本編843~845

『帰ってきた美少女戦士 対決!セーラームーンVSキューティーハニー』-1

 作者・ティアラロイド
843

ジブラルタル基地***


アルマナ「それでは火球皇女様、わたくし共は一足先に
 エンペリアス星へと戻ります」
火球皇女「わたくしたちは今しばらく地球に留まります。
 まだ残っている仕事がありますので。ユーガー最高議長と
 カミュエル高等弁務官にはよろしくお伝えください」

アルマナたちは一足先に宇宙へ帰ることになったが、
火球皇女たちはまだしばらく地球に滞在するという。
ブレイバーズが正式発足したとはいえ、まだ組織を動かす
具体的人員も命令系統すらも何も決まってはおらず、
本格的な組織運用もまだこれからという段階。
まだやらなければならない仕事はたくさん残っているのである。

アルマナ「それではごきげんよう。そちらのお仕事も
 首尾よく進むことをお祈りいたしております」

地球連邦政府からの返書を戴いたアルマナたちは、
こうして星間評議会の本府のあるエンペリアス星へと帰っていった。

星野「行ってしまわれましたね…」
火球皇女「…さてファイター、いつまでも感傷に浸っている暇はありません。
 これからが忙しくなりますよ!」
星野「はい、プリンセス!」


日本・東京都港区麻布十番 月野家***


ルナ「ほらっ、うさぎちゃん! 起きて! 起きなさいってば!
 また遅刻するわよっ!」
うさぎ「Zzz……」

黒猫ルナにせっつかれるように起きるよう促されている、
ベットの上で熟睡している女の子がいる。

育子「うさぎいいいっっ~~!!!!!! いつまで寝てるのっ!!
 本当に遅刻するわよ!!」
うさぎ「…!! たいへん! 遅刻だああっっ!?」

慌ててベットの上から飛び起きた、この"うさぎ"と呼ばれる少女は、
身長を超える金髪をお団子(シニヨン)付きツインテールにセットすると、
大急ぎで制服へと着替え、焼きたてのパンを口にくわえて
学生カバンを片手に家から飛び出していく。

ルナ「だから言わんこっちゃない。もう高校生にもなるのに…。
 でも、これはこれでいつもの平和な光景と言えなくもないわね」

あたし、月野うさぎ、16歳。高校1年生。かに座のO型。誕生石は真珠。
性格は、人よりちょーっとおっちょこちょいで、ちょっと泣き虫、ってとこかな。
あるとき、ヘンテコな黒猫ルナが現れて、セーラー服戦士にしてくれたんだけど、
悪い奴らと戦えー、なんて言われちゃって、これまでダークキングダムや
ブラックムーンといった悪者たちと戦ってきたんだけど、不安タラタラーって感じ。
でも、ま、なーんとかなるか。あははっ♪

美奈子「あっ、うさぎちゃん! おはようっ!!」
うさぎ「美奈子ちゃん! おはようっ!!」

同じく十番高校に通う愛野美奈子と朝の通学路で合流したうさぎは、
二人で仲良く、目指す十番高校目指して猛ダッシュする。

うさぎ「……!?」

その時、うさぎは自分に向けられた何か視線のようなものを感じ、
思わず立ち止まり振り返った。

美奈子「うさぎちゃん、何してるの!?
 急がないと本当に遅刻しちゃうわよ~!!」
うさぎ「…え、あ…うん!」

再び駆け出していく二人。
そんな彼女たちの様子を、少し離れたところから
密かに監視していた黒塗りの車が一台あった。

かりん「あの娘が月野うさぎ…いや、これまで数々の地球の危機を救ってきたという
 愛と正義のセーラー服美少女戦士、セーラームーン…」
リリーナ「あの少女こそが、次代の地球のクィーンとなるべき人物です」
かりん「とてもそうは見えませんが? どう見てもどこにでもいる
 ただのおマヌケな今時の女子高生ですわ」

地球連邦政府外務次官リリーナ・ドーリアンと車中で席を向かい合って
座っている、金髪縦ロールの髪型と赤い制服がトレードマークの屈強な少女。
彼女こそ、世田谷区に居を構える神月財閥の若き令嬢・神月かりんその人である。
令嬢の身でありながらも、株式の所有によりすでに現当主である
実父を差し置いて財閥の支配権を握っている。

