【ベトナム南部高原地帯を旅してみたら…】
第6話)高原列車は生演奏で大騒ぎ
《ベトナム南部高原旅行記|ハノイ|バンメトート|ダラット|ホーチミン》
ダラットは高原都市である。ホーチミン市の気温が30度を超える中、ダラットの朝は19度と長袖がないと寒くて凍えてしまう。
フランス植民地時代に避暑地として開発されたダラットは日本で言うなら軽井沢だ。その昔はこの街まで鉄道が通じていたが、現在は廃線となっていた。だが近年ダラットから7キロ離れた隣のチャイマット駅までの一部区間が観光鉄道として復活したというので乗ってみることにした。
観光列車の料金は往復15万ドン(約¥900)と交通機関として考えたらかなり割高だが、駅構内に入るとサキソフォン奏者の生演奏がツーリストを迎えていた。
ホームには古いSLや客車が展示され、また駅舎はカフェや博物館になっていた
ホームには古いSLや客車が展示され、また駅舎はカフェや博物館になっており、大昔のこの鉄道の写真やビデオが上映されている。その昔のダラットへの鉄道は急勾配を登るため 線路の真ん中にギザギザのラックレールが敷かれ、機関車に着いた歯車で登るアプト式と呼ばれる鉄道であった。
そういえばその昔、軽井沢に向かう国鉄もアプト式が採用されていたというから、こんなところにも軽井沢とダラットの共通点があった。
列車に乗り込むと何気に指定席であった。そして列車が走り出すと、車内に乗り込んだバイオリン奏者が生演奏を奏でだした。
バイオリンの生演奏が始まり、団体客のおばちゃん達が踊りだす
するとその演奏にノリのいい韓国人団体客のおばちゃん達が一斉に踊りだす。
一体、何だ、これは!!
なんだかよくわからないが20分ほどでチャイマット駅に到着。ここで30分ほど停車するが、駅から徒歩5分のところに仏教寺院があり 観光列車の御一行はここでお参りして戻って来るのがお約束である。
30分経って列車はダラット駅に戻るが、復路の車内でもバイオリンの生演奏が始まり、そしてまた韓国人のおばちゃん達が踊りだす。
オイラは「何で車内で生演奏をするのだろうか」と思って車窓を眺めると答えが見つかった。この高原列車の車窓、豊な高原の大自然を予想していたが、実は殺風景なビニールハウス畑であった。
さすがにこの景色だけで15万ドン(約¥900)を取るのは難しいのであろう。
チャイマット駅近くの仏教寺院。車窓はちょっと殺風景なビニールハウス畑
外の景色から観光客の意識をそらすためにバイオリンの生演奏が始まったに違いない、とオイラはダラット高原鉄道のマーケティング戦略に思いを馳せたのであった。
最終更新:2024年12月22日 11:53