「………居ない、か」
そうポツリと呟くと
ドアの取っ手に、可愛らしい袋を一つ下げた
中には色々入っているようで、異様に大きな袋
「今回は道案内、必要無かったじゃないか」
「…でも、我は」
「方向音痴のまま、か。それもそれで可愛らしいじゃないか」
「うるさい。貴様には言われたくもない」
「分かった分かった…。さて、と。私はもう行くぞ?」
「ああ、貴様にもう用は無い。念のためについて来てもらっただけだ」
「さいで。…手作りの料理、作れたじゃないか?」
「これでも練習したんだ。放っておけ。さっさと失せろ」
「言葉遣い悪いな…。それじゃ、また何処かで…会わないことを願うよ」
そう言うと、軽いステップを踏みながら
羽衣を振り一瞬で姿を消した
「…変な奴だ。まぁいい、目的は達成した……」
一回だけ振り返り
また背を向け、歩き出した
光の中へと
消えるように
最終更新:2012年01月11日 23:44