から知ってて隠しているとしたら?
本当に奴らの目的はクラウザーさんの蘇生なのか?」

奇しくもルルーシュと似た結論にたどり着いたセルベリア。
ディー・ドリスコルへの疑心が広がる。

だが、二人を突き詰める証拠もない。
セルベリアはゼロと違って、カオスロワちゃんねるの危険性と裏に気づいていないので尚更だ。
テラカオスという存在についてもホモどもがまだビッグサイトに戻ってこないのでよくわからないことが拍車をかけている。

「クッ、だとしてもどうするべきか?
まずは最前線送りにされてしまう前にカギ爪団のゼロともう一度、会うべきか?」

まずはゼロ(ルルーシュ)との再接触を図ろうと考えるセルベリア。
しかし迂闊に接触すると場合によっては反乱を企ててることがバレてしまう。
そうなれば運が悪ければ死、良くても狂信者追放である。

「私は……どうするべきか。おまえならどうする、小町」

かつて自分を退けた死神を主軸とした『ヘルヘイムの魔物に襲われたモブ参加者を救った乳神様!』という見出しで飾られた掲示板のスレを眺めながら、セルベリアは苦悩する。


※ ※ ※


同時刻、ビッグサイト内部の一室。
そこにはディーとドリスコルがおり、ルルーシュとセルベリアの疑念通り二人はクラウザーさん復活以外の野望を――


「天候を操り沖縄をレ○プの限りを尽くすとは」
「流石はクラウザーさんだ!」


――企てていなかった。
……それどころか件の異常気象をうっとりと眺めている。

彼らは本当の、本当に、TCのことなど一切知らず、異常気象をクラウザーさんの絶対的な力の象徴とさえ考えていた。
いちおうビッグサイト自爆による破滅も視野に入れているが、それは蘇生が上手くいかなかった場合の話。
クラウザーさんの蘇生以上の目的がないのは本当の話だった。
どうやらぶっ飛んだ理性は知性や直感力をも食ってしまっているようであり、神様だろうが軍人だろうが、異常気象の危険性に気づかない程度にはDMCに毒されている。

「しかし、良いのかディー?
先ほどのゼロ自身にはアリバイもあったとはいえ、裏切り者をビッグサイトに招き入れたのは事実だ。
奴が裏切り者ではないにしろ、処刑……とまでは行かずともカギ爪団の指揮権は剥奪すべきじゃないか?」
「私もそう考えたが、狂信者としては異端なカギ爪団をまとめられるネームド狂信者は彼かセルベリアぐらいしかいない。
セルベリアは別の任務があり、後は戦術クラスの指揮が限界な武闘派しか残っていない。
消去法でカギ爪団には彼しか任せられないのだ」

ゼロに関しては利己的な考えは持っていながらも、裏切り者ではないと判断しているらしい。

「まあ、流石に責任が全くないとは言えんから最前線送りにはなってもらったがね」
「クラウザーさんへの忠誠心があればそれなりの戦果は出してくれるだろう」

さあ、読者の中にはそろそろ気づいた方もおられよう。
C.C.や妹たちは裏切りなぞ企ててはいない。
つまりでっち上げは確実なのだが、ここいる二人は「裏切りは本当にあったもの」と捉えており、でっち上げとは気づいていない。
この二人がでっち上げの犯人ではないとしたら誰の仕業なのか?

「兄と自分を最前線に送って活躍させてほしい」
「それが『彼女』の進言でもあったからな」

二人の男が眺める画面の中には松本と共に、美遊・美柑を拷問する深雪の姿があった。
セルベリアとルルーシュたちが入ってくる数分前の深雪は溶けて証拠が残らない氷の棒で、少女たちに暴虐の限りを尽くしている。


※ ※ ※

同じ頃、深雪はルルーシュの背後でほくそ笑んでいた。

(上手くいった……お兄様の首輪解除こそ無理だったけど、他の妹失格者どもを売ることで私の首輪解除とお兄様をビッグサイトから離すこと、邪魔なC.C.の排除もできましたわ)

実はC.C.たちの裏切りでっち上げは上層部連中によるものではなく、この深雪によるものであった。
美柑・美遊の二人を上層部の下に連れて行く前に命だけは助けることを条件に知ってる限りの情報を吐くと同時に、「C.C.やクロエたちが裏切りを企てていたことにしろ」「ルルーシュが不利になることは言うな」と吹き込み、情報のでっち上げを可能にしたのだ。
もちろん、深雪は二人を助ける気など更々なく、ディーにも最期は裏切りの罰として惨たらしく殺すように耳打ちし、口封じにも成功。
結果、自分を除いた妹たちは全滅し、大好きな兄であるルルーシュの独占に成功したのだ。
そしてまさか自分の清楚な妹がそんなことをするわけないと信じているルルーシュは彼女を疑うことをせず、ディーやその他狂信者に怒りの目を向けさせることで余計真実から遠のかせたのである。

しかし首輪解除やC.C.の排除はわかるが、死亡率が高まる最前線へ送られることになんのメリットがあるのか?
否、それこそ深雪の狙いだったのだ。

(お兄様が戦いの前線に釘付けにされている内に、私の『共犯者』になってくださった人が然るべきタイミングに蘇生マシンを起動する。
共犯者の人は助けたい人が生き返って万々歳、ルルーシュお兄様はナナリーを生き返すチャンスを失った失望から私をもって愛してくれるはずですわ!)

