『ロビンソン・クルーソー作戦 怪獣島冒険記』
作者 ティアラロイド、ユガミ博士、凱聖クールギン
1054
天童民間警備会社***
蓮太郎「訓練合宿…?」
木更「そうよ。
ブレイバーズ関係者の少年少女限定で、
南太平洋の島で12泊13日の合同キャンプをやるそうなの」
その日の授業が終わり、いつも通り放課後に勾田高校からまっすぐ
天童民間警備会社に出勤した里見蓮太郎は、社長の天童木更から
あるパンフレットを渡された。ブレイバーズに所属する少年少女たちを
主な参加者として、親睦を深める意味もかねて合同合宿を行うという。
延珠「ねえ蓮太郎、妾たちも行っていいであろう?」
ティナ「私も行きたいです」
延珠とティナはすがるような目つきで、
ソファにどっかりと腰を下ろしながらお茶を啜る蓮太郎を見つめる。
蓮太郎「でもうちはブレイバーズとは何の関係もないだろ」
以前、聖天子を守ってセーラー戦士や磁雷矢と共闘した事もある
蓮太郎&延珠ペアではあるが、それはたまたまであって、
別に蓮太郎たちはブレイバーズのメンバーというわけではない。
しかし、次の瞬間に木更から意外な一言が…!
木更「あら、うちも加入したわよ、ブレイバーズに」
蓮太郎「ぶぅぅぅぅ~!!!!!!!!」
木更の一言を聞いた瞬間、蓮太郎は飲んでいたお茶を盛大に噴出した。
蓮太郎「なに考えてんだ木更さん! 大体うちはガストレアだけで手一杯だ!
Gショッカーとかの相手までしている余裕なんかないんだぞ!」
木更「でも情報の共有は必要だと思うし、あくまでも無理のない範囲で
人手を貸してくれればいいそうだから。それに何よりもブレイバーズに
加盟するだけで多額の補助金が国から下りるのよ♪ これでもう未織に
大きな顔はさせないわ!」
蓮太郎「………(本当の狙いはそれかよ!)」
蓮太郎の抗議などどこ吹く風の態度の木更に
半ば諦め顔の蓮太郎である。
延珠「蓮太郎…行ってはだめなのか?」
ティナ「お兄さん…」
延珠とティナの二人はうるうるの涙目で蓮太郎に迫る!
蓮太郎「あ~もうわかったよ。行ってきてもいい! 行って来い!」
延珠「やった~♪」
ティナ「お兄さん、ありがとうございます」
蓮太郎のGOサインが下り、延珠とティナの二人は大喜び。
木更「それじゃあ里見くん、引率はお願いね」
蓮太郎「…は?」
木更「は?…じゃないわよ。まさか延珠ちゃんと
ティナちゃんだけで行かせるわけにはいかないでしょ。
二人の保護者として、最後までしっかりと面倒を見てくるのよ!」
蓮太郎「な、なにぃぃぃぃ~~~!!!」
1055
一方、その頃…。
東京エリア・外周区***
東京郊外にある外周区と呼ばれる地区は、前大戦によって未だに
戦争の傷跡が残り、所々廃墟が目立つ。そしてここには
“呪われた子供たち”と呼ばれるガストレア因子を持って生まれた事により
親や社会に捨てられてた子供達の多くが暮らしていた。
以前、そうした子供たちを集め、里見蓮太郎たちがボランティアで
教師役を買って出ていた青空教室が、差別主義者の過激派による
爆弾テロの犠牲になるという悲しい出来事があったが、
“呪われた子供たち”に救いの手を差し伸べようとする
高い志を持つ者は他にもいた。
一人の教師が“呪われた子供たち”に青空の下で、教鞭をとっていた。
その教師の名は、地球戦隊ファイブマンである星川兄弟の長男で、
ニュータウン小学校の理科担当教師である星川学である。
学たち星川兄弟は『公民権法』が施行されたが、
未だ教育を受けられない子供達の為に、こうして勉強を教えていた。
学「・・・虫は卵から生まれた後、幼虫になる。そして、大人である
成虫になる間に、変わった姿を何と言うか分かる子はいるかな?」
ハイ、ハイ、ハ~イ
教師が分かる人がいるか子供達に聞くと、元気よく手を挙げた。
学「では、結衣ちゃん答えてくれ。」
結衣「はい、さなぎです。」
学「正解。よく勉強したね。」
結衣「へへへ(///)」
学に当えてられた生徒である堀部結衣という少女はさなぎであると
答える。問題に答える事が出来た結衣を学は褒めた。
その後授業が終わり、片付けをしていると、体育教師をしている
次男・健がやってくる。
健「兄貴、ちょっといいかい?」
学「どうした、健?」
健によると、ブレイバーズの少年少女組の交流を目的としたキャンプの
保護者をしてほしいという連絡が届いたとのこと。歴戦の勇士であり、
経験豊富な教師でもあるファイブマンに子供達の面倒をお願いしたいらしい。
健「どうする、兄貴?」
学「...分かった。引き受けると伝えてくれないか?」
1056
日本海溝・ブレイバーベース***
エルファ「ブリアン島、南太平洋に位置する無人島で、
現在は地球連邦政府直轄の保護領です。近隣に目立った
武力紛争や海賊行為もなく、また過去500年において
大きな自然災害も確認されていません」
指令室のモニターに映し出されたブリアン島の画像を背景に、
ブレイバーベースの万能ナビゲーターであるエルファが解説する。
ギルモア「まさに子供たちの遊び場としては格好の場所じゃな」
佐原「ブレイバーズは単なる武力組織ではない。
地球の未来を背負うことになる子供たちに
友情を育む交流の場を提供し、健全な育成へと導く。
これも地球の平和を守るための大事な任務であり、
同時に私たち大人の責務でもある」
ギルモア「よく学び、よく遊ぶということじゃな」
エルファ「ギルモア博士、ブリアン島に到着した
002と004から通信が届いています」
ギルモア「繋いでくれ」
南太平洋・ブリアン島***
ギルモア博士の指示を受けたジェット・リンク/002と
アルベルト・ハインリヒ/004の二人の00ナンバーサイボーグは、
万一のことがないよう、事前に直接島に何か危険はないか
調査に赴いていた。
004「ギルモア博士、こちら004」
ギルモア@通信「おお~、004か。ご苦労じゃったな。
で、どうじゃ、そっちの様子は?」
002「上空から一通り見回ったけど、
ホントこの島には退屈するくらい何もないぜ」
ギルモア@通信「002がそう言うからには
本当に大丈夫そうじゃなあ」
004「子供たちが合宿でキャンプを張るとすれば、
東の平原が適当でしょうな」
ギルモア@通信「わかった。引き揚げて来てくれ」
004「了解」
通信を切る004。思ったより早く用事が済んだため、
早速島から離れようとする二人だったが…。
004「――!!」
002「…どうした、004?」
004「いや、今誰かに見られていたような気がしたんだが…」
警戒して周囲にじっと目を凝らす004。
しかし特に何も起こらなかった…。
002「気のせいだろ」
004「そうみたいだな…」
こうして二人の00ナンバーサイボーグは島から離れていった。
しかしOO4の感じた気配は決して気のせいなどではなかった。
今まで誰も見たこともないような異形の怪物の影が、
確かにジャングルの茂みから様子をうかがっていたのである!
ゴブリンイーバA「グゥゥ……」
ゴブリンイーバB「ガゥゥ……」
1057
○里見蓮太郎→延珠とティナの付き添いとして、ブリアン島での合宿に参加することに。
○藍原延珠→ブリアン島での合宿に参加することに。
○ティナ・スプラウト→ブリアン島での合宿に参加することに。
○天童木更→天童民間警備会社をブレイバーズに加盟させ、延珠とティナにブリアン島での合宿参加を許可。
蓮太郎に二人の付き添いを命じる。
○星川学→東京エリア外周区の青空教室でボランティアで教師役を務めている。
○星川健→ブレイバーズ本部からのブリアン島合宿での引率者を務めてほしいとの依頼を、兄・学に伝える。
○佐原正光→ブレイバーズの少年少女たちが参加するブリアン島での合宿を企画。
○アイザック・ギルモア→ブレイバーズの少年少女たちが参加するブリアン島での合宿を企画。
○002→ブリアン島を事前調査する。
○004→ブリアン島を事前調査する。
○堀部結衣→星川学がボランティアで教師を務める青空教室に通っている。
○エルファ→ブリアン島の調査結果を、佐原博士とギルモア博士に報告する。
●ゴブリンイーバA→ブリアン島で密かに暗躍している。
●ゴブリンイーバB→ブリアン島で密かに暗躍している。
【今回の新規登場】
○天童木更(ブラック・ブレット)
名門・天童家の娘だったが、ある事情で家を飛び出し、
今は自活している元お嬢様。学生の身ながら
天童民間警備会社を経営しているものの、
貧乏な生活を強いられていて、よく腹を空かして
里見蓮太郎に八つ当たりしている。蓮太郎の憧れの
女性でもあるが、実はその心の奥底には「天童殺しの天童」という
復讐鬼の本性が隠されている。
○ティナ・スプラウト(ブラック・ブレット)
かって不良少年に絡まれていたところを里見蓮太郎に助けられた少女。
実は聖天子暗殺のために送り込まれた暗殺者だったが、蓮太郎との対決に
敗れた後、聖天子の寛大な処置で釈放された後、刺客家業からは足を洗い、
天道木更の計らいで天童民間警備会社に雇われ、蓮太郎たちの仲間になった。
蓮太郎を「お兄さん」と呼び、慕っており、藍原延珠とは会社の先輩後輩で
あると同時に恋敵の関係となる。
○星川学=ファイブレッド(地球戦隊ファイブマン)
ニュータウン小学校に勤務する理科の先生で、星川兄弟の長男で第一子。
地球に帰った後、弟妹達の面倒を見ながら成長したため、言動が保護者的になっている。
シドン星から持ち帰ったシドンの花を大切に育てており、生徒にも株分けしていたが、
最終決戦でこれが最後の希望となる。特技は剣道で個人武装はVソード。
○星川健=ファイブブルー(地球戦隊ファイブマン)
