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詭弁家の冗談

ふざけ


「なあ、なんで、老人がすると駄目で赤ん坊はいいのさ?片方は『かわいい』片方は『汚い』だぜ。ひどくないか」

彼は、いつも、茶化して、そんなような事ばかり聞く。
ふざけた事をふざけた口調でふざけて話す事もあるが。

「だって、理不尽だろ。老いて、ぼけて、弱って、何もできなくなって。それまでできたのに。本人が一番切ない」
いや、そうだけど。そうだね。まあでも、そうなってしまった人は、思い通りにもならないし、世話をする人を無条件に慕うわけでも、微笑ましい訳でもないし、身体的な著しい成長もなければ、後で世話をした人間に何か言ったりできたりするわけでもないから、かな。身勝手な言い分だけど。
「ふーん。でもしばらくして大きくなって、暴力を振るってきたり、放火してみたり、金を無心したり、無差別に人を刺したりはしないし、捕まって悪い意味で有名になったり、旅行先でとんでもない事をして国の印象を悪くしたりするよりはいいんじゃない?」
うーん。悩むね。でもこっちはお互いに悲惨な所もあるだろうからなあ。老いた側は認識がはっきりしていれば、『申し訳ない』とか『面倒をかけたくない』、『恥をさらしたくない』って思わざるを得ない人もいるだろうし、認識がはっきりしなくなりゆく人は『もう耐えられない』、『殺してくれ』って思う人もいるだろうし、する側も『大変』、『こっちがもたない』、あるいは認識がはっきりしていかなくなっている人を看ているなら『壊れてゆくのを見ていられない』って思うらしいからな。まあ、これは看ている側が真面目かもしくは疲れていない場合であって、何度も接しているうちに、あるいは最初からいや、という人もいるだろうけど。というか、赤ん坊から若者にすり替えるなよ。
「ばれた?まあいいや、広げて話そうよ。こっちだって、悲惨じゃないの?一方通行で。もしくはお互いに憎みあうなんて。親は心配して子は暴挙に出る。もしくは親は暴挙に出て子は甘受するしかない。よくさ『何であの子が』とか、『あの時に言っておくべきだった』って親は言うじゃないか。一方通行過ぎて悲しくならない?子供が小さきゃまた違って、子供が受け入れるだけ。頼れるものが他にないからね、どんな事をされようと親しかない。ああ、なんてことだ、としか言いようがない状況も起こるわけだし。ああ悲惨。本当にどうしようもなきゃ、何とかポストに預けるとか、拾ってくださいって書いて交番の前にでも預けるとか。その方が人道的だな。でも今はそれもせずに、耐え切れなくなったら、預けないでああしちゃうからね。なんとも言い難い」

今日も、そんな話をしていた。不謹慎だな、と思いつつ。
しかし、真面目に考えた方がいいのではないかな、とも思う。
口調はふざけきって、いかにも不謹慎だったが、話自体はそう思えた。


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最終更新:2010年03月24日 09:39
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