時
彼にまた会った。
連休であるから、家族といるかと思ったがそうではなかったらしい。
そんな彼から話を聞いた。
「過ぎてみれば早いもの、とはよく言ったものだよなあ」
まあ、その主観によるだろうな。気の持ちよう、とでも言えばいいか。
「でも考えてみれば人生だってそうだろう?」
果たしてそうか?
「だってそう思うんだ。いつも、過ぎてから、『ああ、あの時にもっと努力していれば今は』なんて言うだろ。そこまで長くなくとも、『ああ、今度の休みもただ過ごしちまったなあ』とか『何にもやらずに終わっちゃったなあ』って言うだろ」
そうだな。休日の延長だからといって、平日がそうでない保証はない。このような5日間を積み重ねていけば、いずれかは人生のような長さになる。
「なんか無駄の集積で、俺の人生は終わっていくのかな、なんて思うのさ。いや、そりゃあ、無駄じゃないことだって一杯あったと思うよ、でもさ」
逆に言えば、君の人生は、無駄でないものの集積でもあるんだ、と思うが。
「でもなあ。自分の次の世代には、同じ轍を踏んでほしくないな。『あの時に』の集積で終わらせてほしくないよ。まあ自分はそこそこのでいいんだ、って言えばそれで良いとも思うけど」
そんなことばかり言って、自分は駄目とばかり思っていると早く老けるぞ、とだけ言っておいた。
過剰は問題でも、無さ過ぎるのはどうかと思う、とも言った。
しかしながら、彼の話にも理はあると感じた。
最終更新:2010年05月04日 21:49