秋津隼人

要点:・ヒゲ・ロッカー・ギター
周辺環境:・水没した街
周辺環境:・水没した街
評価:全能力18
特殊:
特殊:
- 秋津隼人は歌い手、剣聖、ファウオーマとして見なし,これらの持つ全ての特殊が使える。
- 秋津隼人は歌の判定をするとき必ず成功する。
→次のアイドレス:・モヒカン(ACE)・歌い手(職業)・愛の歌(イベント)・シオネ=アラダの面影(イベント)
設定文章
その日、風杜神奈は夜の森の散策をしていた。
月が明るく、森の木々を浮かび上がらせる。静謐な夜の森が神奈は大好きだった。
月が明るく、森の木々を浮かび上がらせる。静謐な夜の森が神奈は大好きだった。
いつものトレーニングを終え、お気に入りの切り株に腰掛ける。
(トラナ、ちょっと寂しそうだったな……)
小笠原で聞いて以来、トラナはたまに思い出したようにため息をつく。
何とかしてあげたいのに、一緒にいることしか出来ない自分が歯がゆかった。
体を動かして休んでいるとそんな考えがふとよぎる。他にすることもないのだ。
(トラナ、ちょっと寂しそうだったな……)
小笠原で聞いて以来、トラナはたまに思い出したようにため息をつく。
何とかしてあげたいのに、一緒にいることしか出来ない自分が歯がゆかった。
体を動かして休んでいるとそんな考えがふとよぎる。他にすることもないのだ。
優しい夜の風が吹き抜ける。
(こんな幻想的な夜には……いいことがあるかもしれないね)
そんなことを考えながら神奈は寝転んだ。
(こんな幻想的な夜には……いいことがあるかもしれないね)
そんなことを考えながら神奈は寝転んだ。
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夢を見ている。
水に沈んだ街の夢を。
水に沈んだ街の夢を。
街は水に沈んだが、人々は生きていた。その地の名を、六合という。
永遠の真夏の国とも言われ、そんな街に彼はいた。
趣味は音楽。平日は配達業で糊口を凌ぐ傍ら、ギターを片手に、友人のモヒカンたちと日曜ロッカーと化す。そんな毎日を繰り返していた。
ある日、古く大切にされているぬいぐるみを持つ、紫の少女が水に濡れるのを庇ったことから彼の運命は変わり始めた。
永遠の真夏の国とも言われ、そんな街に彼はいた。
趣味は音楽。平日は配達業で糊口を凌ぐ傍ら、ギターを片手に、友人のモヒカンたちと日曜ロッカーと化す。そんな毎日を繰り返していた。
ある日、古く大切にされているぬいぐるみを持つ、紫の少女が水に濡れるのを庇ったことから彼の運命は変わり始めた。
「私のパパになって」
カールした髭に、数々のレトロライフを使いこなす、トランプの王様がここに誕生したのを(実際見てるわけではないが)目の当たりにした。
(……これが……トラナの……)
見聞きしたことを並び変え、再構築したものが夢として見るとする説がある。
これはその類のものなのだろうか。
……記憶の断片はたゆたう。
これはその類のものなのだろうか。
……記憶の断片はたゆたう。
夢の中ではあるが次に見えたのは、水に沈んだ街の水路上での戦闘だ。
その中で彼はトランプの王だった。
悲鳴を聞き、一瞬の逡巡の後、ビルを跳ぶように落下し、下を走るボートの天井をレトロライフのムカデでぶち破る。
ボートを走らせる指示を出す傍ら、フリントロック式の銃を引き抜く。
それが当然であるかのように滑らかに弾包を開け弾を定着させる。
一発きりだけど正確で精密な射撃。
銃についてはよくわからないけど、銃を撃つ姿、剣をとる姿、どれをとっても一流に見えた。
その中で彼はトランプの王だった。
悲鳴を聞き、一瞬の逡巡の後、ビルを跳ぶように落下し、下を走るボートの天井をレトロライフのムカデでぶち破る。
ボートを走らせる指示を出す傍ら、フリントロック式の銃を引き抜く。
それが当然であるかのように滑らかに弾包を開け弾を定着させる。
一発きりだけど正確で精密な射撃。
銃についてはよくわからないけど、銃を撃つ姿、剣をとる姿、どれをとっても一流に見えた。
(……凄い)
「お初にお目にかかる、生命の敗者」
ぞくっとするぐらい冷たい声を掛け、でその黒いものを睥睨する美形の王様が……
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カサッ
幾刻経ったのだろう。近くの楡の木陰より近づく足音が聞こえた。
神奈は急速に覚醒し、無意識に手元の愛刀「嵐神」の鞘を握り締める。
「……誰?」
「あ、起こしたか」
目を開けると逆さまになった視界の端に日曜ロッカーのような格好をした青年がいる。
トラナに何度も何度も話を聞いた、あの青年の姿だ。当然ながら敵意は感じられない。
(……こんな偶然……)
「……夢?」
寝入る直前までトラナのことを考えてたからこんな夢を見ているのかとも思った。
ぺちぺちと頬を叩いてみる。痛い。
「いや、夢じゃないぞ」
「それより、この辺でこんな帽子をかぶった女の子を見なかったか?」
その一言に神奈はちょっと嬉しくなった。
(トラナのことこんなに気にしてる人が来てくれたよっ……)
「……はい。トラナの……パパの……秋津さんですよね?」
「はじめまして、風杜神奈と申します」
神奈は急速に覚醒し、無意識に手元の愛刀「嵐神」の鞘を握り締める。
「……誰?」
「あ、起こしたか」
目を開けると逆さまになった視界の端に日曜ロッカーのような格好をした青年がいる。
トラナに何度も何度も話を聞いた、あの青年の姿だ。当然ながら敵意は感じられない。
(……こんな偶然……)
「……夢?」
寝入る直前までトラナのことを考えてたからこんな夢を見ているのかとも思った。
ぺちぺちと頬を叩いてみる。痛い。
「いや、夢じゃないぞ」
「それより、この辺でこんな帽子をかぶった女の子を見なかったか?」
その一言に神奈はちょっと嬉しくなった。
(トラナのことこんなに気にしてる人が来てくれたよっ……)
「……はい。トラナの……パパの……秋津さんですよね?」
「はじめまして、風杜神奈と申します」
ぺこりと頭を下げてこう続ける。
「暁の円卓へようこそ」
(絵:岩澄龍彦)(文:風杜神奈)
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