安房国洲崎出身。実の父は
糠助。幼い頃、路頭に迷った糠助が心中しようとしていたところを育ての父に止められ、引き取られることになった。父は公方成氏の走卒で安房に向かう途中だったため、一月ほど古那屋に預けられた。その間あずさの母から乳をもらった乳兄弟であり、同じ珠とあざを持つことから義兄弟ならぬ義姉妹の関係となる。
父の死後は自らも成氏に仕え、今年からは獄舎番に任じられていた。しかし投獄される者の多くが公方や執権の怒りに触れただけだけの者たちであることに気づいて役職を拒否。辞職を願い出るも聞き入れられず、逆に自らが投獄されてしまった。
御所において雪歩が騒動を起こした際、捕り物の腕を買われて牢から出され、「捕らえれば無罪放免、過てば処刑」との命令を受けて雪歩と対峙することになった(第十八回)。