朝起きて、隣に魔理沙がいたのは驚いた。聞いてみたら馬鹿みたいな顔して寝てるのが面白かったから見ていたらしい。

そんな顔しながら寝てるのか・・・俺は・・・。

魔理沙と共に朝食をとり、お礼を言って出ていこうとしたら魔理沙に引き止められた。

「お前が望むのならまだ泊めてやってもいいんだぜ?」と、魔理沙が言った。有り難い言葉だが、今の自分は旅をしている最中だ。何泊もしていたらただのお泊り会になってしまう。

俺は魔理沙の提案を断り、もう一度お礼を言ってその場を立ち去った。

魔理沙の顔が帽子で見えなくてどんな顔をしているかわからなかったが、多分笑っていたと思う。


○○が魔理沙から目を離した時に・・・


魔理沙「○○。お前は私の心を盗んだ・・・。盗まれるのは好きじゃないからな。代わりにお前のすべてを頂いていくぜ」

魔理沙は魔女らしい不敵な笑みでそう呟いた。


魔理沙の家から離れてしばらくうろうろしていたが、あらためてこの幻想郷の素晴らしさを知った。

流れる川の美しさ。吸う空気の新鮮さ。そして豊かな緑。どれも外の世界では味わえない物ばかりだ。だが、素晴らしさだけでは腹は膨れない。こんな素晴らしい物に囲まれていても腹だけは空いてしまう。人間の悲しい性質。

お昼に作っておいた稲荷ずしを広げる。我ながら中々おいしそうに作ったものだ。まぁ、稲荷の皮に米を詰めただけだが。

○○「いただきま~す」

感謝の気持ちを忘れないで食べる。周りの雰囲気を楽しみながらもりもり稲荷ずしを食べていく。

ふと、視線を感じた。こちらを射抜くような鋭い視線だ。周りを警戒はしていたが、下級妖怪ではなさそうだ。何が出て来るか警戒していると黄色い物が飛び出してきた。

藍「そのお稲荷さんは私の物だーーー!」

藍さんだった。藍さんとは前にも同じように襲撃された思い出がある。その時にも稲荷ずしを食べていた。目が獲物を狙う目になってるからおそらく本気だろう。とっさに避けようとするが間に合わず、おもいっきり押し倒される。柔らかい物が俺の上に!そして目当ての稲荷ずしを探すために体を探り始めた。うひゃひゃくすぐったい。

○○「ら、藍さん落ち着いて!」

藍「早く私のお稲荷さんを出すんだ!」

頭の中は稲荷ずしで一杯らしい。なんとか稲荷ずしが入っている包みを差し出す俺。手の上にあったはずの稲荷ずしの包みは光の速さで藍さんに奪いとられた。俺の昼飯・・・。

その後、稲荷ずしをたらふく食べた藍さんは落ち着きを取り戻したらしく、俺に謝ってきた。

藍「すまない○○。つい、お稲荷さんの誘惑に目が眩んで・・・」

○○「まぁ、いいですよ藍さん。食べっちゃたものは仕方ないですから」

実際はまだお腹は膨れてないが、食われてしまってはどうしようもない。

藍「どうしたものか・・・そうだ!お稲荷さんを食べてしまった代わりに私が夕食をご馳走しよう。それでいいかい?」

俺の顔を覗き込む藍さん。その顔はどこか不安そうだ。俺がこの誘いを断る理由は無いので、それに賛成した。

マヨヒガでの食事は楽しく、素晴らしいものだった。
俺が腹も一杯になってうとうとしていると藍さんが「尻尾を使っていいぞ」と言ってくれたので、くるましてもらった。あぁ、モフモフで暖かい。眠気が・・・


○○が寝たのを確認すると藍は○○をより近くに引き寄せた。そしてその目はあの時と同じように獲物を狙うになっていた。

藍「フフフ・・・○○」

○○の頬を一舐めする。その味を確かめるように。尻尾はよりきつく○○に絡み付く。逃がさないように。

藍「○○、私はお前を気に入っている。九尾の私に気に入られるから相当だぞ?」

もう一舐め○○の頬を舐める。

藍「お前は私の愛を受けれる器かな?まぁ、溢れ出すくらいでいいか」

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最終更新:2011年05月06日 04:03