本編855~857

『ゴジラVSギャオス 地対空大決戦』-3

 作者・凱聖クールギン
855

大阪・住吉***


飛び去ったギャオスをガタックエクステンダーで追うガタックだが、
敢えなく見失ってしまった。

ガタック「どこへ行ったんだ…!?」

やむを得ず一旦降下し、マシンを停めるガタック。
するとその横に、買い物袋を手に下げて悠然と立ち尽くしている男が一人…。

ガタック「て、天道…!?」
天道「相変わらず忙しないな。探し物か?」
ガタック「ああ、怪獣だよ。
 それにしても、お前も来てくれてたのか。
 てっきりGUYS JAPANの協力要請を断ったままだと思ってたのに」
天道「俺はお好み焼きのソースを買いに来ただけだ。
 本場大阪秘伝の濃厚ソース、必ずその味の秘密を解き明かし、
 俺の手で作れるようにしてみせる」
ガタック「そ、それより、怪獣を探さないと!
 どこに行ったか、見なかったか」

言われて天道総司はスッと天を指差す。
ギャオスがいる方向を指しているのかとガタックは空を見上げたがそうではなく、
天道はいつもお決まりのポーズを取ったまでだった。

天道「おばあちゃんは言っていた…。
 料理の仕方を知るには、まず食材を知ることだ、ってな。
 奴は光が苦手な夜行性だ。この晴れた昼間に、
 空をいつまでも飛び回っているわけがないだろう。
 …あそこの倉庫に逃げ込んだぞ」

天道が指差した方向に行ってみると、
確かにギャオスが逃げ込んだらしく、
倉庫の入口が突き破られて大穴が開いている。
中からは呻き声のような咆哮が断続的に聞こえてくる。

天道「変身!」――Henshin!!

天道は飛んで来たカブトゼクターを掴んでベルトに差し込み、
仮面ライダーカブトに変身した。

ガタック「奴は足をケガしている。一気に片をつけるぞ」
カブト「いいだろう。
 光を厭う闇の怪物、俺という太陽の光で焼き尽くしてやる」

カブトはまた天を指差した。
太陽は既に傾いている。早く倒さなければ夜になり、
夜行性のギャオスが自由に外で活動できる時間となってしまう。

カブト「行くぞ」

カブトとガタックが倉庫へ足を踏み出した瞬間、
取り巻くような殺気が二人を襲った。

アリコマンド「ケーイ!!」
ガタック「何だ、こいつら…!」

ネオショッカー戦闘員・アリコマンドの群れが物陰から湧き出るように現れ、
二人を取り囲んだ。

サイダンプ「出たな、仮面ライダー!」
クラゲロン「あの倉庫を破壊したのは貴様らか!?」

現れたネオショッカー怪人サイダンプとクラゲロンが
肩を並べてゆっくりと二人に迫る。

ガタック「何だお前達は!?」
クラゲロン「俺は香港・九竜島からやって来たクラゲロン!」
サイダンプ「インドはガンジスの生まれ、
 象も逃げ出すサイダンプ様とは俺のことよ!」
クラゲロン「貴様ら、ここをネオショッカーのシマと知って荒らしに来たのか?」
サイダンプ「四国砲撃作戦の失敗に続いて大阪のアジトまで襲われたんじゃ、
 俺達ネオショッカーのメンツが立たねえ!」
ガタック「おい…。あの倉庫は俺達が攻撃したと思ってるらしいぞ」
カブト「らしいな…。とんだ邪魔が現れたようだ」
サイダンプ「やれい!!」

怪人達の指令でアリコマンドが襲いかかる。
その間に、陽はいよいよ暮れようとしていた。

856

ガタック「どけ! あの倉庫にいるギャオスが暴れ出したら、
 お前達だって無事じゃ済まないぞ!」
サイダンプ「フン、そんな手に引っ掛かるか!」
クラゲロン「騙すなら、もっとマシな嘘を突くんだな」
ガタック「くっ…。嘘じゃないってのに」
カブト「時間がない。
 クロックアップで一気に片をつけるぞ」
ガタック「分かった。クロックアップ!」
 ――Clock up!!
カブト「クロックアップ!」
 ――Clock up!!

