「……よう。お前の言った通り、ひとりで来たぜ」
「どうやら…その通りみたいだね」

黒い羽により呼び込まれた者達による聖杯大戦、その予選開始から暫く後…雨の降るある日の冬木市の路地裏に、2人の青年が向き合う。

「ここに来てくれたって事は、僕達と手を組むって決めた…そういう解釈でいいかな」
「…悪い、その前にひとついいか?
…俺達と手を組みたいってお前は言ってきたけどよ、なんで話し合う場をここにしたんだ?お前の家か……俺の家っつーか…拠点でも良かったんじゃねえのか。
…わざわざここを指定した意味がわかんねえんだ」

見てくれからしていかにも不良に見えるオレンジ色の髪をした青年は、そう述べる。
信じたいと思いながらも疑念を抱かずにはいられない…そう表情に出ていた。
一方相手の青年の方は、呆れた様子を見せながら声を出す。

「へえ、まだわかってないんだね。
…わざわざ本拠地に招く馬鹿が何処に居るんだい?」
「っ…まさかお前…やっぱり…そう、なのかよ……!」
「その通り。まんまと引っかかってくれたねぇ」

嘲るかのように告げる男に、オレンジ髪の青年は悲痛な表情を向ける、信じたかったと…その顔は言外にそう告げていた。

「ついでに言っておくと、巻き込まれた一般人ってのも嘘さ。君なんかとは違って僕は魔術師なんだよ」
「な……魔術師……だと……!?」
「聖杯に知識は与えて貰ってるだろ?何をそんな驚いてるんだい…ひょっとして、マスターに出逢ったのが僕が最初で最後って事かな?運がないねえ」

驚くオレンジ髪の青年に対し、男は呆れ果ててると言った様子を隠しもしない。
そのまま青年は言葉を続ける。

「まあここであっさり終われるのはある意味運が良いとも言えるかな。僕のサーヴァント…キャスターは、苦痛を感じさせる間もなく殺す術に長けてるからね…さあキャスター、こいつを殺……!?」

しかし、男のサーヴァントであるキャスターは姿を現した後、そのまま消滅していく。
その胸にはナイフが深々と何本も突き刺さっていた。

「…ごめんなさい、マスター。心配だから霊体化と能力を使って見に行ったら貴方が…殺されそうになってたから」

対し、オレンジ髪の青年を庇うかのように前に現れたのは─メイド服を着た、青年と同年代かそれよりも下程度の銀髪の少女。心なしか申し訳無さそうな表情を浮かべている。

「咲…アサシン、お前っ…分かってんだろ!?サーヴァントが消えたマスターは、6時間で…」
「……だからって、みすみすマスターを殺させる訳には行かないわよ」

そう言う2人に対し、サーヴァントを一瞬にして喪った男は一瞬呆然とした後、半ば狂乱しながら喚く

「…1人で来たんじゃないのかよぉ!?えぇ!?とんだ裏切り者だなてめえはっ…騙し討ちしやがって!!ふざけんじゃねえ!!」

自分の事を棚に上げ、完全に狂気に取り憑かれた目を向け青年らを糾弾する男の怒りは止まらない。

「聖杯を手に入れるために、全てを捨てた!!だってのに…ここで負けたら意味が無くなっちまう…ああ!!こうなりゃてめえらも道連れだぁ…2人まとめて一緒に死ねぇ──…」
「っ、アサシン…待……!」

喚き涙を流しながら、魔術を用いた自爆で青年とサーヴァントのメイドを屠ろうとした男だったがその瞬間、突如現れたナイフが男に突き刺さりドサリと倒れた。青年のサーヴァントに対する制止は間に合わなかった。
滲み出る血は激しくなる雨により流れていく。ピクリとも動かず男は心臓を貫かれて即死していた。

「……ちくしょう……!」

オレンジ髪の青年はそう、悔しさを滲ませた表情で壁を殴る。
喉から出かけた、「何で殺した」という言葉を押し込みながら。そうした理由など…青年は分かりきっていた。

(俺に…力が無いから、力が無いせいで…あいつに手を汚させちまった…力さえあれば、殺さず止める事も出来たかもしれねえのに…!!)

