本編533~537

『キリマンジャロの嵐』-6

作者・マザーメルザード
533

伊豆・地球連邦軍極東基地***


ティターンズ兵「三輪長官、当基地の上空で急激な時空の歪みが
 確認されました!」
白河「時空の歪み……!?」
三輪「どういうことだ!?」

チェンジドラゴン「なんだあれは?」
レッドホーク「時空クレバスだ!」

極東支部施設上空に突如、大きな時空の歪みの穴が発生し、
中からゲッタードラゴン、ガオガイガー、超竜神、ビックボルフォッグ、
そしてブレックス・フォーラらを乗せた戦艦エターナルの姿が!

ドオオオオオンン!!(着地の衝撃音)

凱@ジェネシックガオガイガー「またせたな、みんな!」
甲児「GGGのみんな!!」
さやか「よかった…無事だったのね」

三輪「馬鹿な! どうして貴様らこの場に!?
 原爆は確かに爆発したはず……」

ビッグボルフォッグ「まさに奇跡でした」
バルトフェルド「ふぅー、さすがに今度ばかりは死ぬかと思ったが、
 核爆発の直前に時空クレバスに引き込まれて、気がついたら
 ここまで運ばれてきたって訳だ」
キラ@Sフリーダム「当然、ブレックス准将も一緒で無事です!」

ババババババッ!!(ヘリの音)

三輪長官らがあっけにとられているとそこへアメリカ海軍所属と思しきヘリが一機、どこからか飛来して来た。そのヘリが着陸すると、中から男塾OBと同じ学ラン姿の屈強な男が降り立った。

三輪「だ、誰だあいつは!?」
江田島「あれもわしの教え子じゃ。尤も今は米海軍第7艦隊
 司令長官という大層な肩書きをぶら下げておるがな」
三輪「な、なんだと――っ!!」

江田島の前で男塾式の敬礼をする、米海軍第7艦隊司令長官
ジャック・レディング提督ことJ。

J「押忍! 報告します塾長。我、第7艦隊は日本の領海に迫りつつあった
 ティターンズ機動部隊を殲滅いたしました」
江田島「大儀であった。Jよ」
J「それともう一つ。先日、我、艦隊の哨戒機が洋上で漂流中の一人の男を
 救出しました。その男は自分を日本の総理と名乗っております」

その場にいた全員「――!!」

Jに続いて同じく男塾の学生服に身を固めた一人の男が
ヘリの中から出て来る。

534

桃太郎「押忍!!」

富樫「桃…!?」
虎丸「生きていたのかよ! おめえ!!」
松尾「これは夢じゃねえんだな!?」
田沢「おめえは本当にあの桃太郎なんだな!!」

男塾OBたちが喜びの大歓声と共に、
どっと桃太郎の周囲を取り囲む。

桃太郎「心配をかけてすまん。そこのスーパー戦隊やスーパーロボットの
 パイロットたちに、GUYS JAPANの諸君も礼を言う。皆の働きで白河一派を
 ここまで追い詰めることができたのだ」

白河が何食わぬ余裕の表情で桃太郎の前に進み出る。

白河「これは総理。よくぞご無事で。心配しておりました」
桃太郎「白河…」
富樫「白河、これで今度こそてめえも終わりだな」
白河「はて、何の事ですかな?

 私が何か不正に関与したという確かな証拠でもあると?」

桃太郎「来島、羽柴の両氏が全てを自供した」

白河「あの2人は最近精神が錯乱気味だったと聞いている。 

 そのような人物の証言に証拠能力などありますかな?」
富樫「この期に及んで往生際の悪い奴だ。――連れて来い!」

富樫の指示で、縄でぐるぐる巻きに縛られたヒルカワが
引き立てられて来る。拷問で殴られたのか、

顔のあちこちに痣がある。

飛燕「この男が貴方の企みの全てを白状しましたよ」
ヒルカワ「…じ、人権侵害だああっ!! 訴えてやるぅぅ~!」
虎丸「てめえなあ、"人権"っていうのは"人の権利"と書いて
 "じんけん"って読むんだよ。てめーのような人の皮を被った
 ケダモノに人権なんざ最初からある訳ねーだろ。小学校で
 漢字の勉強でもやり直してくるんだな!」
ヒルカワ「…*1)ガクガクブルブル」

虎丸のドスの効いた睨みに、ヒルカワはすっかり無言で怯えている。

535

白河「知らん! そんな男など見たこともない」
トリヤマ「それでは私の証言ではいかがですかな?」
三輪「き、貴様は!?」

突如どこからともなく現れ、証人として名乗り出た
トリヤマ補佐官とマル補佐官秘書に驚愕する三輪長官。

三輪「くそーっ、貴様達がスパイだったのか!」
トリヤマ「昔の部下や戦友たちから裏切り者、腰巾着と
 罵られながらも、ただひたすらにじっと耐えて貴方に
 付き従ってきたのは、貴方と白河代議士の不正の証拠を
 掴むためです!」
マル「貴方達の悪企みは全てしっかりとこの耳で
 聞かせてもらいましたよ!」
コノミ「そうだったんだ…」
マリナ「この前はひどいことを言ってごめんなさい…」
マル「……うう、つ…つらかったよお~。・゚・(ノД`)・゚・。ウエエェェン」