ニュータウン小学校に勤務する体育の先生で、星川兄弟の次男で第二子。
特技は体操全般で個人武器はツインアレイ。武器に頼るよりは
肉体を駆使して戦うべきという信念を持っている。
○堀部結衣(闘争の系統オリジナル)
ガストレアウィルスを体内に宿す呪われし子供たちの一人。
東京エリア外周区の青空教室に通っている。
●ゴブリンイーバA(闘争の系統オリジナル)
●ゴブリンイーバB(闘争の系統オリジナル)
堕神の使徒として仕え、地上で暗躍する謎の怪物。
醜悪な小鬼のような姿にメカの装甲をしたような外見であり、
剣と盾で武装している。同種の怪人が他にも複数体いる模様。
その目的は未だ不明である。
1058
横浜港・国際客船ターミナル***
延珠「おっきいのだぁ…」
蓮太郎「普段貧乏暮らしの俺たちには縁もないと思ってたけど、
ブレイバーズってのは大した福利厚生だ。こりゃあ
木更さんが加入したがる理由もわかるぜ…」
眼前の大型豪華客船に思わず嘆息する
里見蓮太郎、藍原延珠、ティナ・スプラウトの3人。
"洋上のオアシス"と謳われるクルーズ客船『飛鷹Ⅲ』。
破嵐財閥のグループ会社である破嵐郵船所有の、
全長241m、全幅29.6mの大型客船である。
蓮太郎たち3人が泊まる部屋は、スタンダードのトリプルD。
海が見える窓が二つ用意され、明るい光が部屋を包み込んでいる。
延珠「ふかふかなのだあ~!」
ティナ「とても気持ちいいです」
延珠とティナは部屋の中に入るや否や、目の前のソファベットの中へと飛び込んだ。
延珠「なあ蓮太郎、船の中をいろいろと見てきてよいか?」
蓮太郎「いいけどくれぐれも迷子にはなるなよ」
延珠「…ムッ! 妾は子供ではないのだ! 行こうっ、ティナ」
ティナ「はい、行きましょう延珠さん♪」
その隣の客室では…。
紫穂「わーい」(←棒読み)
葵「うれしいなー」(←棒読み)
薫「あたしたち水入らずじゃないとこが最高ー」(←棒読み)
皆本「………(汗」
運用主任・皆本光一との水入らずでの旅行を期待していた
特務エスパー、ザ・チルドレンの3人である明石薫、野上葵、三宮紫穂。
直前になって実は集団慰安旅行だったと聞かされ、
見事に当てが外れた彼女たちはこうして不貞腐れているのである。
薫「どーせ例によって局長のセッティングでどっかのリゾートだとか、
ばーちゃんの別荘とかじゃないかとか思ってたけど…」
紫穂「何か違うかなあって…。満たされないのよね」
皆本「そんなワガママ言わずにさあ。この船には他のブレイバーズメンバーも
乗ってるんだ。くれぐれも無用な軋轢だけは起こさないでくれよ」
葵「別にブレイバーズに入ったメンバー同士、親睦を深めよういうこと自体に
ケチつけるつもりはあらへん。でもなあ…」
薫「なんであたしたちと皆本が違う部屋なんだよ!!」
部屋割りでは、薫たち3人と皆本は別々の部屋が割り当てられていた。
皆本「それはしょうがないだろ! 年頃の女の子と大の大人の男が
一緒の部屋に寝泊りしてるところを見られたら、いろいろと噂になるだろーが!」
紫穂「あら、隣の部屋には高校生くらいの男子が10歳くらいの幼女二人と
さっき一緒に入って行ったわよ」
皆本「隣の事情までは知らん!」
薫「やだやだやだあ~! ブリアン島に着くまで皆本と一緒がいい!」
皆本「頼むから静かにしてくれええ~!!」
一方、隣の部屋では、
蓮太郎がソファに寝転んで静かに昆虫の本を読んでいたが…。
蓮太郎「なんか隣が騒がしいな…?(汗」
1059
乗船手続き中のターミナルロビーには、参加する他の
ブレイバーズの少年少女や、引率者の大人達も続々と
出発する為に集まっていた。
あきら「おいおい、あの人ってロックバンドの栄斗じゃね?」
ヨッパー「本当かよ!?」
地球防衛組の一員で、ロックファンの今村あきらは向こうにいる
眼鏡を掛けた人物に指差して、ヨッパーこと小川よしあきに言う。
栄斗とは、人気ロックバンドのボーカルだったが、メジャーデビュー寸前
に突如として、消えた人物である。しかし、彼の真の姿は地上の平和と
女神アテナを守る聖闘士の一人、狼座の栄斗なのである。
クラマ「栄斗じゃん、お前も参加するのか!?」
栄斗「クラマ、こっちこそ久しぶりだな!」
栄斗に声を掛けてきたのは、ガイストと呼ばれる金属生命体から
人々を守る組織「GCG」のガイストギア装着要員、真銅クラマである。
栄斗もクラマも忍者の家系であり、幼馴染だった。
栄斗「...所で、気づいたか?」
クラマ「ああ、半蔵学院の姉ちゃん達だろ?こりゃ、面白くなるっつーの!」
家の関係上、半蔵学院の生徒達とも2人は顔馴染みだった。
そこへ2人に数名の少年達が近づいてきた。
レッカ「クラマ、そいつ誰だ?」
栄斗「誰だ?」
クラマ「こいつはレッカ、後ろにいるのはハヤト、シレンで、俺の仲間だ。
で、こっちは栄斗っていう俺の幼馴染だっつーの」
シレン「それじゃあ、君がクラマの言っていた伝説の聖闘士の一人か?」
ハヤト「なるほど、ゴールデンだな!」
栄斗「ゴールデン?俺は青銅(ブロンズ)だぞ」
クラマ「いやいや、これはこいつの口癖だっつーの!」
クラマは他の仲間のガイストクラッシャーを紹介する。仲間の一人である
ハヤトは何でもゴールデンと例える癖があるので、栄斗は自分がブロンズ
なのに、ゴールドと言われたと勘違いしたので否定したが、クラマは
口癖だと訂正した。
レッカ「なぁなぁ、あんたも忍者なんだろ?ニンニンとかござるとか言うのか?」
クラマ「だから、言わねぇっつーの!」
レッカは自分の思う忍者のイメージを栄斗がするのか聞いてみたが、
クラマが否定する。
1060
同客船・レセプション広場***
『飛鷹Ⅲ』の玄関とも言うべき三層吹き抜けの華やかな空間。
日向仁たち地球防衛組と共にフロントで手続きを済ませる
本宮大輔、井ノ上京、火田伊織、高石タケル、八神ヒカリ、一乗寺賢ら
6人の選ばれし子供たち。勿論チビモン、ポロモン、ウパモン、
パタモン、テイルモン、ミノモンたち彼らのパートナーデジモンも一緒である。
飛鳥「はい、これ部屋の鍵」
ヒカリ「ありがとうございます」
京「本当にあたしたちまで招待してもらってよかったんですか?」
飛鳥「なんでも地球連邦軍極東基地の武田元長官から連絡があって、
文科省の情報管理局とそれにDATっていうところから、是非とも
君たちを招待したいんだってさ」
賢「情報管理局にDAT…?」
大輔「難しいことを考えたってしょうがない。
せっかくの機会、楽しまなきゃ損だぜ!」
タケル「フフ…大輔くんらしいね」
そこへ広場を走り回っていた延珠が
大輔の横にいたチビモンとぶつかった。
延珠「うわあっっ!!」
チビモン「うわっ! な、なんだ!?」
床に転げる延珠とチビモン。
ティナ「大丈夫ですか、延珠さん」
大輔「どうした!? チビモン!」
チビモン「イテテテテ…」
延珠「うわっ!? ぬいぐるみが喋ったのだ!?」
チビモン「ぬいぐるみじゃないやい!」
伊織「彼らはデジモンです」
延珠「デジモン…??」
延珠とティナの二人は、チビモンたちを好奇心まじまじと見つめる。
ティナ「この生物たちがデジタルワールドに生息しているというデジモン…。
噂には聞いていましたが、こうして実物を見るのは初めてです」
ウパモン「女の子にそんなに見つめられると照れるだぎゃあ…(///)」
延珠「――あ、そうだ! ぶつかって悪かったのだ。
この通り、ごめんなさい」
大輔「謝ってくれればいいさ。俺は本宮大輔、そしてこいつはチビモン」
チビモン「よろしくなっ!」
延珠「妾は藍原延珠、そしてこっちはティナ・スプラウト。
こちらこそよろしくなのだ♪」
固く握手を交わす大輔たちと延珠たち。
1061
飛鷹Ⅲ・ブリーフィングルーム***
健「やれやれ、無事出港できたな」
学「いよいよ旅の始まりだ。頑張って行くぞ!」
船内のブリーフィングルームには、
教職者を中心とした引率の大人達が集まり初回のミーティングを開いていた。
学「まずは改めて自己紹介から行きましょうか。
東京のニュータウン小学校と外周区の青空教室で
小学校教師をしている、ファイブレッドの星川学です」
健「同じくファイブブルー、星川健です」
数美「ファイブピンクの星川数美です」
文矢「ファイブブラック、星川文矢です」
レミ「ファイブイエロー、星川レミです。
私達五人は兄弟姉妹で揃って同じ学校で教師をやっています」
鵺野「佐賀の小学校で教師をしている、鵺野鳴介です。
霊能力者で、妖怪退治の仕事をしています」
はるか「大江戸市の中学校教師、高木はるかです。
忍者で、護衛として来てくれた半蔵学院の善忍さん達のOGです」
学「僕ら教職のメンバーが中心となって、子供達を引率していく事になります。
皆さんよろしくお願いします!」
ファイブマンの星川兄弟姉妹を中心に、
自己紹介を済ませた教師達は日程の確認に移る。
学「予定通り行けば、ブリアン島までは片道5日間の船旅になります。
上陸して島のキャンプ場で3日、それからまた帰りに船で横浜まで5日。
全部で合計12泊13日のツアーです」
健「船とキャンプでのアウトドア研修を通じて、
子供達が普段は体験できない多くの事を学ぶ。
そんな場を提供するのが僕らの使命です」
文矢「とは言え、ブレイバーズの子供達が互いに交流を深め、
仲間の輪を広げるきっかけとするのが一番の趣旨なので、
あまりやかましい事は言いっこなしで、楽しくやりたいと思います」
レミ「ただし、途中で事故など起きないように、注意と配慮は大切です」
数美「特に子供達が持っている武器の扱いについては、
万一の事があっては大変ですから、
管理にはしっかり目配りしなければなりません」
鵺野「気象庁の予報によれば、航路上の天気・波の状態は良好。
