――21:00 横浜スタジアム
「ラオウもう、時間だぞ」
それを口にした平等院だった。
横浜スタジアムには横浜港から既に移動を終えた拳王連合軍が到着していた。
彼らは
聖帝軍と(一方的に)約束をした21時の刻限まで待ち続けたが、聖帝軍はまだ到着していない。
「いや、奴らはきっと来る…そんな気が俺にはする」
「しかし、ヘルヘイムと聖帝軍を分断しようとしている俺たちの思惑に気づかれているかもしれない」
「東京がどうなろうが、意地でもヘルヘイムから離れないってケースもあるんじゃねえの?」
「それもありうるか」
翔鶴の提案した作戦は名案かもしれんかったが、平等院とMEIKOが言った通り戦力分断の計画に気づかれてない可能性もゼロではない。
聖帝軍が横浜スタジアムにやってこないかもしれないのだ。
「仕方がないですね、約束通り東京を攻撃しましょう」
さらりと恐ろしいことを言ったヤンホモことムネリンを仲間たちは批判する。
『ちょっと待って! 東京攻撃はブラフだったハズでしょ?!』
「ブラフと気づかれた可能性もあります。
大丈夫大丈夫、無差別攻撃をするってわけじゃない。
攻撃するのはこの世界に害を成してるヘルヘイムに限定しますから」
「攻撃はヘルヘイムに限定…それなら誰も困らない」
「間違ってもサーフ提督がいるビッグサイトには攻撃しないでよね?」
ムネリンの投球による攻撃はヘルヘイム(都庁)のみ。
いくら難攻不落の都庁でも、投球で執拗に攻撃され続ければ根を上げて聖帝軍を繰り出してくるだろう。
さっそく投球の構えを取ったムネリンだが、その手に持っていた野球ボールを別の場所から飛んできた轟速球により弾かれた。
「なにっ!?」
「そこまでだ! 拳王連合軍!」
「あなたたちの好きにはさせません」
ムネリンや、他の者たちが轟速球が飛んできた方向を見ると、そこには毅然と立っているターバンたち…もとい聖帝軍の9人と2匹がそこにはいた。
無論、ムネリンによる都庁攻撃を阻止した者は、このターバンたちである。
「約束通り、この聖帝と自慢の軍団が来てやったぞラオウ!」
「フンッ、少しばかり遅刻してるぞサウザー」
「妨害があったものでな」
「逃げずに来たことだけは褒めてやろう」
聖帝軍は狂信者や、誤解によって対主催参加者からも命を狙われている。
電車ごっこロープで向かう最中でその者たちに攻撃を受けたが、ドラゴンハートで強化された聖帝軍の機動力はモブの攻撃にはかすりもせず横浜スタジアムに到着した。
遅刻にしてもせいぜい、一分かからないかぐらいだ。
「あ、あいつは…!」
『あの二匹、生きていたのか!』
「おい、どうしたジョジョ?」
何やら聖帝軍にいる虎二匹に驚いている様子の上条とシャドーマン。
「ディオ、あの虎たちは大阪でシャロやエスパー伊東を殺した奴らの支給品だ!」
「なんだって! それは本当か!」
上条は覚えている。
大阪で戦った怪しい男二人に付き添い、敗走した二匹の虎を。
その虎が聖帝軍側にいた。
「…そうか!
