本編114~117

『冒険者VS錬金の戦士!!』-1

 作者・大魔女グランディーヌ

114

ダークシャドウのアジト***


ここは人里離れた山奥にある、「影の衆」と言われる忍者の末裔にして、
プレシャスを狙うネガティブシンジゲートの一つとして
サージェス財団からもマークされている「ダークシャドウ」の館である。

ゲッコウ「よくもおめおめとこの場に
 姿を現せたものだな! ヤイバ!」
ヤイバ「………」

年老いた梟=ダークシャドウの頭領・幻のゲッコウに激昂されても
不気味に無言を貫く、全身を青い甲冑で覆った男=闇のヤイバ。

烈風「まあまあゲッコウよ、そう怒るな。ヤイバは旧主であるお前の身を案じて、
 こうしてわざわざワシと共にお前たちダークシャドウを
 Gショッカーに誘いに来たのだ。ワシとお前の昔からの仲ではないか」
ゲッコウ「黙れ! 断る! ワシらダークシャドウを貴様ら風魔忍群のような
 外道などと一緒にしないでもらおう。Gショッカーの傘下などに
 入るつもりは断じてない! 暗闇忍堂や鬼忍毒斎にもそう伝えておけ!」
烈風「また来るぞ。それまでに考え直しておく事だな。
 では帰るか、ヤイバよ」
ヤイバ「ハッ。…ゲッコウ様、くれぐれも後悔なさいませぬよう。
 この次までにはよいご返事を期待しております…」

ゲッコウ「二度と来るな!!」

ゲッコウが罵声を浴びせる中、
風魔烈風と闇のヤイバはひとまず帰って行った。

ゲッコウ「シズカ、塩をまいておけ!」
シズカ「でもゲッコウ様…私たちここ数ヶ月
 ずっとカップラーメンの生活が続いてますよ…」

いかにもひもじそうにゲッコウを見つめる風のシズカ。
ここ最近ずっとプレシャス争奪戦でボウケンジャーに敗北続きの
ダークシャドウはその日の食費にも事欠く有様であった(笑)。

ゲッコウ「嘆くな! 仮にも忍びたる者が
 奴らからの資金援助を期待するなど情けないぞ!」
シズカ「ううう~」(涙目)

115

サージェスミュージアム***


ここはサージェス財団の運営する博物館「サージェスミュージアム」である。
そこに一条総司令率いるティターンズ派の兵士達が押しかけ
物々しい騒ぎになっていた。

牧野「プレシャス? 何の事ですか?」
一条「とぼけるな! 貴様らサージェスが世界各地から
 密かに回収して隠し持っている事は先刻承知だ。
 いいから直ちに貴様らが保管している全てのプレシャスを
 軍に引き渡せ! これは要請ではない。命令だ!」
牧野「そんな事を言われましても"プレシャス"なんてものは
 初耳ですし、ここにないものはいくら出せといわれても
 出せませんよ。もしお疑いでしたら、どうぞご存分に
 家捜しでも何でもしてください」

一条の追求を飄々とかわす牧野。
そっと一条に耳打ちする連邦兵。

一条の副官「総司令、奴の態度から見て、
 プレシャスはここにはないのかもしれません」
一条「…うむ、そうだな。(牧野の方を見て)いいか覚えておけ。
 必ずプレシャスは接収して見せるからな!」

引き上げていく一条総司令たち。
サロンに牧野が一人になったところを
見計らったかのようにチャイム音が鳴り、
中央の大きなモニターに
逆さのとんがり頭のキャラクターCGが現れる。

ボイス「牧野さん、そろそろ限界だね…」
牧野「残念ですが、プレシャスバンクの位置が
 ティターンズ派に捕捉されるのも時間の問題かと…」
ボイス「やむを得ない。プレシャスを移動する」
牧野「隠しておく先に心当たりがあるので?」
ボイス「フフフ…まあね♪」

