霧雨魔理沙

「主に魔法を使う程度の能力」を持つ人間の少女。名前は「きりさめ まりさ」と読む。
二つ名は「普通の魔法使い」
また「東洋の西洋魔術師」「霧雨の魔法使い」
専用BGMは「恋色マスタースパーク」「オリエンタルダークフライト」等。

アリス・マーガトロイドパチュリー・ノーレッジが魔法使いという「種族」であるのに対して、
こちらは「職業」ないし「肩書き」としての魔法使い。
勘違いされやすいが背は結構低い方でありパチュリーや魂魄妖夢と同じ位で、博麗霊夢八雲藍やアリスよりは低いとの事。
「~だぜ」「~じゃないか」という男の子口調が印象的だが、実はそんなに「だぜだぜ」とは言わない。

実家は人間の里の大手道具屋「霧雨店」。
そこの一人娘であるが、魔法の道具を扱っていないことに何かあったとかで、魔理沙はどうやら勘当された身らしく、
魔理沙のほうも実家には関わるのを避けていて絶縁状態にある。
金髪なのに日本人的名前の付いている理由は不明。ちなみに食事は和食派。
『香霖堂』では森近霖之助宅でちらし寿司や味噌と香の物がメインの料理を作っている姿が確認できる。
キノコの生い茂る魔法の森で何でも屋「霧雨魔法店」を営みながら一人暮らしている。
『三月精』ではペットとして草神「野槌(ノヅチ)」の使いとされるツチノコを飼育しようとしていた。

魔法使いであり、服装や箒は本人の魔法使いとしてのイメージを尊重したもの。
帽子に色々マジックアイテムを入れているようだが、特にこの服装である必要性は無い。
箒なしでも飛ぶことができるのかは明らかでない。
+ 箒について
『萃夢想』及び『緋想天』では戦闘中、箒無しで「飛翔」システムを行っているように見える。
ただしグラフィックを直接描いているのは原作者のZUN氏ではなく黄昏フロンティア側であり、
箒についてそこまで細かい指示がなされたのか等は特に語られていない。
(実際に、『緋想天』ではマスタースパーク時、グラフィック上はマスタースパークを放つ上で必要な『ミニ八卦炉』が描写されていないという例もある)

+ ミニ八卦炉
魔理沙愛用の火炉。
魔理沙が実家を出る際、森近霖之助から贈られた、魔理沙の宝物。
暖房にも実験にも戦闘にも使用可能で毎日フル酷使しており、ミニ八卦炉が無い生活は考えられないらしい。
霖之助によると、山火事を起す火から、『求聞史紀』では一晩じっくり煮込むようなトロ火まで調節できることが語られている。

元は霖之助が昔使っていた、魔法で暖める火炉であったが、
魔理沙が実家を出る際に霖之助によって改造され、現在のミニ八卦炉が作成された。
多くの魔改造改良が施されており、外の世界の様々なアイテムを溶かして混ぜることで、炉の一角から風が吹いたり、魔除けや開運の効果もある優れ物。
元々の素材は錆びる物だったようだが、『香霖堂』で霖之助に炉全体をどんな状況下でも材質の変化がほとんど無い「緋々色金」にして貰った。
効力はそれなりに知れ渡っているらしく、『求聞史紀』で語られた他、その火力に目を付けた十六夜咲夜に盗まれそうになったこともある。

『東方Project』の世界では、
「捨食の魔法」(食事と睡眠を生命維持活動として必要としなくなる魔法)を習得することで人間から妖怪の魔法使いとなれる。さらに
「捨虫の魔法」(人の体内で寿命を減らしている虫を殺す魔法)を習得することで完全な「魔法使い」となる。※求聞史紀参照
これは、道教における天帝(ではない)にその人間が行った悪事を報告し天罰で寿命を減らされ、
その人間が死ぬ事で体内から早く出たがっている三匹の虫「三尸」が元ネタと思われる。

