東方萃夢想 博麗霊夢編




――博麗神社。幻想郷の辺境に存在している神社である。
もうすっかり春の空気は流れ去り、風は夏の空気を循環させていた。
花見からずっと続いていた宴会騒ぎも、段々と回数が減っていった。
宴会もこの位の回数が丁度良い、と、誰もが思っていたのである。





霊夢 「あー、暑いったらありゃしない。
      この日差しの強さはおかしいわね。また何者かの仕業かしら」

「って妖怪や幽霊は日光に弱い奴も多いし、そんな訳無いか」
「前よりは頻度は減ったけど、今晩、また宴会よねぇ」
「これもあんたの仕業かしら?」





萃香 「違うわよぉ。これはあの黒いのの自由意志でしょう?
     元々、みんな賑やかなのが好きなだけなのよ」
霊夢 「喧しいのと、賑やかなのを一緒にされてもねぇ」

霊夢 「大体、宴会の次の日に裏庭をみるとげんなりするのよ」
萃香 「死体でも埋まってた?」
霊夢 「散らかすだけ散らかして、それでみんな帰っちゃうから」
萃香 「バラバラ死体ね。うーん、猟奇的」

霊夢 「そうか。あんたが居るじゃない」
萃香 「居るよ、さっきから」
霊夢 「今夜からさぁ、宴会後のごみを集めといてよ」

萃香 「そんな事……
    お安い御用よ。ねぇタダ酒呑めるんだもん」
霊夢 「誰がタダって言ったのよ!」
萃香 「ほら、早速誰か来たわ。そろそろ宴会の時間かしら?」

霊夢 「それじゃぁ、よろしく頼むわよ」
萃香 「あの黒いのがバラバラ死体になるから、萃めて戻せばいいのね。
     楽勝よ」
霊夢 「……それでも良いや」

岩を砕くと、幾つかの石が生まれる。
石を砕くと小石になり、さらに砕くと砂になる。
砂は、粒単体の事を示すわけではない。萃まって一つの砂になるのだ。

物は分散させ過ぎるとまた一つの物になる。
バラバラ死体も、究極までバラバラにすれば……
それはまた死体とは別の物になるのかも知れない。
Ending No.3 (Reimu Good Ending)           ―― Congratulation!

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最終更新:2010年10月25日 15:10