SF研 部会
「ニューロマンサー」
1.著者紹介
ウィリアム・ギブスン。1948年3月17日生まれ。アメリカ、サウスカロライナ州出身。ベトナム戦争で、徴兵を拒否しカナダに移住。その後、ブリティッシュコロンビア大学英文科を卒業。
1977年に「ホログラム薔薇のかけら」で作家デビュー。
サイバーパンクの生みの親にしてサイバーパンクの帝王。「サイバースペース」はギブスンの造語であり、「電脳空間」という訳は黒丸尚によるもの。
著作
短篇集
長編
電脳空間3部作:「ニューロマンサー(1984)」、「カウント・ゼロ(1986)」、「モナリザ・オーヴァドライヴ(1988)」
橋3部作:「ヴァーチャル・ライト(1993)」、「あいどる(1996)」、「フューチャーマチック(1999)」
他:「パターン・レコグニション(2003)」、「スプーク・カントリー(2007)」
共著:「ディファレンス・エンジン(1990)」(ブルース・スターリング)
主な登場人物
- ケイス:本作の主人公。カウボーイ
- モリイ:本作のヒロイン。侍
- アーミテジ:仕掛けのチームリーダー。元軍人で本名はウィリス・コート
- ピーター・リヴィエラ:幻覚を見せる能力を持つ
- ディクシー・フラットライン:ケイスの師匠だったマコイ・ポーリーの脳神経をデータ化したROM構造物
- 冬寂:仕掛けの黒幕。テスィエ・アシュプール所有のAI
- リンダ・リー:千葉市にいたときのケイスの女
- レイディ・3ジェイン・マリイ=フランス・テスィエ=アシュプール:ヴィラ迷光内で起きていたテスィエ・アシュプール。冬寂の欲する暗号を知っている
- ヒデオ:3ジェインの家臣で忍者暗殺者
- ニューロマンサー:仕掛けの本当のターゲット。冬寂の別のサブプログラム
語句
- ≪スプロール≫:無秩序に郊外へ拡散する都市様式
- 氷:侵入対抗電子機器(ICE) 攻性防壁
- 擬験:仮想現実による疑似体験
- 擬態ポリカーボン:光学迷彩
- テスィエ=アシュプール株式会社:一族のみで運営されている会社。ヴィラ迷光に本部を持ち、冬寂を所有している
- 自由世界:L5にあるコロニー群のうちの一つ
- ザイオン:L5にあるコロニー群のうちの集合体
- ヴィラ迷光:自由世界内にあり、T=Aの居住領域
あらすじ
『第一部 千葉市憂愁』
ケイスは元カウボーイ。現在は千葉市でごろつきをやっている。勘違いを重ねて尾行者から逃げ回る。尾行者はモリイ。アーミテジがケイスをカウボーイとして復帰させ、チームに入れる。リンダ・リーが死ぬ。
『第二部 買物遠征』
センス/ネットからディクシー・フラットラインの構造物を盗む。その過程でモリイが足を骨折する。
ケイスがアーミテジの過去について調べる。アーミテジの雇い主が冬寂であることも知る。
イスタンブールでリヴィエラを誘拐する。
『第三部 真夜中のジュール・ヴェルヌ通り』
宇宙へ出る。L5のコロニー群へ。まずはザイオンへ行き、それから自由世界へ。自由世界へ行く途中にケイスが冬寂に潜り込もうとして冬寂の作った仮想現実の中に囚われる。
自由世界でリヴィエラのショー。ホテルに戻ったケイスを待っていたチューリングの警察官。
『第四部 迷光仕掛け』
冬寂がチューリングの警官を殺して、仕掛け開始。
モリイがアシュプール老人と会い、毒殺。
アーミテジが不安定になり、コートに戻り、船から飛び降りる。
モリイは骨折した足のせいでリヴィエラを殺し損ねる。
冬寂からの指示でケイスとマエルクムがヴィラ迷光に入る。
ケイスが没入した先は掩蔽壕で、そこにはリンダ・リーがいた。この仮想現実を作っているのがニューロマンサー。
リヴィエラが再び裏切るがヒデオに追われ、モリイには毒を盛られ、退場。
ケイスがニューロマンサーに挑む。3ジェインから暗号を聞き出し、ケイスの勝利。冬寂はニューロマンサーと合体。
『結尾 出発と到着』
モリイは置手紙を残して出ていき、ケイスは千葉市に戻る。
ケイスの前に、マトリックスになった冬寂が現れ、同じ存在がケンタウルス系にもあると言う。
ケイスはある没入のとき、ニューロマンサーだった少年とリンダ・リー、ケイスがマトリックス内にいるのを見つける。
雑感
ものすごく好きな作品なんだけれど、文章に想像力がついていけない。
- 高校生の頃に何度も繰り返し読んだ漫画、攻殻機動隊2(2巻)がなかったら、視覚的な文章についていけなかったと思う。 -- 西之園 (2011-06-22 14:57:51)
最終更新:2011年06月22日 14:57