今から十四年前、ライザーインダストリーが、かつて日本列島と呼ばれていた島に開校した人材育成の学び舎
この島は、現在においてライザーアイランドと改名され、地図上でもこの名で記載されているが、日本国が解体されて以後、この土地は〝逃れの島〟と呼ばれ、治外法権の中にあるスラム街と化していた。
当然、逃げてきた者の中には犯罪者なども多くいる。そこにそのまま学園を築いた形であり、現地に住んでいた人間たちもそのままの状態であるため、今でも非常に治安が悪い地域が存在する。
都市内部は、自給自足が可能となった完全なるインデペンデントスクールシティ(完全独立学園都市)であり、教育方針は、オルタナティブ教育(二者択一、簡潔に言えば強者のみが生き残るシステム)を実践し、非伝統的 (ノントラディショナル)、非慣例的(ノンコンベンショナル)、非標準的(ノンスタンダード)の理念をもって統制された学園都市である。
そこにあっては強者のみが生き残る。まさにニュージェネレーション(新世代)育成のために作られたファームである。
進級制度は存在ぜず、その代わりに毎日試験がおこなわれるので、自身のレベルに合わせた試験へ参加し、合格すれば、すぐに次のレベルの授業を受ける資格が得られるのだ。
よって、在学可能年数は定められているが、飛び級制度と同様に、努力次第で一足飛びも可能である。
ただし、短縮可能なのは予科のみであり、本科の年数は縮まることがない。これは、本科の特性故である。
この島は、現在においてライザーアイランドと改名され、地図上でもこの名で記載されているが、日本国が解体されて以後、この土地は〝逃れの島〟と呼ばれ、治外法権の中にあるスラム街と化していた。
当然、逃げてきた者の中には犯罪者なども多くいる。そこにそのまま学園を築いた形であり、現地に住んでいた人間たちもそのままの状態であるため、今でも非常に治安が悪い地域が存在する。
都市内部は、自給自足が可能となった完全なるインデペンデントスクールシティ(完全独立学園都市)であり、教育方針は、オルタナティブ教育(二者択一、簡潔に言えば強者のみが生き残るシステム)を実践し、非伝統的 (ノントラディショナル)、非慣例的(ノンコンベンショナル)、非標準的(ノンスタンダード)の理念をもって統制された学園都市である。
そこにあっては強者のみが生き残る。まさにニュージェネレーション(新世代)育成のために作られたファームである。
進級制度は存在ぜず、その代わりに毎日試験がおこなわれるので、自身のレベルに合わせた試験へ参加し、合格すれば、すぐに次のレベルの授業を受ける資格が得られるのだ。
よって、在学可能年数は定められているが、飛び級制度と同様に、努力次第で一足飛びも可能である。
ただし、短縮可能なのは予科のみであり、本科の年数は縮まることがない。これは、本科の特性故である。
建設立地は、かつて首都であったとされるスラムを解体し、その場に造られた都市である。そのため、未だに細部では改築されていない場所もあるらしい。
学園敷地面積2187.05km2(東京都に相当)教職員、生徒、企業家、現地住民のすべてを合わせた総人口は約一千三百万人、まさに世界最大の学園都市である。
内容は、予科(チルドレン)六年、本科(テイマーズ)十年の十六年で構成され、履修科目は多岐に渡る。しかし、学ぶ際の柔軟性を考慮して、十一歳以上の入学は認めていない。
都市は東西南北の四区画に分けられ、それぞれに王の紋章を所有するトップが君臨して統治するシステムである。
学園敷地面積2187.05km2(東京都に相当)教職員、生徒、企業家、現地住民のすべてを合わせた総人口は約一千三百万人、まさに世界最大の学園都市である。
内容は、予科(チルドレン)六年、本科(テイマーズ)十年の十六年で構成され、履修科目は多岐に渡る。しかし、学ぶ際の柔軟性を考慮して、十一歳以上の入学は認めていない。
都市は東西南北の四区画に分けられ、それぞれに王の紋章を所有するトップが君臨して統治するシステムである。
まず、予科の段階で必須の科目は以下の通りだ。
- 人文科学
- 現代文、語学、芸術のすべて、カリスマの成長を第一義とする。ただし道徳に関しては時間をとらない。
- 社会科学
- 社会、商業のすべて、帝王学を含めた実質的手腕の成長を第一義とする。ただし福祉については時間をとらない。
- 自然科学
- 数学、理科総合のすべて、基本となる思考速度と科学知識の習得を第一義とする。
- 総合科学
- 武術、生活技能、情報のすべて、劣悪な環境にあっても生き抜く手段の習得を第一義とする。ただし保健体育に関しては時間をとらない。
- 応用科学
- 予科の最終段階、実業、医療などはもちろん、あらゆる職種の技能習得を第一義とする。
ここまでに残れる者は、予科でも一握りであり、本当に狭き門だ。更に、これを越えて本科に至れる者は、百人に一人と云われている。
応用科学の単位を落とした場合でも、試験は毎日行なわれているため、翌日再び挑むことが出来る。
しかし、どの科目においても定められている事柄として、三度試験に失敗した場合、学園追放となるので注意が必要だ。
