園田海未&ランサー ◆devil5UFgA
『人を救いたい』と。
救われるべきものも、そんな願いを抱く。
◆
願いを叶えると、明日へと羽ばたくことができる。
きれいな夢へと呼び掛けるのは、勇気。
勇気を生み出すものは愛。
愛は誰もが持っている、空気のように当たり前のもの。
だから、誰もが勇気を持っている。
その勇気を持ってすれば、人は必ず美しい明日へと羽ばたくことができる。
ーー本当に?
君を叩いた手が痛む。
強い痛みに涙が出る。
涙は視界を曇らせ、羽ばたくべき明日が見えない。
私たちは、もう未来に行きたいと思えない。
勇気がなくなってしまった。
再び会えた時、私たちは変われるでしょうか。
新しい二人に。
◆
――――世界で最も古く、同時に、世界で最も新しい伝説がある。
それは光と闇が生まれる前、滅びという概念だけが存在していた虚無の空間ですら。
あらゆる時間軸に存在し得る、光の伝説。
あるいは、闇を尽く塗り潰す光の戦士。
あるいは、闇と傍に寄り添う光の戦士。
最古の伝説である光の戦士伝説は、常に更新され続ける。
世界で最も古く、世界で最も新しい伝説。
『光の戦士伝説』
それは、人が人のまま、守護者となる伝説。
愛するものを護るために、ただ、想いだけを力にして、守護者へと姿を変える。
想いだけを力にする彼女たちには、その力を己の中に裏付けする背景がない。
あまりにも儚く、あまりにも危うい力。
ひょんなことが揺らいでしまう、不安定な力。
それでも、護りたいと思った。
特別な、尊い感情ではない。
お腹が空いたら食事をしたくなるような、そんな、何処にでもある感情。
そんな感情だから、人は生みだすことが出来、人はそれを力にできる。
愛はなくならない、世界が消えようとも。
自らの世界が消えたとき、憎しみが残り、幸福の残光だけを目にし、虚無を抱こうとも。
それは、世界を愛していたからだ。
貫いた光の先、拓いた空に私たちの未来がある。
◆
「私はランサーのサーヴァント、愛のプリキュア。世界に広がる、ビックな愛、キュアラブリー。
……えーっと、その、今後とも、どうぞよろしく! マスター!」
ランサー<貫く者>のサーヴァント。
己自身をランス<貫く物>とし、人々に希望をもたらす存在。
光の戦士伝説としてはメジャーである、変哲もない少女が少女のまま英雄となった存在。
「サーヴァント……聖杯、戦争……」
ランサーのサーヴァントを呼び寄せた少女、即ちランサーのマスターである
園田海未は確かめるように呟いた。
聖杯、奇跡へと導く万能の願望器。
聖杯戦争、聖杯へと魂を注ぐための争い。
そう、海未は、奇跡を願ったのだ。
渦の中にあった。
取り返しの付かない行動があった。
取り返しの付かない言葉を口にした、友人が居た。
後悔と忘我の中で、海未は『ここではないどこか』を願った。
恐らく、それは逃避としての願い。
そんなあやふやな願いを観測する紅い月が居た。
海未すらも気づいてないことだが、あるいは、誰かに引き摺られたのかもしれない。
海未とともにあった、二つの近似する願い。
――――『未来を拒絶する』という、重なった願いに。
『海未だけ』の願いを観測したのではなく。
限りなく親しい存在とともに抱いた願いを、紅い月が観測したのかもしれない。
「あなたに何ができるんですか?」
「えっと、何がって言われると難しいけど……マスターの助けにはなりたいかな。
だって、私達、これから友達になるわけでしょ!」
その憶測めいた真意を知らずか、海未は自身のサーヴァントへと問いかける。
そしてまた、サーヴァントもどこか呑気に応えてみせた。
友達という言葉に、感受性の豊かな少女の心がどう反応したのか。
それにも気づかぬように。
「……友達?」
「そう、友達! 手と手を結べば、もう友達!
素直になろー、笑顔になろー! 幸せハピネス!
