『キリマンジャロの嵐』-4
作者・マザーメルザード
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キリマンジャロ・降下地点***
凱「あれは?」
ボルフォッグ「隊長、エターナルが到着したようです」
待ち合わせの予定地点にてブレックス・フォーラ准将一行を
待ち受けるGGGとゲッターチーム。彼らの視界に
降下してくる全面ピンク一色の特殊高速艦が確認できる。
前大戦時にフリーダム、ジャスティス両機の運用艦として
利用されていたクライン派の旗艦――エターナルである。
エターナル・艦橋***
ブレックス「おお、GGGとゲッターチームが護衛を
引き受けてくれたのか。それは心強い」
自分たちを出迎えた護衛部隊の機影は
エターナルの側からも確認できた。
キラ「シンは連れて来なくてよかったの?」
指揮官席に座るラクス・クラインに、側に寄り添う
白服に身を固めたキラ・ヤマトが言葉を掛ける。
ラクス「わたくしもそれを考えましたけれど、
オーブからの連絡では、ステラさんはダカールにはお出でにならず、
フラガ一佐と共にオーブに残られるそうです」
キラ「そうなんだ…」
ステラ・ルーシェはシン・アスカと運命的な出会いをした
ブルーコスモス派の特殊部隊ファントム・ペイン所属の
少女であり、ベルリンでの戦いで命を落しかけたが、
破嵐万丈の助力によって奇跡的に救出されていた。
ラクス「ミネルバにも万が一の際に備えて、
プラントの防備に就いてもらわねばなりません」
ラクスの言う「万が一」とは、ダカールでの地球連邦総会で
ティターンズ派の排除に失敗した場合の事である。
その時は当然、総会に出席した自分たちの命もないであろう。
プラントや日米など反ティターンズ派各国首脳は、その場合は
それぞれの本国に残った第二陣が、イカロス基地に滞在する
地球大公ニルバール・ネフュー中将を担いで
ロゴスへの
抵抗を続ける旨を事前に示し合わせているが、最悪そうなった
場合に備え、それぞれの本国を守る役割を担うのが、オーブで留守を守る
フラガたちや、プラント本国に残留するシン・アスカたち
ミネルバクルーなのである。
ラクス「それにルナマリアさんが嫉妬なさっても困りますし…」
キラ「でもステラがシンに懐いているのは、兄に対する
妹みたいなものだし」
ラクス「あらキラ、たとえ"兄に対する妹"みたいなものだとしても、
女性にとっては心中穏やかではないものですわ」
ラクスは冗談めかしてキラに女心をレクチャーする。
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凱「フォーラ准将、ラクス・クライン、新拠点『α』までは、
我々が責任を持って護衛させていただきます」
バルトフェルド@通信「ああ、よろしく頼むぞ!」
凱からの通信にエターナルのバルトフェルドから
応答が返る。
ボルフォッグ「レーダーに反応!!」
凱「マラサイが2機……ティターンズだな」
ハヤト「早速敵さんのお出ましか!」
指揮官仕様のマラサイ2機と、
それに率いられたハイザック数機が姿を現す。
ジェリド「あれか、情報にあったのは」
カクリコン「GGGとゲッターチームがいるって事は、あれには間違いなく
ブレックス・フォーラが乗っているとみた」
ジェリド「ああ、間違いない。でなきゃ、
GGGとゲッターチームまでいるわけないからな。
ちょうどいい、まとめてやっちまおうぜ!」
カクリコン「待て、今、本部に救援を要請した。もう少し戦力が整うまで…」
ジェリド「はん、あのピンクのふざけた艦さえ落としちまえばいいんだよ。
ちんたらしてても、しょうがねえぜ! 地表に降りるまでが勝負だ!」
氷竜「こんな所で、戦いをしかける気か!?」
炎竜「まずいな」
凱「何としても、エターナルを守り抜くんだ!」
一方、エターナルでも。
キラ「ラクス、僕も出るよ!」
ラクス「お願いします」
愛機ストライクフリーダムのコックピットに飛び込んだキラは、
電源を入れ、すばやく各部をチェックする。
キラ「……原子炉臨界、パワーフロー正常。全システム、オールグリーン。
"ストライクフリーダム"システム起動!!」
機体がカタパルトに運ばれ、ゆっくりとハッチが開く。
<進路クリアー。X20A"ストライクフリーダム"、発進どうぞ>
アナウンスと共にグリーンのランプが灯り、
ストライクフリーダムは一気に戦場へと躍り出る。
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○ブレックス・フォーラ、ラクス・クライン、キラ・ヤマト、
アンドリュー・バルトフェルド→エターナルでキリマンジャロに降下。
○獅子王凱、氷竜、炎竜、ボルフォッグ、流竜馬、神隼人、車弁慶
→キリマンジャロでエターナルを出迎える。
●ジェリド・メサ、カクリコン・カークラー
→ブレックス・アォーラの乗ったエターナルの降下ポイントを奇襲。
GGG及びゲッターチーム、ストライクフリーダムと交戦状態に。
【今回の新規登場】
○氷竜(勇者王ガオガイガー/FINAL)
GGG機動隊員。超AIを搭載したビーグルロボ。
パワークレーンを搭載したビークルマシン形態に変形。
炎竜よりも僅かに機動時間が早かったため、
炎竜を弟と認識している。炎竜とは対照的に
冷静沈着な性格をしている。
○炎竜(勇者王ガオガイガー/FINAL)
GGG機動隊員。超AIを搭載したビーグルロボ。
パワーラダーを搭載したビークルマシン形態に変形。
熱血漢で、氷竜と共にレスキュー活動等で活躍する。
○ボルフォッグ(勇者王ガオガイガー/FINAL)
GGG諜報部所属のビークルロボ。パトカー形態に変形。
プロジェクションビームや素粒子ZOを探知するセンサー等を内蔵。
口調は誰に対しても丁寧である。ガングルー、ガンドーベルと
合体してビッグボルフォッグとなる。
○キラ・ヤマト准将(機動戦士ガンダムSEED/SEED DESTINY)
コロニー・メンデルにおける遺伝子操作実験の結果生まれた、
唯一とされる最高のコーディネイター=スーパーコーディネイター。
ZGMF-X20Aストライクフリーダムガンダムのパイロット。
第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦をはじめとする数々の
戦績は伝説的な威名として轟いている一方、敵機のコクピットを
狙わない不殺主義を貫いている。
○アンドリュー・バルトフェルド(機動戦士ガンダムSEED/SEED DESTINY)
元ザフト北アフリカ駐留軍司令官で、「砂漠の虎」の異名を持つ智将。
ラクス・クラインの軍師・参謀的存在にして懐刀。エターナルの艦長を
務める。左腕の義手の中に銃を仕込んでいる。実は密かなアイドル
オタクであり、ミーア・キャンベル扮する偽ラクスのファンクラブ
会員限定発売のビデオクリップを入手していたりする。
●ジェリド・メサ中尉(機動戦士Zガンダム)
エリート組織ティターンズの中でも特に上昇志向の強い青年将校。
成績が優秀すぎるあまり他人を見下す性癖があり、また自分のやり方に
こだわるあまり、現場で変化する情勢に柔軟に対応しきれない面をもつ。
●カクリコン・カークラー中尉(機動戦士Zガンダム)
グリプスでガンダムMk-IIでの訓練をしていたティターンズのパイロット。
ジェリドの僚友だが、先輩的な言動をみせる。
最終更新:2020年11月12日 13:52