予科の内容は、科学分野ごとに細かく細分化され、五つの学科で実に七十以上の必修学問が義務付けられているという。
応用科学の単位を落とした場合でも、試験は毎日行なわれているため、翌日再び挑むことが出来る。
しかし、どの科目においても定められている事柄として、三度試験に失敗した場合、学園追放となるので注意が必要だ。
予科の内容は、科学分野ごとに細かく細分化され、五つの学科で実に七十以上の必修学問が義務付けられているという。
だが、一度テイマーズ(使い手)に昇格してしまうと、今度はなにもすることがなくなる。むしろ、義務付けらなくなるというべきだろうか。
生徒たちは、学園都市で自給自足の生活に入り、学園側が提供していた寮や食事は、すべて有料になる。
また、今まで免除されていた入学金や授業料は、ここに来て初めて請求の対象となり、テイマーズになった瞬間に借金地獄という過酷な環境に立たされるのだ。(テイマーズに成れず、学園を去る者には請求しない決まりである。)
テイマーズの面々は、学園の授業を受ける者、外で地道に仕事する者、自身で企業を創設する者、更には、それらの表と裏に足を踏み入れる者が存在するが、学園側は、好きに生きることを推奨する。しかし、死んでも責任は取らない。
死んだ時点で借金が残っている場合、チャラにはならず、連帯保証人が返済することになる。更に、その連帯保証人が死亡すると、借金は連帯保証人の連帯保証人へ、という具合に鼠算式に増えていくのだ。
因みに、この連帯保証人制度は、予科を卒業した際に同輩、先輩の誰かに頼んで成ってもらう。一人で三人までの保証人になれる。
ただし、後輩を保証人とすることはできない。修了生の後輩ということは、予科修了が未だ決定事項でないということであるため、先行きが定まらない者では保証人と認められないのだ。
この保証人制度、実は決定しないとテイマーズに進級できないうえ、二ヶ月以内に決まらないと学園追放になってしまう。
簡単に言えば、学園生活で築ける信頼関係、対人関係の重要性を認識し、良好な交流ができていたかどうか、その集大成が保証人制度なのだ。
打算の繋がりでもいい。利益の繋がりでもいい。信用の繋がりでもいい。信頼ならば尚のこといいだろう。兎も角、一千万だ。一億だ。そんなはした金程度の保証人も立てられないような人間は、要らないということだ。
また、この連帯保証人制度は、相互間の補完も可能であり、互いが互いの保証をすることもできる。
しかし、この場合だと両者が死んだ場合、返済する者が皆無になるため、更に一年の有余の後、両者がそれぞれに別の代理保証人という者を一人立てなくてはならない。
両者が死亡した場合には、この代理保証人が自身の負担した人物の借金も背負うという仕組みである。
ただし、猶予期間の一年のあいだに二人が死んだ場合は、当然回収不可能なわけだが、学園側としては、テイマーズに上がって、わずか一年足らずで死ぬような者たちに期待することなど、最初からないと断じている。
代理保証人は、通常の保証人と異なり、一人につき一人分しか契約できないので注意が必要である。
余談だが、現在の通貨単位はW¢(ワールドクレジット)である。
もし自分が死んで、連帯保証人の今後が心配だと思うならば、ライザーインダストリーの保険に加入するといい。ライザーも推奨している。もっとも保険金は入るが、当然、保険料は無料ではない。
ここまで勝ち残ってきたエリート集団であるテイマーズも、この環境に実践が追いつかず、ただのアルバイターに堕ちる者も多い。
そんな中で、パスポートを発行し、学園都市外さえも金儲けの場に変えてしまう天才も、幾人かは存在するのだが。
テイマーズのスチューデントID(学生証)には、全部で十五の項目が記録されているが、中でも重要視されるのが、エイリアス(通称)、クラス(職種)、ランク(階級)、ポイント(得点)、ランキング(順位)の五つであり、街の各地に存在する端末にリードすることで、常に更新が可能だ。
審査内容は、事業内容、製造内容、前回更新後からの収益、前回更新後からの経歴、前回更新後からの獲得ポイント、ネットを検索した際の知名度などで評価され、上がることもあれば、当然、下がることもある。
その他、IDには身分証明、クレッジットカード、キャッシュカードの役割も付随されている。
余談だが、エイリアスとは、知名度の高い上位の生徒に与えられる通り名のことで、学園側が設定するのではなく、能力の特性や学園都市、或いは世界で実際に囁かれている名が、常に設定されるシステムになっている。エイリアス所持者に人数の規定はないが、高い認知度が必要となるため、六百五十万人ほど存在する生徒の中でも、通り名持ちは、ランキング上位三百名程度に限られている。
ポイントは、前回更新後の実績を統合した数値が加点、減点され、最終更新(端末にリードするだけだが、これが一種の卒業試験とも取れる。これまでの集大成である)の際に重要なファクターとなる。
