「本当に…これで良かったの?皆をこの術で戻して…本当に良かったの?」
小さな兎の子が、獣の姿をした女性に話しかける。
「大丈夫。いつかきっと会えるし、会ったらお互いのことを思い出すだろう」
獣の姿をした女性は、ゆっくりと少女の問いに答えそっと微笑む。
「約束だよ…。必ず、必ずまた、皆で会おう」
「ああ。約束だ。ほら、アニス。そろそろ始めるぞ?」
「…うん」
アニスと呼ばれた小さな兎の子は、獣の姿をした女性から一歩離れた。
獣の姿をした女性が何かを唱えると、アニスの足元に魔方陣ができた。
女性が巻物を広げると、少しづつ魔方陣の光が強まっていった。
「ハクタク…また、いつか。また皆で……」
「…また、な。アニス」
ハクタクと呼ばれた女性が巻物を閉じると同時に、魔方陣ごとアニスの姿が消えた。
光の中に、一人だけが残った。
獣の姿をした女性。
その女性は虚空を見つめ、
ただ、立ち尽くしていた。
………END
最終更新:2011年12月30日 09:19