ラオウたちと
ホワイトベース組の話をした時、なぜかシャロたちを襲った件の話が出てこないからもしやと思ってたけど、そういうことだったのか!」
『おいどういうことだよジョジョ!? 俺たちにもわかるように説明してくれ!』
「つまり、大阪でのホワイトベース組の戦いに聖帝軍も関与してたってことさ!」
『そもそもの争いの発端は誤解…シャロたちが無惨に殺されたから、我々も怒りに駈られて反撃に出た。
だが実際は、ホワイトベース組とは別のグループがいて、シャロら仲間を暗殺した。
そして怒りに囚われた我々は和解のチャンスをみすみす逃してしまったというわけだ』
『つまり大阪の戦いは聖帝軍の差金によって起こったって言いたいのか?』
仲間たちは無惨なオブジェとして大阪の街中に飾られ、拳王連合軍の怒りを煽りホワイトベース組と抗争をするハメに。
上条は仲間殺害の下手人たちを殺したが、その下手人たちはホワイトベースとは最初から無関係だった。
誤解から殺し合うように仕組まれていた、と上条は分析する。
「ひどい…! それなら提督たちが死んでしまわれたのも……!」
『全部あいつらのせいってことか…!!』
「見間違えるハズがねえ。シャドーマンと一緒に戦った虎を奴らが持っているのが何よりの証拠だ」
「聖帝軍は皆殺し確定だな。チビがいようがなんだろうがもう容赦しねえ」
千早とデストワイルダー、および二匹を所持する聖帝軍に拳王連合軍は殺意の目を向ける。
「なにがなんだかわからんが、この俺が率いる聖帝軍に勝手ないちゃもんをつけおってからに!」
「千早とデストワイルダーがそんなことするわけないでしょ!!」
『妄言だ! 私たちはむしろ飼い主を殺された被害者よ』
『奴らの言葉に耳を貸すなよ』
一方的に殺意を向けられた聖帝軍もまた、拳王連合軍に向けて敵意をぶつける。
実際のところ、虎二匹及び新城たちは聖帝軍ではなく主催の差金であり、拳王側はそこまで頭が回らなかった。
聖帝側も虎二匹が主催の支給品だったことまでは気づかず、虎二匹も復讐がしたいために聖帝軍には正体を隠すのであった。
「なんにせよ、拳王連合軍と聖帝軍が揃ったみたいね。
邪魔が入る前に裏世界転送マシンを起動するわよ!」
『インドラ!』
瑞鶴は二つのチームが揃ったことを契機に、サーフから託された裏世界転送マシンを起動する。
すると横浜スタジアムを二チームごと眩い光が包んだ。
聖帝軍が目を開けると、そこには横浜スタジアムに似た空間だが、肌で感じる空気がまるで違う。
スタジアムの外は赤い血と真っ暗な闇を混ぜたような色の何かで覆われており、まるで地獄にでもいると錯覚させる。
まるで自分たちがいる横浜スタジアムだけが隔絶されたようだった。
「ここはどこだ、そこの侍娘!」
「狂信者やマーダーに大事な試合を邪魔されないための異次元転送を行ったわ。
そして私たち拳王連合軍か聖帝軍、勝った側しか元の世界には戻れない。
ちなみに制限時間もあって、三時間経ったらこの異世界は崩壊する。
敗者は取り残されて、異世界ごと消滅する仕様だから注意してね」
装置を起動した瑞鶴曰く、ここは勝った側しか元の世界に戻れないデスマッチ野球会場であるらしい。
「敗者は消え去り、勝者だけが生き残る。
まさに北斗と南斗の決着をつけるには打って付けの場所ではないか聖帝サウザー?」
「…そうだな、拳王ラオウ。
雌雄を決すぞ、南斗と北斗、そして俺の聖帝軍と貴様の拳王軍、どっちの野球チームが最良の戦士に相応しいかを決めるためにな!」
サウザーはいきなりの異世界転送に最初だけ驚きはあったものの、今は冷静であった。
仲間であるターバンたちと共に、いかに難敵である拳王連合軍を倒すかだけを考えていた。
まずはスタメンと配置を発表しよう。
『拳王連合軍 布陣』
川崎宗則 1番ショート
クロえもん 2番サード
ラオウ 3番キャッチャー
プニキ 4番レフト
MEIKO 5番ピッチャー
平等院鳳凰 6番センター
謎のヒロインX 7番ファースト
上条(+シャドーマン) 8番セカンド
ディオ(+デューオ) 9番ライト
(代打・代走)
翔鶴(+ロックマン)
ハクメン
瑞鶴(+メーガナーダ)
『聖帝軍 布陣』
円亜久里 1番ショート
葛葉紘太 2番ファースト
金色の闇 3番セカンド
サウザー 4番キャッチャー
千早 5番ライト
デストワイルダー 6番レフト
高津臣吾 7番ピッチャー
レイジ(+ガンダム) 8番センター
チルノ 9番サード
(代打・代走)
イオリ・セイ
犬牟田宝火
「僕にもガンダムが残っていれば…」
「気に病む必要はない、僕も極制服がないから戦力は下の下だ。
だが、それでもやることはある!」
聖帝軍側は戦闘力が低いイオリと犬牟田は止むなくベンチ送りにし、運動能力は高い支給品の虎二匹をチームメンバーとして選出。
ベンチとはいえガンダムの修理やデータ収集などの仕事はあり、サポーターとしての力を発揮する。
一方、拳王連合軍。
『僕と翔鶴さんがベンチ送りなんて……』
「今はいないタクアンさん曰く、戦力の温存的な意味もあるそうです」
「私も野球なんてしたことないし、仕方ないけどしばらく応援ね翔鶴姉」
『インドラ』
光兄妹、瑞鶴とメーガナーダ、ハクメンもベンチである。
能力は高いのだが、練習試合でスタメン落ち級のポカをやらかしたロックマン、新参者の瑞鶴と仲魔、野球をやったことなどないハクメンにチームワークを行わせるのは難しいと判断されたらしい。
ちなみにハクメンは聖帝軍からマガトを感じてないが…
(ヘルヘイムというマガトを庇う者もマガトに同じ。
世界のためにも犠牲になってもらおう)
ベンチから出次第、戦う気満々であるようだ。
そして、拳王連合軍VS聖帝軍……異世界の横浜スタジアムにて運命の一戦が開幕。
先行は拳王連合軍、後攻は聖帝軍!