リリーナ「それはこれからの様子を見ていれば解ります。
 運転手さん、車を出してください」
運転手「畏まりました」

リリーナとかりんを乗せた車は、うさぎたちに感づかれないように
尾行しつつ、密かに十番高校へと向かう。

844

十番高校・教室前廊下***


うさぎ「…(ノД`)シクシク。結局間に合わなかった」
美奈子「………」

懸命に走ったものの、結局遅刻してしまい
仲良く廊下に立たされているうさぎと美奈子。

まこと「うさぎちゃん、美奈子ちゃん、先生がもう終わっていいってさ!」
亜美「二人とも、反省したら次は遅刻しないようにしましょうね」

うさぎと美奈子を迎えに来た、親友の水野亜美と木野まこと。
そこで何やら生徒たちが騒がしく大勢で体育館へと向かっていく
光景を目にする4人。

うさぎ「ねえ、いったいどうしたの?」
男子生徒A「今、聖チャペル学園のフェンシング部が
 うちの学校に交流試合に来てるんだけどさ、その相手校の
 女子部員がすごいきれいな美人で、しかもむっちゃ強いんだってさ!」
まこと「聖チャペル学園高等部のフェンシング部といえば強豪だよ」
亜美「いったいどんな人かしら」
美奈子「うさぎちゃん、あたしたちも見に行きましょう!」
うさぎ「うん!」


同校・体育館***


十番高校と聖チャペル学園両校の選手がピスト上で激しく激突している。
聖チャペル側の選手は焦らずに落ち着いて相手を追い詰めると、
そこから正確で早い突きで得点していく。1点、また1点と点差を拡げ、
試合の流れは完全に聖チャペル側へと傾いていた。
やがて最後のアタックが炸裂し、勝利を告げるランプが灯る。

ハニー「ふぅっ……」

練習試合を終え、防具のマスクを脱いだその中から現れた顔は、
うさぎと同じ金髪の美しい少女だった。その少女=如月ハニーは、
駆け寄ってきたベンチのメンバーと熱い抱擁をかわした。

うさぎ「かっこいい…」
美奈子「あういうの、しびれるわ…」
まこと「なかなかやるね」

うさぎたち4人が外野の応援席から感心して見学していると、
やがてハニーたち聖チャペル学園の部員たちが列を成して正面を横切る。
その時、ハニーの服のポケットからハンカチがそっと落ちたのを
うさぎが見届けた。

うさぎ「…あ、すみません! 落ちましたよ!!」

うさぎはすぐさまフェンスを乗り越え、
ハンカチを拾ってハニーのところへ届ける。

ハニー「…え、まあ、ありがとう」
うさぎ「いえいえ、どういたしまして」
ハニー「あなた、さっきからずっと私の試合を
 真剣に見ていてくれてたわよね?」
うさぎ「…え、気づいてました?」
ハニー「はじめまして、私は如月ハニーよ」
うさぎ「こちらこそはじめまして、如月さん。
 私は月野うさぎです。よろしく」
ハニー「ハニーでいいわ。こちらこそ、
 うさぎちゃんって呼んでいいかしら?」
うさぎ「ええ勿論です」
ハニー「わたしたち、よいお友達になれそうね。
 またいつか近いうちにお会いしましょう」

初対面で早くも仲良く打ち解け合っているように見えるうさぎとハニー。
美奈子たちがうさぎの後を追って近づいてくる。

美奈子「なになに!どうしたの~?
 うさぎちゃんったら、もう聖チャペルのヒロインと
 お近づきになってるワケ!? ずる~い!
 あたしたちにも紹介してよ♪」
まこと「うさぎちゃんは本当に友達を作る天才だからなあ」
うさぎ「そ、そんなんじゃないわよ。ただ落ちたハンカチを
 拾って届けただけで……」

いつものように仲良くじゃれあいながら、その場を立ち去っていくうさぎたち。
だが、そんな彼女たちを背後からじっと見つめる如月ハニーの厳しく鋭い、
ある種の殺気にも似た視線には全く誰も気がついてはいなかった…。

