2024年3月30日
出題者:おにおん
タイトル:「悲劇の文化祭」


【問題】
ヴィチトは女装し、死んでしまった。
一体どういう状況?





【解説】
+ ...
ここはルシフェーン。
王女ヴィチーヌが支配する国だ。
そしてヴィチーヌは僕の双子の姉だ。

本当は僕は王子になるはずだったんだけど王様…つまり僕達のお父さんが死んだあと
大人たちの勝手な都合でヴィチーヌは王女、僕は召使いとなった。
ヴィチーヌと僕はとても仲良しで時々お互いの服を交換して大人達を騙して遊んでいた。
でもそんな些細な遊びがこんな事で役立つとは…

きっかけはヴィチーヌが王女となり国を支配し始めた時のことだった。
その時はヴィチーヌも僕もまだ12歳。
まだヴィチーヌ1人で政治をするのは難しいだろうと
大臣のタカ・フーミがヴィチーヌのサポートをする事になった。
しかしタカは狡猾な性格の持ち主でヴィチーヌのサポートをするふりをして政治を支配していた。
国民に財や食料を与えず独り占めしたり…気に入らないやつが居たらヴィチーヌに嘘を吹き込んで処刑したり…
後は隣国の王女に告白して振られた腹いせに隣国を滅ぼしたり…
そんな数々の悪行の責任をヴィチーヌに擦り付けたもんだから国民のヴィチーヌに対する不満は溜まりに溜まっていた。

ヴィチーヌは悪くないんだって大人達に伝えたけど
僕が召使いという立場であること、まだ子供だということ、
そしてタカが表向きはとてもいい大臣という事もあって信じてくれる大人は一人もいなかった。

そしてある日ついに事件は起こった。
騎士団の中で最も強い女騎士であるマイ・ブレイドの父であるカメオ・ブレイドがタカに殺された。
タカはマイにヴィチーヌの仕業だと吹き込んだ。
それを聞いたマイは怒り狂いヴィチーヌに不満を持つ国民を集めて革命を起こした。
騎士団の数より革命軍の人数の方が圧倒的に多い。
騎士団は革命軍により壊滅させられ王宮は囲まれた。

革命軍が来る前に僕は急いでヴィチーヌの元へ向かう。
そして僕はヴィチーヌにこういった。
「僕の服を着て早く逃げて。大丈夫僕らは双子だからきっと誰にも気づかれない。」
ヴィチーヌは泣きながら「いやだ」と拒否するが何とかヴィチーヌを説得し今に至る。

僕は王女、君は逃亡者。
君の服を着た僕は悪逆非道な王女として処刑台の上で罵詈雑言を浴びせられる。
「この贅沢三昧のクソ王女が!」
「僕の父さんを殺した暴君め!」
「私の故郷を返して!」

違う!
ヴィチーヌは無実なんだ!
そう言いたいけどぐっと堪えあの子の幸せを願いながら「その瞬間」を待つ。
ヴィチーヌとの思い出が走馬灯のように駆け巡る。

そして終わりを告げる鐘が鳴る。
僕はヴィチーヌの口癖を呟いた。
「あら、おやつの時間だわ」
ザシュッ
断頭台の刃が落ち僕の首が地面に転がる。
その瞬間国民の歓声が上がる。
いしきがどんどんとおのいていく

…………

もし、うまれ、かわれたら、
その、ときは、また………

《死》

最終更新:2024年04月14日 16:26