第一回表。
マウンドに立つはブルースワローのスーツをまとった高津臣吾。
対するは拳王軍一番手である川崎宗則だ。
奇しくも、メジャーリーグ経験者とメジャーリーガーの対決だ。
「宗則…おまえも地に落ちたな、
イチローが嘆くぞ」
「イチローさんは絶対僕に振り向いてくれる!
あなたのようなメジャーリーガーってだけでイチローさんの足元に及ばない人に負けるわけには行きません」
「ほざけ!」
高津はまず一球、轟速球を投げるが、ムネリンはこれを打つ。
ホームランコースだ!
「なに!?」
「ふッ、僕だってイチローさん以外の選手の研究ぐらいはする。
あなたの投球の癖は研究済みですよ!」
試合が始まる前にムネリンは聖帝軍の面子で唯一野球選手である高津を危険視し、テープを何度も再生するなどしてどんな球を投げてくるかを事前学習していた。
腐ってもメジャーリーガー、覚えてしまえばいくらでも叩きようがある。
「…おまえは知らないだろうが、俺はピッチャーであると同時に」
「!?」
「ブルースワローなんだぜ!」
しかし、頭上を高速で飛んでいくボールを飛行能力に優れたジェットマン・ブルースワローの力を使って高津はキャッチ。
ムネリンはアウトになり、ホームランは阻止された。
「ふう、いきなり冷や汗かいたぜ」
高津だけでなく、聖帝軍のメンバーも同じ感想を心の中で漏らした。
「ぐぬぬぬ、次こそは…!」
反対に出鼻をくじかれたムネリンは悔しそうに、ベンチに戻っていった。
二番手に現れたのはクロえもん。
得意のブラックホール打ちによるヒットを狙うが……
「ダメだ…早すぎて間に合わねえ!」
ブラックホール打ちとはバットを高速で渦上に回転させて真空を発生させ、ボールを吸い寄せて強引に打つ打法だ。
だが高津の容赦ない弾丸速球は真空を作り出すよりも早く、キャッチャーであるサウザーのミットの中に吸い込まれていく。
この回でのクロえもんの打席は空振り三振となった。
「畜生、これがプロの力だって言うのか…!」
「狸にしては素質があるようだが、残念だがこの試合で負けて死んでもらうぞ」
「俺もアンタが敵で残念だよ!」
攻撃が失敗に終わったとはいえ闘志と殺意を鈍らせることなく、次の打者であるラオウと交代した。
(噂に聞く拳王……凄まじいオーラだが、どんな実力か見せてもらうぜ)
打席に立つラオウは数メートル離れていてもわかるくらいのオーラを放っていった。
仮に聖帝軍が死線を潜らずにここにやってきてしまった場合は、ほぼ全員失神・失禁しているレベルである。
そしてこの回のラオウの攻撃は……
「ストライク!」「ストライク!!」「ストライクーバッターアウト!」
空振り三振で終わり、聖帝軍と攻守交代となった。
「拳王連合軍もたいしたことないですね」
拳王第一回の攻撃は高津一人で抑えこめたともいえ、初っ端のムネリンのヒット以外は危ない局面もなかったことに闇は安堵し、同時に肩透かしを喰らった気分になった。
「…いや、そうでもない」
「ああ」
「え? サウザー?」
だが闇や他のメンバーの余裕を打ち破ったのは他でもない高津とサウザーのバッテリーだった。
「宗則の奴は言わずもがな、クロえもんという奴も素質だけはピカ一だ。
何より、ラオウ…虎視眈々と大打撃を狙っていて、少しでもヒットしたら危なかった。
俺の場合は技術でなんとか押し切ったようなもんだぞ」
「しかも奴め、一打席目はわざと犠牲にして高津の投球を体で覚えようとしていたきらいがある」
「そんなことが?」
「実際にバッターに一番接触するピッチャーとキャッチャーじゃないとわからないだろうからな。
気を抜くと絶対に追い抜かれる…気を引き締めなければ」