ハニー「………」

845

○アルマナ・ティクヴァー→火球皇女たちを地球に残し、一足先に宇宙へと帰還。
○バラン・ドバン→火球皇女たちを地球に残し、一足先に宇宙へと帰還。
○ルリア・カイツ→火球皇女たちを地球に残し、一足先に宇宙へと帰還。
○火球皇女→一足先に帰還の途についたアルマナたちを見送る。
○星野光→一足先に帰還の途についたアルマナたちを見送る。
○ルナ→朝、自宅から登校する月野うさぎを見送る。
○月野育子→寝坊しそうな娘・うさぎを叩き起こす。
○月野うさぎ→如月ハニーと出会う。
○水野亜美→如月ハニーと出会う。
○木野まこと→如月ハニーと出会う。
○愛野美奈子→如月ハニーと出会う。
○リリーナ・ドーリアン→密かに月野うさぎを監視する。
○神月かりん→密かに月野うさぎを監視する。
○如月ハニー→聖チャペル学園フェンシングの交流試合で十番高校を訪問。月野うさぎに近づく。

【今回の新規登場】
○ルナ(美少女戦士セーラームーンシリーズ)
 額に三日月模様を持つ、人語を話すメスの黒猫。セーラームーンのパートナー。

○月野育子(美少女戦士セーラームーンシリーズ)
 月野うさぎの母。専業主婦。見た目は優しそうだが、怒ると怖い。

○月野うさぎ=セーラームーン(美少女戦士セーラームーンシリーズ)
 十番高校に通う女子高生。月の王国シルバーミレニアムの王女プリンセス・セレニティの
 生まれ変わりであり、月を守護に持つセーラー戦士・セーラームーンに変身する。
 ドジで泣き虫さんな少女。心根が優しく、周囲の外聞などで先入観を持たず、
 誰とでも心を許してしまう寛容な心を持つ。

○水野亜美=セーラーマーキュリー(美少女戦士セーラームーンシリーズ)
 十番高校に通う女子高生で、IQ300を超える天才少女。
 大人しくて心やさしい性格であり、太陽系内部戦士の中ではブレーン的な存在。
 水星を守護に持つセーラーマーキュリーに変身する。

○木野まこと=セーラージュピター(美少女戦士セーラームーンシリーズ)
 十番高校に通う女子高生で、男勝りな怪力少女。自分より身長や体重の高い人間を持ち上げたり、
 ドラム缶を親指一本で破壊してしまうほどの力持ちである。

「(失恋した)先輩にソックリだ」が口癖。
 木星を守護に持つセーラージュピターに変身する。

○愛野美奈子=セーラーヴィーナス=セーラーV(美少女戦士セーラームーンシリーズ)
 十番高校に通う女子高生。月野うさぎに負けず劣らずのドジっ子で、アイドルを目指す陽気な爆走少女。
 内部太陽系戦士のリーダーにして、プリンセスの影武者。金星を守護に持つセーラーヴィーナスに変身する。
 内部太陽系戦士の中では戦闘経験が一番長く豊富であり、他の戦士にとって頼もしい存在。

○神月かりん(ストリートファイターZERO)
 世田谷区に居を構える神月財閥の若き令嬢。「万事において常に勝利者たるべし」という神月家の家訓に従い、国内外の様々な格闘技(空手、テコンドー、ムエタイ、マーシャルアーツ、柔道、八極拳、骨法等々…)を統合し改良・再構成した、神月流格闘術という流派を使いこなす。春日野さくらと対戦するまでは常勝無敗を貫き通していたが、さくらの潜在能力の高さに押され人生初の敗北を喫することに。以来さくらとは腐れ縁の親友にしてライバルの間柄。

○如月ハニー=キューティーハニー(キューティーハニー)
 聖チャペル学園に通う16歳の美少女。スポーツ万能で、フェンシング部に所属している。
 学園内では全校生徒のアイドル的存在で、生徒たちからは「ハニーお姉様」と慕われている。
 その正体は、父・如月博士が製作したアンドロイド(若しくは、空中元素固定装置の種子から
 生まれた人工生命体)。「ハニーフラッシュ!」の掛け声とともに首のチョーカーのハート部分の
 スイッチを操作し空中元素固定装置を使って、自由自在にあらゆる姿に変身する。

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最終更新:2020年11月19日 07:38