時間流を変える超高速移動であっと言う間にアリコマンドの群れを蹴散らし、
そのまま怪人達に攻撃を仕掛けるカブトとガタック。

カブト「くっ…!」
ガタック「効かない…?」
サイダンプ「おおっと、今何をした!?」
クラゲロン「瞬間移動か? なかなか粋な術を使うな」

クロックアップから繰り出した攻撃は二体の怪人にほとんど効果がなかった。
クロックオーバーしたカブトはクラゲロンにパンチの連打を見舞うが、
柔らかいクラゲロンの肉体は衝撃を全て吸収してしまう。
ガタックもサイダンプに猛攻を浴びせるが、
頑丈なサイダンプのボディは耐え切ってビクともしない。

クラゲロン「さあ、ライダーキックを見せてみろ」
サイダンプ「お前らのライダーキックはどんなもんだ!?」
カブト「望み通り、見せてやろう」
 ――1・2・3
ガタック「行くぞ!」
 ――1・2・3
カブト&ガタック「ライダーキック!」
 ――Rider kick!!

カブトとガタックはタキオン粒子を込めた必殺のライダーキックを放つが、
クラゲロンは軟体でトランポリンのようにカブトのキックを跳ね返し、
サイダンプは尻尾から地面に刺した支え棒で強靭な体を固定して
ガタックのキックを押し返した。

ガタック「うわっ!!」
カブト「くっ…!」
サイダンプ「フハハハハ!!
 どうした仮面ライダーども!!」
クラゲロン「貴様らの力はそんなものか!」
ガタック「くそっ、太陽が…!」

太陽はどんどん沈んで行く。
夕陽が辺り一帯を赤く照らす中、
クラゲロンはムチ状の長い腕でカブトを打ちのめし、
サイダンプは倒れたガタックを上から踏みつける。
ダブルライダーのボディが白煙を上げ始めた。

サイダンプ「オラァ! どうした仮面ライダー!」
クラゲロン「どうやら最期の時が来たようだな~!」
カブト「お前達、俺達を侮っているな」
ガタック「こうなったら、奥の手だ」
カブト&ガタック「ハイパーキャストオフ」――Hyper cast off!!

ピンチに陥った二人は未来からハイパーゼクターを召喚。
ハイパーフォームに超変身した。

サイダンプ「ぬっ!?」
クラゲロン「やや、何事!?」

パワーアップした二人のパンチとキックは
クラゲロンの軟体さえ押し潰し、サイダンプの鉄壁のボディをも打ち砕く。
旗色は一変し、ライダー達はそれまで無効化されていた格闘戦で押しまくるようになった。

カブト「止めだ」
 ――Maximum rider power 1・2・3
ガタック「喰らえ!」
 ――Maximum rider power 1・2・3
カブト・ガタック「ライダーキック」
 ――Rider kick!!
クラゲロン「ぐあ~っ! サイダンプ~!!」
サイダンプ「うおお~っ! クラゲロ~ン!!」

相棒の名をそれぞれ叫びながら、二体の怪人は爆死した。
太陽は間もなく、山の彼方へ沈もうとしている。
時間がない…!

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○天道総司→大阪にお好み焼きのソースを買いに来ていた。クラゲロンを倒す。
○加賀美新→サイダンプを倒す。
●クラゲロン→仮面ライダーカブトに倒される。
●サイダンプ→仮面ライダーガタックに倒される。

【今回の新規登場】
●クラゲロン(新・仮面ライダー)
 香港・九竜島からやってきたクラゲの改造人間。
 軟体質で、相手の攻撃を吸収して無効化してしまう。
 毒子クラゲを使った大量虐殺を得意とする智略家。

●サイダンプ(新・仮面ライダー)
 インドのガンジス川流域からやってきたサイの改造人間。
 凄まじい怪力を誇り、頑強なボディと尻尾の支え棒でどんな攻撃にも耐え切ってしまう。
 ダム破壊の名人で、インドでは多くの被害を発生させてきた。

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最終更新:2020年11月19日 07:41