実は博麗大結界が構築されてからは、力と意志を有した奈落の存在は幻想郷では確認されていない。 どこからか迷い込むように流れてくる奈落の力の一部が人々に病原菌のように取り付く程度である。 しかし、これを放っておくと、小さい子供や老人など、体力が低い者については多くのものが死に至る。 幻想郷に力と意志を有する奈落が現れたのは今回(第1話)の事件が初めてである。
アルシャードガイアのルールブックによれば、奈落のガイア(地球)に対する侵攻は最近強まってきた、とある。 その最近がどれぐらいの時間かは分からないが、博麗大結界の構築よりも後のことであり、博麗大結界によって外との交流が疎遠、 というかほぼ皆無となった幻想郷では、奈落に対する認識は外の世界に対するそれよりは低い……どころか、認識ゼロの状況である。 しかしただ一人、八雲紫とその式神である八雲藍だけは奈落とクエスターに関しての情報を知っている。 (第1話において霊夢と慧音、妹紅も奈落やクエスターに関する認識を得た。)
外の世界でも一般には奈落やクエスターの情報は秘匿されている。 それなのになぜ知っているのかという部分は今後のストーリーの中で明らかになる。 また、紫は外の世界、ガイアの対奈落組織のトップと顔見知りでもある。
博麗大結界の役割は大きく3つである。まずは「幻想郷の存在自体を秘匿するため」、次に「幻想郷への侵入抑止」、最後に「幻想郷のマナの発散防止」、である。 まず、「幻想郷の存在を秘匿する」とあるが、これは存在をないように感じさせるというもので、そこにあると認識されてしまうともうこの機能は意味をなさない。 ここで次の機能、「幻想郷への侵入抑止」が働く。 だがそれでも幻想郷に奈落が侵入してくる。それはなぜなのか。 博麗大結界は一枚岩のような壁状のものではなく、フィルターのような網目状のものである。 砂をふるいにかければ大きい石は残る。濁った水を濾過すれば、分子の大きい物質は残る。そういうことだ。 強大な力を持つ奈落に関しては侵入を防ぐことができるが、力の弱い奈落はこのフィルターを素通りしてくるというわけだ。 幻想郷にあるマナの発散防止の理由は今後語られる。
アルシャードガイアのルールブックに、結界は特殊なマナに満ちた空間であり、マイナーアクションを使用することで飛行状態になることができる、とある。 ならば博麗大結界の中ならば問題なく飛行が可能である。しかし常に飛行状態とすると、 飛行状態の敵に有効な特技の有用性がインフレするのと、戦闘のエンゲージの解釈に問題が生じるので、 あくまで飛行状態になる特技等を使用しない限りは、飛行状態の適用を受けない。あくまでイメージで飛んでいるだけ、ということにする。
第1話において、奈落の使徒であるアンドラスが存在を匂わせたアレについても、今後語られる。