「…クソっ!……こんな、こんな勝ち方があるかよ!!!」

そう絞り出すかのように叫ぶ青年の…マスターの名は黒崎一護。「元」死神代行にして、取り戻せた筈の力を奪われ信じてた者達に裏切られたどん底からこの聖杯大戦へと招かれた者。真実に辿り着けていない男。

一方、それを申し訳なさと哀しみが入り混じった表情で見ながら、何も言えずにいる少女の…サーヴァントの名は十六夜咲夜。アサシンクラスのサーヴァントにして人の身のまま、吸血鬼の主に仕えた完全で瀟洒な従者。夢を通じてマスターの過去を観せられた結果思い悩む女。

2人に降り注ぐ雨は止む気配は無く、さながら今の一護が抱いている悲しみを表すかのように勢いを増していくのであった。



『…やっぱり……やっぱりお前もなのかよ、石田………!!』

『解らないのか!!!僕を斬ったのは、お前の後ろに居る奴だ!!!』

『だが、勘違いするなよ。俺は月島に斬られてお前の敵になった訳じゃない。
月島に2度斬らせて、元に戻ったんだ』
『貰うぜ、お前の完現術(フルブリング)』

『返せよ銀城…俺の力を返せ………』

『銀城……銀城!!!』

『……そうか……そうかよ……親父たちまで…そうなのかよ……』

胸を刀で貫かれ、そう絶望の中呟くとほぼ同時に…青年が真実に気付く前に、黒き羽が手に触れた。



「……夢…か」

雨が止んだ夜、与えられたロールとしての家ではなく、拠点としたあるマンションの一室で、青年黒崎一護は悪夢から…この聖杯大戦に招かれる前の出来事を再現した夢から目を覚ます。

護る為の自分の力を取り戻させてくれたと思っていた相手は、力を奪い取る為に協力していたに過ぎなかった。
それどころか、自らの師とも言える相手や、父親ですら…自分を刀で刺した。チャドや井上ら友であり仲間のように能力で裏切らされたのか、共謀していたのか…最早一護には判断がつかないが、敵に回ったのは彼の視点からすると確かな事実となっていた。

(…もう、信じねぇ方がいいのかもな…)

今日の一件も、元はと言えば…一人彷徨いていた所、声を掛けられ告げられた同盟の提案を…悩んだ末に受けるとし、条件通りに一人で赴いたが故、相手を信じたいとしたが為に起こった出来事だった。

(でも…石田が来た時疑わずに信じてれば……俺は…クソっ!!)
「……すまねぇ、石田……お前の事、すぐに信じてれば……」

一護は思わず仲間で級友、そして友達(当人は認めないだろうが)の名を呟き謝る。
どういうつもりか分からないが、自分が用済みにされ、更にこの世界に飛ばされまでした以上は…他の皆と同じように挟まれたか、或いは…始末されてしまったのか。そんな最悪の事態も脳裏に浮かんでしまう。

(…聖杯で…勝ち残れば聖杯で願いが叶うって言われても…どうすりゃいいんだよ…サーヴァントを倒せば、マスターも6時間後には消えちまうのに……他のマスター全員消して殺してまで、願いを叶えたくなんてねえ…けど……それを使わなきゃ、もし元の世界に戻れても俺は……!!)

