【座間味・那覇 クジラ見物の旅】
第2話)クジラ? or 岩?
《沖縄旅行記|座間味島|ホエールウォッチング|那覇|のうれんプラザ》
那覇から50分、高速船は10時前に座間味港に到着した。午後1時スタートのホエールウォッチングツアーまでは辺りを散策して過ごす。まずは港近くのビジターセンターを訪れる。
「何かお探しですか?」
問いかけてきた職員にランチ営業している店を尋ねた。センターの大きなボードマップには飲食店が何軒も載っているが、ランチ営業している店は少ないのであろうか。わざわざ LUNCH のアイコンがついていた。
「今日やってるのは、こことここぐらいですかね」
ランチ営業しているお店がそれなりにありそうに見えても、実際に営業しているとは限らない。こういうライブな情報は地元の人が頼りだ。
昼飯にはまだ早いので、集落を抜けて徒歩20分ほどでたどり着ける展望台に行ってみた。結構急な坂道を上がっていくと高月山展望台に到着。そこからは雄大な慶良間諸島のパノラマが楽しめる。
さらに150mほど先に進むと第二展望台があった。そしてそこには双眼鏡を抱えた奇妙な男がいた。男は無線で誰かと連絡を取り合っている。
「はい、そこでブローしてます。あーもうちょっと先かな」
この人は座間味島ホエールウォッチング協会のスタッフであった。展望台からクジラを見張り、その居場所を協会加盟のツアー会社の船長に情報提供していたのだ。
高月山展望台からの眺望とクジラを見張るホエールウォッチング協会のスタッフ
オイラは今日の状況を尋ねてみた。すると
「午後のツアーに参加ですか。今日はちょっと数が少ないので見えないかもしれませんねぇ」
あわわ、せっかくクジラを見に来たのに遭遇できないのか!! 日頃の行いを悔い改めないといかんなぁ。
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展望台から集落に戻り、数少ないランチ営業している店で昼食をとった後、港に集合。いよいよホエールウォッチングツアーがスタートする。7~8名のツアー客が乗り込むのはカジキ用のトローリングボートだ。出港するとガイドが船内で一通りクジラの習性をレクチャーしてくれる。
「座間味の周辺は水深が深くかつ入江が多く、しかもサメなどの危険生物が少ないので、クジラの子育てにはもってこいの海域なのです」
そうか、座間味はクジラの保育園だったのか!
ボートには地上の展望台からクジラ情報がトランシーバーで船長に入って来る。30分ほど座間味島と渡嘉敷島の中間あたりに進んむとガイドが
「あっ、いました。あそこです」
と指を指すがオイラにはよく見えない。よくよく目を凝らすと黒い塊の上に白波が立っている。あ、あれだ「見つけた!!」とオイラは勝手に興奮して叫んだら、
「いや、あれはただの岩です」
あちゃ~、岩かぁ。しょぼ~ん。
ホエールウォッチングツアー:クジラを見つけるのはなかなか難しい
そうこうするうちにまた、プシューと海面から音がした。
「いましたよ。今度はそこです」
あ、本当だ。一瞬黒い塊が水面に顔を出し消えていく。すかさず写真を撮ろうと思うが全然シャッターが追いつかない。クジラは数回海面に現れたかと思うとまた海の中に潜って行ってしまう。
しばし再浮上してくるのを待つ。
「あっ、そこにいました」
何回かクジラが潮を吹いたり背中を見せたりするのに合わせてシャッターを切るが、気付いた時にはもうほとんど潜りかけている。
どうしてガイドはすぐにクジラを見つけることができるのだろう?
「音で分かります」
音でわかるだと!! 波の音と船のエンジン音以外はオイラにはさっぱりわからないのに…
2時間ほどのクルーズの間に何回かクジラを見ることができた。だが目の前でしっかり見たと言えるほどではない。
「ではそろそろ最後にしましょうか」
あと一回のチャンスだ。あっいたぞ、今度はかなりはっきり海面からの浮き沈みが確認できる。よし写真を撮ろう。だがクジラの写真を撮るのは容易ではない。見えたと思った瞬間潜っている。静止画で写真を撮るのは難しいので動画撮影を試みた。動画ならどこかにクジラが写っているはずだ。よっしゃ撮れた!!
後で見るとぐちゃぐちゃな動画ではあるがしっかりクジラの存在が確認できた。最近のスマホは手ぶれ補正機能は付いているが、さすがに船揺れ補正機能なんてものは付いておらずブレまくっているが、とりあえず撮影できたので良しとしよう。
港に戻るとすぐさま高速船で那覇に戻る。結局日帰りになってしまったが、普段見ることのできない貴重な光景を目にした一日であった。
最終更新:2023年04月09日 23:12