なんとこの少女、最愛の兄を更に独占するためにルルーシュにナナリーを諦めさせようというのだ。
実際、蘇生マシンはあと一回動かないため、この一回を逃せばルルーシュもナナリーを諦めざる負えない。

(ふふふ……全てはお兄様に迷惑をかけたナナリーが悪いんですよ。
クロエたち同様、あなたに妹である資格はありません)

嫉妬混じりの黒い笑顔を浮かべる深雪。
目の前のルルーシュは全く気づいていない。

(さて、あとはあの人次第ですね……)

とはいえ、いくら深雪が優秀だとはいえ、妹たち謀殺の件も含めて一人でここまでできるわけがない。
ルルーシュの愛と上層部からの信頼を得るために共犯者が必要であった。


※ ※ ※



ビッグサイト外周部、そこで松本はさっき作り上げた悪趣味な作品である団子三姉妹を、オブジェのように飾っていた。
三人の絶望したような顔が狂信者の残虐性を物語る。

そう、この男こそ、深雪に協力した共犯者である。
初見で松本が生粋の狂信者ではないと看破した深雪は彼と取引を行ったのだ。
松本に狂信者ではないことをバラさない代わりに、工作に真実味を帯びさせるために手伝って欲しいと。
上手くいった時の見返りとして魔力の動きを辿ってわかった、ビッグサイト内部に隠された蘇生マシンの正確な位置を教えるということだ。
松本はこれを承諾し、深雪とwin-winの関係になった。
そして魔力(生体マグネタイト)の動きを読んだ深雪がビッグサイトの内部に侵入できたことにより、上層部が隠している蘇生マシンの正確な位置を知ると同時に、帯びた魔力の量から浜田の蘇生は決して不可能ではないと彼女は結論づけた。

あとはどこまで参加者を殺せば良いかだが、生き残っている組織の内三つ滅ぼせば良いとわかったので、その直前のタイミングでビッグサイトに戻れば良いのだ。(ちなみに魔法使いである深雪の裏取り済)
大型巨人こと大日本人に変身すれば、東京県内のどこからでも数分以内にビッグサイトに戻れる。
あとは狂信者を裏切って蘇生手段を奪うのみ。


(待ってろや、浜田! もう少しでおまえを生き返せるからなあ!
仮に世界が滅ぼうとも、俺はおまえと漫才がしたいんや!)


とうとう形になってきた野望を燃やす松本。
彼の視界にもまた、遠目とはいえ沖縄の異常気象は見えたが、もはや浜田に会えるのなら世界がどうなろうが知ったことではなかった。


二日目・20時00分/東京都 ビッグサイト】

【ルルーシュ・ランペルージ(ゼロ)@コードギアス 反逆のルルーシュ】
【状態】健康、ゼロの服装(仮面なし)、妹への欲求(超極大)、非常に激しい怒り
【装備】ガウェイン@コードギアス@反逆のルルーシュ、スマホ@スマホ太郎
【道具】支給品一式
【思考】基本:ナナリーを生き返らせる
0:21時までに都庁を滅ぼす作戦を立ててドリスコルに協力する
1:カギ爪団に混じりながらDMC狂信者のクラウザー蘇生方法を探る。
2:ギアスの使用は慎重にする。
3:1の為、ゼロとして行動する。
4:こうなった以上、深雪は責任持って俺が幸せにする。
5:テラカオスと大災害への対処法を探す。
6:狂信者内の潜伏者を警戒する。出来る事なら炙りだしたいが……
7:主催とコンタクトを取りたい。
8:近い内、ルルーシュとして対主催とも接触したい。
9:ディーに強い潜伏者疑惑。仮に違っても殺す。
10:松本もいつか殺す
※明恵夫人経由でテラカオスプロジェクトを知りました。
※テラカオスについてはかなり懐疑的です。
※狂信者内にテラカオスを狙う第三者の存在が居ることを推理しました
※C.C.の支給品を回収しました
※深雪を全く疑ってません


【司波深雪@魔法科高校の劣等生】
【状態】健康、ギアスによりルルーシュを大好きな兄として認識中、首輪解除
【装備】深雪のCAD
【道具】支給品一式 サファイヤ@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ(美遊の支給品で魔法で凍結中)
【思考】基本:ナナリー含む妹キャラは皆殺し
1:狂信者を使い、先ずは都庁を攻めさせイリヤを抹殺する。
2:共犯者である松本と連携し、ナナリーの蘇生を秘密裏に妨害
  最終的にルルーシュからの愛を独占する
※松本の正体に気づいた上で秘密の同盟を組みました
※ビッグサイトの中にある黄泉レ○プマシンの位置を把握しました


