本編718~721

『最強最速の再会』-1

718

太陽系・木星軌道周辺***


二つの赤い光球が、宇宙の闇をかき分けながら超光速で進んでいた。
ウルトラマンマックスとウルトラマンゼノン。
M78星雲の宇宙警備隊員であるこの二人のウルトラ戦士は、
地球圏に起きつつある異変を調査すべく太陽系のパトロールに来ていたのだが、
その途上、木星付近を潜航していた星籍不明の円盤群を発見、追跡を開始した。

マックス「…繰り返し警告する。我々は宇宙警備隊だ。
 直ちに全機停船し、こちらの臨検に応じなさい!」
ゼノン「どうやら応じる気はないようだな。
 ――攻撃して来るぞ!!」

停船警告を無視して逃げ続けていた円盤群は突如、
方向転換してビームを発射。マックスとゼノンを攻撃する。

ゼノン「止むを得ん。応戦するぞ」
マックス「了解!」

マックスのマクシウムカノンとゼノンのゼノニウムカノンが同時発射され、
円盤群は次々と撃墜される。
勝ち目がないと見た円盤群は攻撃を止めて再び退却を始め、
木星と火星の間にある小惑星帯アステロイド・ベルトの中へ逃げ込んだ。

ゼノン「逃がさん…!」
マックス「彼ら…一体何者なんだ?」

円盤群を追い、マックスとゼノンもアステロイド・ベルトへ突入した。

719

小惑星ケレス***


アステロイド・ベルトの小惑星の中で最大の天体・ケレス星。
ここはかつて、マクーのサンドルバと宇宙刑事ギャバンが初めて干戈を交えた場所でもある。
わずかに大気が存在するものの、太陽の光が乏しいため常に薄暗く、
地表の大半を不毛の岩場が占めるこの星の切り立った渓谷に
巨大な円盤基地が密かに建てられていた。
追跡を逃れて生還した円盤群は次々と着陸し、格納庫の内部へと収納される。

マックス「これは…!?」
ゼノン「どう見ても地球人の文明ではないようだな」
マックス「ジュピトリアンの基地とも違う…。
 一体誰が、こんなものをここに…?」

基地の存在に驚きながらも慎重に接近するマックスとゼノン。
その時、二人と基地の間の地面から赤色の煙が噴き上がり、
地底から巨大星獣ゴルゴザウルスが姿を現した!

ゴルゴザウルス「ギャァァァ――ゥ!!」
マックス「ジャッ!! …これは、インベーダーの操る怪獣か!」
ゼノン「気を付けろ、もう一匹来る!」

空からはゴルゴザウルスの兄怪獣マヤザウルスが飛来。
二大怪獣で二人のウルトラマンを挟み撃ちにする。

マヤザウルス「キャォォォン!!」

高熱火炎を吐き、マックスを追い詰めるゴルゴザウルス。
ストロンチウム41を含む放射能ガスを吐き、ゼノンを苦しめるマヤザウルス。
太陽から遠く低温のケレス星では、ウルトラ戦士の戦闘力は地球よりも大幅に減退する。
点滅する二人のパワータイマー。怯んだマックスとゼノンに対し、
インベーダーは左右の兵装ビルから鎖を放って両手両足を拘束。
動きを完全に封じてしまった。

マックス「グッ…!」
ゼノン「罠か…!」

勝ち誇り、止めを刺そうと近付いて来る二大怪獣。
だがマックスは頭部のマクシウムソードを飛ばし、ゴルゴザウルスの角を切断。
ウルトラ念力でブーメランのように旋回するマクシウムソードは
マックスとゼノンを縛っていた鎖を全て断ち切り、持ち主の頭上へと戻った。

マックス「ジャッ!!」
ゼノン「ジュワッ!!」

手足の自由を取り戻した二人は指先から光線を放ち、
左右に建つ兵装ビルを破壊した。

720

再び二大怪獣に戦闘を挑む二人のウルトラマン。
ゴルゴザウルスの強靭な腕力に殴り合いで押されるマックスだが、
残像で腕が何本にも見えるほど高速のパンチ連打・アシュラマックスで反撃する。
ゼノンは俊敏な身のこなしでマヤザウルスにスピンキックを見舞うが、
硬いボディに弾き返され地面に倒れる。
インベーダーの基地からはもう一匹の援軍――、
ゴルゴザウルスの同族怪獣であるゴルゴザウルス二世が出撃し、
テレポーテーションで戦いに割って入った。