例え元居た世界への帰還が出来たとしても…記憶を挟み込む能力者月島秀九郎によって殆ど全ての仲間・身内が銀城空吾らの味方となり自身の敵に回った今、戻った所で袋叩きに遭うだけだろう…そう一護は考えていた。何より…自身がそんな状況に耐えれない。既に一護の心は度重なる裏切りでへし折れきっていた。

(…咲夜にも…迷惑かけてばっかだな…何考えてんだか、いまいちわかんねえけど…俺を守ろうとしてるのは本当だと思う)

そう、未使用とはいえ令呪という形で縛れるのもあって、現状唯一全幅の信用を置ける存在であるサーヴァントの事を浮かべる。

(…あいつがサーヴァントってので、幽霊に近い物なぐらいわかってる…だからって、俺と同じくらいか、年下の姿の女に…戦いで任せっきりにするしかねぇのも、殺すって選択肢を取らせちまうのも……今の俺が何にも持ってねえ無力なせいだ。
……申し訳なくて、情けなくって……自分で自分が許せねぇよ…)

『…貴方が気にする事じゃないわ。あくまで此処に居る私はサーヴァント、使い魔に過ぎない…だから人殺しをさせたなんて、背負い込まなくていいの』

「…だからって…させていい理由にはならねえ、だろ……ちくしょう…護るどころか、護られて…俺は……俺はっ……!!」

理屈は理解出来ても受け入れれず、そう悔しさを滲ませながら呟く、暫く後…どうにもならないままに、再び一護は眠りに落ちた。
その眼から少し溢れていた涙は……一瞬の後、まるで拭き取られたかのように、綺麗さっぱり無くなっていた。



私の主は、生涯お嬢様…レミリアお嬢様ただ一人というのに。
……それが私、十六夜咲夜が最初にこの冬木市にサーヴァントとして召喚されて思った事だった。

あくまで自分が人の身のままお嬢様に生涯仕えた「十六夜咲夜」当人じゃない、影法師のような存在だというのは知っている上で…それでも胸にあるのはどうにも釈然としない気持ち。
…勿論、だからといってサーヴァントとして…従者として喚ばれたからには、相応の働きをしないと…とは思っていたけど。そうでなければ、完全とも瀟洒とも名乗れないもの。

とにかく、ひとまず召喚したマスター…仮の主を探しに行ったけど……彼はひとり座り込んでいた。
とりあえずサーヴァントな事を名乗った後に、マスターならロールに従った生活基盤があるんじゃないの?と聞いた所…返ってきたのは「家には…帰る気になれねえ」との一言。
何か理由があるって事は、憔悴しきった様子からも読み取れた。だからそれには触れず…近くに空き部屋が無いか探し、見つけた部屋を一先ずの拠点とする事にしたわ。勿論、部屋の内部は時間を操る程度の能力で見た目よりも広くして。

彼のロールは高校生だったけど、通っている事になっていた学校には、『今は行きたくねえ』と。直感でなんとなく、自分の家(として用意されてるモノ)に帰りたくないのと同じ理由な気はしたから…触れないでおくことに。触れられたくないって思ってそうな表情をしてたし、「今は」と付けてる以上下手に踏み込むべきじゃなさそうねと判断した。
……正しいのかどうかは、今でもわからない。

彼が外に出る時は霊体化して周囲を警戒しながら付き添ったり、放っておくと何も食べない彼に料理を作って食べさせたり(仮とはいえ、主を飢え死にさせる従者がいてたまるものか)と、幸運にもこの時点では他マスターやサーヴァントと出会わないままだったけれど……ある時、夢を見た。
それは、今は何の力も持たない主…黒崎一護が、死神の力を手に入れ死神代行として戦う姿…気付くと私は夢を通してマスターの、一護の過去を視ていた。



死神と言われて最初に私の頭に浮かんだのは、三途の川の船頭をしているサボり常習犯の死神(小野塚小町)だった。
だからてっきり、一護の夢の中で現れた彼女や彼らは外の世界に出向く、死者のお迎え担当の死神なのだと思っていた…のだけど、過去が進んでいく中、私は勘違いに気付いた。どうも世界自体が違うみたいね…と。

それはともかく、最初の夢で視れたのは、一護が死神代行になってから、仲間達と尸魂界なる場所に殴り込みに行くまでだった。
翌日それとなく何か夢を見なかったかしら?と一護に聞いたけど…「覚えてねえんだ、なんでか思い出せない」って言われてしまった。私が一護の過去を視たように、彼も私の過去の何かを視たのかしら…?

