【問題】
主婦たちが井戸端会議に花を咲かせているところへ、女がふらりと現れた。
ひどく痩せていて、着ているものもみすぼらしい。
主婦たちは可哀想に思い、家から料理や服を持ち寄った。
すると女は料理に目もくれず、お礼も言わずいなくなり、
次の日から女の姿を見た者は誰もいなかった。
いったい何があった?
【解説】
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時は江戸時代。場所は播州。
主婦たちが井戸のそばでしゃべっていたらいつの間にか真夜中。
そこへ井戸の中から、痩せこけて薄い着物1枚の女がゆらりと現れた。
青白い顔でお皿を数えて、しくしく泣いている。
「なんやあんた、ちゃんと食べてへんのとちゃう?」
「うちから何か持って来たるわ…はい、これ食べ!」
「ウチの着古しやけどこれも着ーやー、あったかいで」
「ついでにアメちゃんも持ってき!」
恐るべきは関西のおばちゃんパワー。圧倒される女。
料理には目もくれなかったが、料理が載っているお皿を見つめてしばし呆然。
・・・というわけでお皿が10枚になって、無事成仏できました。
めでたしめでたし!
※タイトルに「きく、さら」
《非現実》《モチーフ有》
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最終更新:2022年10月28日 09:16