島に着いてからも晴天に恵まれそうで、良かったですね」
はるか「快適な船旅になるとは思いますけど、
船酔いしやすい子もいますし、途中の健康管理には気を付けたいですね。
――あ、そういえば超音戦士ボーグマンの皆さんは来ていらっしゃらないんですか?」
はるかが何かを思い出したように発言する。
超音戦士ボーグマン――それは普段はサイソニック学園の小学校教師として働きながら、
妖魔の軍団からメガロシティの平和を守っていた、響リョウ、チャック・スェーガー、
アニス・ファームら3人のサイボーグ戦士の事である。
数美「一応、声は掛けたんですが…」
レミ「3人ともどうしても日程の都合がつかなかったみたいで…」
学「ボーグマンたちは教職から離れてブランクも長いから、
仕方ないのかもしれません」
はるか「そうですか。それは残念ですね…」
学「多少のハプニングはこういう団体旅行には付きものですが、
今回は参加できなかったボーグマンの皆さんの分も含めて、
皆で力を合わせて乗り切り、良い旅にして行きましょう!」
1062
エリス「あら、飛鳥君達じゃない?」
銀河「おっす。久しぶりだな、仁!」
北斗「地球防衛組の皆も久しぶりだね」
仁「銀河達か!会いたかったぜ」
地球防衛組に声を架けたのは、GEARに所属する銀河、北斗、エリスの
3人である。3人は声がするので、ここへやって来たのだった。
エリス「あれは...デジモンね!」
北斗「デジモンというと、キョウさんが研究したいっていっていた生物だね」
エリス達は、リザクレションシステムの研究をしている十凍京から、
現実世界に実体化出来るデータウェポンを研究の応用に出来ないかと
という事で、ブレイバーズに合流してから交流を持っていた。
その際、データウェポン同様データから誕生したデジモンも研究に
使えないかという考えをキョウから聞いていた。
レオサークル「グワォ」
大輔「な、何だ!?」
ドラゴンフレア「クォオン」
京「え、ちょっと!?」
ブルホーン「ブルル」
伊織「うわぁ!」
すると、突然銀河と北斗の持っているギアコマンダーから
それぞれの所有するデータウェポンであるレオサークル、
ドラゴンフレア、ブルホーンが飛び出して、大輔達の持つ
D―3に近づいてきた。
銀河「お、おいどうしたんだよ!」
銀河「何に反応しているんだ?」
賢「...もしかして、デジメンタルかな?」
エリス「デジメンタル?」
突然データウェポン達が飛び出した事に困惑する銀河と北斗だが、
賢はデータウェポンが反応したのは、大輔達の持つデジメンタル
ではないかと推論を立てる。
デジメンタルとは、古代種のデジモン、または古代種の遺伝子データを
持つデジモンを「アーマー進化」させるアイテムである。デジメンタルには
それぞれ「勇気」「友情」「愛情」「純真」「知識」「誠実」「希望」「光」「優しさ」
等といったいくつかの種類があり、大輔達選ばれし子供がそれぞれ所持
していた。
エリス「なるほど、データウェポン達も勇気や信頼といったものを
契約の条件にしているから、それで反応したのかもしれないわね」
デジメンタルの説明を受けたエリスはレオサークル達が飛び出した
理由に納得がついた。一方、レオサークル達も落ち着きを取り戻し、
おとなしくなる。
延珠「はは、こやつらもこうしてみるとかわいいのう!」
ティナ「そうですね」
延珠達もおとなしくなったデータウェポン達を見てかわいいと
口にする。
北斗「騒がせちゃって、ごめんね」
大輔「過ぎた事だし、もう気にしていないぜ」
そして大輔達は北斗や銀河達と自己紹介をして、仲良くなるのであった。
大海原に白波を立てながら、
加速する飛鷹Ⅲはブリアン島を目指し、太平洋を南東の方角へ航行してゆく。
1063
○里見蓮太郎→ブリアン島行きの船に乗船。
○藍原延珠→ブリアン島行きの船に乗船。本宮大輔、出雲銀河たちと知り合う。
○ティナ・スプラウト→ブリアン島行きの船に乗船。本宮大輔、出雲銀河たちと知り合う。
○明石薫→ブリアン島行きの船に乗船。皆本と一緒の部屋でないことに駄々をこねる。
○野上葵→ブリアン島行きの船に乗船。皆本と一緒の部屋でないことに駄々をこねる。
○三宮紫穂→ブリアン島行きの船に乗船。皆本と一緒の部屋でないことに駄々をこねる。
○皆本光一→ブリアン島行きの船に乗船。薫たちに一緒の部屋でないことに駄々をこねられる。
○今村あきら→ブリアン島行きの船に乗船。
○小川よしあき→ブリアン島行きの船に乗船。
○月城飛鳥→ブリアン島行きの船に乗船。
○日向仁→ブリアン島行きの船に乗船。
○狼座の栄斗→ブリアン島行きの船に乗船。
○真銅クラマ→ブリアン島行きの船に乗船。
○本宮大輔→ブリアン島行きの船に乗船。藍原延珠、出雲銀河たちと知り合う。
○井ノ上京→ブリアン島行きの船に乗船。藍原延珠、出雲銀河たちと知り合う。
○火田伊織→ブリアン島行きの船に乗船。藍原延珠、出雲銀河たちと知り合う。
○高石タケル→ブリアン島行きの船に乗船。藍原延珠、出雲銀河たちと知り合う。
○八神ヒカリ→ブリアン島行きの船に乗船。藍原延珠、出雲銀河たちと知り合う。
○チビモン→ブリアン島行きの船に乗船。藍原延珠、出雲銀河たちと知り合う。
○ポロモン→ブリアン島行きの船に乗船。藍原延珠、出雲銀河たちと知り合う。
○ウパモン→ブリアン島行きの船に乗船。藍原延珠、出雲銀河たちと知り合う。
○パタモン→ブリアン島行きの船に乗船。藍原延珠、出雲銀河たちと知り合う。
○テイルモン→ブリアン島行きの船に乗船。藍原延珠、出雲銀河たちと知り合う。
○ミノモン→ブリアン島行きの船に乗船。藍原延珠、出雲銀河たちと知り合う。
○星川学→ブリアン島行きの船に乗船。保護者・引率者同士のブリーフィングを行う。
○星川健→ブリアン島行きの船に乗船。保護者・引率者同士のブリーフィングを行う。
○星川文矢→ブリアン島行きの船に乗船。保護者・引率者同士のブリーフィングを行う。
○星川レミ→ブリアン島行きの船に乗船。保護者・引率者同士のブリーフィングを行う。
○星川数美→ブリアン島行きの船に乗船。保護者・引率者同士のブリーフィングを行う。
○鵺野鳴介→ブリアン島行きの船に乗船。保護者・引率者同士のブリーフィングを行う。
○高木はるか→ブリアン島行きの船に乗船。保護者・引率者同士のブリーフィングを行う。
○出雲銀河→ブリアン島行きの船に乗船。本宮大輔、藍原延珠たちと知り合う。
○草薙北斗→ブリアン島行きの船に乗船。本宮大輔、藍原延珠たちと知り合う。
○エリス・ウィラメット→ブリアン島行きの船に乗船。本宮大輔、藍原延珠たちと知り合う。
1064
【今回の新規登場】
○今村あきら(絶対無敵ライジンオー)
陽昇学園に通う小学生で、5年3組・出席番号1番。地球防衛組としては
コアロボ発進システム、バクリュウオー武器選択担当。見栄っ張りで負けず嫌い。
いわゆるロック少年で髪にメッシュを入れている。もちろん将来の夢はロックスター。
○小川よしあき(絶対無敵ライジンオー)
陽昇学園に通う小学生で、5年3組・出席番号2番。地球防衛組としては
剣王回路系モニター、バクリュウオー変型担当。マイペースで協調性に欠け、
クラス一の問題児だがどこか憎めない少年。よく、日向仁や今村あきらとつるんで悪さを働いている。
テレビが大好きでよく父親とチャンネル争いをしている。あだ名は「ヨッパー」。
○狼座の栄斗(聖闘士星矢Ω)
アテナに仕える青銅聖闘士で、13歳。長髪にスーツ姿、眼鏡をかけている知的な少年。
同世代の聖闘士の中ではトップクラスの実力を有する。出身は富士山麓に隠れ住む
富士流という忍術を操る忍者一族の末裔。後にラジオから流れるロックに感化されバンドを組み、
バンド内ではヴォーカルを担当しメジャーデビューを控えていたが、仲間の危機に
再び戦いの道へ舞い戻る。
○真銅クラマ(ガイストクラッシャー)
ガイストクラッシャーの一人。ガイストギア「ガイア・オロチ」を纏い戦う。
戦国時代から続く忍者「真銅一族」の末裔。
○本宮大輔(デジモンアドベンチャー02)
八神太一のサッカークラブの後輩で、お台場小学校5年生。
ブイモンをパートナーとする選ばれし子供たちの一人。
太一を尊敬しており、勇気の紋章を受け継いだことから彼のゴーグルを渡された。
性格は直球かつ熱血で、突撃隊長的な役割をよく務める。
○火田伊織(デジモンアドベンチャー02)
お台場小学校3年生で、アルマジモンをパートナーとする選ばれし子供たちの一人。
殉職した警察官の父を尊敬していて、それとともに自らの悩みと心残りの存在である。
性格は誠実かつ冷静沈着で、自分にも他人にも厳しい。
○高石タケル(デジモンアドベンチャー/同02)
石田ヤマトの弟でお台場小学校5年生。パタモンをパートナーとする選ばれし子供たちの一人。
井ノ上京、火田伊織と同じマンションの8階に住んでいる。八神ヒカリとは
前の冒険からの知り合いだったので仲がよく、本宮大輔からはよくライバル視される。
○八神ヒカリ(デジモンアドベンチャー/同02)
八神太一の妹で、お台場小学校5年生。テイルモンをパートナーとする選ばれし子供たちの一人。
いつも笑顔でクラスでも人気があり、本宮大輔にも好意を寄せられているが、あまり相手にしていない。
○一乗寺賢=デジモンカイザー(デジモンアドベンチャー02)
天才少年と謳われた小学5年生。兄の死と及川悠紀夫からのメールで辿り着いた暗黒の海と、
埋め込まれた暗黒の種の影響で、残虐性格の持ち主デジモンカイザーとなってしまい、
デジタルワールドを支配しようと企んだ。一時はデジタルワールドの多くのエリアを制圧し、