【セルベリア・ブレス@戦場のヴァルキュリア】
【状態】人修羅化、動揺、首輪解除
【装備】マロガレ@真・女神転生Ⅲ、竜殺剣ドリス@セブンスドラゴン
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活、自爆はしたくない
0:現段階ではテラカオスについては内密に調査する。他の連中には知らせない。
1:ビックサイト防衛部隊を指揮する
2:小町はいつか、この手で必ずレ○プ(倒す)する
3:自爆による心中は反対、最後まで諦めたくない
4:サーフに謎の違和感
5:最悪の場合はディー達を……?
  そろそろ、あいつらヤバイ気がしてきた
6:ゼロという男に対して今は保留
※マガタマを取り込むことで人修羅化し、物理攻撃を無効化する敵にも物理攻撃でダメージを与える貫通のスキルを得ました
※竜殺剣を所持している限りは竜や龍に対して特攻ダメージを与えられます
※影薄組のことを組織に伝えました
※自爆による無理心中の件には納得がいっていない様子です
※沖縄の異常気象をクラウザーさんによるものではないと思っています


【松本人志@現実】
【状態】健康、DCS状態+大日本人化、首輪解除
【装備】浜田雅功人形
【道具】支給品一式、メトロン星人人形、グラコスの槍
【思考】基本:浜田の蘇生
0:狂信者のフリをしつつ、浜田蘇生の機を伺う
1:残り三つの組織が壊滅する寸前にビッグサイトの内部に侵入し、蘇生方法を奪って浜田を蘇らせる
2:浜田を生き返せないようなら一人でも多くの参加者をあの世に送る
3:深雪を上層部に会わせる。
※巨人の脊髄液@進撃の巨人を取り込んだことで大日本人に変身できるようになりました
 DCSの効果などで原作の大日本人よりは遥かに強いです
※深雪の目的を知った上で秘密の同盟を組みました
※深雪によりビッグサイトの中にある黄泉レ○プマシンの位置を把握しました
※浜田の魂が消滅したことに気づいていません


【ドリスコル@フロントミッション】
【状態】健康、首輪解除、レベル・全熟練度MAX
【装備】グレートゼオライマー@スーパーロボット大戦J
【道具】支給品一式、カレンデバイス(氷室美久ボディ)
【思考】
基本:クラウザーさんの復活、もしくは世界をSATUGAI(無理心中)する
0:22時までにカギ爪団を伴って都庁を攻める
1:都庁攻略部隊を指揮する
2:都庁が体勢を立て直す前に攻略できる作戦を考え、進軍する
3:蘇生が不可能だと判断した場合は黄泉レ○プシステムを暴走させて世界を粛清する 
4:マスターボールとオシリスはサーフに渡した
  なんか物凄い兵器にするらしいが……
※次元連結システムは氷室美久のボディにカレンデバイスを入れることで制御が可能になりました
 またカレン・ミューアの人格も上書きされました
 本人は善人ですが、極度のクラウザーアンチでDMCの曲を流されると人格が引っ込んで人形のようにドリスコルに従ってしまいます
※フロントミッション1~5のスキルを網羅しています
※沖縄の異常気象をクラウザーさんによるものであると思っています


【ディー@うたわれるもの
【状態】健康、首輪解除
【装備】刀
【道具】支給品一式、クラウザーさんクローン×300、ネオ・ジオングスーツ(まだ未完成)
【思考】
基本:クラウザーさんの復活、もしくは世界をSATUGAI(無理心中)する
1:黄泉レ○プシステムをさらに盤石にするため、引き続きマグネタイトは回収する
2:セルベリアを中心としたビックサイト防衛部隊、ドリスコルを中心とした都庁攻略部隊を編成する。
3:大災害などに疑問はあるが、今は後回し
4:ネオ・ジオングスーツの完成を急がせる
5:蘇生が不可能だと判断した場合は黄泉レ○プシステムを暴走させて世界を粛清する
6:シグナムは自分の手で討ちたかったが、まあ仕方あるまい
※首輪解除によりウィツァルネミテアの力をある程度解放できますが、空蝉であるハクオロの死体が見つかってなにので完全には実力を発揮できません
 また、蘇生関連の能力制限だけは首輪とは別の力が働いていると見ています
※パワーアップのためにネオジオング@機動戦士ガンダムUCを改造したスーツを開発中です
※沖縄の異常気象をクラウザーさんによるものであると思っています
※現存する組織のうち、あと三つ滅ぼせば黄泉レ○プシステムを起動できます
最終更新:2018年12月19日 00:30