彼女は未だ人間の年端も行かない少女だが*1、その魔法を習得可能かどうかはもちろん、
習得して妖怪化する意思があるかどうかも現在は明らかでない。
『香霖堂』では姿も中身も変化が無い霖之助を羨ましいと言っており、『永夜抄』では不老に興味を示している。
(一般的に妖怪は「不老長寿」であって「不死」ではない。)

本人の知性は高く、英語を話したり、植物に詳しかったりするなど一般的な勉学の知識は豊富。
本人によると「本を読み、魔法を磨く、それが日課だから知識を増やす事は勉強に値しない。」
頭が良いキャラクターであると記述されている。
しかし周囲が妖怪や超人ばかりである為か特に頭脳を発揮するような描写は現状は少ない。
妖々夢では結界についてまるで理解できてなかったり、
緋想天では犯人の居場所に見当を付けていたのに緋色の雲の意味には気付かなかったり、
地霊殿では意味も判らないまま地下に向かわされたりと周囲に振り回される立場が多い。

原作者のZUN氏により、
「魔理沙は、我々に近いレベルの人間がいないと誰も話についていけないので、
 って理由でいるような感じ。脇役だしね。」
「具体的に言うとアレだけど、サブキャラ。」
などの発言がされている事からも人外だらけの幻想郷では普通の人間に最も近い存在と言える。

言葉使いから無鉄砲で力任せな性格だと捉えられがちだが、内心ではそうでもなく
霊夢や妖怪に対してのツッコミ役になることもある。
綿月依姫を前にしても一番ビクビクしている様子で一般人っぽさが出ている。
この辺りが上記の「我々に近いレベルの人間」の感性を表現していそうである。

彼女の使う魔法の破壊力は既に人間の中では最高クラスの物である。
それらは強力な魔道具のミニ八卦炉の与するところも有るが、
独自の方法で化け物茸を魔法の燃料にしたりといった彼女の努力の賜物である。
ただし、様々な魔法を自在に使える訳ではなく、光と熱の魔法が得意な一方で物を破壊する以外の魔法は苦手
魔法の触媒は個人個人異なっているが、彼女の場合は自宅周辺の森に生えているキノコを使用している。
そのため、霖之助が言うにキノコに関する知識は誰よりも豊富だとか
それらの実験結果はお手製魔道書(という名のメモ帳)にマメに記されている。
また公式書籍の『The Grimoire of Marisa』は彼女が弾幕考察本したという設定である。

「修行を全然しないくせに才能だけで強い霊夢に妬みを持つこともあり、 いつもいじめたりする。
その実、魔理沙は霊夢がいないとつまんなくて死んでしまう位、仲がよい。」(創曲幻想.txt)
「好きなことをやっていれば満足なのである。
中でも、霊夢が大好物(?)なので、ちょくちょく遊びに行っている。」(紅魔郷マニュアル)

妖怪退治を生業にしている訳ではないが、よく霊夢の模倣として勝手に異変を解決しに行ってしまう。
この辺の行動が二次創作では霊夢に対してライバル意識を持っている様に描かれる事が多い。
本業は霧雨魔法店という何でも屋だが客は来ない(そもそも普通の人間が気軽に行ける場所ではない)し働いている姿は確認されていない。
面白そうなことなら何にでも首を突っ込むため、異変を解決したい他の妖怪などに体よく利用されることもある。
霊夢とはケンに対するリュウのような関係。
空気のように翻弄する天才肌の霊夢に対し、魔理沙は圧倒的な力と技でねじふせる戦い方を好む。
戦い方以外にも、努力をほとんどしない霊夢に対し、魔理沙は強化アイテムや研究など強さに対して貪欲な所も対照的と言える。
ちなみにwin版以降、タイトル画面は霊夢、起動アイコンが魔理沙となっている。

作中では「何処に行っても迷惑がられるが、実際に迷惑な行動も多い」とされていたり
東方萃夢想での伊吹萃香八雲紫の反応が冷たかったり
東方緋想天』で小野塚小町から「決して主役にはなれない」と言われたりするなど、割と酷い扱いを受けている。
また『東方地霊殿』の魔理沙の設定には
「魔法使いの為、魔法を使う妖怪と相性が良い。ただ、あまり好かれてはいない」
と書かれている(この魔法を使う妖怪とは同作で組んだアリスとパチュリーの事と思われる)。
実際非想天則ではチルノに負けた後彼女を間欠泉センターに行くように促して「あいつには熱すぎるだろう、ざまあみろ」
と酷い言動も多い。