権勢を誇ったが、本宮大輔達との決戦に於けるキメラモンの暴走とワームモンの犠牲により
本来の心を取り戻し改心。デジタマから孵ったリーフモンと再会し、
以降はワームモンと共にデジタルワールドのために尽くすことを決める。
1065
○ブイモン=エクスブイモン(デジモンアドベンチャー02)
勇気のデジメンタルの下から現れた、本宮大輔のパートナーデジモン。
一人称は「オレ」。チョコが好物。おにぎりをもって目を輝かせていたことも。
性格は大輔と同じく単純で猪突猛進、仲間思い。テイルモンに好意を抱いている様子で、
パタモンをライバル視している。進化形態は幼年期のチコモン、チビモン、
基本形態のブイモン、アーマー進化のフレイドラモン、ライドラモン、マグナモン、
サジタリモン、通常進化のエクスブイモン、ジョグレス進化のパイルドラモン、
それの究極体のインペリアルドラモン(ドラゴン、ファイター、パラディンモード)と
延べ12形態を持つ。
○アルマジモン=アンキロモン(デジモンアドベンチャー02)
知識のデジメンタルの下から現れた、火田伊織のパートナーデジモン。
性格は伊織と違い、良く言えば陽気で大らかだが、悪く言えば暢気。名古屋弁で話す。
ディグモンとサブマリモンにアーマー進化する。
○パタモン=エンジェモン=ホーリーエンジェモン(デジモンアドベンチャー/同02)
高石タケルのパートナーであり、大きな耳が特徴の哺乳類型デジモン。ペガスモンにアーマー進化する。
必殺技は吸い込んだ空気を一気に吐き出すエアショット。他のデジモンたちと比べても特に素直で、
教えられたことはちゃんと守る健気な性格をしている。耳を使って飛ぶこともできるが、
時速1キロでしか飛べないので本当は歩いた方がずっと速かったりする。
○テイルモン=エンジェウーモン(デジモンアドベンチャー/同02)
八神ヒカリのパートナーデジモン。基本的には姉御肌で落ち着いた性格の持ち主。
ネフェルティモンにアーマー進化する。
○ワームモン=スティングモン(デジモンアドベンチャー02)
一乗寺賢のパートナーデジモン。成長期。賢を溺愛し「賢ちゃん」と呼んでいる。
彼がデジモンカイザーになってもつかず離れず彼に尽くし、一度は賢を救うため命を落とした。
はじまりの街で復活してからは、彼とともにデジタルワールドの危機を救う為に尽力する。
○星川文矢=ファイブブラック(地球戦隊ファイブマン)
ニュータウン小学校に勤務する国語の先生。星川兄弟の三男で、レミとは二卵性双生児の末っ子。
シドン星を脱出したときはまだ赤ん坊であり、両親の顔を知らないのがコンプレックスになっている。
特技は空手で個人武器はパワーカッター。
○星川レミ=ファイブイエロー(地球戦隊ファイブマン)
ニュータウン小学校に勤務する音楽の先生で、星川兄弟の次女。
文矢とは二卵性双生児だが、どちらが先に生まれたのかは不明。
特技は拳法系で、酔拳が得意。個人武器はメロディータクト。
○星川数美=ファイブピンク(地球戦隊ファイブマン)
ニュータウン小学校に勤務する算数の先生で、星川兄弟の長女で第三子。
主に家事全般を担当していたのは数美だったようで、母親代わりを勤める場面もあったようだ。
特技はフェンシングで個人武器はキューティーサークル。
1066
~旅行日程・2日目~
ブリアン島に向かって『飛鷹?』出港した翌日。
飛鷹?・ガンバ―チームの部屋***
♪~♪~♯←(ヴァイオリンの音)
ブルーガンバ―である鷹介だが、普段は母親によって
あらゆる塾や習い事をされている少年である。
長期間のキャンプ活動なので、母親から勉強と練習できる事は
キャンプ中でもしっかりやっておくように言われていた。
そこで彼は部屋の中で、ヴァイオリンの練習を行う。
だが、彼が練習する理由は単に母親の言いつけというだけでなく
同じ教室に通うガールフレンドの小牧百合香ともっと仲良くなりたい
というものだった。
因みに現在、虎太郎は仁達と混じって、広い客船を探検中。
力哉はこの船にある運動場でトレーニング中である。
鷹介「・・・ふぅ~。ちょっと、休憩」
シレン「いい、音色だ。だが、若干♭(フラット)な所があるな」
鷹介「あなたは、誰ですか?」
シレン「俺はシレン。ガイストクラッシャーをしている」
部屋に入ってきたのは、ガイストクラッシャーの一人、シレン・クォーツ。
彼は横笛を吹くのが、趣味でよく会話に音楽用語を口にする癖がある。
シレンはたまたまこの部屋の前を通った時に、ヴァイオリンの音がしたので
止まり、部屋に入ってきたのであった。
♪~♪~♭~#←(横笛の音)
鷹介「(上手いなぁ)」
シレンは挨拶代りに横笛を披露する。鷹介はシレンの横笛を
聞いて本当に上手だと感じた。
鷹介「音楽について、もっと教えてくれますか?」
シレン「・・・いいだろう」
鷹介は音楽に詳しいシレンに指導をしてもらう事にした。
この後、鷹介は音楽教師の星川レミにも指導してもらうのであった。
一方、別の船内では...。
栄人「すまない。君はもしかして、石田ヤマトの弟か?」
タケル「え、そうだけど...兄さんの知り合い?」
栄人「いや、直接会った事は無い。ただ、俺はしばらくロックバンドを
やっていてな。その時、君の兄のロックを聞いた事があるんだ」
栄人は船内を歩くタケルを見つけ、「石田ヤマト」の弟なのかと尋ねる。
栄人はロックバンドの活動をしていた時に、ヤマトのロックを聞いたという。
タケル「兄さんの歌を聞いてくれて、ありがとう。僕はタケル」
パタモン「タケルのパートナーのパタモンだよ」
栄人「俺は、栄人だ。よろしく頼む」
ヤマトを通じて、タケルと栄人は仲良くなるのであった。
1067
飛鷹Ⅲ・厨房***
ブリーフィングルームで大人達がミーティングを行っていた頃、
両津は船での食事を担当する事になり、ボルボやジョディに食材の
準備を手伝ってもらっていた。
ボルボ「それにしても、このマグロでかいな」
両津「二徹から、色々活きのいいマグロや海の幸を仕入れたからな」
両津の言う二徹というのは、両津の知り合いである飛鷹4姉妹の父親
である漁師の事で、かなり遠洋して魚介類を仕入れている。
ジョディー「あら、あそこにいる女の子は誰かしら?」
両津「ん?」
ジョディーが指差す方向を見ると、ロングヘアーの女子高生
千鳥かなめが辺りをキョロキョロをしながら、歩いていた。
かなめ「すいません、ここはどこですか?」
ボルボ「君は、このキャンプの参加者かな?」
ジョディー「ここは、厨房よ」
両津「迷ったのか?」
かなめ「はい、スタッフのお手伝いとして来たんですけど、
迷ってしまって・・・」
船の中を迷ったかなめは、両津達に現在の場所を聞く。
両津「そうか・・・よし、わしが部屋まで送ろう」
かなめ「あ、ありがとうございます!」
???「待てぇ!」
両津はかなめを部屋まで送ろうとするが、そこに割り込む
人物が現れた。かなめの護衛を任務とする相良宗介である。
かなめ「ソースケ!?」
宗介「大丈夫か、千鳥!」ジャキ
両津「な、何だ!?」
ボルボ「両津!」ジャキ
暴漢に襲われていると思った宗介は、かなめを守るように前に立ち銃を突きつける。
宗介が銃を突きつけたので、ボルボも隠し持っていた銃を向ける。
スパコーン
宗介「痛いぞ、千鳥」
かなめ「な~にしているのよ、ソースケ!この人達は私が迷っていたから
親切に部屋まで送ってもらおうとしただけよ!」
両津「・・・こいつも、ブレイバーズの一員なのか?」
かなめと宗介のコントみたいなやり取りに、両津は呆れて
その光景を見ていた。
ジョディー「ソースケ?その頬の傷・・・あなたが、マオの言っていた
相良宗介ね!」
宗介「ん!?マオの事を知っているのか」
ジョディー「マオは私の友人よ。あなたの事も聞いているわ」
会話に出てくるマオというのは、宗介の所属する組織ミスリルの
兵士であるメリッサ・マオの事である。元々マオはアメリカ海軍だったので
ジョディ―とは、その頃からの友人だった。
宗介「そうか、マオの友人だとは知らずに先程の件はすまなかった」
ボルボ「分かってもらえたならいい。所で、君の銃はなかなかいい
手入れがしてあるなぁ」
宗介「そちらの銃も、よく手入れされている。優秀な兵士である証拠だ」
謝罪する宗介にボルボは、宗介の銃を見ていい手入れをしていると褒める。
同じように宗介もボルボの銃を褒め、何やらお互い意気投合をしていた。
両津「…(ブレイバーズっていうのは、こんなのばっかなのか?)」
両津はそんな事を思いながら、眺めるのであった。
1068
○風祭鷹介→シレン・クォーツハートと邂逅。
○シレン・クォーツハート→風祭鷹介と邂逅。
○狼座の栄斗→高石タケル、パタモンと邂逅。
○高石タケル→狼座の栄斗と邂逅。
○パタモン→狼座の栄斗と邂逅。
○ボルボ西郷→食材の準備中、相良宗介、千鳥かなめと邂逅。
○両津勘吉→食材の準備中、相良宗介、千鳥かなめと邂逅。
○ジョディー・爆竜・カレン→食材の準備中、相良宗介、千鳥かなめと邂逅。
○千鳥かなめ→今回のキャンプに手伝いとして参加。
○相良宗介→今回のキャンプに手伝い兼千鳥かなめの護衛として参加。
【今回の新規登場】
○相良宗介軍曹(フルメタル・パニック!)
ミスリル作戦部西太平洋戦隊陸戦ユニットSRT(特別対応班)所属。
コールサインは"ウルズ7"。ゲリラや傭兵として世界各地の戦場を
廻ってきた凄腕の兵士である。傭兵やゲリラとしての生活が長いためか、
平和な社会での常識が皆無な行動や、戦場の常識に則った行動をしたりするので、
よく周囲から「戦争ボケ男」などと言われている。「ARX-7 アーバレスト」のパイロット。
○千鳥かなめ(フルメタル・パニック!)
