『絆は種族を超えて…』エピローグ
作者・ユガミ博士
499-27
六本木***
悪魔将軍を封印し、目的を達成した一同。魔界の住人であるデミトリや
モリガン、飛影は、そのまま魔界に残り、十二使徒の数名はファウスト博士や
見えない学校の元へと戻った。
裏嶋「彼女は気を失っているだけで外傷とかは無いわ。もう少ししたら、
目を覚ます筈よ」
明「そうか、よかった。アンタらには世話になっちまったな」
デビルマンは不動明の姿に戻り、裏嶋から美樹の容態を聞いて、明は
安堵する。そして治療した裏嶋達に礼を述べた。
真吾「よかったですね。ええと...」
明「不動明だ。この姿の時はな...じゃ、美樹も無事みたいだし、
連れて帰らせてもらうぜ」
零児「待ってくれ。サタンの化身は倒したが、おそらくぬらりひょんと
デーモン族の繋がりは消えていないと思われる。デーモン族について
詳しく聞かせてくれないか」
美樹を連れて帰ろうとする明に、零児はデーモン族の情報を聞こうと
引き留める。魔界から六本木まで移動する間、明から自身の事や
デーモン族についてある程度聞かされたが、これからの戦いの為にも
より詳細な情報が必要だった。
明「...俺は別に世界がどうなろうと知ったこっちゃねえ。俺は只、美樹が
悲しむ姿を見たくないだけだ。今回だって、美樹が攫われたから、美樹を
取り戻す為、動いただけだからな。デーモン族についてなら、兜甲児や
ゲッターチームの3人に聞いてみな。アイツラもデーモンと戦った事があるからよ」
零児「...そうか、了解した。無理強いはしない。だが、もしまた何かあれば
協力してほしい」
明「...あばよ」
美樹を守る事が一番の理由である明は、零児の要請を断り、美樹を
起こさない様に気を遣いながら、静かにデビルマンに変身し、彼女を
連れて飛び去っていた。
小牟「人間の女性を愛して、同族の悪魔を裏切るとか、まるでダンテじゃのう」
零児「...そうだな」
ザ・ニンジャ「...では、拙者も上司への報告の為、これで失礼する」
零児「協力、感謝する」
小牟「わしらにも忍者の知り合いがたくさんいるが、そやつらと会わせて
みたかったのう」
ザ・ニンジャ「いずれ、拙者以外の正義超人がお主達と共に戦う事になるで
ござろう。その時は、彼等を頼む。では、御免!」
飛び去っていくデビルマンを見ながら、零児と小牟は仲間の悪魔を裏切り、
人間に味方した悪魔の英雄を父に持つデビルハンター、ダンテを思い出す。
そしてザ・ニンジャも上司であるキン肉アタルに事件の報告をしようと、
その場から去った。
幽助「じゃ、俺達も帰らせてもらうぜ」
一護「また、何かあったらよろしく頼みます」
ルキア「うむ。私も事件の報告をせねば」
井上「ありがとうございました」
チャド「...失礼します」
小牟「帰りは気をつけるのじゃぞ」
明やザ・ニンジャが去ったので、幽助や一護達もそれぞれの場所へ
帰る。
目玉おやじ「それにしても、大変な事態になったものじゃったのう」
ヨナルデ「でも、お互い無事で何よりなのであーる」
ねずみ男「(さっきから気になっていたけど、こいつら声が似ているなあ)」
真吾「助けてくださり、ありがとうございました。鬼太郎さん」
鬼太郎「お礼なんていいって。それに君と十二使徒の絆を見れてよかったよ」
真吾「鬼太郎さんは、人間と妖怪が仲良く暮らせる世の中を目指しているって
皆から聞きました。僕も人と悪魔が仲良く暮らせる世界を目指しています。
お互い、頑張りましょう!」
真吾少年は鬼太郎に感謝の言葉を伝える。そしてお互い人間と妖怪や悪魔が
共に暮らせる世界を目指しているので、目指す世界の為、手を握り交わす。
目玉おやじ「世間じゃ、公民権法案という粋な法案が出たが、これで人間も
他の種族が手を取り合っていけるといいんじゃがのう」
零児「...正直な所、まだまだ手を取り合うには時間がかかるだろう。
それにぬらりひょんの言っていた妖怪帝国という存在が気になる。
奴らが、どの様な事を仕掛けてくるか分からないが、その時は君達の
力を貸してほしい」
真吾「勿論です」
鬼太郎「閻魔大王様は、僕達にこういった事件を調べさせようとしていました。
此方こそ、是非協力させてください」
零児「...そいつは重畳」
こうして鬼太郎、真吾少年はぬらりひょんの言う、妖怪帝国を調べるべく
森羅に協力するのであった。
499-28