そして次の夢、私は再び一護の過去の、その続きを視ていた。
今度は尸魂界へ殴り込んだ一護が、死神達と戦い…最終的に黒幕には負け逃げられこそしたけれど、恩人の処刑を防ぎ、頑なだったその兄の心を救った後恩人と別れるまでを視た。
再び一護になにか見たかと聞いたけど、やっぱり何も覚えていないらしい。この調子だと、下手に聞いても変に疑われるだけになりそうね…と考え、とりあえず聞く事は止めた。

その次の夢は、ある一人の少女を巡る戦い…最終的に誰からも忘れ去られた筈の戦いの夢だった。
忘れ去られた筈の少女の事を、最後にたったひとり思い出した一護が…抱えて前に進む事を選んだ話。

そしてその次の、4回目の夢は…逃げた黒幕がきっかけとなり産まれた存在破面(アランカル)と、死神達の戦いの中、仲間の一人を助け出す為死神達と肩を並べ戦い…最終的には助け出す事に成功し、黒幕を打倒するも力を喪うまでを視た。

そして現状最後の5回目の夢、敵サーヴァントとマスターを仕留めた今日視たのは…力を喪ってから17ヶ月後、一護が完現術(フルブリング)という技を習い、死神の力を取り戻そうとし…月島によって身内が次々偽りの記憶を挟まれる中…力を取り戻したものの裏切られ、絶望に沈む中…この聖杯大戦の舞台冬木市に飛ばされるまでの夢だった。
…彼が与えられたロールに基づいた学校や家に行きたくない理由が、わかった気がした。
…もし元の世界での、月島に挟まれた知り合い達がNPCとして再現されていたら…そう考えると、行く気になれなかったんでしょうね。

…彼の戦いの過去を視て、心底思ったのは…一護は、彼はどうしようもなく、殺し殺されの環境に向いていないという事。
喧嘩好きな一面は確かにあったように視え、また戦いを楽しんでた時も…視た限りではなくはなかったと思う。でも…殺し殺されをするには、少々彼は優しすぎる。

『こんな勝ち方があるかよ!!!』

互いの生死のかかった戦いかつ、一度自分が殺された相手というのに…内なる虚(ホロウ)による暴走もあったとはいえ、こんな事を言い自分も対等の状態になろうとする辺り、本当に向いていない。仲間を…井上を助けようとする中で見ず知らずの破面達を助けようともしていたし、筋金入りのお人好しの類なのだと思う。
彼が殺意を見せたのは、視えた範囲だと月島相手だけ、それも…自分の家族や友人達の記憶に偽りの過去を挟み込んで陥れようとされた末だから…もしそんな事をされたら普通は耐えれないでしょうし、私だって我慢は出来ないわ。何が何でも…殺そうとするでしょうね。

ともすれば甘さと言えるし、実際チョコラテとも言われてたその優しさで一護は……戦いの中で敵対していた相手を絆したり、味方につけたり、改心させたり、救ったりしていた。
だけど…普通の、サーヴァントが消滅してもマスターが消えないルールの聖杯戦争ならともかく……猶予時間があるとはいえサーヴァントの消滅がマスターの死に繋がる、この聖杯大戦のルールと彼の優しさは…あまりにも相性が悪い。

彼を護ろうにも、サーヴァント殺しがマスター殺しにほぼ直結する現状では…私が護る為、倒す度に彼は苦しむだろう。
既に彼は…一護は、過去を視てわかった限りでは、心に癒えるかどうかも怪しい傷を2つ負っている。
自分を庇ったせいで母が死に、妹達から母を奪ってしまったという強い負い目、少女を…茜雫を護る為に戦い抜いた筈が、最後の最後に自分を犠牲にする形で逆に護られてしまい、それを止めれなかった事…その上、銀城にも浦原にも父親にすらも裏切られた事も合わせれば3つ。
…山ほどの人を護りたいと彼は言っていた。でも…今の現状で、彼を護ろうとすれば…彼の心を傷付ける事は避けれない…。