都立陣代高校に通う高校2年生で生徒会副会長。
性格はかなり過激とも言えるほどに行動的。
抜群のルックスに反して、歯に衣着せぬ物言いとその過激な性格が災いし、
「恋人にしたくないアイドル・ベスト・ワン」の称号を持つ。
相良宗介に唯一?突っ込みを入れられる人物。
実は、あらゆるブラックテクノロジーに精通する「ウィスパード」であり、
ミスリルから保護対象とされている。
1069
~旅行日程・3日目~
『飛鷹Ⅲ』・甲板***
ブリアン島を目指して、横浜港を発ってから3日目。
甲板の上を2mもある大男が、水平線の先を見つめていた。
鈴雄「あっ、アレクセイさん!探しましたよ」
イスカンダル「おお、鈴雄か。すまんすまん、ついこの『オケアノス』を
見たくてなぁ」
水平線を見ていたのは、現在はコスモス荘にて保護されている
征服王イスカンダルだった。
銀河連邦警察代表で、小鈴と瑠璃がキャンプに参加する事になり
鈴雄が保護者になったのだが、イスカンダルが自分も参加したいと
強引についてきたのである。当初は、いざこざがあったものの
イスカンダルは遠征をしていたので、野営の知識もあり、
またかの有名なアリストテレスに家庭教師をしてもらっていたので、
頭も良く教師役(主に地理と歴史)をしてもらう事にしたのであった。
因みにアレクセイというのは、聖杯戦争時に正体を隠すべく使用していた
偽名である。
鈴雄「オケアノス?」
イスカンダル「うむ。オケアノスというのはだな、世界の果てにあるという
大きな海のことでな。かつて余はオケアノスを夢見て、ひたすら東へと
遠征したのだ」
オケアノスとは、「世界の果て」という意味の言葉である。
遠い昔、世界の果てを見たいという思いから各地を征服しながら
駆け抜けたあの頃に太平洋を見ながら思いを馳せていた。
イスカンダル「それにしても、この船は何ともデカイのぉ。海に出てから
3日も経つが、まだまだ探検のしがいがあるわい!がっはっは」
鈴雄「だからって、あんまりうろちょろしないでくださいよ...」
イスカンダルは『飛鷹Ⅲ』を見ながら、大声で笑う一方、鈴雄は
イスカンダルが船の中をあちこち歩き回るので、少し振り回されていた。
船内に戻ると、子供の声が聞こえてきた。
仁「行け、ピカ○ュウ!」
拳一「とらせるかよ!ラ○チュウ」
鈴雄「・・・ゲームをしているのか」
覗いてみると、地球防衛組の仁とザウラーズの拳一が
捕まえたモンスターを戦わせる人気の携帯ゲームをテレビに
繋いでゲームをしていた。仁と拳一の周りには複数の子供達が応援していた。
イスカンダル「ほう...最近はそういうゲームが流行っているのか?」
仁「あ、この前助けてくれた牛のおっさん!」
マリア「失礼よ、仁!」
この前、邪悪獣が出現した時イスカンダルに助けられたが、名前が
分からなかったので仁は、空飛ぶ牛に乗っていたから牛のおっさんと
呼ぶが、マリアが失礼だと注意する。
イスカンダル「わっはっはっは、よいよい。余の名はイスカンダル。
まぁ、言いにくいのであればアレクセイ...もしくはライダーとでも
呼んでくれ」
浩美「(ライダー?)」
イスカンダルは細かい事を気にしないので、笑ってそれを許し
自己紹介をするが、ライダーという言葉に立花浩美は疑問に思った。
イスカンダル「どれ、余にも少しやらせてもらえぬか?」
吼児「じゃあ、僕のを貸します」
そのままイスカンダルは、吼児にソフトを貸してもらい
子供達に混じってゲームをするのであった。
1070
両津「う~む、見事に迷ってしまった。わしの部屋は何処だ?」
さて、一方スタッフとして参加した警察官の両津勘吉は
自分の部屋に行こうとするが、この広い客船に迷ってしまっていた。
ワーワー
両津「ん?こっちから声がするなぁ」
両津が声のする方を行くと、イスカンダルと子供達が
ゲームで盛り上がっていた。
両津「ほぅ~、○ケモンか。それにしても、あのデカイおっさん
強いなぁ」
イスカンダル「わっはっは、余は誰の挑戦でも受けるぞ!」
コツを掴んだイスカンダルはすぐさま、連勝して大きく高笑いをする。
両津「よ~し、次はわしが相手だ!」
イスカンダル「よし、来い!」
両津は自分が持ってきたゲームを繋げて対戦を始める。
10分後***
両津「よっしゃ~、わしの勝ちだ!」
あきら「すげ~、イスカンダルさんを倒したよ」
ヨッパー「やっぱ、両さんはゲーム上手だなぁ」
10分後、対戦の結果両津が勝利。観戦していたあきらとヨッパーは
両津のゲームの腕前に感心する。
イスカンダル「ぐぬぬ・・・不覚。次のゲームで勝負だ!」
両津「面白い。よ~し受けて立つ!」
それから、イスカンダルと両津はレーシングや格闘、パズルと
あらゆるゲームで対戦し続け、白熱の勝負をしていった。
その結果...
イスカンダル「いや~、貴様のゲームの腕前天晴だ!」
両津「イスカンダルこそ、ゲーム上手いなぁ。がっはっは!」
お互いゲームを通じて、意気投合して酒盛りをする仲となるのであった。
1071
イスカンダルと両津がゲームを通じて、仲良くなったその夜。
子供達は食事を終えて、それぞれの時間を過ごしていた。
レッカ「はぁ~、今日も美味かった!」
ハヤト「食べ過ぎじゃないのか、レッカ?」
クラマ「レッカの大食いは、いつものことだっつーの」
食事を終えたガイストクラッシャーチームは、子供達が
集まっている広間へとやってくる。
延珠「どうじゃ、妾達のコスチュームかわいいじゃろう?」
蓮太郎「お前ら、またその衣装持ってきたのかよ...」
刃「なあ、『天誅ガールズ』ってなんだ?」
さやか「今人気のアニメの事よ」
広間では、延珠とティナが自分達の好きなアニメ番組『天誅ガールズ』の
コスプレ姿を他の子供達に披露していた。『天誅ガールズ』を知らない刃
だが、さやかが教える。
飛鳥「可愛い!」
イサミ「延珠ちゃんも、ティナちゃんも、とっても似合っているよ」
ティナ「ありがとうございます...(照」
延珠とティナのコスプレ姿を飛鳥やイサミはかわいいと褒め
ティナは照れて顔を赤くする。
ケイ「あ、そういえば『天誅ガールズ』って確か、兄ちゃんも見ているアニメだ!」
イサミ&ソウシ「「え?」」
トシ「ば、馬鹿、ケイ!!そんな事ねえだろ!」
自分もしんせん組の一員だからと、キャンプについてきたトシの弟であるケイが
実はトシも『天誅ガールズ』を見ている事をばらしてしまう。
延珠「トシも、見ているのか!?」
トシ「え、いや...!?」
一同「じ~」
トシ「うぅ・・・あっ、仁、今度サッカーしねえか?」
ソウシ「あっ、逃げた」
眼をキラキラしながら延珠はトシに質問して、イサミ達もじっと
トシを見つめ、恥ずかしくなったトシは誤魔化して逃げた。
駆流「いっけー、川尻!」
れい子「負けないで、アントニオ稲木様!」
一方、テレビで放送されているプロレス試合を応援する
アルカディアの轟駆流と地球防衛組の池田れい子はお互い、
プロレスファンで、それぞれの応援する選手が戦っているので、
白熱しながら応援していた。
駆流「勝つのは、川尻だ!」
れい子「いいえ、アントニオ稲木様よ!」
荘太「まあまあ」
どっちが勝つかで、駆流とれい子が口論しそうになるが
荘太がなだめた。
マリア「皆、鵺野先生が集まるように言ってきたわ」
エリー「ブリーフィングルームに来てちょうだい」
仁「何だ?」
拳一「さあ」
そこへマリアとエリカが現れ、鵺野が皆を集めるように
指示して来た事を話す。
~『飛鷹Ⅲ』・ブリーフィングルーム~
鵺野「えー、諸君達は今後、妖怪や悪霊といった怪奇現象にも
立ち向かう事態になるかもしれない。そこで、この航海も
3日目という事で、いきなりで済まないが・・・怪談を行う!」
子供達一同「え~~~~」
雲雀「うう、怪談は怖いなあ」
柳生「大丈夫だ。俺が側にいる」
ヤンチャー「星史、ビビるなよ」
星史「お前こそ」
ブリーフィングルームに集められた子供達に、鵺野は怪談を行うと
言ってきた。それぞれ怖がったり、茶化したりする。そして...。
鵺野「・・・と古い廊下を歩いていたA君達だったが一人・・・
また一人といなくなり、最後にはA君だけになってしまった」
延珠「ゴク」
虎太郎「ゴク」
鵺野「一人になってしまったA君が、誰もいない教室に入って
振り向くと、そこには鬼の様な形相をした女の幽霊が!!」
紫穂&勇太「「きゃぁぁぁあああ」」バタ
薫「紫穂!」
葵「うわぁぁ、紫穂と勇太君が倒れた!」
鵺野が子供達を集めて、怪談を話したら幽霊が苦手な紫穂や
勇太が悲鳴を上げて倒れたりしてパニックとなるのであった。
1072
~旅行日程3日目・深夜~
鵺野「はぁ~、あんなにもパニックになるとは思わなんだ」
覇鬼「ウガウガ、なかなか楽しかったウガ」
鵺野「お前なぁ・・・ん?」
深夜、甲板を歩く鵺野は先程の怪談大会のパニックに疲れ
肩を落とす。一方、覇鬼は楽しかったと大笑いする。
その時、鵺野は甲板から声が聞こえてきたのでそちらへと歩を進める。
両津「わっはっは、その時わしの部長がな...」
イスカンダル「ほう、そのお前さんの部長というのはなかなか面白い人物だな」
そこにいたのは、あれからずっと酒盛りをしていた両津とイスカンダルだった。
鵺野「両津さん、えっと・・・アレクセイさん何をしているんですか!?」
両津「何って、わしらは酒盛りをしているだけだが?」
イスカンダル「うむ、酒こそ語り合いに必要不可欠な事だ」
鵺野「はあ・・・(汗」
覇鬼「酒なら、俺にも飲ませるウガ」
すっかり出来上がっている両津とイスカンダルに鵺野は少し困惑。
鬼である覇鬼は酒というフレーズに自分も飲ませろと現れる。
両津「おう、飲め飲め」
イスカンダル「酒の前に、人も鬼も関係は無し!」
覇鬼「ウガウガ、全くだウガ」
鵺野「はぁ~(そういえば、このアレクセイって人、妖力?・・・いや、
どちらかといえば魔力か。あの冬木市で行われた魔術儀式
聖杯戦争で召喚されたサーヴァントが受肉した英霊だと聞いたが
なかなか豪快な人だな。・・・だからこその英霊か?)」
覇鬼も加わり、なし崩し的に鵺野も参加する事になる。
鵺野は貰った資料からイスカンダルの素性を知った。
また霊能力者なので、魔術とされる知識にも明るく
聖杯戦争についても知っていた。イスカンダルの豪快さに
これが英霊と呼ばれる存在なのかと感じる。
イスカンダル「さあさあ、お前さんもどんどん飲め」
両津「おう、まだ酒はあるぞ!」
覇鬼「ウガガガ」
鵺野「(いかん・・・酔い潰れそうだ)」
さすがの鵺野もトップクラスの酒豪に囲まれ、酒を飲まされ続け
酔い潰れてしまう。
~旅行日程4日目・朝~
鈴雄「一体・・・何をやったんですか!」
イスカンダル「いや~、両津とこの鵺野とで酒を飲んでいたら、
ついノリでコヤツの鬼と勝負をしてなあ」
覇鬼「こいつの牛の戦車を潰してやったウガ」
鵺野「・・・酔ってしまい、眠っている間に覇鬼の好きにさせて
しまいすまなかった。面目ない」
両津「ぐぉぉぉ」
酒盛りをしていたイスカンダルと両津、そして鵺野だったが
酒に潰れて鵺野が寝ている時に覇鬼がイスカンダル達と飲み続け
ノリで勝負する事になり、イスカンダルの宝具「神威の車輪
<ゴルディアス・ホイール>」を覇鬼にぶつけた結果、こなごなに
砕けてしまった。その惨状に鈴雄は呆れ、鵺野は反省。イスカンダルは
気にせず、両津はイビキを欠いていた...