格闘家としては最強クラスである南斗聖拳の頂点サウザーと、メジャーリーグにいたこともある高津だからこそわかる、拳王軍の危険性だった。
余裕…というより油断しかけた闇もまた、気を引き締められるのだった。
「ちょっと、ちょっと、全然点が取れてないじゃないですが!」
「狼狽えるな謎のアルトリア・ヒロインドラゴン。奴の球は覚えた。次は必ず打つ」
「応よ! これまでの雑魚とは違うのは十分わかったぜ」
「イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん」
ラオウたちもまた、一回表だけの失敗で失敗が衰えることなく、次の打席にかけるのだった。
一回裏、聖帝軍の一番やりは円亜久里ことキュアエース。
変身の上にドラゴンハート補正で獲得したエンジェルフォームで打席に立つ。
最初から最大能力で闘うつもりのようだ。
「ラブにイリヤ……多くの人が犠牲になりました。
だがこの犠牲を無駄にはせず、悪と戦います!」
これまで散ったプリキュアや仲間たちに思いを馳せながら戦乙女プリキュアはバットを握り、ピッチャーである修羅・MEIKOを見据える!
「美しさは正義の証 ウインクひとつであなたのハートを射抜いて差し上げますわ!」
「御託がうるせえ、殺すぞ」
極めて野性的な殺意を露とも隠そうともせずにMEIKOはキュアエースを睨み、MEIKOボールを投げた。
MEIKOボールはキュアエースに向かって投げつけられるか…と聖帝軍は思ったが、そんなことはなく、しっかりとラオウのキャッチャーミット磨けて飛んでいき、ワンストライクが入る
(以外と野球としては正攻法!? だけど高津さんより早くない。同じ球なら次は打てる!)
初球は見逃したが、その代わりにキュアエースは球速を目で測り、次にかけることにする。
そして第二球…コースも球速もまったく同じ投球がきた!
「今だ! はああああああああああああああああ!!!」
キュアエースは一回の打席に全力を振り絞ってバットを振り、それは見事にボールにクリーンヒットした。
これには聖帝軍ベンチから歓声が飛びそうになる。
……だが。
「!? 重いッ! この球、重すぎる」
「きゅ、キュアエース!」
打ったMEIKOボールはあまりにも重く、プリキュア番外戦士の全力をもってしても打ち返すことはできなかった。
ボールがバットに当たって跳ね返るどころか、バットの方が大きく押されており、そして……
「きゃああああああああああああああああああああああああああ!!!」
メキメキゴキゴキバキバキ。
とても殺しきれない威力にバットを握っていたキュアエースの両腕が折れて、さらに体を支えていた腰も粉々に折れた。
そこからキュアエースの上半身が一回転・二回転し、胴体の骨と臓腑が全部潰しながら、血を吐いて地面に倒れた。
仲間が駆け寄るが既に手を遅れであり、キュアエースの端正だった顔は激痛で歪んで白目を向き、口からは夥しい血と潰れた心臓がはみ出していた……
【ターバンのガキ(円亜久里)@ドキドキプリキュア! 死亡】
ちなみに投げられたMEIKOボールはしっかりと投球コースを外れることなく、ラオウのミットに収まった。
ストライク。そして打者が死亡した場合は自動的にアウトである(からくりドーム戦参照)
「へッ、ハートを射抜かれたのはおまえの方だったな」
「よくも亜久里を、絶対に許さねえ!!」
今しがた殺した少女を徹底的に見下すMEIKO。
それに対し、次の打席を控えていた紘太は激昂してMEIKOに掴みかかろうとするが、犬牟田に止められる。
「落ち着け紘太! ここで乱闘なんてやったら、反則で退場だぞ」
「しかしアイツは亜久里を……!」
「向こうは『ルールは破っていない』!