……って、簡単にはいかないかな、聖杯戦争のマスターになっちゃうぐらいなら」
ハハ、と、ランサーは苦笑を浮かべる。
紅い月の聖杯戦争。
強烈な願いを抱いたものが紅い月に運ばれる、奇跡のための、蟲毒じみた儀式。
そんなものに訪れるぐらいの人間が、簡単に幸せになれるはずがない。
「友達だというのなら」
海未もまた、ランサーが気軽に口にした『幸せ』という言葉に、不快感を覚えた。
少なくとも、今の海未はかつてあった幸せに遠ざかっているからだ。
「例えば、私の友達がマスターなら、私の願いのために私の友達を殺すんですか?」
「えっと、それは……」
「例えば、私たちミューズ全員がマスターなら、全員が死なないように、元に返してくれるんですか?」
「それは、そのっ……」
「……」
「出来ない、ね……」
乾いた笑いを浮かべながら、ランサーは頬を掻いた。
海未は乾いた瞳をランサーへと向ける。
しかし、それは同時に、海未自身にも向けた瞳だった。
海未は今、ランサーを鏡として写していた。
ランサーが口にした、軽い言葉。
海未がそんな言葉を口にしていなかったと言えば
、それは嘘になる。
「何も出来ないくせに、責任も取れないくせに――――人のためにだなんて、簡単に口にしないでください」
それは自分に対しての言葉。
何も出来ないくせに、何でもしようとした。
『そんな人だとは思わなかった』
馬鹿らしい。
ならば、海未は穂乃果のことをどんな人間だと思っていたというのだ。
海未が穂乃果のことを親友だと思っていたように。
海未がことりのことを親友だと思っていたように。
高坂穂乃果と
南ことり。
あの二人だって、大切な親友だった。
二人だけで終わらせなければ、いけなかった。
穂乃果を傷つけたのはことりじゃない。
もちろん、海未じゃない。
穂乃果を傷つけたのは、なによりも、穂乃果自身の気持ちだ。
ただ、その気持ちを生み出したのが、海未だった。
自らの行動が、『そんな人だとは思わなかった』と言ってしまうほど、穂乃果の気持ちを揺さぶったのだ。
傷ついていたのは、穂乃果だった、ことりだった。
海未が何をした。
壊しただけだ。
いつか、ことりから言い出して、そうなることだったかもしれない。
いつか、穂乃果が察して、そうなることだったかもしれない。
だけど、現実に壊したのは海未だ。
二人のなかで起こり、発展し、収束するはずだった出来事だったのに。
「何も、出来ないかもしれない」
そんなことを考えていた海未に、ランサーは言葉を続けた。
目は、哀しい色に染まっていた。
きっと、目の前の英霊は何も出来ない英霊なのだろう。
尋常でない伝説を残しても、根本的な部分で、人が本当に望むものを与えられない英霊なのだろう。
きっと、彼女には世界を救うことしか出来ないのだ。
人の痛みを救うために、声が嗄れるほどに叫ぶことしか出来ない。
何も出来ないことを、知っている。
「……何も出来ないんですね」
「何も出来ないかもしれないけど、何かしたいんだよ。
だって――――」
その先の言葉はわかっていた。
きっと、自分もそうだったから。
だけど、ランサー――――愛乃めぐみは言葉を飲み込んだ。
その理由も、わかる。
きっと、自分でもそうするだろうから。
――――友達だから。
ただ、今の自分がその言葉を口にすることが、酷く傲慢に思えたから。
【クラス】
ランサー
【パラメーター】
筋力E(C+) 耐久E(C) 敏捷E(B+) 魔力E(C) 幸運E(C) 宝具A++
【属性】
中立・善
【クラススキル】
対魔力:-(B)
愛乃めぐみは通常時、対魔力スキルを持たない。
スキル・光の戦士を使用することで魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
その場合、大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。
【保有スキル】
星神の加護:B
地球の神、ブルーが授けた愛の加護。
愛乃めぐみが持つスキルの多くはこのスキルから派生したもの。
光の戦士:A+
一個の個人としての存在を独立させたまま、人間<愛乃めぐみ>を守護者<キュアラブリー>へと変えるスキル。
愛乃めぐみは生涯で戦闘の修練と呼べるものを行っていない。
しかし、そんな前提を無視し、キュアラブリーは常に戦闘におけるを導き出す。
あらゆる状況に『対応するための技』を磨く通常の戦闘技術とは異なり、
キュアラブリーは『行使できるありとあらゆる技』が初めに無意識に浮かび、その内から技術を行使する『選択』が生まれる。