数美「皆は、大人になっても絶対にお酒でこういう事が無いようにね」
子供達一同「は~い」
様子を見に来た子供達に星川数美は酒を飲みすぎない
ように注意するのであった...お酒は程々に。
1073
○桜咲鈴雄→イスカンダルに船の中で振り回される。
○イスカンダル→ゲームを通じて、両津と仲良くなる。
酒盛りで覇鬼に「神威の車輪」をこなごなにされる。
○両津勘吉→ゲームを通じてイスカンダルと仲良くなり、酒盛りをする。
○日向仁→ゲームで拳一と対戦する。
○星山吼児→イスカンダルにゲームソフトを渡す。
○池田れい子→テレビのプロレスの試合を応援する。
○白鳥マリア→エリーと一緒に、子供達をブリーフィングルームに集める。
○峯崎拳一→ゲームで、仁と対戦する。
○光主エリカ→マリアと一緒に、子供達をブリーフィングルームに集める。
○鵺野鳴介→子供達に怪談を話す。酒に酔って眠ってしまい覇鬼を止められなかった。
○覇鬼→イスカンダルとの酒盛りで、「神威の車輪」をこなごなにした。
○藍原延珠→ティナと『天誅ガールズ』のコスプレ姿を披露する。
○ティナ・スプラウト→延珠と『天誅ガールズ』のコスプレ姿を披露する。
○鉄刃→さやかに『天誅ガールズ』の事を聞く。
○峰さやか→刃に『天誅ガールズ』を教える。
○花丘イサミ→延珠達のコスプレ姿を褒める。
○月影トシ→『天誅ガールズ』を見ている事がバレて、誤魔化して逃げる。
○月影ケイ→兄のトシが『天誅ガールズ』を見ている事をばらす。
○飛鳥→延珠達のコスプレ姿を褒める。
○轟駆流→テレビのプロレスの試合を応援する。
○軍司壮太→駆とれい子が喧嘩になりそうになるので、なだめる。
○友永勇太→鵺野の怪談を聞いて、倒れる。
○三宮紫穂→鵺野の怪談を聞いて、倒れる。
○星川数美→子供達にお酒について、注意を話す。
【今回の新登場】
○峯崎拳一(熱血最強ゴウザウラー)
マッハプテラやゴウザウラー及びキングゴウザウラーのメインパイロットであるザウラーズ
の一員。スポーツ用品店の息子で、明るくお調子者だがその内に熱い心を秘めている。
特技はスケボーで、プリンが好物。勉強が苦手。一時期、機械化されてしまうが、
無事に元の体に戻る。
○立花浩美(熱血最強ゴウザウラー)
ランドステゴのパイロット及びゴウザウラーのサブパイロットである拳一の親友。
やや気弱な性格だったが、勇気を振り絞って戦場に赴くまでに成長した。
外科医である母親と二人暮らしで家事や料理をこなしている。
将来、漫画家を目指している。
○光主エリカ(熱血最強ゴウザウラー)
6年2組の副委員長であり、ザウラーズの司令官を務める。
あだ名は「エリー」。ランドステゴの情報分析担当でもある。
目立ちたがりで、将来アイドルを夢見ている。
○池田れい子(絶対無敵ライジンオー)
出席番号10番。主にライジンオーの通信担当で、プロレス好き。
ジャイアントいのばばと、アントニオ稲木を崇拝している。背が低いのを
気にしている。実家は「陽昇石油」というガソリンスタンド。
○月影ケイ(飛べ!イサミ)
トシの幼い弟。好奇心旺盛な幼稚園児で、ご先祖の残したからくり
三輪車で移動する。兄同様「ガンバマン」のファン。
1074
~旅行日程4日目~
朝のちょっとした騒ぎからしばらくして、『飛鷹Ⅲ』の中にある
運動場では、地球防衛組を中心としたチームとザウラーズを中心とした
チームによるサッカーの試合が行われた。
健「試合開始」ピッ
仁「行くぜ、あきら、ヨッパー!」
あきら「任せろ!」
ヨッパー「負けないぜ!」
拳一「止めるぞ。ボン、チョビ!」
ボン&チョビ「「応」」
始めに仁、あきら、ヨッパーが拳一、ボン、チョビがぶつかる。
仁「星史、パス!」
星史「OK!くらえ、タイガーシュート!」
ヤンチャー「させるか、止めるぜ」
地球防衛組のチームの一員である星史は、仁からボールを受け取り、
某サッカー漫画の必殺シュートを打ち込むが、ザウラーズのチームの
一員となったヤンチャー王子がそれを阻む。
大輔「賢、この試合は防衛組チームが勝つぜ!」
賢「悪いけど、ザウラーズチームが勝利するよ!」
ミノモン「がんばれ~、賢ちゃん」
チビモン「負けるな、大輔!」
試合展開が進み、サッカーが得意な大輔と賢も敵味方に分かれて
試合する中、ミノモンやチビモンはそれぞれのパートナーを応援する。
レッカ「うぉぉぉ、爆盛りシュートだ!」
ハヤト「ゴールデンに止める!」
レッカはシュートを決めるが、ハヤトはゴールキーパーとして、
全力でゴールを守っていた。
トシ「痛ぇー!」
ソウシ「大丈夫か、トシ!」
ボールを追いかけるトシだが、足を滑らせてこけてしまう。
エリ「大丈夫?今、治療するからね」
トシ「あ、ありがとうございます。エリ先生」
医療スタッフとしてキャンプに参加したスカイック族の護星天使
エリはトシの足に絆創膏を貼るのであった。
~小鈴・瑠璃の部屋~
さて、サッカーで盛り上がる中、小鈴と瑠璃が泊まっている部屋では、
瑠璃がゴーレムの出来栄えを向上させるべく、粘土人形の練習を
行っていた。
瑠璃「はぁ~、全然粘土人形が上手くならない!」
鈴雄「大丈夫、まだまだ上手くなれるよ」
イスカンダル「うむ、なかなか個性的ではないか」
両津「ん?粘土を造っているのか。・・・どれ貸してみろ」
鈴雄「・・・上手い!」
イスカンダル「ほう・・・これは甲冑の騎士か?」
両津「ほれ、やるよ」
瑠璃「・・・あ、ありがとう・・・ございます(照」
粘土の練習をしていた瑠璃だったが、上手くならず落ち込んでいると
両津が甲冑の姿をした騎士を粘土で造ってプレゼントをしたり...
1075
皆がサッカーをする一方、他のスポーツをする子供達もいた。
虎太郎「そぉれぇい!」
ワッ太「てえりゃああ!」カキーン
飛鳥「打たれた!」
勝平「回れ、回れ!」
ガンバ―チームを中心に簡単な野球を行い、虎太郎がピッチャーで
ボールを投げ、ワッ太がバットで打ち返した。飛鳥は驚き、
神ファミリーの勝平がホームを回る様に大声を上げる。
バシュ
天界「採った!」
鷹介「すごい!」
虎太郎「ナイスだぜ、天界!」
力哉「あのキャッチ力...守備としてうちのチームに入ってくれないかな」
だが天界はワッ太が打ったボールを、その身体能力で見事キャッチする。
力哉は天界のキャッチを見て、自身の所属する草野球チームに入ってくれないかと
思うのであった。
刃「よ~し、素振り50回!」
伊織「1、2、3...」
斑鳩「・・・では、こちらは切り返しを行います。しのぶさんも
イサミさんも構えて下さい」
しのぶ「はい」
イサミ「はい」
一方では、刃と斑鳩が剣の稽古をつけていた。
伊織は竹刀の素振りを行い、朝岡しのぶや花丘イサミは
打ち返しを行う。
蓮太郎「・・・(あの斑鳩って人、木更さんとどっちが強いだろうなぁ)」
延珠「むぅ~、蓮太郎他の女に見惚れるでない!」
ティナ「お兄さん...」
蓮太郎「馬鹿、そんなじゃねえよ!」
蓮太郎は遠くから斑鳩を見て、自分の上司である木更と彼女が
とちらが強いのかと考えるが、そこを延珠とティナがヤキモチを焼く。
蒼摩「ぜりゃぁぁぁ!」
龍峰「たぁぁぁぁ!」
ハチロー「うわぁ~」
ナミダ「かっこい~!」
少し離れた場所では、このキャンプに参加する聖闘士の
栄人、蒼摩、龍峰、ユナがトレーニングをしていた。
因みに光牙、エデンは現在旅に出ているので連絡がつかず
不在である。
その光景を大空魔竜の隊員であるハチローやコスモクラッシャー隊
の特別隊員である明石ナミダ等の子供達がカッコいいと感じる。
ケンタ「頑張ったら、聖闘士になれるかな?」
ユナ「そうねぇ。聖闘士になるにはまずは小宇宙(コスモ)を感じないと...」
護「小宇宙?」
天野平和レスキュー隊の天野ケンタは、自分も聖闘士になれないかと
思うが、ユナは聖闘士に必要な小宇宙を説明する。そこをGGG特別隊員
である天海護が聞き返した。
1076
蒼摩「ふぅ~、いい汗かいたぜ」
龍峰「ここに光牙君達がいない分、聖闘士代表として
僕らが頑張らないとね」
トレーニングをしていた蒼摩と龍峰は、一息ついて
汗をタオルで拭った。
きらら「蒼摩さんも、龍峰君もカッコいいわね」
クッキー「栄人君もクールでカッコいいわよ」
ポテト「うんうん」
同じくトレーニングを見ていた地球防衛組の女子メンバーも、
その姿にカッコいいと感じ、見惚れていた。
ひろし「クッキー...」
仁「あぶない、ひろし!」
ひろし「え...」バァーン
蒼摩達に見惚れるクッキーこと栗木容子を見ていた地球防衛組の
委員長である高森ひろしは、クッキーに思いをよせているので
よそ見をしていると仁の蹴ったサッカーボールが顔面にぶつかって
しまうのであった。
蒼摩「ありゃりゃ・・・お?お前もこっち来て一緒にトレーニングをしないか?」
イズナ「・・・ふん」
蒼摩「行っちまいやがった...」
ひろしが顔面にボールが当たってしまった所を見ていた蒼摩は
同じく見ていた髪が逆立っている少年―ガイストクラッシャーの
一人、黒曜イズナに声を掛けるが、一匹狼な所があるイズナは
そっぽ向いてトレーニング場を出て行ってしまった。
1077
○星川健→サッカーの審判を務める。
○日向仁→サッカーを行う。
○今村あきら→サッカーを行う。
○小川よしあき→サッカーを行う。
○月城飛鳥→ガンバーチームと野球を行う。
○高森ひろし→栗木容子に見惚れていて、顔面にボールをぶつける。
○春野きらら→蒼摩達のトレーニング姿を見て、うっとりする。
○栗木容子→蒼摩達のトレーニング姿を見て、うっとりする。
○石塚織絵→蒼摩達のトレーニング姿を見て、うっとりする。
○霧隠虎太郎→野球でピッチャーとなり、球を投げた。
