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ほら吹きは言う

先程、電話がかかってきた。
あのほら吹きから。
暇なので電話に出た。
「オリンピックの開催式、前日の準備生で見ちゃったよ」
「嘘吐け。そんなコネないだろ」
「あ、やっぱばれた?」
そんな馬鹿な話ばかりしていた。
いつも、こいつとはそうだ。

だが今日は、少し違った。
「チェスとか将棋はやることあんの」
「ルールぐらいは知っているが。今からやるか?」
「いや、距離ありすぎでしょ。そうじゃなくて、さ。なんか昨日思っちまったんだよ。俺たちはチェスの駒にはなれても、将棋の駒じゃないんだなって」
「変な事を言うんだな。なんかあったのか」
「いや、なにもないけどさ。」
「そうか。で、今さっきの話の意味はなんなんだ?」

奴がこういう事を言うのは、大抵何かあった時だ。
しかし、聞き出そうとしても奴が話したくなるまでは、絶対に話し出さないので聞かなかった。

「ああ、あれ?チェスはさあ、相手の駒取ったらそれで終わりでしょ。取られた駒はほっとかれる。でもさあ、将棋は違って、相手の駒取ったら、自分の手駒になるでしょ。なんかそれ考えてたらさあー、うちの会社もそうかなと思って。」
「難しい話だな。何を言いたいんだ?」
「だからさぁー、まあああいうのとはちょっと違うんだけどさ、俺たちは時間外労働とかやらされまくってぼろぼろんなったら捨てられるだろ。病気んなってもそう。あ、そっちは違うかも知んないけどさ。将棋みたいにさ、一度捨て駒にされたり退場させられても復活できるわけじゃないんだなって。なんかひでぇなって」
「それが嫌なら、起業でもすればいい。か、農家って手もある」
「あのさあーもう少し現実的なの無いの?」


結局いつもの馬鹿話に戻ってしまった。
でも、何か遭ったのだろうな。何も起こらなければいいが…


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最終更新:2010年02月13日 13:36
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