不利
私もその人物も警官ではないし検察でも裁判官でも弁護士でもない。
その世界に大きなあるいは日常的かつ直接的な関わりはない。
だから、こんな事を言い始めるのかもしれない。
「洗脳ってさ、勾留と似てない?」
あまりにも、ひどい言い方だな。
「だって、10日も外には出れないし、ずっ責め続けられる。しかも、面会って言ったって、できないって言える権限が検察にあるし」
いや、どうして、洗脳なんだ?
「求めれば、追加で10日間留められて、しかも、取調べはずっと向こうの人間が付きっきり。20日間って数字で言えば短いけど、実際は長いんだからさ。それに、他になんかしてれば、そっちで引っ張ってこれるから、1ヶ月超えたりして、なんて事もありえるんじゃない?」
確かに、そうであるなら、洗脳の要件の一つは確実、二つ目も確実とまでは行かないが、その可能性はある。
「でしょ?というかさ、明らかにこっちの方が向こうより、法律も何も知らなくて不利なんだよ。書いてない事やられても、泣き寝入りするしかないわけ。ひどいよね」
まあ、一般人が知り尽くしているとやりにくいからな。犯罪をする際の抜け道にされても困るし。
「でもさあ、文書はあっても、実際なんて見えないんだから、やったもんがちでしょ?裁判にしたいような事されても、証拠がないから勝ち目なんかないし、そもそもあっちは玄人だからね。勝てやしないよ」
否定はしない。法律も国家も、建前は国民のためとか誤解されてるが。
「そう、国家はやらない事は保障する事もあるけど、守ってはくれないし、法律は本当の犯罪者を守るためにあって、冤罪の人は守らないからね。というか、国家自体は国民のためじゃないし」
とにかく結論としては、洗脳的な、ああ、あまりにも洗脳的な、ということらしい。
やはり、そういうものか。でも、普通に暮らして巻き込まれる事さえなければ、これでもいい、という人もいるのだろう。
そんな余裕がない人も、興味のない人間も、あきらめている人もいるだろうが。
追記
まだまだ、言いたい事はあるようだ。
「それに、警察も検察も、犯人を挙げるのが仕事で、無罪を保障するのが仕事な訳じゃないし」
まあそうだな。一応『推定無罪』、もしくは『疑わしきは罰せず』というのが建前ではあるが。
「実際は、『推定有罪』、『疑わしきは罰せよ』じゃないの」
しかし、警察の場合、治安の維持が目的であれば、予防拘禁のような事も、目的にはあっている。後で、安全無害と判断してから釈放でも、組織の役割としてみる分には、間違っていない。で、それをやると、それと癒着しない外部から内部が監視できない場合、組織に都合のいいように動き始める。
「ひどいねぇ。そんなことあったら、二人ともきっと出てこれないよ。言論統制のある時代とか国に生まれたら、きっと二人とも死刑だね」
言いたい放題である。
最終更新:2010年04月01日 09:54