○風祭鷹介→野球を行う。
○流崎力哉→野球を行う。
○峯崎拳一→サッカーを行う。
○武者小路叉音泰→サッカーを行う。
○関和孝→サッカーを行う。
○朝岡しのぶ→斑鳩から、剣の指導を受ける。
○高杉星史→サッカーを行う。
○ヤンチャー王子→サッカーを行う。
○竹尾ワッ太→野球でバッターとなり、球を当てる。
○神勝平→野球を行う。
○本宮大輔→サッカーを行う。
○一条寺賢→サッカーを行う。
○火田伊織→刃から、剣の指導を受ける。
○チビモン(ブイモン)→サッカーの応援をする。
○ミノモン(ワームモン)→サッカーの応援をする。
○白銀レッカ→サッカーで、シュートを決めようとする。
○金剛寺ハヤト→サッカーで、ゴールキーパーとなる。
○花丘イサミ→斑鳩から、剣の指導を受ける。
○月影トシ→怪我して、エリに治療をしてもらう。
○エリ→保険医として同行。怪我したトシを治療する。
○梅木瑠璃→粘土人形の練習をしていた所、両津に粘土人形をもらう。
○両津勘吉→粘土人形を作り、瑠璃に渡す。
○鉄刃→伊織に剣の指導を行う。
○斑鳩→しのぶとイサミに剣の指導を行う。
○里見蓮太郎→斑鳩に見惚れる。
○藍原延珠→ヤキモチを焼く。
○ティナ・スプライト→ヤキモチを焼く。
○仔獅子座の蒼摩→トレーニングを行う。
○龍座の龍峰→トレーニングを行う。
○鷲座のユナ→聖闘士の説明をケンタ達に教える。
○ハチロー→聖闘士のトレーニングを見る。
○明石ナミダ→聖闘士のトレーニングを見る。
○天野ケンタ→聖闘士のトレーニングを見て、憧れる。
○天海護→聖闘士のトレーニングを見る。
○黒曜イズナ→運動場の様子を見ていたが、出ていく。
1078
【今回の新登場】
○武者小路叉音泰(熱血最強ゴウザウラー)
6年2組の生徒で、「ランドステゴ」のメカニック担当。本名がいいとこの
ボンボンぽいので、あだ名は「ボン」だが、実家は至って普通の家庭。
拳一やチョビとつるんで、悪戯をしたりする。
○関和孝(熱血最強ゴウザウラー)
6年2組の生徒で、「サンダーブラキオ」の武器担当。あだ名は「チョビ」
常にサッカーボールを手放さない程、サッカー好き。お調子者で悪戯好き、
拳一やボンとよくつるんでいる。
○エリ=ゴセイピンク(天装戦隊ゴセイジャー)
ゴセイピンクに変身するスカイック族の護星天使。アラタの幼馴染であり
非常に能天気な性格をしている。口癖は「何とかなるなる」
料理の腕は見た目はざっくりとしているが、味は美味しい。
戦いを終えた現在は、小学校の保険医をしている。
○仔獅子座の蒼摩(聖闘士星矢Ω)
アテナに仕える青銅聖闘士で、14歳。出身地はメキシコ。属性は炎。
陽気で気さくな性格だが、怒ると限度を忘れるという感情の起伏が
激しい面がある。父親を火星士のソニアに殺された事で、憎しみを
ぶつけていたが、やがて許すようになる。地元は治安の良くない下町だが、
不良少年らにアニキと慕われ、女性にもモテている。
○龍座の龍峰(聖闘士星矢Ω)
アテナに仕える青銅聖闘士で、紫龍と春麗の息子。年齢は13歳。属性は水。
普段は温厚で優しいが、戦いとなると容赦が無く強かな面もある。
父紫龍が魔傷で五感を失っていた為、幼少期は母の手で育ち、父とは小宇宙で
大雑把なやり取りが出来るのみだったが回復してからは、父子の会話をするようになる。
○鷲座のユナ(聖闘士星矢Ω)
アテナに仕える青銅聖闘士の少女。年齢は13歳。属性は風。
戦災孤児であり、戦争で家族を失ってから困窮して万引きをして逃亡
していた所に遭遇し、自身を助けてくれた女性の白銀聖闘士・パブリーンの
弟子となる。掟に従い、パライストラでは仮面を着けていたが、光牙との
出会いを経て、自らの意志で仮面を外すようになった。
1079
○天野ケンタ(太陽の勇者ファイバード)
天野博士の孫で、ハルカの従弟。火鳥勇太郎の弟分で、火鳥から貰った
リスターを腕に撒いており、
宇宙警備隊地球特別隊員として活動している。
○ハチロー(大空魔竜ガイキング)
大空魔竜戦隊の基地が存在する御前崎灯台の灯台長の息子。
一応、食糧班に所属しマスコット的存在としての立ち位置を担う。
○明石ナミダ(六神合体ゴッドマーズ)
ギシン帝国の襲来で、両親を失った少年。タケルに憧れ、コスモクラッシャー隊
の特別隊員として入隊したが、足を引っ張る事が多い。
○天海護(勇者王ガオガイガー)
カモメ第一小学校に通う小学生。実は赤ん坊の時、「緑の星」から
ギャレオンによって運ばれた宇宙人で、ゾンダー化した人間を元に戻す
「淨解」を始めとする超能力を有している。本名は「ラティオ」で
その後、GGGの特別隊員となった。口癖は「うわっはー!!」
○春野きらら(絶対無敵ライジンオー)
出席番号17番。外部通信担当で、陽昇学園では放送部に所属しており
校内放送のキャスターをしていた。思った事は口にするタイプで、そのため
トラブルを招く事もしばしばある。飛鳥ファンクラブのリーダーをしていたが
中学でファンクラブを解散した。夢はニュースキャスター。
○栗木容子(絶対無敵ライジンオー)
出席番号13番。ライジンオーのレーダー担当。あだ名は「クッキー」
幼児体型で無邪気な性格をしている。かわいい物が好きで、ぬいぐるみ集め
が趣味。嫌いな物はゴキブリ。高森ひろしとは幼馴染だが、本人は月城飛鳥
に夢中である。夢は保育士。
○石塚織絵(絶対無敵ライジンオー)
出席番号11番。鳳王各種センサー系モニター、ライジンオーダメージカウンター
担当。食べる事が趣味で、ポテトチップスが好物な事から「ポテト」と呼ばれている。
大らかで体系も気にしていない。実家は肉屋の「石塚精肉店」夢はパティシエ。
○高森ひろし(絶対無敵ライジンオー)
出席番号6番。地球防衛組の副司令官及びライジンオーの各種武器セーフティー管理担当
バクリュウオーサブパイロット。男子委員長であり、実家は電気屋「高森ラジオ」
クラス一の常識人で、普段あまり目立たないが信頼は厚い。栗木容子とは
幼稚園から幼馴染で、思いを寄せている。夢は学校の教師。
○黒曜イズナ(ガイストクラッシャー)
オリンポリス『オブサイド』出身。雷属性の『ライトニング・ドラグーン』
を装着して戦う。幼少の頃、ガイストによって姉を亡くし、洗脳を受けて
ボルカン所長やGCGに憎しみを抱いていたが、自分が騙されていた事を
知ると、紆余曲折を経て和解する。
1080
~航海6日目・合宿1日目~
航海6日目にして、ようやくブリアン島へと到着した飛鷹Ⅲ。
仮設の桟橋に接岸し、子供たちが一斉に島へと降り立つ。
仁「イヤッホー!」
大輔「南国の島だぁー!」
学「コラみんな! 慌てず順番に降りるんだぞ!」
桟橋の先で子供たち一行を出迎えたのは、
アロハシャツを着たズングリムックリ体型の少年と、
全員がタマネギ風の髪型で、同じ形の眼鏡をかけ、菱形の口をしている
お付きの人と思しき複数の人間たちだった。
皆本「ご無沙汰しております、パタリロ殿下」
パタリロ「皆本か、久しぶりだな。不二子ちゃんは元気にしてるか?」
薫「皆本、この子だれ?」
皆本「マリネラ国王、パタリロ・ド・マリネール8世陛下だ。
今回の合宿では名誉幹事をお引き受けいただいている」
紫穂「ふ~ん…」
タマネギA「皆本さん、この島には我々が先乗りしていましたが、
今現在の時点まで何の問題もありませんでした」
皆本「ありがとうございます」
パタリロ「ではゆっくりしていってくれたまえ。
僕らはこの辺で…」
パタリロがお付きの武官であるタマネギ部隊を引き連れて、
その場から悠々と離れようとした時、たまたま近くで荷物を運搬中だった
千鳥かなめがそれを見つけて見咎める。
かなめ「君、ちょっと待ちなさいよ!」
パタリロ「…………」(←無視している)
かなめ「そこの潰れ肉まん君!」
パタリロ「…………」(←無視している)
かなめ「そこの脂肪ロース君!」
パタリロ「…………」(←無視している)
かなめ「そこのジャ●ーズアイドルみたいな美少年!」
パタリロ「何か?」
かなめ「……(コイツはっ…!!)(怒」
パタリロの態度に内心ブチ切れるかなめだったが、
そこは必死に冷静さを保って大人らしくパタリロに注意する。
かなめ「何か?…じゃないわよ! 君もこの合宿の参加者なんでしょ。
他の子供たちと同じように荷物を運んだり準備を手伝ったりしなきゃ
ダメじゃない!」
パタリロ「ハァ? 何を言う。僕は国王だぞ!
なんで貧しい一般庶民どもと同じ作業をせにゃならんのだ?」
皆本「ああ…千鳥さん、この御方は別にいいんです」
かなめ「いいえ! 国王だか何だか知りませんけど、
合宿に参加する以上は他の子供たちとも平等に扱うべきです!」
葵「かなめはんの言う通りや! 名誉幹事だとしても
ウチらと同じ子供なら特別扱いすべきやない!」
葵たちまでかなめの意見に同調し始める。
パタリロ「ふん…バカバカしい。僕らはこれにて失礼する!」
かなめたちの忠告を無視して立ち去ろうとするパタリロ。
その向かう先には、いつの間にか超豪華なペンションのような建物が
おっ建てられていた。どうやらこの潰れあんまんは、他の子供たちが
懸命に汗水垂らしてテントを設営しているのを尻目に、自分たちだけ
贅沢なリゾート生活を味わうつもりらしい。
ついに、かなめの堪忍袋の緒が切れた…。
かなめ「ソースケ、やっちゃって…」
宗介「了解した、千鳥!」
相良宗介はどこからか口径66mmの対戦車ロケット砲M72 LAWを取り出し、
数十メートル先に見える超豪華ペンションめがけて発射した。
あっという間にペンションは木っ端微塵に…。
パタリロ「な、なにぃぃっっ!!!!!」
皆本「うわああっ!! な…なんてことをぉぉ!!