入学から十六年後の最終更新の際に、算出されたポイント上位数名(何名かは審査によって異なる)を卒業者と認め、証書を渡すことになっている。しかし、未だ開校から十四年であり、卒業者はいない。
この学園を卒業できるほどの者に育った暁には、誰の力も借りることなく、自らの力だけで世界の優良企業と互角に戦える能力を身に付けていることだろう。
トランキライザーで出会った仲間たちと共に………。
生徒たちは、学園都市で自給自足の生活に入り、学園側が提供していた寮や食事は、すべて有料になる。
また、今まで免除されていた入学金や授業料は、ここに来て初めて請求の対象となり、テイマーズになった瞬間に借金地獄という過酷な環境に立たされるのだ。(テイマーズに成れず、学園を去る者には請求しない決まりである。)
テイマーズの面々は、学園の授業を受ける者、外で地道に仕事する者、自身で企業を創設する者、更には、それらの表と裏に足を踏み入れる者が存在するが、学園側は、好きに生きることを推奨する。しかし、死んでも責任は取らない。
死んだ時点で借金が残っている場合、チャラにはならず、連帯保証人が返済することになる。更に、その連帯保証人が死亡すると、借金は連帯保証人の連帯保証人へ、という具合に鼠算式に増えていくのだ。
因みに、この連帯保証人制度は、予科を卒業した際に同輩、先輩の誰かに頼んで成ってもらう。一人で三人までの保証人になれる。
ただし、後輩を保証人とすることはできない。修了生の後輩ということは、予科修了が未だ決定事項でないということであるため、先行きが定まらない者では保証人と認められないのだ。
この保証人制度、実は決定しないとテイマーズに進級できないうえ、二ヶ月以内に決まらないと学園追放になってしまう。
簡単に言えば、学園生活で築ける信頼関係、対人関係の重要性を認識し、良好な交流ができていたかどうか、その集大成が保証人制度なのだ。
打算の繋がりでもいい。利益の繋がりでもいい。信用の繋がりでもいい。信頼ならば尚のこといいだろう。兎も角、一千万だ。一億だ。そんなはした金程度の保証人も立てられないような人間は、要らないということだ。
また、この連帯保証人制度は、相互間の補完も可能であり、互いが互いの保証をすることもできる。
しかし、この場合だと両者が死んだ場合、返済する者が皆無になるため、更に一年の有余の後、両者がそれぞれに別の代理保証人という者を一人立てなくてはならない。
両者が死亡した場合には、この代理保証人が自身の負担した人物の借金も背負うという仕組みである。
ただし、猶予期間の一年のあいだに二人が死んだ場合は、当然回収不可能なわけだが、学園側としては、テイマーズに上がって、わずか一年足らずで死ぬような者たちに期待することなど、最初からないと断じている。
代理保証人は、通常の保証人と異なり、一人につき一人分しか契約できないので注意が必要である。
余談だが、現在の通貨単位はW¢(ワールドクレジット)である。
もし自分が死んで、連帯保証人の今後が心配だと思うならば、ライザーインダストリーの保険に加入するといい。ライザーも推奨している。もっとも保険金は入るが、当然、保険料は無料ではない。
ここまで勝ち残ってきたエリート集団であるテイマーズも、この環境に実践が追いつかず、ただのアルバイターに堕ちる者も多い。
そんな中で、パスポートを発行し、学園都市外さえも金儲けの場に変えてしまう天才も、幾人かは存在するのだが。
テイマーズのスチューデントID(学生証)には、全部で十五の項目が記録されているが、中でも重要視されるのが、エイリアス(通称)、クラス(職種)、ランク(階級)、ポイント(得点)、ランキング(順位)の五つであり、街の各地に存在する端末にリードすることで、常に更新が可能だ。
審査内容は、事業内容、製造内容、前回更新後からの収益、前回更新後からの経歴、前回更新後からの獲得ポイント、ネットを検索した際の知名度などで評価され、上がることもあれば、当然、下がることもある。
その他、IDには身分証明、クレッジットカード、キャッシュカードの役割も付随されている。
余談だが、エイリアスとは、知名度の高い上位の生徒に与えられる通り名のことで、学園側が設定するのではなく、能力の特性や学園都市、或いは世界で実際に囁かれている名が、常に設定されるシステムになっている。エイリアス所持者に人数の規定はないが、高い認知度が必要となるため、六百五十万人ほど存在する生徒の中でも、通り名持ちは、ランキング上位三百名程度に限られている。
ポイントは、前回更新後の実績を統合した数値が加点、減点され、最終更新(端末にリードするだけだが、これが一種の卒業試験とも取れる。これまでの集大成である)の際に重要なファクターとなる。
入学から十六年後の最終更新の際に、算出されたポイント上位数名(何名かは審査によって異なる)を卒業者と認め、証書を渡すことになっている。しかし、未だ開校から十四年であり、卒業者はいない。
この学園を卒業できるほどの者に育った暁には、誰の力も借りることなく、自らの力だけで世界の優良企業と互角に戦える能力を身に付けていることだろう。
トランキライザーで出会った仲間たちと共に………。