…こんな時、お嬢様なら…彼を、一護を…見限る可能性も無くはないでしょうけど、溢れるカリスマで立ち直らせれるんでしょうね。
でも…私は私。お嬢様にはなれないのだから……。…とりあえず、過去に触れられる事は母親絡みの件からして避けたがるだろうし…下手に夢で見た事は言えないわ。

…お嬢様のように立ち直らせれる事は出来ないけれど、それでもせめて…従者としてサーヴァントとして、彼をみすみすと殺させる事はしないと、護ってみせると…私は決めた。
仮の主とはいえ、それじゃ完全で瀟洒な従者としての名折れなのだから。
…自分を省みたとはいえ、お人好しになったつもりはないのだけども…きっと召喚時に、マスターに引っ張られた結果でしょうね。

それはそうと…最後に一護が刀を刺された箇所と、最初一護が死神の力を得た際に死神に…ルキアに刺された箇所が一緒だったけれど…何か関係あるのかしら…?



水没した心情世界、髭を生やした中年と白色になった一護がその中を漂う。
本来黒崎一護は既に死神の力を取り戻しているが、時期のせいか或いはメンタルのせいか、それとも黒い羽に触れたのが取り戻したのとほぼ同時だったせいか、一護に呼びかけようとする彼らの声は届かない。

届くかどうかは、一護自身が再び立ち上がれるか否かにかかっているだろう。

【クラス】
アサシン

【真名】
十六夜咲夜@東方Project

【ステータス】
筋力:C 耐久:C 敏捷:A 魔力:A 幸運:D+ 宝具:EX

【属性】
秩序・中庸

【クラススキル】
気配遮断:B+
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適しているスキル。ランクBのため、完全に気配を絶てば発見することは非常に難しい。
アサシンの場合は宝具発動時や後記のスキルを使用している際に、スキルにプラス補正が付く。

【保有スキル】
投擲(ナイフ):A+
アサシンが生前から持っていた、短刀を弾丸として投げる能力の技術がスキルとなった物。ランクの高さは正確さを表す。後記のスキル使用時及び宝具発動時は効果に補正が入る。

従者の矜持:A
感謝などの見返りを求めず、最期の瞬間まで主の生死を問わず尽くし、その願いを叶えようと動ける完全で瀟洒な従者であり続けるというアサシンの心構え・在り方がスキルとなった物。
Aランク相当の戦闘続行と、Bランク相当の無窮の武練に単独行動のスキルの効果が複合されている。また精神や魂に作用する異常に対する耐性がアップする効果もある。

仕切り直し(時):B
戦闘から離脱し、また不利になった戦闘を初期状態へと戻す能力がスキルとなった物。
アサシンの場合は、自分の異能である時間を操る程度の能力による時間停止や時間の加速によりこのスキルを発動させる。
使用時のアサシンを端から見ると、まるで突如姿を消したかのように映るだろう。

直感:C (A)
戦闘中、自分にとって有利な展開を常に感じ取る事が出来る能力がスキルとなった物。
ランクの高さは視覚や聴覚に干渉する妨害を半減させたり、攻撃をある程度予見し対応出来る程度の感の良さを表している。
生前アサシンが、2つの能力(光を屈折させる程度の能力と音を消す程度の能力)を併せた上で隠れていた光の三妖精の存在に、素で気付いた逸話から来ているスキル。
基本的にはCランク相当のスキルとなるが、視覚や聴覚に干渉するスキル・宝具等に対しては、Aランク相当にまで上昇するようになっている。

