リリコ・レジェロ - School Of Life ×TRANQUILIZER×学園2nd

	IDdata
Name	リリコ・レジェロ
Alias	【メイドオブパーフェクトワーク（最高の侍女）】
Class	ワーカー＆ミスティック
Rank	リード++＆リード+
Money	1,451,454,262W￠
Point	1001211356pt
Ranking	113/6473226
OOPARTS
Link	Life and life keeper所属
Age	20
学年	四十五年度入学　予科程五年修了　本科六年目
職業	不夜城メイド長
人種	伊人
所在地	ノースヤード　不夜城
連帯保証人	マリア・レティシア

PROFILE

　女性ワーカーリンク【Life and Life keeper（生命と生活の保護者）】の副代表。であり、同時に不夜城で働くメイド長。笑顔を絶やさない素敵なお嬢さん。 　
　得意なものはこれといってないが苦手なものもこれと言ってなく、何事もそこそこにこなす。ただし器用貧乏の感は否めず、何事も一流にはこなせるが、そこを突き破って超一流にはなれないタイプ。本人もそれを自覚しているが、『まぁ、困りませんし♪』と全く気にしていない様子。最も、少し鍛えた程度なのに学園での一流クラスの実力になる天才肌でもある為、器用貧乏と言うよりは突出した所がないと言った方が正しいのかも知れない。
　もし彼女が本気で鍛えればどうなるのか、それは分からない。異牙やラウンド達は、彼女が本気になればかなりの実力者になると言っているし、夜巌やアサト、大和などは、この状態が彼女にとって最上であり最大、と言っている。前者は努力による余地を残していると言い、後者はその伸びしろがないからこそ最初から高い実力を持てるのだ、と思っている。
　ただ、当の本人は不夜城メイドとして家事に勤しむと言う生活に満足しているようで、メイドとしての腕以外は一切鍛えようとしている所が見られない。

　色々あって現在は殆ど不夜城専属メイドになっているが、たまに自身が副代表を勤めるリンクに戻ってメンバーの指導も行っている。

　メイド業しか行っていないにも関わらずのトップランカーである事には、主に二つの理由がある。
　ひとつは、彼女の旅行好きが影響している。学園主催の旅行行事にはほぼ毎回、公式に雨月（夜巌）に休み交渉を行って参加している。
　流石にニュクス早期（即ち夜巌、雨月、異牙）が参加したゴールドコーストの際は交渉に失敗して参加する事が出来なかったが。 それ以外には頻繁に参加、その器用さと実力で毎回高ポイントを稼いで帰ってくる。
　リリコとしては『ちょっと旅行に行ってきます』くらいのノリでポイントを稼ぐ気はないのだが、無事生き残るのが精一杯な生徒も珍しくないこの学園行事に参加して楽しめているのだから、ポイントが増えるのは当然であろう。
　あまりに難しそうな場所や興味がない場所だった場合は早々にリタイアすると言う事も、それが出来る要因の一つ。そのような性格のため、ランキングは１００位から１５０位の間を行ったり来たりしている。

　異牙、夜巖、そしてかつての幽那の内心にも精通し、彼女が亡くなってからの夜巖の変化も敏感に感じ取っている。けれど、それを口にも態度にも出さない。夜巖自身が解決する問題であり、それが本人にとって一番の事だと認識している。

　もうひとつの理由は後述するが、予科生時代および本科初期の功績によるものだ。　

　彼女は元々、イタリア名家の令嬢だった。
　しかし彼女が生まれてすぐ、家は没落。伝統と父である当主の努力によって持っていたが、その時までに他の大企業の攻勢に負けて衰退していた。そのトドメとなったのがリリコの誕生時だったというだけで、遅かれ早かれその家の没落は決まっていただろう。
　そうして生まれたリリコは、すぐに困窮した生活に襲われる事となる。
　しかし家族は貧しくなってなお誇りと優しさを失わず、立派に生きていた。数少ない侍女や執事も、リリコの家が資金を失い彼らを雇えなくなってなお、その人柄を慕って何かと世話を焼いていた。
　そんな中で、彼女は貧乏に負けずに和やかに育っていった。生まれてすぐの没落であり、なまじ富豪としての生活をした事がなかったという事もあるだろう。しかしそれよりも、彼女の両親や侍女達が、貧富で変わる事のない強さを持った人々であった事が幸いした。

