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きっちゃん

日本のとある寒村の近くにある森の中に、ただ一匹で棲んでいる子狐。
生まれて間もなく猟師に両親を殺されたため、親の顔を知らずに育つ。親なし狐として同族の狐たちから爪弾きにされ、
幼さゆえの狩りの下手さもあってやむなく人間の村へ行き畑の作物を盗み食いしたり干されていた魚を勝手に食べたりしていたところ、
村の人間にも疎まれ孤立してしまう。
孤独からすっかり心が捻くれてしまい、注目してほしい、構ってほしいという欲求から村に出没しては菜種がらに火を点ける、
飼育されている鶏や魚を逃がす、畑に穴を掘るなど悪質ないたずらを繰り返しているうち、『性悪狐のごん』としてすっかり悪名が轟いてしまった。

ひとりぼっちの悪狐として拗ねた生活を送っていたあるとき、踏み入った雪山でごんはひとりの雪ん娘に出会う。
ごんはみゆきと名乗る雪ん娘とともだちになり、『百年千年君を守り抜く』という誓約を贈られた。
『きっちゃん』はみゆきがごんに対して与えた名前である。

一冬をみゆきと共に過ごし、その優しさとぬくもりに触れるうち、ごんのいじけた心は徐々に癒されてゆく。
いつしかごんはかつて村の人々にしていた悪戯を詫びたいと思うようになり、手始めに兵十という青年に償いをすることに決めた。
山に分け入ってみゆきと一緒に松茸や栗を拾い、兵十の家の軒先に置いていったりと献身的に働いていたが、
あるとき栗と松茸を置いてゆこうと家の中に入ったところを兵十に見つかり、猟銃で右眼窩上を撃たれ、死亡した。

親友を喪ったみゆきはその深い悲しみから暴走し、村を吹雪で壊滅させる。
兵十が作った小さな墓も、その吹雪によって埋没してゆくかと思われたが――。


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最終更新:2021年05月18日 18:08