ゴルゴザウルス二世「キャォォォ――ン!!」

テレポートを繰り返し、マックスとゼノンを翻弄するゴルゴザウルス二世。
ゴルゴザウルスとマヤザウルスもすかさず攻勢に出る。
二対二の中に三体目が神出鬼没に割り込んで来るという状況に、
マックスもゼノンも対応を苦慮して劣勢に立った。

ゼノン「くっ…! まずはこの二匹を倒さなければ」
マックス「よし、分かった!」
マックス&ゼノン「ジャッ!!」

マックスはマックスギャラクシーを、ゼノンはゼノンギャラクシーを召還し右腕に装着。
同時に放たれた二発のギャラクシーカノンがゴルゴザウルスとマヤザウルスを捉え、
木端微塵に粉砕した。

ゴルゴザウルス二世「キャォォォ――!?」

一匹だけとなったゴルゴザウルス二世は堪らずテレポートで姿を消し、
二度と再び現れる事なく戦場から逃亡。
渓谷に築かれていたインベーダーの円盤基地も、
怪獣達の敗北を見届けると自爆装置を作動させ、一切の証拠を残す事なく爆破消滅した。

マックス「インベーダーがアステロイド・ベルトに潜み、しかも怪獣まで…。
 奴らは地球侵略を狙っていたんだろうか?」
ゼノン「とにかく、私は光の国へ報告するために一旦戻ろう。
 インベーダーが動いているという事は、ETFも地球に目を着けている可能性がある。
 マックス、君は地球へ降りて状況を更に詳しく調べてくれ。
 取り逃がした今の怪獣は、地球へ向かっているかも知れない」
マックス「分かった」

暗闇を深く湛えたケレス星の空に、小さく浮かぶ青い地球。
そこでは既に数々の怪獣達が動き出している様子が、
遠くアステロイド・ベルトから見上げたマックスにも容易に透視できた。

マックス「カイト――」

721

○ウルトラマンマックス→ケレス星でインベーダーの基地を発見し、ゴルゴザウルスを撃破。
 ゴルゴザウルス二世を追って地球へ向かう。
○ウルトラマンゼノン→ケレス星でインベーダーの基地を発見し、マヤザウルスを撃破。
 地球圏の異変を伝えるため光の国へ戻る。
●ゴルゴザウルス→ケレス星でウルトラマンマックスと戦い倒される。
●マヤザウルス→ケレス星でウルトラマンゼノンと戦い倒される。
●ゴルゴザウルス二世→ケレス星でウルトラマンマックス、ゼノンと戦うが、
 ゴルゴザウルスとマヤザウルスが倒されたためテレポーテーションで逃亡。
●インベーダー→ケレス星に密かに円盤基地を築いていた。地球侵略の尖兵か?

【今回の新規登場】
○ウルトラマンマックス(ウルトラマンマックス)
M78星雲・光の国から地球の文明を監視するためにやって来たウルトラ戦士。
自らを犠牲にしても戦う青年トウマ・カイトに「共振する個性」を感じ、
一心同体となって人類を守るために戦った。必殺技はマクシウムカノン。

○ウルトラマンゼノン(ウルトラマンマックス)
M78星雲・光の国出身のウルトラ戦士。
ゼットンに苦戦するウルトラマンマックスを救援に現れ、新兵器マックスギャラクシーを授けた。
身軽な体術を活かした格闘戦を得意とする。必殺技はゼノニウムカノン。

●巨大星獣ゴルゴザウルス(ミラーマン)
暗黒星雲からやって来た、マヤザウルスの弟怪獣。
口から吐く火炎と両腕の腕力、鋭い爪を武器とする。

●巨大星獣マヤザウルス(ミラーマン)
暗黒星雲からやって来た、ゴルゴザウルスの兄怪獣。
地球には存在しない物質ストロンチウム41を含む放射能ガスを口から吐く。
飛行能力を持ち、皮膚は高熱や超低温にも耐えるほど頑丈。

●宇宙怪獣ゴルゴザウルス二世(ウルトラマンタロウ)
小惑星から地球を狙っていた、ゴルゴザウルスの同族怪獣。
テレポーテーション能力を持ち、神出鬼没の動きで敵を翻弄する。
怪力の持ち主で、ウルトラマンタロウに敗れたものの腕を負傷させる健闘を見せた。

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最終更新:2020年09月10日 04:57