116

???***


ここは日本国内のどこかにあるサージェス財団の、
誰も知らない某施設の、とある一室…。

一人の少女が何やらデスクのPCに向かっている。
そこへ神父風の格好をした長身の男が現れ、
少女の横に近づき話しかける。

照星「――レオ……いや、一応"ミスター・ボイス"と
 お呼びした方がよろしいですか?」
レオナ「ここではレオナでいいよ。
 錬金戦団の大戦士長さん」

レオナと呼ばれたその少女は、
自分に話しかけてきた男――錬金戦団の亜細亜方面大戦士長にして
戦闘部門顧問・坂口照星の方に顔を向ける。

レオナ「メリクリウスの器の引渡しは、明日予定通り行なうよ」
照星「ティターンズに気取られる心配は?」
レオナ「抜かりはないよ。プレシャスをロゴスに渡すわけにはいかないからね。
 奴らからの圧力をかわすためにも、非公然組織である錬金戦団に
 一時預かってもらった方が、我々サージェスとしても安心だよ」
照星「錬金術に関係したプレシャスを我々が預かる代わりに、
 その期間の間、ホムンクルスの再人間化の研究や実験に
 プレシャスを用いてもよいという条件でしたね?」
レオナ「くれぐれも扱いは慎重にね」
照星「承知しています。では明日、取引場所に
 使いの者を派遣しますのでよろしく」

117
●風魔烈風、闇のヤイバ→ダークシャドウをGショッカーに勧誘しに現れるが、
 拒絶される。
△幻のゲッコウ→Gショッカーへの参加を拒否。
●一条総司令→プレシャス引渡しを迫るべくサージェス財団に乗り込むが、
 一旦は引き上げる。
○ミスターボイス→サージェス財団がティターンズから
 保有しているプレシャスを引き渡すよう圧力をかけられたため、
 まずはメリクリウスの器などの錬金術絡みのプレシャスを
 密かに錬金戦団に預かってもらおうと画策する。

【今回の新規登場】
●風魔烈風(忍者キャプター)
 日本支配を狙う風魔忍群の御大将。
●闇のヤイバ(轟轟戦隊ボウケンジャー)
 忍術を操るネガティブシンジケート・ダークシャドウの元2番手で抜け忍。
△幻のゲッコウ(轟轟戦隊ボウケンジャー)
 影の衆と言われた忍者の末裔たちで構成され、
 様々な忍術を操るネガティブシンジケート・ダークシャドウの首魁。
 年老いた梟のような姿をしているが、正体は魔鳥を封じるために
 肉体を融合させた伝説の忍者ゲッコウ。基本的にはプレシャスを利用して
 金儲けをすることが目的であり、特にそれ以上の非道は行なわない。
△風のシズカ(轟轟戦隊ボウケンジャー)
 忍術を操るネガティブシンジケート・ダークシャドウの3番手だったが、
 闇のヤイバが抜けたことにより2番手に昇進。未来のダークシャドウを担うべく
 幻のゲッコウに鍛えられながら、世界各国のプレシャス奪取に精を出している。
○牧野森男(轟轟戦隊ボウケンジャー)
 サージェス財団の技術者で、ボウケンジャーのメカニックチーフ。
 変装の名人である。
○レオナ=ミスターボイス(轟轟戦隊ボウケンジャー)
 ボウケンジャーの統括責任者。いつもコンピューターで合成された声と
 CGだけでミッションを伝え、時に応じてメッセージを送ってくる謎の人物。
 その正体はレオナと呼ばれる少女で、パラレルエンジンの生み親である
 レオン・ジョルダーナが10度目の転生を果たした姿である。
○坂口照星(武装錬金)
 錬金戦団・亜細亜方面大戦士長。終始丁寧な口調で話す飄々とした男だが、
 思慮深さと聡明さを兼ね備えている。反面、割と強引な面も見受けられ、
 部下が指示に従わなかったり、自分の悪口を言った時は
 「HAHAHAHA!!」と笑いながら「お仕置き」をする。
 現在は各国の錬金戦団に働きかけ、戦団の活動を段階的に凍結させている。

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最終更新:2020年10月29日 10:26