「……本当にこれでいいのかしら?」
私は憂鬱だった。
その理由は3つある。
「いいわ。ウォッカに近づけずに済むだけじゃなく、
こうしてしまえばあの子たちの修行にもなるでしょう」
1つ目の理由は、この植物園の植物全てを暴走させなければならないという事。
自分の手で、確実に仲間を傷つけなくてはならなくなる。
折角、自分に出来た「仲間」なのに――
「それで、この子はどうするの?」
「もちろん、ここで消えて貰うわ。そこの一番でかいのの餌にしてしまえばいい」
2つ目の理由は、いくら危険な敵とはいえ、
満身創痍にて足の下で怯えるこの少女を始末してしまわなければならないこと。
実際はかなりの年齢なんでしょうけど――苦手なのよね。子供をひどい目に遭わすのは。
「それじゃあ、頼んだわよ。 ……キョウ」
3つ目の理由は、その憂鬱な仕事の依頼主が
これから傷つけなければいけない子達と同じ、私の「仲間」であること。
「わかった、うまくやるわ。 ……テンシ」
恐らく彼女は、私よりもずっと先にこの植物園からいなくなるのだろう。
かかわっていたことすら、「仲間」には知られないのだろう。
足元の少女の足を掴んで吊り下げる。
泣き叫ぶ声を無視して、泣きそうになりながら、上向きに開いた大きな口に放り込む。
けたたましい悲鳴と嫌な咀嚼音が耳にこびりついてしまいそう。
凄惨な光景から目を背けるように振り返ると、
テンシはもう、そこには居なかった。
最終更新:2011年07月10日 13:27