走れメロス(15:38) - timers -TIME IS ……-

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「あれ？　石川じゃない？」

声をかけられ、その方向を見る。
飯田圭織である。すらりと伸びた長い足、モデルみたいに高い身長。梨華の憧れの人でもあった。
彼女は人懐っこい笑顔を浮かべながら、歩み寄る。

「飯田さん……」
「どした、元気ないなぁ。またネガティブ梨華ちゃんになってんのかぁー？」

そう言って肩を揉んでくるが、梨華の反応から察したのか、急に真面目な表情になった。

「どうした？　カオでよかったら相談にのるよ？」

梨華はうつむいていたが、視線だけを圭織に向けて、ポツリと言った。

「──ごっちんが、来ないんです」
「ごっちんって……後藤？　待ち合わせでもしてたの？」

梨華は、噴水前のベンチに座って、圭織に説明をした。

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