????***
そこは何処かの城の様な場所。その大広間に当たる部屋に、
旧日本軍の様な軍服を着た人物が玉座の様な椅子に座っていた。
それに対峙するのは、鬼太郎達を相手に戦っていたぬらりひょんだった。
????「...悪魔将軍―恐怖の将が敗れたか」
ぬらりひょん「うむ。悪魔くんを取り込み、絶大なパワーを手に入れて
復活するつもりじゃったが、鬼太郎をはじめ厄介な連中が来てしまって
残念じゃが失敗してしまった」
????「...流石のサタンの化身も鬼太郎やデーモン族の勇者、
デビルマン達には敵わなかったとみえる」
ぬらりひょんは玉座に座る人物に悪魔将軍が真吾少年や鬼太郎達に
敗れた事を報せる。そして玉座に座る人物とぬらりひょんに声を掛けたのは、
空に浮かぶ巨大な目、西洋妖怪の親玉であるバックベアードだった。
バックベアードは妖怪帝国のアメリカ、ヨーロッパの支部長をしている。
????「ふふっ...流石は坊や達ね」
バックベアード「おや?ミス・沙夜。君も来たのかね」
沙夜「ええ、バックベアード様。ゆらぎとは違う、時空クレバスの解析と
制御も順調に進んでいますわ」
現れたのは銀色の髪と尻尾を持つ妖艶な女性―森羅の宿敵である組織
【逢魔】のエージェントである妖狐、沙夜だった。妖怪帝国の傘下となった
逢魔では黄泉還り現象と同時期に起き始めた時空クレバスの研究が行われ、
徐々に制御されつつあった。
左京「...時空クレバスの制御が可能になれば、私の目的も容易に叶うという訳だ」
バックベアード「ミスター左京。ロソンコンツェルンの会食は終わったのかね?」
左京「ええ。先程、会食を済ませて此方に伺わせていただきましたよ」
沙夜に続いて現れたのは、左京だった。ロソンコンツェルンの会食に
招待された彼は、会食を済ませて、この場に参上した。
????「鬼太郎...悪魔くん...デビルマン...そして、今回の件に
関わった多くの者達...彼らは、いずれ大いなる戦士達と共に再び集う
事になるだろう。大いなる戦いの渦に巻き込まれて...だが、全てを
征するのは我らが妖怪帝国だ。フフフフ...フハハハハ」
玉座に座る人物―かつて帝都・東京の滅亡を画策し、大正時代において
関東大震災を引き起こした元・帝国陸軍の魔人である妖怪帝国の総統、
加藤保憲は、これからの戦いの予感を感じながら、高らかに笑うのであった。
バックベアード「フフフ...では、ミスター加藤。我ら妖怪帝国の存在を
人間達に知らしめる為、次は我々、西洋妖怪が動こう」
ぬらりひょん「どうするつもりだ?」
バックベアード「フフフ...まぁ、見ていてくれたまえ」
バックベアードの狙いは果たして如何なる物か...。
種族を超えた絆の物語は、まずはこれにて一旦の幕を閉じるのであった。
499-29
◯デビルマン/不動明→牧村美樹を連れて家に戻る。
◯ザ・ニンジャ→任務の報告をする為、帰還する。
◯浦飯幽助→家に帰る。
●左京→ロソンコンツェルンでの会食を終わらせ、顔を見せる。
◯黒崎一護→家に帰る。
◯朽木ルキア→任務の報告をする為、尸魂界に帰還する。
◯井上織姫→家に帰る。
◯茶渡泰虎→家に帰る。
◯有栖零児→鬼太郎、真吾少年に協力を要請する。
◯小牟→鬼太郎、真吾少年に協力を要請する。
●沙夜→時空クレバスの研究経過を報告する。
◯鬼太郎→零児の要請を受ける。
●ぬらりひょん→悪魔将軍が敗れた事を加藤保憲に報告する。
●バックベアード→加藤保憲とぬらりひょんに声を掛ける。
◯埋もれ木真吾→零児の要請を受ける。
●加藤保憲→ぬらりひょんから悪魔将軍が敗北した事を知らされ、
これからの戦いの予感を感じ取る。
【今回の新登場】
●加藤保憲(帝都物語/帝都大戦/妖怪大戦争)
元帝国陸軍の将校で、帝都・東京の滅亡を幾度も画策しており、
大正時代には関東大震災を引き起こしたとされる。極めて強力な
霊力を有しており、あらゆる魔術に精通している。
●バックベアード(ゲゲゲの鬼太郎)
黒い太陽の体に巨大な一つ目を持つ西洋妖怪の親玉。
アメリカ合衆国妖怪大統領なる肩書きを持つ。
●沙夜(NAMCO×CAPCOM)
逢魔の極東本部所属の幹部級エージェントである妖狐。成熟した
女性の外見をしており、常に人を食ったような言動で話す。零児の
父親を殺害し、零児の頭部に傷を負わせた零児の宿敵。
最終更新:2020年11月08日 16:17