時間を操る程度の能力:EX
生まれつきアサシンが持っていたと推測される異能がスキルとなった物。人間が持つ異能としては規格外の力。時空間操作の類いの能力。
時間停止に圧縮、時間の加速や減速、空間の拡張や縮小が可能で、範囲は任意かつ対象を指定して行使可能。
空間の拡張や縮小の部分の能力を行使すれば、他者の空間系のスキルや宝具・能力への干渉や中和も可能となっている。
投げたナイフを加速させ威力を増させたり、相手を減速させて攻撃を避けやすくしたり減速により攻撃の威力を殺したり等が出来る。
自身を加速させた場合は筋力と敏捷、与ダメージにプラス補正がかかる。

ただし、時間の逆行については「この」十六夜咲夜には不可能。また生前とは異なりサーヴァントとなった事によって、能力を行使する範囲・対象が広ければ広い程消費する魔力が多くなるようになった。また後記の宝具を使用する以外では世界全体の時間を止める事は出来なくなっている。

なお、時間を操作出来る限界については判明してないものの、当人は「時間でも止めていないとやってられない」と、紅魔館の家事について触れた際言っているので、家事をこなせる程度には状態を維持できるようである。

【宝具】
『月時計(ルナ・ダイアル)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~30 最大捕捉:1人
アサシンの物であるスペルカード「時計『ルナダイアル』」がサーヴァントとなった事により宝具化したもの。時間を操る程度の能力の応用。

範囲型の時空間操作に当たる。時間停止領域を込めた時計を投擲し、命中した敵とその周辺の時間のみを停止させる効果。
停止させていれる時間はアサシンの当人主観で3秒程で、時間こそ短いが魔力消耗が少ない特徴がある。
一応時計は壊れた幻想の対象にする事が可能。

『私の世界(ザ・ワールド)』
ランク:A 種別:対城宝具 レンジ:1~110 最大補足:100人
後記の宝具を範囲を絞る形で劣化させた、時間を操る程度の能力の応用の宝具。性能が落ちている分、『月時計』よりは重いが魔力の消耗量も本来よりある程度は抑えれている。アサシンが規格外レベルの時空間操作の異能を持つが故に可能な芸当。

アサシンの主観で、発動から9秒程の間範囲内の時間を全て停止させる。攻撃時に使う場合は、停止している間に得物であるナイフを敵の周囲に設置し、解除と同時に動き出したナイフによる一斉攻撃を行うのが基本的なアサシンの戦術となる。攻撃の回避等にも使用可能。
サーヴァントと化した事により、時が静止している範囲の中でも、アサシンのマスターは思考・行動が可能となっている。
宝具名の由来は、「東方儚月抄」の漫画版でのスペル宣言の時に呼称した「私の世界」より。

『咲夜の世界(ザ・ワールド)』
ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:1~冬木市全体(全世界) 最大捕捉:冬木市全体(全人類)
アサシンの物であるスペルカード「咲夜の世界」がサーヴァントとなった事により宝具化したもの。時間を操る程度の能力の応用。
世界全体の時間を停止させる。本来なら全世界・全人類規模で全てを停止させれるが、今聖杯大戦では舞台の範疇である冬木市全土が限界として設定されている。

停止時に攻撃する際の戦術や回避等にも使用可能な事、範囲内でもマスターは行動可能な事は前記の『私の世界』と同様だが、魔力消耗が格段に激しく、サーヴァントの身なのもあって発動してから5秒程の間しか停止させ続ける事が出来ない。
またサーヴァントとなったせいか、宝具発動時に『咲夜の世界』とスペルカード名を宣言する必要がある為、真名を勘付かれたり看破されるリスクもある。

【weapon】
『無銘のナイフ』
読んで字の如く無銘のナイフ。切れ味が良くステンレス製な点以外は取り立てて特筆する所は無い。
生前とは異なりサーヴァントとなった事で、投げた側から能力を用いて回収せずとも魔力による生成が可能となっている。
無銘のナイフなのもあって消費する魔力も微々たるものであり、投げるナイフが無くなる事態はまずないと言えるだろう。