それは星の意思そのものとも言える、神とも呼ばれる最上位の精霊が相手であっても対等に戦うことができるほど。
また、水中・浮遊状態・無重力空間・その他異常空間であろうとも、高いスキルランクを誇るキュアラブリーはそこが生まれ育った地であるかのように、
熟練の達人、あるいは規格外の超人として動くことができる。
人が想いだけで戦うためのスキルである。
救世主症候群:B
愛乃めぐみは、無自覚に『不特定多数の他者』に依存して生きている。
秀でたものを持たないからこそ、他者への奉仕によって生まれる感謝の念でしか自己を肯定できないコンプレックスを抱えている。
他者から自己の奉仕や存在を否定する現実を突きつけられ、それを自らのなかで反論できない場合、
キュアラブリーのステータスは1ランクダウン、スキルランクは2ランクダウンする。
【宝具】
『勇気が生まれる場所(シャイニング・メイクドレッサー)』
ランク:A++ 種別:対界宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
人が生み出す奇跡そのものが具現化した、『人々にとっての希望』。
人が持つ心の奥底に抱えた『イノセントな想い』に呼応し、人に力を与える。
光の戦士<プリキュア>として高い適性を持つラブリーですら、『イノセントな想い』が昂った際の真名解放による限定的な使用が限界。
もしも、正しく自在にこの宝具を使用できるのならば、あらゆる奇跡を引き起こすことができる。
『人の奇跡』という概念そのものであるからこそ、『人』がその真価を自在に引き出すことは容易ではない。
【weapon】
プリキュアへの変身、及び、様々な姿への変装を可能とする兵装。
正面に「Pretty change
mirror」と英字表記されている。
プリチェンミラーのフタを開くと「かわルンルン!」と発声が起こる。
三枚のプリカードを重ね合わせることで変身後の姿にしてプリチェンミラーのトレイにセットした後、ミラーボールを下から上へクルクル回すことで変身する。
プリキュアに変身完了後はプリチェンミラーキャリーに収納されて右腰前側に装着される。
プリキュアへの変身とともに現れるブレスレット型の兵装。
装着者の想像をそのまま形にすることが出来る。
この武器を使うことで、ラブリーは愛の光を用いて、聖なる剣や巨大な拳、光弾を創造することが出来る。
宝珠をつけたダイヤルを回して、ラブプリブレスの宝石が光った後、技を行使することが出来る。
【人物背景】
『ハピネスチャージプリキュア!』の主人公である14歳の少女、濃いマゼンタ色のポニーテールが特徴。
元気と笑顔があふれる愛嬌で人々から愛されているが、困っている人に節介をやくことで迷惑をかけることもある。
他人の長所をみつけるのが得意だが、不器用なためにウソや隠しごとをするのが苦手。
学業も運動も不得意だが、頭の回転は速く、力仕事が得意。また、嗅覚が優れている。
幼少の頃、病気がちの母から『ありがとう』と言われた言葉から感じた幸福を覚える。
以来、他者依存の一種である、救世主症候群<メサイア・コンプレックス>に似た感情を抱くようになる。
幾人もの『ありがとう』と幸福な笑顔を生みだすために、常日頃から行動をしており、その行為だけに奔走としている。
悪意もなければ、欲望も薄いが、他者からの依存を自己形成の一つとして依存している歪さを抱えている。
救われるべき歪さを抱えたまま、世界を救うことになった少女。
【マスター】
園田海未@ラブライブ!
【マスターとしての願い】
胸の中の後悔を消してしまいたい。
【weapon】
ー
【能力・技能】
実家の関係で複数の武道を体験しており、また、部活動やスクールアイドル活動でのトレーニングによって同年代の女子高生の平均よりも高い身体能力を持っている。
【人物背景】
音ノ木坂学院に通う2年生、実家は日舞の家元でありる。高坂穂乃果、南ことりとは幼なじみ。
趣味は読書、書道。特技は日舞。弓道部に所属している。
真面目で意志が強いが、融通の利かない面もあり、穂乃果の提案したアイドル活動に当初は反対していたり(満更でもなかったようだが)、ステージ衣装のスカートの短さに苦言を呈することもあった。
また、実はポエマーであり、中学時代、穂乃果達に自作ポエムを見せていた。そのこともあり、μ’sでは主に作詞を担当。
他にはレッスンの指導も行っている。
高坂穂乃果と南ことりの間に起こった出来事に強い負い目を抱いている。
【方針】
救いたいし、救われたい。
最終更新:2015年02月05日 02:11