「サバタ、カーミラ・・・結局、助けられなかった。二人とも、犠牲にして・・・それでも、私は・・・」
フランコは、まだ月にいた。
破壊の獣、ヴァナルガンドと同化したルーナとの死闘の末、彼女と共に居た魔女、カーミラ(
※)の犠牲によって、破壊の獣を石化させたのだった。
しかし、その代償は大きく、フランコは失意のまま棺桶バイクを駆って帰還中であった。
「ハ・・・カ・・・イ・・・」
「!?」
「ハ・・・カ・・・イ・・・ハ・カ・イ・・・」
しかし、背後を振り返ると、石化させた筈の破壊の獣が、フランコを追いかけている。
「ヴァナルガンド!?そんな・・・それじゃあ二人は・・・いったい何のために!こんな未来のために・・・私はは戦ってきたんじゃない!!もう・・・嫌だ・・・」
全てを諦めようとした時、別の声がフランコの頭の中で響く。
「あきらめないで!!」
「その声・・・カーミラ!?」
「フランコ、しっかりなさい!これはヴァナルガンド、最後のあがき!もう少しで・・・あと少しで破壊の獣を石化することができる!でも、それには力が・・・太陽の光が足りないの!フランコ、そのまま走って!ヴァナルガンドを月蝕の影の中からさそい出し、太陽の光を直に浴びせるのよ!わすれないで・・・私たちは犠牲なんかじゃない。あなたが諦めない限り、私たちの想いは・・・あなたの中で生き続ける!そうでしょ、フランコ?」
フランコは走った。破壊の獣が猛攻を仕掛ける中、必死で躱し、走り続けた。そして、ようやく地球から光が見え始めた時・・・。
「くっ!?」
バイクのエンジンから煙が吹き始める。
「ここまで来て!でも私は・・・もう二度と諦めない!」
徐々に距離を詰められ、追いつかれようとした、その時・・・。
「暗黒ーーー!!」
ルーナが、棺桶バイクに乗った姿で破壊の獣から飛び出してきた。
「待たせたな!」
「ルーナ!!・・・うわっ!」
フランコが安心した拍子に、バイクがスリップし、横転してしまう。
「大丈夫か!フランコ!」
「ううん・・・。無事だったんだね、ルーナ!」
呻きながらも起き上がり、ルーナと対面する。
「フッ・・・よくぞここまで戦いぬいたわ。だが忘れないで。貴女を倒すのはこの私よ。いつかこの私が、私自身の力によって貴女を倒す!それまでは、例え戦いに敗れ、倒れることがあろうとも・・・死ぬことだけは許さない!さあ、フランコ・・・最後の決着をつけるわよ!!」
後ろを見ると、破壊の獣が日光に晒されながら追い付いてきている。
「行くぞ!ヴァナルガンドから暗黒物質(ダークマター)を吸い尽くし、奴の中に、太陽の光を送りとどけるの!カーミラの能力で、破壊の獣を内部から石化する!!」
「「暗黒ーーーーー!!!」」
吸血鬼化したフランコと、ルーナは、破壊の獣の力を削ぎ、完全に石化させることに成功する。
「やったのね、カーミラ・・・ヌグッ!!」
突然ルーナが膝をつき、苦しげに呻く。
「ここまでか・・・本体が石化したとあれば、この幻影も消えるのが道理ね・・・」
「ルーナ・・・?」
「ヴァナルガンドと成り果てた私には、もはや貴女と共に未来を歩むことはできない。私はこの地で・・・カーミラと共に、破壊の獣として永遠のねむりにつく。でも、もしもいつか目覚めることがあれば・・・私は必ず、私自身を取りもどす!例えどんなに辛くても、もう二度と・・・未来を諦めたりはしない!!さらば太陽少女!わが親愛なる妹よ!!太陽がそうであるように・・・月もまた、いつまでも貴女を見守っている。そのことを忘れないで・・・」
次第に姿が薄くなっていき、やがて完全に消えてしまった。
「さようなら・・・ルーナ、カーミラ。みんなが残してくれた未来を、私は決してあきらめない!ありがとう・・・私達の太陽!!」
明日もまた日は昇る!
でも・・・
望んでいるだけじゃあ、明日は変わらない
未来を変えるのは明日
明日を変えるのは今日
今日できること、1人でできることは小さくても
その積み重ねが明日を変え、いつか未来をも変えるんだ
太陽と暗黒、2つの未来
明日もまた、日は昇るのだから
私は戦う・・・
私達の太陽と共に!!
太陽少女フランコ
終
最終更新:2011年12月28日 11:00