彼女は手癖が非常に悪く、他人の家(紅魔館やその図書館、永遠亭等)に忍び込み目ぼしい物を勝手に持っていく。
本人曰く、人間の自分より妖怪の方が遥かに寿命が長いので「盗んでいる訳ではなく死ぬまで借りているだけ」との事だがどうみても詭弁。
しかも本人は蒐集欲を満たせればそれで満足するのか、
盗んだ品物自体にはそれほど興味を示さずに家の中に雑然と貯め込んでいるというからタチが悪い。
おかげで周囲からはすっかり泥棒扱いされており(実際泥棒だが)、厄介者と認識されている。
泥棒行為自体は魔理沙以外にもやっているキャラクターはいるのだが、頻度の差がそのまま印象の差になっているようだ。
先述のように、逆に咲夜にミニ八卦炉を盗まれそうになった事もある。
「盗みと模倣の技術はともかく、完全独力ってわけでもないのに努力家扱いってのはどうなのよ」
とはファンに稀に突っ込まれる所。


使われる頻度は少ないが、後述の旧作時代の話題を振ると中学時代を回想する高校生のごとく苦しみ出すというネタもある。
原作でも昔の事を聞かれるとお茶を濁したような発言になっている。


かつての旧作時代の魔理沙。今とはエラい違いである。

「おっけ~、ここは魔梨沙にまかせて」

「やっほ~、魔理沙です。 みんなはノーコンティニューで私を倒せるようになったかしら?

 駄目なんていっていたら魅魔様には到底勝てないぞ。

 そこで、このげ~むの攻略法とヒントを魔理沙からおしえま~す」


「魅魔様に勝っちゃった。うふ、うふ、うふふふふ……」

……今とは似ても似つかぬが、これが初期の魔理沙である(PC98シリーズ時)。
容姿も現在とは大きく違い、全体的に紫一色の魔女服に赤い髪の少女だった。

魔理沙の名前が違うが、『封魔録』中の会話場面では「魔梨沙」と表記され、
ゲーム付属のテキストには「魔理沙」と表記されていたので、単なる誤字ではないかと思われる。
転じて、二次創作ではこの旧作時代の赤髪魔理沙やうふふ魔理沙を「魔梨沙」という別人と扱う風潮がある。

しかし、『封魔録』でのテーマである「恋色マジック」のアレンジ曲「恋色マスタースパーク」のコメントに
「今の魔理沙には合わないかも」と書かれてはいるがむしろ違和感なく受け入れられていたり、
『The Grimoire of Marisa』のとあるスペルカードの欄の文章が乙女チックポエム全開だと言われていたり等々、
外見や言動は変わっても中身は変わってないんj(オ-レリ-ズ

なお、Win版では一時期「最終面の一つ手前のステージのボスは次回作で自機になる」という傾向があったが、
魔理沙(魔梨沙)も『封魔録』では4面ボス(『封魔録』は5面がラスボス)で、次回作の『夢時空』から魅魔様と一緒に自機になっている。
そういった点では、咲夜・妖夢・鈴仙にとって二つの意味で先輩だと言える。

ちなみに、Win版(紅魔郷)以前の作品という区切りになるのでここに追記するが、
西方Project作品『秋霜玉』(ZUN氏の大学の後輩が製作。ZUN氏もBGM製作に協力)という作品に霊夢ともにゲスト出演(EXボス)している。
そのときのテーマ曲である『魔女達の舞踏会 ~ Magus』は東方萃夢想でアレンジされた。
ページ冒頭のような『撃つと動く!!』という台詞とともに登場するが、このときの会話シーンにおける魔理沙は既に旧作のうふふきゃははではなく、
現在のWin版以降の性格の魔理沙である(霊夢の名前も旧作までの靈夢ではなく夢である)。
最終更新:2023年05月25日 19:44
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