博麗神社。
幻想郷の東の境に位置する神社である。
妖怪の山に少し後れて、神社の木々も紅く色付いていた。
紅葉が始まればやる事は一つ。



文    「遇には山の麓で紅葉を楽しむのも良い物ね」
霊夢  「あんたはしょっちゅう麓に降りてきてるでしょ?」
にとり. 「まあ、折角人間の方から宴会に誘ってくれてるんだ。
     珍しいから愉しまないと」
文    「そういえば、何で急に宴会に誘ったりしたのかしら?」

霊夢  「紅葉が綺麗だからよ。
     それに山の妖怪達であるあんたらと、
     山の神様も交流して欲しいから」

霊夢  「この神様達も悪い神様じゃないのよ。
     だから山で争い事とか始めないで欲しいなぁと」
早苗  「悪い神様ではございません」
神奈子「悪い神じゃないよ」
文    「胡散臭いね」

神奈子「私は、あらゆる物への信仰心を復活させようと考えている
     のです。
     信仰とは、即ちそこに物がある事を敬い、
     自分に罰が返ってこない様に畏れ、
     生命、精神、物体全てを豊かにする心です」

神奈子「――って、そんなに堅苦しいもんじゃ無いのよねぇ」
文    「!?」
神奈子「信仰って言っても、こうやって一緒にお酒を呑むに
     足りる信頼と、何一つ変わらないのよ。
     ほら、良く神社にお酒をお供えするでしょう?」

霊夢  「ま、そんな感じでフランクな神様なんで
     たまにお酒でも誘ってやってよ」
文    「……あははは。天狗に『お酒に誘ってやって』ですって?
     言われなくても誘うわよ。神様を潰すくらいに……
     というか、毎日の様に誘っても面白いかもね」

神奈子「あらお強いのね。残念ながら私も強いの。神懸かり的に」
早苗  「わ、私は、ほんの気持ち程度飲めれば……」
文    「気持ちって、一升かい?それとも一斗?」
にとり. 「もろきゅう大量に用意しないとなぁ。
     最近、ピクルスも始めてみたの、アレもお酒に最適よ」



何故か、山に住む妖怪はお酒に強い。
荒々しい性格の者が多く、呑めない妖怪は、次第に山を追いや
られていったのか、それとも――
河童や天狗の高度な文明を持った社会は、お酒を呑まないと
社会がストレスで潤滑に動かないのか。

ともかく、そこに一人、人間の早苗が混ざるのは少々不憫に
思えて仕方がなかった。

Ending  No.01   信仰は神様との友達感覚の付き合い?

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最終更新:2010年10月24日 16:37