==肝要==
記念すべき第一巻。西尾さんにとっても第一巻。にして戯言。
「他人を自覚的に意識的に踏み台に出来る人間ってのは、なかなかどうして怖いものがあるよな」
しょっぱなからこんな一文を飛ばしている。デビュー作といえば、かの
京極夏彦|京極さんも最初っからあの分厚さはないだろう、と思う。
「じゃ、縁があったらまた会おうぜ」
かの最終章のテーマかつその序章のテーマは既に人類最強から出ていた。というより読み返したら発見した。
ただし、天才は一人もいません
最後の最後で言われた一言。って、登場人物紹介の時点ですでに彼は嘘、詐欺師だったっ!?うわー、「《日本で一番儲けた事業家、しかし証券偽造詐欺》みたいなっ!」・・・。意味分からねぇしぃ。
あらすじ
絶海の孤島に隠れ棲む財閥令嬢が“科学・絵画・料理・占術・工学”、5人の「天才」女性を招待した瞬間、“孤島×密室×首なし死体”の連鎖がスタートする!
工学の天才美少女、「青色サヴァン」こと玖渚友(くなぎさとも)(♀)とその冴えない友人、「戯言遣い(ざれごとづかい)」」いーちゃん(♂)は、「天才」の凶行を“証明終了(QED)”できるのか?
エピグラフ
“才能が一つ多いほうが才能が一つ少ないよりも危険である”
{ニーチェ}
登場人物
座敷のメイド長。
三つ子メイド・長女。
三つ子メイド・次女。
三つ子メイド・三女。
天才・画家。
天才・料理人。
天才・七愚人。
天才・占術師。
天才・技術者。
伊吹かなみの介添人。
玖渚友の付添人。
人類最強の請負人。
目次
- 三日目(1)………サヴァンの群青
- 三日目(2)………集合と算数
- 四日目(1)………首斬り一つ
- 四日目(2)………0.14の悲劇
- 五日目(1)………首斬り二つ
- 五日目(2)………嘘
- 五日目(3)………鴉の濡れ羽
- 一週間後………分岐
- 後日談…………まっかなおとぎばなし
語録
- 世界は優秀に厳しい。世界は有能に厳しい。世界は綺麗に厳しい。世界は機敏に厳しい。<br>世界は劣悪にやさしい。世界は無能にやさしい。世界は汚濁に優しい。世界は愚鈍にやさしい。
:その通り(p9)
<<ふぁーすと・やっぴー!>>
:そこまでして反応して欲しいか!?(p13)
「見ての通りさ。あいつは今、桜を見ているんだよ。もうじき散っちゃうからね。あいつはああいう《死の直前》つーか、果敢ないもんが好きなんだよな、何か」
:自らの運命(さだめ)を見透かして?(p24)
「彼が女性だったら大袈裟でなく歴史は変ったんだろうな」
:なにげに怖い一言(p48)
「反撃だね」
:この一言で、反撃が、始まる。(p290)
「――そいつのことが好きなんですよ」
:《死の直前》での告白?(p311)
「きみ達全員の脳を、ちょっと喰べてやろうとしただけだよ。」
:動機を問われての一言。(p334)
「じゃ、縁があったらまた会おうぜ。もっとも……お前みてえなヘンな野郎とこの哀川潤、縁がないわけ、ないけどな」
:のちのちまた蘇るキーワードは彼の娘から初めて出された。(p374)
「戯言なんだよ」
:名台詞(?)(p376)
「玖渚の隣りに行こうと、思った。」
:この惨劇に幕を降ろす最後の一言。(p379)
<p align="right">--鵜龍慶輔 2008年11月2日 (日) 09:54 (UTC)</p>
最終更新:2008年12月28日 21:26