本編935~938

『ブレイバーベースの全て!』

作者・ティアラロイド
935

日本海溝・ブレイバーベース***


東日本沖の太平洋底に、海岸線にほぼ並行して存在する日本海溝の
深さ8000mの地帯をゆっくりと静かに移動中の超巨大な構造物。
かつては新拠点『α』基地との仮称で呼ばれたこの秘密要塞は、
今は正式にブレイバーベースと名づけられている。
これこそが正義のヒーローたちの連合軍ブレイバーズの本拠地である。

伊豆基地強襲や緑が浜での戦いを乗り越えた戦士たちは今、
航空都市艦『武蔵』の面々はそのまま伊豆に待機させ、
超力戦隊の星野吾郎大尉の案内で、初めて自分たちの心強い砦へと
足を踏み入れていた。

北斗「すごい広いなあ~」
銀河「まったくだぜ…」
ベガ「私もここに来るのは初めてよ」

潜水艇の発進ハッチからエレベーターに乗り、
中心部のラウンジへと向かう勇士たち。

吾郎「このエレベーターは秒速10mだ」
鉄也「とすると、もう相当深い区域まで降りたようだな」
桃「仮に原水爆の直撃を受けてもビクともしないわ」

そしてラウンジへと到着した勇士たちを出迎えたのは、
エレベーターから降りた彼らの眼前で現れた光の線が
徐々に集束して人型の姿となり、ツインテールに結ばれた
エメラルドグリーンの髪をした少女だった。

エルファ「はじめまして、ブレイバーズの皆さん。
 ようこそお越しくださいました」
ワッ太「…か、可愛い(///)」
赤木「君は…?」

そこへ佐原博士とギルモア博士がやって来る。

ギルモア「かっかっか…驚いたじゃろう?」
佐原「紹介しよう。彼女の名はエルファ。
 自己の人格と質量を持ったサポートビジョン―いわば立体映像で、
 主に我々科学技術スタッフのアシスタントを担当してもらっている」
エルファ「よろしくお願いします」
剣人「こ、こちらこそよろしく…」

エルファと握手を交わすメンバーたち。
立体映像とはいえ質量が存在するので、
基本的に彼女の身体に触れることは可能なのだ。

ギルモア「エルファや、彼らにブレイバーベースの中を
 案内してやってくれんか?」
エルファ「わかりましたギルモア博士。
 それでは皆さん、迷子にならないように
 しっかり私について来てくださいね」

936

エルファ「第一区、ブレイバーベースの警備課・体育館です」

区画の中では、世界中から選抜された正義の心に燃える若い隊員たちが、
平和を目指して日々厳しい鍛錬に励んでいた。彼らこそが地球を守る
次世代のスーパーヒーローたちなのである。

エルファ「第二区、ブレイバーベースの通信課です」

ブレイバーベースでは、地球を回る通信衛星を通じて、
地球上のいかなる場所は勿論の事、遥か遠い外宇宙にまで
発信し、受信・傍受することが可能なのだ。

エルファ「そして第三区・隊員居住区、こっちは第四区・人事課、
 あちらは第五区・車両課、向こうは第六区・医務局です」

そして次に連れられてきたのは、広大なメカニック開発スペースであり、
大勢の技術スタッフが忙しそうに頻繁に出入りを繰り返していた。

イアン「ここは?」
エルファ「第七区・開発区です。今ここではディオドスシステムの
 建造が急ピッチで進められています」
ダイゴ「ディオドスシステム、なんだいそりゃ?」

そこへ桐生ダイゴたちの姿を見つけた
ポニーテールに眼鏡の少女と、白衣にサングラスの老人が親しげに近寄ってきた。

弥生「あっ! ダイゴさん!」
ダイゴ「弥生!?」
ソウジ「弥生ちゃん!?」
Drウルシェード「いやあ、みんな久しぶりじゃのう!
 元気しとったか?」
ノブハル「ドクターも!?」
アミィ「どうしてここに?」

ドクター・ウルシェードはかくかくしかじかと事情を説明する。

Drウルシェード「ディオドスシステムは星間評議会の特使から
 もたらされた最新技術の一つじゃ。こいつが完成すれば
 時空クレバスをこちらの自由自在に制御して操れるようになる」
空蝉丸「すごいでござるなぁ…」