　しかし、リリコが7歳の頃に両親が死去。実際は、家の復興の為に新たな商売を手がけた両親が殺されたのだ。新事業に成功し、このままいけば再びかつての富を手に入れられるかというチャンスであったのだが、それをさせまいとして他企業に暗殺されたようだ。
　ただ、それを幼いリリコに告げるのはあまりに酷として、彼女の周囲の人々は黙っていた。彼女の心に暗い思いを抱かせまいとして、少なくとも暫くの間は隠しておこうと考えたのだ。
　だが、賢明なリリコはその周囲の様子から、両親が普通に死んだのではない事を悟っていた。その上で、両親の教え、また周囲の優しさという配慮を慮り、気付かない振りをして生きていた。笑顔を絶やさず、自分を大切する人に常に報いる人になろうと。
　それは彼女が両親の死後、侍女長の元で大切に育てられた事によって更に強い性格を形成する。メイドとしての教えを乞い、優しくも厳しい指導を受け、リリコは侍女としての実力を瞬く間につけていった。
　元々が気配り上手で、頭もよく手先も器用、物覚えも良い。九歳になる頃には育ての親である侍女長に劣らず優れたメイドとなった。生まれ持ったミスティック能力も役立っていた。

　その後リリコは、学園へと向かった。偏に、世話になった従業員の皆に恩を返す為に。
　口に出した事はないがそれを察した侍女長は、何も言わずに学園までの渡航費を出した。
　学園で彼女は学び、働き、予科時代から学園内の様々な所に顔を出した。リンクには正式所属こそしなかったが、多くのリンクに臨時従業員として雇われた。
　サーヴィスレディとしては既に一流以上の実力を持っていた為、彼女の名は学園内にすぐ広がり、様々なリンクからアルバイターとして誘いを受けた。
　その殆どで彼女は指導者の立場になり、従業員の質の向上に貢献していた。このままリンクに残ってくれないか、と好条件を提示されたことも一度や二度ではないが、まだ他で学ぶことは多いから、と常に断っていたほどだ。
　そんな彼女が予科を五年続けたのは、先にしっかり地盤を固めておくという堅実さから来たもの。やろうと思えば二、三年での本科入りも可能だっただろう。

　予科程を終えると、すぐに世界に飛び立った。
　数々の店で働き、或は大企業の秘書として、またハウスキーパーとして、時にソムリエールとして働いていた。その完璧な仕事ぶりから、徐々に【パーフェクトメイド（最高の侍女）】のエイリアスで知られていく。
　決して派手な事をしていた訳ではないが、その働きは正しくパーフェクトであり、協会幹部、時にトップから直に雇われた事もある。それだけ、彼女の侍女としての実力が高いという事を示していた。
　そうして更に多くの人の元を渡り歩き、数々の人々の元で働いた。そして彼女のメイドとしての評価は最高クラスに達し、こう呼ばれるようになる。『彼女の働きを見れば、喩えどのような毒舌家でも賛美せずにはいられない。まるで素晴らしいオペラを見、思わず立ち上がり万感の拍手を送りつつブラヴォーと叫ぶ程に、彼女の仕事は芸術的だ』とまで評価された。
　彼女が能力名を【クラップユアハンド（貴方は私に拍手喝采）】と定めたのは実はその時からであり、それまでは特に明確な呼び名をつけていなかった。あまりミスティックとして強くは意識していなかったからだろう。コツを掴む為に幼い頃使用した程度で、滅多に能力に頼ること自体がなかったからだ。

　なお、金を稼げるようになってからずっと、幼少時に世話になった使用人達への送金と手紙だけは欠かさず続けている。

ABILITY

【クラップユアハンド（貴方は私に拍手喝采）】
　対象者の動きや能力を完全に摸倣する事の出来る能力。
　ミスティック・サイキックの能力は摸倣できない。知識など、目に見えないものも模倣できない。、
　けれどワーカーの技能、またグラップラーの気功なども相手と全く同レベルで扱えるという点、そして筋力などの身体能力も相手と全く同レベルに上昇する。
　ただ、当然ながら人間が不可能な事は摸倣できない。トランスジェニックの特性（例えば、比良坂のように人の数千倍の嗅覚を持つなど）や、サイボーグであまりに強化され過ぎた力は真似する事は出来ない。あくまで人間としての限界を超える事はない。どちらかと言えば、技術をまねるのに適していると言えるだろう。
　オド消費は、摸倣しようとしている技術や能力が、どれだけリリコの力量より上かによって変化する。この場合の力量とは、努力による技術と言うよりはそれを行う為の身体能力の違いである。
　極端に特化された技術であればオド消費量は多いが、演奏、料理、絵などの技術は基本的にどれだけ優れていようとも一回でオドが消費し尽くされるような事はない。
　対して、戦闘能力を摸倣しようとすれば、普段の彼女の肉体の能力との開きがある為にすぐにオドが枯渇する。
　技術にしても気功などの身体能力を上昇させる必要があるような場合は、オドをより多く消費する傾向にある。要は、身体能力に関してはオド消費が激しく，それ以外の技術に関しては低くすむと言う事だろう。故に演技やダンスなど，特に体力を多く使う技術を摸倣するには多くのオドを消費すると言う事だ。
　それ故、彼女がこの能力を使うことはあまりない。技術においては大概の事を人並み以上にこなせるからだ。せいぜいが、マリアと稀に協力して料理を作るときくらいだろう。