2020年9月26日
出題者:耳


【問題】
今まで浮いた話一つない男に、善行の報いか人生最大のモテ期がやってきた。
超好みのタイプの絶世の美女からプロポーズされたのだ。
しかし男は足元をじっと見つめて深くため息をつき、その申し出を泣く泣く断った。
女に男を騙すつもりはないし、むしろ罠にかかったのは女のほうなのだが
いったいなぜ断ったのだろうか?


【解説】
+ ...
夜中にはたはたと戸をたたく音がする。
開けてみれば絶世の美女。
「わたくしは先日罠にかかっているところをあなた様に助けていただいた者でございます。
よろしければ妻にしていただき、ご恩返しさせていただきたいと存じます」
言われてみれば、何日か前に羽根をバタつかせてあがいてるところを助けてあげたことがあったっけ。
俺は独り身だし、こんな美女が妻になってくれるんなら何が化けていようが大歓迎だ。

と言いたいところだけど、俺が助けたのは雀なんだ…
いくら何でも小さすぎるだろ…
自分の足首までしかない小さな小さな美女を見つめながら、
俺は泣く泣くこの申し出を断るほかなかった。
助けたのが鶴だったら良かったのに…。

この後、じゃあ、ってんで雀のお宿に連れて行ってもらえたかどうかは別のお話。

《非現実》《モチーフ有》

最終更新:2022年01月18日 22:45