…あれは…どのくらい前になるかな。
私が家を出たのが15の頃…そこからしばらく旅をして…うーん、多分5年くらい前だぜ。
魔に関する知識とキノコを探しまわっていたところで、食料が尽きて…限界近くなったころ、城を見つけたんだ。
せめて水くらい戴けたら、と…お邪魔しようとした時。突然、嫌な気配がした。咄嗟に後ろに跳んだら、ぶぉんっ!って風を切る音が聞こえたんだ。
もし跳ばなかったら、首から腹にかけて、ズタズタにされてただろうな。
『誰だ!なんだ突然!どういうつもりだぜ!』
『………避け、た?』
『ああ、避けたぜ(本当はほとんど偶然だけどな』
『…避けたぁあああっ?!』
『ひっ!;』
『……すごぉぉい!お姉ちゃん!すごいよー!』
そういって、少女は城の中に入っていった…のを見たところで、私は空腹と脱水症状で倒れたんだぜ(あるいは恐怖から解放された安堵もあったのかもな
…目が覚めたとき、私はふかふかベッドの上だった。
目をこすり、伸びをして、ふと横を見ると
さっきの少女がニコニコ笑いながらこっちをじっと見てたんだ。
『ひっ!;』
正直すっごく怖かった。
『あら、気が付いたのね』
声は少し離れたところから聞こえた。
『お姉ちゃん!この人間ね!』
『はいはい、さっき聞いたわ。それより、反省はしたの?』
『したよ!反省した!』
『もう勝手に襲っちゃだめよ』
『できるだけ!』
『……(ため息』
……私が反応に困っていると、私のお腹が大きく自己主張した。
『あ、ごめんなさいね、ご飯の用意はできたの。人間の口に合えばいいのだけれど』
『え、えと…なんでだぜ?』
『まずはお詫び。ルインが襲っちゃって…怪我がなくて本当に幸いだったわ…。次に、ベッドに運ぶ最中、あなた「おなかすいたおなかすいた」って何回もうわごと言ってたわ。だから、行き倒れだと判断したわ』
『…恥ずかしながらその通りだぜ』
『さ、召し上がって?』
『なら…ありがたく戴くぜ。…ん、うまい♪』
『そう、良かった』
本当にありがたかった。かなり危なかったからな…
『ねぇねぇ、ご飯食べたら、私と遊んで!』
どうやらこの少女…ルインって言うらしいな、ルインにいたく気に入られたようだ。
『ふふん、食後にはティータイムがあるから遊べないぜ』
なんて気取ってみたり。そんなことしたことないのにな。そもそも紅茶なんて数えるほどしか飲んだことないぜ。
『あら。あなたも紅茶好きなの?なら、せっかくだからティータイムにしましょうか』
『なら私も飲むー!紅茶っていいよね、名前が!紅いっていいよね!』
…なんかズレてる気がするぜ…
『名前といえば…そういえばあなたの名前を聞いてなかったわね。私はベーゼ、吸血鬼よ。』
『私!私はルイン!きょーせんし!ばーさーかー!』
…吸血鬼とバーサーカーに囲まれて和気あいあいか…なんとも不思議な気分だぜ。
『私は、魔理沙さん。魔法使いだぜ。』
とまぁ、そんな感じで…ルインと(死ぬ気で)遊んだり、紅茶をいただいたり…体調が回復して、また旅に出てからも、ちょくちょく戻って行ってたんだぜ。
…紅茶が好きになったのは、ベーゼとルインのおかげだぜ。
ま、そんなところか。
最終更新:2012年01月08日 01:33