亜久里が彼女の球を打てなくて『たまたま死んでしまった』だけなんだ」
「クソッ! マジかよ」
犬牟田が言うとおり、MEIKOは反則になるようなことは何もしていない。
むしろピッチャーがバッターを直接攻撃して殺害しても許されるのがカオスロワ式野球。
責任は死んだ側の方にあるのだ。
「惜しかったな、おまえが掴みかかっていれば、ひとり反則退場で減らせたのに」
「アイツ…!!」
「口車に乗るなよ紘太」
「乱闘沙汰による退場は亜久里だって望んでません。
向こうは12も選手がいるのに、こちらは10人だけ。
減れば減るほど不利になります」
なおも煽り続けるMEIKOに怒る紘太を高津に続いてサウザーと闇も抑え、なんとか乱闘だけは避けた。
しかしながら、仲間である少女の惨死はこれまで野球の試合をしたことがない聖帝軍にカオスロワ式野球の恐ろしさを教え、戦慄させるには十分だった。
「うわッ!」
戦死したキュアエースの次に鉱太が続くがMEIKOボールの相手ではなかった。
鉱太は三球中一球だけヒットしたが、亜久里と同じく絶大なパワーの前にヒットとして打球を飛ばすこと叶わず。
幸い極アームズによる防御力のおかげでダメージを受けこそすれ、死ぬことなかった。
「すまねえ、闇……」
「大丈夫です休んでいて鉱太」
サウザーに肩を担がれる形でベンチに戻っていく紘太を見送り、ターバンをかけて金髪美女の暗殺者・金色の闇がバッターボックスに入った。
そして、MEIKOボールが襲いかかってくる。
このまま見送り三振をすればダメージを受けることも死ぬこともないだろう。
「だけど聖帝軍の信念は前進制圧。
媚びることも引くことも私はしません」
そして、金色の闇の腕にバットごしに重い衝撃が伝わる。
闇のからだのあちこちから鮮血が飛ぶ。
「闇!」
サウザーや仲間たちは思わず叫ぶが、闇自身はあくまで冷静に対処した。
闇はなぜラオウがキャッチャーであるのか考え、その答えをだした。
至極単純にMEIKOの暴力すぎて強すぎる投球にラオウ以外が耐えられないのだ。
そこで闇は自身の変身能力を使い、筋肉をラオウ並に変化させた。
「ム、ムキムキになった!?」
どこぞのビスケの如く顔以外マッチョになった闇のシュールな光景に面食らう聖帝軍・拳王軍。
だが、それが功を成したのか、凄まじい筋力から放たれる打力によりMEIKOボールは打たれ、そして凄まじい勢いで一塁方向に飛んでいった。
「こっちに来た! だけどこの程度なら」
一塁を担っていたヒロインXは飛んできた打球を取った。
「え? ぎゃああああああああああ!!!」
だが、次の瞬間、彼女の体はふわりと浮き上がり、そのまま近くのドームの壁までぶっ飛んでいった。
マッチョ化闇による打球の威力が強すぎたために、体重がたった42キロしかないヒロインを吹っ飛ばしたのだ。
土煙が収まったころには、横浜スタジアムの壁の一つにクレーターと、その中心に四肢がバラバラになり臓物を撒き散らした瀕死のアルトリアタイプのサーヴァントがいた。
「ヒロインX…クソッタレ、これはもう助からん」
ライト担当のディオが駆け寄るもとき既に遅し、ヒロインXの体は消滅間近であった。
「だけど……なんとかボールだけは取れましたよ……」
ヒロインXのひしゃげた腕にはちゃんと野球ボールが握られていた。
これで聖帝軍はスリーアウトでチェンジである。
「残念ですが私はここまでです……
も、もっともっとセイバーを狩りたかった………ガクッ」
謎のアルトリア・ペンドラゴンは志半ばで倒れる後悔を胸に抱きながら消滅した。
【謎のヒロインX@Fate/Grand Order 死亡】
「てめえ……」
「なんですか、私も『ルールは破ってません』よ?