937

最後に案内されたのは、厳重に閉じられた大きな扉の前だった。

星史「ここは…?」
ヤンチャー「随分と分厚い扉だなあ…」
エルファ「ここはブレイバーズの心臓部と動力炉を兼ねる
 メインコンピューター・ビッグエンゼルへと続く扉の前よ」
剣飛竜「ビッグエンゼル…その名は聞いたことがある。
 確か巨人頭脳ブレインとの最終決戦の際に活躍したといわれる
 スーパーコンピューターだ」
エルファ「この向こうにあるのは、その2号機です」
疾風「へえ、じゃあ早速俺たちをそこまで案内してくれよ」
エルファ「ダメです」
疾風「なんでだよ!」
エルファ「この先は賢者のパズルを用いた厳重なセキュリティシステムによって
 守られています。もしここから先に足を踏み入れたら、いかに貴方たちでも
 生命の保障はできませんよ」
さやか「賢者のパズル…??」
大空「キミ、可愛い顔して結構恐いこと言うね…(汗」
エルファ「……(*^ー゚)ニコッ」

ついにその全貌が明かされた巨大要塞ブレイバーベース。
その中枢であるという超コンピューター・ビッグエンゼル、
そして急ピッチで開発が進められるディオドスシステムとは!?
物語はまだまだ続く!

938

○星野吾郎、丸尾桃→主だったメンバーをブレイバーベースへ案内する。
○チェンジマン→ブレイバーベースを初訪問。
○キョウリュウジャー→ブレイバーベースを初訪問。
○弥生・ウルシェード→ディオドスシステムの研究開発に従事している。
○ドクター・ウルシェード→ディオドスシステムの研究開発に従事している。
○草薙北斗→ブレイバーベースを初訪問。
○出雲銀河→ブレイバーベースを初訪問。
○ベガ→ブレイバーベースを初訪問。
○剣鉄也→ブレイバーベースを初訪問。
○赤木駿介→ブレイバーベースを初訪問。
○竹尾ワッ太→ブレイバーベースを初訪問。
○楯剣人→ブレイバーベースを初訪問。
○高杉星史→ブレイバーベースを初訪問。
○ヤンチャー→ブレイバーベースを初訪問。
○佐原正光→ブレイバーベースを訪れたメンバーにエルファを紹介する。
○アイザック・ギルモア→ブレイバーベースを訪れたメンバーにエルファを紹介する。
○エルファ→主だったメンバーにブレイバーベースの中を案内する。

【今回の新規登場】
○弥生ウルシェード=2代目キョウリュウバイオレット(獣電戦隊キョウリュウジャー)
 獣電竜プレズオンをパートナーに持つ海の勇者。ドクター・ウルシェードの孫娘で、
 プレズオン・ラボでプレズオンの発進オペレーターも務める才女。桐生ダイゴを巡って
 アミィ結月とは三角関係だったが、最終決戦後に帰還したダイゴがアミィと抱き合う姿を見て、
 涙ながらも潔く失恋を認めて笑顔で二人を見守った。

○ドクター・ウルシェード=初代キョウリュウバイオレット(獣電戦隊キョウリュウジャー)
 調査のためにプレズオンとともに宇宙探索の旅に出ていた、獣電戦隊結成の礎を作った天才科学者。
 ダイゴたちが使う武器の開発や量産化を手掛けでもあり、ガブリボルバーなどの作動音の一部には
 彼の声が入力されている。戦士としての地位を孫娘の弥生に受け継がせ、戦いの場からは引退したが、
 デーボスとの最終決戦時には戦闘の最前線に一時復帰している。

○エルファ=ビッグエンゼル(闘争の系統オリジナル)
 ブレイバーズの本拠地である超巨大海底移動要塞ブレイバーベースの心臓部とも言うべきメインコンピューター。かつての巨人頭脳ブレインとの決戦において活躍した初代ビッグエンゼルから数えて二代目だが、こちらは自分の意思を持ち、必要に応じて人語も話す。
 エルファはビッグエンゼルの擬似人格である質量を持った立体映像であり、自分を創造したブレイバーベース科学陣の博士たちを父親のように慕っている。基本的にブレイバーベースの外に出ることはできないが、中継器を用いればある程度の距離の外出も可能。

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最終更新:2020年11月22日 13:47