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Lyrical Crimson - (2008/12/31 (水) 22:51:10) の編集履歴(バックアップ)
Lyrical Crimson
サークル:East New Sound
Number | Track Name | Arranger | Vocal | Original Works | Original Tune | Length |
01 | STAY HERE,NOT ALONE | 黒鳥 | 葉月なの | 東方紅魔郷 | 上海紅茶館 ~ Chinese Tea | [04:28] |
02 | the 4seasons 4u | raku | Tsubaki | 東方風神録 | 稲田姫様に叱られるから | [04:33] |
03 | 君色マスタースパーク | 黒鳥 | Lu-na | 東方永夜抄 | 恋色マスタースパーク | [04:23] |
04 | Ten made to do key! | 黒鳥 | いずみん | 東方永夜抄 | 月まで届け、不死の煙 | [04:58] |
05 | 奏で穿て、東雲の彼方へ | KOBATYU | Cryu | 東方靈異伝 | 永遠の巫女 | [05:06] |
06 | ザクロは血の味、恋の味 | 黒鳥 | Lu-na | 東方紅魔郷 | 亡き王女の為のセプテット | [04:45] |
07 | 幻想郷祭囃子(秋) | Izu | Tsubaki | 東方風神録 | 神々が恋した幻想郷 | [05:00] |
08 | Together in the sky | raku | 前菜 | 東方紅魔郷 | ルーネイトエルフ | [05:08] |
09 | Girl's mind | Crouka | Lu-na | 東方紅魔郷 | ラクトガール ~ 少女密室 | [05:17] |
10 | VANISHING POINT「/」 | 黒鳥 | いずみん | 東方妖々夢 | ネクロファンタジア | [06:10] |
11 | 緋色月下、狂咲ノ絶 | 黒鳥 | 葉月なの | 東方紅魔郷 | U.N.オーエンは彼女なのか | [06:44] |
12 | 咲き届け、春へ至る音 | Izu | Cryu | 東方妖々夢 | 天空の花の都 | [04:45] |
詳細
レビュー
- 原曲維持~香る系クラブダンストランス男性2曲女性10曲ボーカルアレンジ。新規参入でいきなりフルボーカルアレンジをぶちかましてきた気鋭のサークルである。全体を通して速めの四つ打ちで一貫しているアレンジであり、技術それ自体は、ところどころやや作りが粗く、キックなどは勢いで押し切っているところもある。ただ、大きなテンポずれなどはなく、水準には十分に達しているだろう。もう少し一音一音を細やかに、ミックスで音圧を稼ぐだけではなく、いろいろな効果を試してみればよりよくなるかもしれない。
歌詞はそれぞれの原曲のイメージをそれなりに反映したものとなっている。東方のイメージと各作品とがそれほど近しく仕上げられているわけではないと個人的には思うが、全く無縁というわけでもない。
以下、新規参入ということもあり、ボーカル全員分の担当曲を概観する。
1曲目上海紅茶館女性ボーカルアレンジは、同人歌姫として実績のある葉月嬢が持ち前の力強い声を張り切らせてがんばっている。クラブダンス系には彼女の声は合うだろう。ただ、アレンジ自体に工夫がなく、淡々と四つ打ちが続くだけなので、せっかくのがんばりがややもったいないように感じる。
2曲目稲田姫様女性ボーカルアレンジは、椿嬢のかわいらしい電波風味の声がダンスアレンジの音色にややそぐわない。大きな音外しはないボーカルなので、もう少しアレンジを軽く、エレクトリックに近づけた方が彼女の魅力を引き出せるはずだ。
3曲目マスタースパーク女性ボーカルアレンジは、ず太いビートに貫かれた力強いサウンドにLu-na嬢のボーカルが負けてしまっている。やや滑舌が悪く、声に張りが欠けているところと相俟ってボーカル自体がぼやけてしまっているのは今後の課題だろう。音程ももう少し安定させてほしい。
4曲目不死の煙ダンス男性ボーカルアレンジは、しゃくりや揺らぎがひどく、滑舌が悪くて歌詞が分からず、音程も不安定で、レビュー以前の段階である。一層の精進を期待する。
5曲目永遠の巫女女性ボーカルアレンジは、トランスのビートが前に出すぎて高く細いCryu嬢の声が浮いてしまっている。細く堅めで声の広がりは少ないが、音程が安定して揺らぎも少ないボーカルなのでこれはもったいない。高音部メインのバラードなどで合わせてみてほしかった。
8曲目ルーネイトエルフ女性ボーカルアレンジは、前菜嬢のやや丸くなめらかな高音がやはりビートにかき消されてしまう。ボーカルはもっと力強く、逆にアレンジはもっと繊細に、マッチングを重視した方がいいだろう。ボーカルは声出しにやや癖があってそれが声の張りに差し支えているような気がする。
11曲目オーエン女性ボーカルアレンジは、1曲目と同じく葉月嬢であるが、全体から見て出色、この曲に非常に注力した気合が感じられる。葉月嬢の声でのヒステリックな笑い声とセリフを自由自在に左右に揺らしたり、サビでは二重の意味を持たせた二重ボーカルにするなど工夫がこと細かい。葉月嬢の芯の通った声と効果に太いトランスのビート、そして単調さを避けたビープ音のような原曲メロがマッチして、成功を収めていると言っていいだろう。一点、サビ直前での叫びに近い感情の露呈は、Bメロでのフィルタを強くしたり、その叫び自体にもっと力強くエフェクトをかけるなり、もっと強調してほしかった。
強い四つ打ちダンスアレンジでの女性ボーカルを聴きたい人には、男性ボーカルを除外すれば勧められる作品である。ただ、全体的に音圧が高すぎて聴いていて疲れてしまうので、ミックスは喫緊の課題だろう。また、アレンジも一貫して四つ打ちだけでは単調になりがちなので、他のジャンルのアレンジも取り入れてみてほしい。今後の工夫、特にアレンジャーの技術の広がりは十分に期待できる基盤は確実にあるので、次作が楽しみである。
-- 電波? (2008-12-31 22:24:05)