たまたま打ち返した球で偶然死んだだけです」
MEIKOは闇を睨みつけるが、闇は冷静かつ辛辣に返す。
カオスロワ式野球は責任は死んだ側の方にあるのだ。
「チッ、あれがMEIKOボールの全てだと思うなよ。
本気のMEIKOボールはあんなに遅くない。
今まではお試しコースだ。次から本気出すからな」
「望むところ」
本当だったら乱闘でもしたいほどの怒りがMEIKOにはあったが、ここで退場すべきではないと思い、ぐっと堪えてベンチへと帰る。
闇もまたマッチョ化を解いて、仲間のいるベンチへ戻った。
最初に出迎えたのはサウザーであった。
「闇、大丈夫か?」
「大丈夫です、見た目ほど大したダメージは負っていません。
…亜久里の仇のためにも先制点をもぎ取りたかったところですが」
「いや、良い、おまえは十分に頑張った。
点こそ取れなかったが、奴らに仕返しができたことで我らの士気も回復した」
「スカっとしたぜ、さすがは俺たちの副リーダーだ!」
闇がMEIKOの投球を打ち、ヒロインXを討ち取ったことは亜久里の死で落ち込んでいた聖帝軍の士気を上げさせることに繋がった。
少なくとも拳王連合軍は絶対に倒せない敵ではないと思わせたことは大きい。
「試合はまだ始まったばかり、点こそまだないが向こうもそれは同じ!
この調子で戦い、死んでしまった亜久里のためにも必ず勝つぞ!!」
サウザーの鼓舞がベンチ内に響き渡り、聖帝軍の士気を上げた。
一方その頃、拳王軍ベンチ。
『アルトリアさん…』
「…変な人で善人と呼べるか正直微妙でしたが、死んで欲しくはありませんでした」
またひとり、戦いの中で仲間が死んでしまったことに悲しみや怒りの感情を募らせる選手たち。
「ロックマン、そして翔鶴よ」
『ラオジさん…』
「うぬらの気持ちはわかるが、まだ戦いは終わっていない。
真の戦いはこれからだ、謎のヒロインXの犠牲を無駄にしたくないのなら気を引き締めろ」
ラオウは怒りと悲しみをコントロールするよう仲間たちに促す。
冷静さを失えば勝てるものも勝てなくなるからだ。
「プニキ、次は貴様の番からだ」
「はいよ、ロビカスと百エーカーで鍛えた打法を見せてやるよ」
二回表の一番打者は拳王連合軍きっての強打者、プニキ。
彼がバッターボックスに入った瞬間、二回表が始まる。
両軍現在、無得点。戦死者一名ずつ。果たして先制点を掴むでしょうか?
【
二日目・21時30分/神奈川県・異世界横浜スタジアム】
※あと2時間30分で異世界は消滅。
それまでに点数が低いチームが消滅する異世界に閉じ込められるため、負けたチームは全員死亡します(移籍した場合は不明)
【聖帝軍】
【サウザー@北斗の拳】
【ターバンのボイン(金色の闇)@ToLOVEるダークネス】
【ターバンのガキ(イオリ・セイ)@ガンダムビルドファイターズ】
【ターバンのガキ(アリーア・フォン・レイジ・アスナ)@ガンダムビルドファイターズ】
【ターバンのおっさん(高津臣吾)@ササキ様に願いを】
【ターバンのガキ(犬牟田宝火)@キルラキル】
【ターバンのないガキ(葛葉紘太)@仮面ライダー鎧武】
【ターバンのレディ(チルノ)@東方project】
(支給品選手枠)
千早@皇国の守護者
デストワイルダー@仮面ライダー龍騎
【拳王連合軍】
【ロックマン(光彩斗)@ロックマンエグゼ】
【翔鶴(光翔鶴)@艦これ】
【ラオウ@北斗の拳】
【平等院鳳凰@新テニスの王子様】
【MEIKO@VOCALOID】
【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
【シャドーマン@ロックマンエグゼ】
【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】
【デューオ@ロックマンエグゼ4】
【プニキ@くまのプ○さんのホームランダービー】
【川崎宗則@現実?】
【クロえもん@ドラベース
ドラえもん超野球外伝】
【ハクメン@BLAZBLUE】
【瑞鶴@艦隊これくしょん】
最終更新:2019年07月04日 18:46