長期の潜入捜査の任務をようやく終えられ、緊張が解けたのか
思わず泣き崩れるマルの頭を、コノミは優しく慰めるように
よちよちと撫でる。そこへ一台の黒塗りの車が到着した。
中からサコミズ・シンゴ総監とミサキ・ユキ総監代行が降りてくる。

マリナ「サコミズさん」
アイハラ「隊長…いえ、総監!」
トリヤマ「お帰りをお待ちしておりました、サコミズ総監」
サコミズ「みんな、私の留守中にいろいろと心配を掛けて
 すまなかった。みんなよくやってくれた!」

桃太郎もサコミズの元に歩み寄り厚い握手を交わす。

桃太郎「ご苦労をお掛けした、キャプテンサコミズ」
サコミズ「なんのこれしき。総理や皆さんの配慮のおかげで、
 拘禁中の間も快適に過ごす事ができました」

そこへ、岸田長官と佐竹参謀の2人が気まずそうな顔をして出てくる。
そんな2人に目線を向けるサコミズ。

サコミズ「さて、岸田長官、それから佐竹参謀、貴方方お二人は
 三輪と白河の陰謀を最初から承知しておられたのかな?」
岸田「し、知らん! 私は何も知らん!」
サコミズ「さもありましょう。ならばお二人は速やかに
 ニューヨークのGUYS総本部にお戻りになるがよろしいでしょう」

岸田「………」

佐竹「………」

536

悔しそうに地団太を踏む三輪長官。

三輪「おのれ、あと一歩だったものを! こうなれば戦略的撤退だ!
 今のうちに極東基地を放棄して再起を期すのだ!」
白河「俺は逃げん。貴様一人でどこへでも逃げるがいい」
三輪「なんだと!?」
白河「完敗だ…。奴らの力は我々の予想をはるかに超えていた。
 だが……この戦いの幕はこの手で降ろす!」
三輪「――!?」

三輪長官から軍刀を取り上げ、抜き放つ白河。

白河「勝負だ! 剣――っ!!」
桃太郎「上等…!!」

537

○ブレックス・フォーラ→核爆発の直前に時空クレバスに引き込まれ無事に脱出。
 日本の極東軍伊豆基地まで移動。
○キラ・ヤマト→核爆発の直前に時空クレバスに引き込まれ無事に脱出。
 日本の極東軍伊豆基地まで移動。
○ラクス・クライン→核爆発の直前に時空クレバスに引き込まれ無事に脱出。
 日本の極東軍伊豆基地まで移動。
○アンドリュー・バルトフェルド→核爆発の直前に時空クレバスに引き込まれ無事に脱出。
 日本の極東軍伊豆基地まで移動。
○マーチン・ダコスタ→核爆発の直前に時空クレバスに引き込まれ無事に脱出。
 日本の極東軍伊豆基地まで移動。
○流竜馬→核爆発の直前に時空クレバスに引き込まれ無事に脱出。
 日本の極東軍伊豆基地まで移動。
○神隼人→核爆発の直前に時空クレバスに引き込まれ無事に脱出。
 日本の極東軍伊豆基地まで移動。
○車弁慶→核爆発の直前に時空クレバスに引き込まれ無事に脱出。
 日本の極東軍伊豆基地まで移動。
○ジェネシックガオガイガー→核爆発の直前に時空クレバスに引き込まれ無事に脱出。
 日本の極東軍伊豆基地まで移動。
○超竜神→核爆発の直前に時空クレバスに引き込まれ無事に脱出。
 日本の極東軍伊豆基地まで移動。
○ビッグボルフォッグ→核爆発の直前に時空クレバスに引き込まれ無事に脱出。
 日本の極東軍伊豆基地まで移動。
○J→日本に迫っていたティターンズ機動部隊を壊滅せしめる。
○剣桃太郎→事故の後、米海軍に救出されていた。
○サコミズ・シンゴ→釈放される。GUYS JAPAN総監に復帰。
○トリヤマ補佐官→三輪長官に付き従っていたのは、潜入捜査だった事が判明。
○マル補佐官秘書→三輪長官に付き従っていたのは、潜入捜査だった事が判明。
●ヒルカワ→男塾OBに拷問され、白河と三輪一派の悪企みを全て白状。
●白河尚純→敗北を悟り、桃太郎と一対一の対決に臨む。

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最終更新:2020年11月12日 13:53

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