『銀のナイフ』
魔属性に対して特攻が入る効果がある、銀製のナイフ。アサシンは異変時等に対妖怪用として用いていた。
無銘のナイフとは異なり、こちらは魔力による生成は不能。かつ数が限られている為、使用後は早急に能力を使い回収しないと盗まれたり使用不能になりかねない。

【人物背景】
元は外の世界の住人にして、流れ着いた幻想郷にて吸血鬼である主レミリア・スカーレットに、人間の身のまま仕えていた完全で瀟洒な従者にしてメイド長。
かつては館からあまり出ようとせずまた他人に冷たかったが、ある異変解決の際受けた忠告から自らを省み、閉じた自分の世界から一歩踏み出した少女。主にナイフの投擲と体術で戦う。

クールで真面目そうに見え実際そういう一面もあるが、意外と天然かつマイペースでお茶目な所も。テンションが上がっている時や戦闘時には勝気かつ攻撃的な言動になりやすい。(当人曰く「今の私は押せ押せモードだから」との事)
かつては館の外にあまり行こうとせず交流関係も閉じ気味だったが、自身を省みてからはアウトドア趣味を持ったり交流を広げそれを楽しんだりするようになった。
本来ならアライメントは中立・中庸だが、今回の召喚ではマスターに引っ張られて中立から秩序属性に変わっている。また性格面もかなり自身を省みた以降寄りになっている。
ちなみに「この」咲夜はアサシン以外ではアーチャーやキャスター、バーサーカーの適性もある。

【サーヴァントとしての願い】
特に無し。サーヴァントの身な以上、マスターの願いを叶える為に……と思ってたけど、今のマスターは願いを考えるどころじゃないから…どうしようかしら。取り敢えず…彼を死なせたくはないけれども。

【把握資料】
東方Project。「東方紅魔郷」で5面ボスとして登場したのが初出。
以降は「妖々夢」「萃夢想」「永夜抄」「花映塚」「緋想天」「非想天則」「輝針城」「虹龍洞」にて自機として使用可能。
他では公式の物だと小説の「香霖堂」、漫画の「三月精」「鈴奈庵」「茨歌仙」「智霊奇伝」「酔蝶華」
書籍の「求聞史紀」「グリモワールオブウサミ」、ゲームの「弾幕アマノジャク」「バレットフィリア達の闇市場」、書籍及びゲームの「文花帖」、漫画及び小説の「儚月抄」に登場している。また書籍である『外來韋編』掲載のクロスレビューでは紅魔館編と輝針城編にてレビュアーとして登場している。(背景に写ってる程度等の出番も含めたらもっと増えるが割愛)
今回は時系列的には「花映塚」以降の、自身を省みて変わる事を選んでからの側面が強めとなっている。

なおこれは東方キャラ全体に言えるが、台詞の口調が安定しない事が多い。
また彼女の出自については複数説があり、かつては吸血鬼ハンターだったとか、月の都や月人の何らかの関係者だとか、イギリスの有名な殺人鬼ジャック・ザ・リッパーと関係がある或いは、ジャック・ザ・リッパーその人が幻想入りした存在である…等があるが、原作内でははっきりとした事は分かっていない。
(吸血鬼ハンター説が公認二次創作であるソシャゲ「東方LostWord」にて、並行世界の存在として拾われたりはしている)

【マスター】
黒崎一護@BLEACH

【マスターとしての願い】
……俺は……

【能力・技能】
かつて空手を習っていた他殴り合い等の喧嘩に強く場馴れしており、達人レベルの相手にも通用する高い身体能力と頭の良さを併せ持っているが、人の名前や顔を覚えるのは苦手。刀の扱いも参戦時期時点ではかなりのもの。
参戦時点では霊感体質や死神の力と虚の力を取り戻している他、奪われこそしたが完現術の能力も残滓程度は残っている。滅却師の力も戻っているが目覚めておらず、使用には剣八戦のように斬月のおっさんが介する必要がある状態。
ただしメンタルが最悪に近い状態なのと、この聖杯大戦に巻き込まれたのが力を取り戻したのとほぼ同時だったせいか、現状では取り戻した力を発揮出来ず霊感も無いまま。霊体化されるとサーヴァントを視認出来なくなる。

また、斬り合いで相手の剣・刀と合わせた際に、(当人曰く)その相手の考えや心、剣を振るうに至った覚悟が少し分かるという読心に近い事が可能。
他にも消滅すると関わった人達から関連した出来事等の記憶が全て消え去り、存在毎無かった事になる思念珠である茜雫の一件(劇場版第一作のMEMORIES OF NOBODY)を覚えていると思われる発言を参戦時期より後にだがしている。(劇場版本編では最後に茜雫の事を思い出したかのような描写が入っていた)

一護の精神世界には住人として白一護ことホワイトと、斬月のおっさんの2名が存在している。現在は彼らから直接一護に干渉する事は不可能な状況にある。
また精神世界の状況は一護のメンタルにより左右され、悪化すると雨が降ったり水没したりする。

なお斬月は(一応)斬魄刀である為、他者(サーヴァントやマスター問わず)への譲渡や技の使用も可能と思われる(東仙要が他者の斬魄刀を使用している)

【人物背景】
死神の父と滅却師の母の間に生まれ虚を内に宿す死神代行にして高校生。
口調こそ荒く誤解されやすいが、本質的にはチョコラテと評される程のお人好しのあんちゃん。何度も心が折れたり折れそうになったりしつつも、護る為に戦う青年。
最初から殺す気で戦う事がまず出来ないせいで、甘さを捨てろだのチョコラテはここに置いていけだの作中ですら散々言われたり完敗を喫したりするが、その優しさや在り方に感化され変化を遂げた者も多い。

幼い頃自分を庇った母が虚に食い殺された一件から、どこか自責の念に駆られている節があり自分ひとりで抱え込もうとしがちな一面もある。
なお単行本の1巻に収録されているプロフィール曰く、尊敬する人はウィリアム・シェイクスピアとの事。

【ロール】
高校生。

【参戦時期】
459話のDeath & Strawberry 2にて、胸を刺され、浦原と父である一心の姿を見て「親父たちまで……そうなのかよ……」と言った直後。その瞬間降ってきた黒い羽に身体が触れ聖杯大戦の舞台へ招かれた。刺された後なので死神の力等は取り戻せているが前期の通り発揮出来ないでいる。

【把握資料】
BLEACH。原作である漫画は全74巻。アニメはアニオリ等含めて消失篇終了までで一区切りとなっており366話。千年血戦篇はおそらく分割4クールとなり執筆時点では2クール目まで放映済みだが時期の都合必須ではない。(一護の出自の詳細や斬月の正体等まで踏み込んで把握するなら1クール目までは必要となる)
小説版も刊行されているが、本編序盤のノベライズである「BLEACH letters from the other side」と劇場版のノベライズ以外では基本一護は殆ど出てこないか活躍しないので必須ではない。
劇場版は4作あるが本編に組み込まれていると思われるのは1作目のMEMORIES OF NOBODYのみ、他は完全なパラレル。(劇場版はMEMORIES OF NOBODYから3作目のFade to Black 君の名を呼ぶまでアニメコミックスが集英社から発売されている)

参戦時期の範囲である死神代行消失篇は原作とアニメでは多少差異がある。この候補作は原作準拠で書いた。消失篇は49巻の424話からで、54巻の479話まで。参戦時期である459話は52巻に収録されている。
アニメでは343話から消失篇が開始し参戦時期にあたる話は361話となる。

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最終更新:2023年11月22日 18:41