これで日本とマリネラの外交問題にでも発展したら!?」
茫然自失となるパタリロと皆本。
宗介「安心しろ皆本二尉。責任は全てミスリルで持つ。
貴方個人や日本政府に迷惑はかけない」
タマネギB「大丈夫ですよ皆本さん。そもそも今回の合宿に
殿下を参加させたのは、常日頃の殿下の自堕落な生活を
心配されたエトランジュ様のご意向なんです」
皆本「エトランジュ様というと、確かパタリロ殿下のご生母で、
マリネラ王国の現皇太后の…?」
タマネギC「殿下にはきっといい薬ですよ」
こうして合宿の波乱の一日目は幕を開けた。
1081
キャンプ場には小さなコテージが一軒あって、
主に大人達がそこへ荷物の搬入を行なっていた。
2階建ての南国風ログハウスで、
屋根には太陽光発電のソーラーパネル、床下には地下水を汲み上げるポンプがあり、
インフラのないこの無人島でも電気や水道が使えるようになっている。
かなめ「ほら、超豪華ペンションなんてなくても、
こんな小洒落たコテージがちゃんとあるじゃない」
パタリロ「うう…。この僕が寝泊まりするには、
少々質素すぎるホテルだが…」
タマネギD「何を仰せられます?
このコテージは宿泊には使いませんよ。
何しろ4人用のベッドルームが1室あるだけで、
皆で寝泊まりするにはあまりに小さすぎますからね」
タマネギE「殿下には、こちらのテントにお泊まりいただきます。
最高級のペルシャ布で編まれたスペシャルオーダーメイドの一品です。
さあ、設営の準備を!」
パタリロ「な、何~い!?」
意味不明なところに金をかけた特別仕様のテントを担がされ、
パタリロはトボトボとコテージを去って行った。
学「ここは炊事の時にキッチンを使うくらいで、
基本は皆テントという事になります。トイレや洗濯もここで。
それと病人や怪我人が出た場合は、
ベッドルームに寝かせて看護しましょう」
文矢「風呂はここでシャワーを浴びてもいいけど、
ちょっと歩いた森の中に温泉があるから、
できるだけそっちを使ってもらいます」
さて、相良宗介に自分が泊まる予定だった超豪華ペンションを
木っ端微塵に吹き飛ばされ、コテージからも追い出されてしまったパタリロだったが、
なんだかんだとぶつくさ文句を言いつつも、意外にも
他の子供たちとも仲良くしながらせっせとテント設置作業に励んでいた。
かなめ「へぇ~。すぐに音を上げると思ってたのに、
なかなかやるじゃない」
作業を手伝いながらパタリロの様子を伺っていた
千鳥かなめが感心していると、タマネギ部隊の数人が
話しかけてきた。
タマネギA「ああ見えて殿下はなかなかタフですよ。
僅か10歳でご父君を亡くされ、その小さい両肩に
国家と国民の将来がのしかかっておいでなのですから」
かなめ「そっか…。あの子も小さいながらに苦労してるんだ」
タマネギB「並みの苦労ではありませんよ。
内乱が勃発した某独裁国家から銃弾の飛び交う中、
戦闘機を一機失敬して脱出を敢行されたこともありましたし」
タマネギC「数万光年彼方の銀河宇宙を放浪して、
奴隷商人に捕獲されて売り飛ばされそうに
なったこともあったよな」
かなめ「………す、すごい苦労してたのね(汗」
一方、皆が着々とテントを設置していく中、木っ端微塵となった
超豪華ペンションの跡地をこそこそと動く人物がいた。
ボルボ「何をしているんだ、両津?」
両津「何だ、ボルボか。木っ端微塵になったが、ここは超豪華な
ペンションだったんだ。ならば、金目の物が残っているかもしれんだろ?」
ボルボ「お前な・・・(汗」
両津は金目の物が無いかと火事場泥棒の様なマネをしていて、
ボルボは呆れていた。
1082
五郎「拳一、ボン、チョビお喋りしていないで手を動かす。
マーボー、洋二へばっていると終わらないぞ!」
ザウラーズの学級委員長である石田五郎は、作業が遅い拳一達に
指示を出すが、あまり聞いていなかった。
プッツン
五郎「お前ら、仕事をしろ~~~~!!」
拳一「やべえ、五郎が爆発した!」
真面目だが、怒りの沸点が低い五郎は仕事をサボっている拳一達に
ついに感情を爆発してしまい、拳一達は慌てて仕事を再開する。
雲雀「きゃ、痛ぁ~い」
飛鳥(地球防衛組)「大丈夫ですか?」
ソウシ「大変だ、足から血が出ている。僕が救護用のテントまで送ります」
飛鳥&ソウシ「「ん?」」
荷物を運んでいた雲雀を地球防衛組の月城飛鳥としんせん組の雪見ソウシ
が駆け寄る。その時、飛鳥とソウシはお互い、目を合わせる。
飛鳥「(何か・・・)」
ソウシ「(・・・キャラが被る)」
お互い気障で、女子にモテモテという共通点のある飛鳥とソウシは
両者共にキャラが被っていると思うのであった。
柳生「お前達・・・雲雀を泣かせたな?」ゴゴゴゴゴ
飛鳥「えっ?」
ソウシ「ちょっと、柳生さん?」
柳生「雲雀から、離れろ!」
飛鳥&ソウシ「「うわぁぁぁ」」
雲雀を大切に思う柳生は、足を怪我して涙を流す雲雀を見て
飛鳥とソウシが泣かせたと勘違いして、鬼の様な凄みで睨みつける。
飛鳥とソウシはその場から、逃げ出した。
柳生「さぁ、雲雀。傷の手当てをしに行こう」
雲雀「柳生ちゃん...」
鬼の形相から一変、雲雀に微笑みかける柳生に
雲雀は若干、引くのであった。
イスカンダル「うむ。こうしてみると遠征を繰り返していたあの頃を
思い出すのう」
別の場所では、イスカンダルはテントが次々と設置していく様を見ていて、
生前、東方へと遠征していたあの頃を思い出し感慨にふけっていた。
鈴雄「イスカンダルさ~ん、見ていないでテント張り手伝って下さい」
小鈴「大丈夫、お兄ちゃん?」
瑠璃「コーチ、私も荷物お持ちします」
テントを張るべく、荷物を担いでた鈴雄に小鈴や瑠璃が手伝う。
ジョディー「Hey、皆ランチタイムよ!」
レッカ「おっ、待ってました!爆盛りで喰うぜ」
正午になると、ジョディ―を始めとした食事担当の子供達が
お昼の弁当を持ってくる。
マーボー「うわぁ、美味しい」
ワッ太「うん、郁恵ちゃんのおやつにも負けないな」
大輔「ああ~、光ちゃんが作った弁当を食べられるなんて幸せだ!」
テントの設置でお腹を空かせていた彼らは、弁当を美味しそうに
食べていく。大輔は思いを寄せる光が作った弁当を食べる事が出来て、
涙を流す程、喜んでいた。
結花「はい、金太君」
金太「お・・・ありがとう、ユカ(照」
マリア「仁、口にご飯粒がついているわよ」
仁「おおう・・・」
りんね「これ、私が作ったおかずなんだけど...」
駆「へぇ~、美味しいぜ!」
りんね「ポッ」
あきら「何だろう...」
ヨッパー「急に、周りが熱くなった気がする」
食事を担当していたマリア達が仁達に弁当を薦めていく。
イチャイチャした雰囲気に特定の女の子と親しくない男子達は
周りの温度が熱くなったような気がするのであった。
瑠璃「コーチ、林檎で兎を作ってみました!食べて下さい」
鈴雄「ありがとう、瑠璃ちゃん」
延珠「蓮太郎、妾が食べさせてやるぞ」
ティナ「お兄さん、私が食べさせます」
蓮太郎「・・・お前ら(汗」
薫「皆本、私の弁当を食べてくれ!」
葵「いや、皆本はんは京風弁当が食べたい筈や」
紫穂「おほほ、皆本さんは私の弁当が食べたいのよ」
皆本「勘弁してくれ...」
雰囲気に当てられてのか、瑠璃は不格好ながらも林檎の兎を
鈴雄に渡す。延珠やティナ、ザ・チルドレンの3人も思い人に
弁当を食べさせようとしたり、弁当を渡したりする。
きらら「・・・鈴雄さんや蓮太郎さん、皆本さんって...」
ハルカ「イケメンだけど」
エリー「ロリコン?」
その様子を見ていた他の女子達に鈴雄や蓮太郎、皆本は
ロリコン疑惑を掛けられるのであった。
1083
コテージ内のキッチン***
エリ「ふ~ん、それでさっきからみんな
機嫌が悪そうだったのね」
ユナ「それだけみんなのことを気にしてくれているのよ。
きっと貴女たちのことを妹みたいに思ってるのね。
皆本さんも蓮太郎さんも」
延珠「そこがまた気に入らんのじゃ!」
葵「そーやそーや!」
川のほうへと出かけた男子チームが魚を釣って帰ってくるのを待ちつつ、
野菜などの食材の下ごしらえの最中の女子チームである。
船旅の最中、夏の思い出を作ろうと色仕掛け全開で
皆本や蓮太郎に迫ったものの、尽く不発に終わり
ご機嫌斜めの薫や延珠たち。彼女らと一緒に作業している
ゴセイピンク=エリ(仮面ライダーバース・プロトタイプ/伊達明と共に
保険医として同行)や青銅聖闘士・鷲座(アクィラ)のユナは、
薫たちから延々と愚痴を聞かされ続けているのであった…。
ユナ「可愛いから尚更自制してるのよ」
薫「だけどー!」
一方、その頃…。
川原***
コテージやテントが設置された場所から
少し離れた位置にある川原である。
タマネギ「じゃあ頑張って釣って来てください」
タケル「お世話になります」
魚釣り用の餌を運んできたタマネギ部隊から
餌のたっぷり入ったバケツを受け取る男子チーム。
宗介「山本特務技官殿、ここで我々が釣った魚が今夜の
メインディッシュになるということか?」
大介「まー、そういうことになるな。しかしソースケ、
その"特務技官殿"という呼び方は止めてくれ。
俺の事はアマゾンでいい」
相良宗介から特務技官などという堅苦しい肩書きを勝手に付けられ、
指導役である仮面ライダーアマゾン/山本大介はかなり困惑していた。
宗介「…うむ、わかった。それではアマゾン、
魚を釣るならばもっと効率的な作戦を提案したい」
大介「……??」
宗介「これで根こそぎにしてはどうでありますか?」
宗介は懐から徐(おもむろ)に手榴弾を取り出した。
瞬く間に大介は血の気が引き、大慌てでそれを引っ込めさせる。
大介「武器の使用は許可できない!
頼むから現地のルールに従ってくれ!…(汗」
1084
さしもの栄光の昭和ライダーに名を連ねるアマゾン=山本大介も、
戦争ボケ男=相良宗介の前には形無しである。
その様子を同じく釣りをしながら伺っている少年がいた。
蒼摩「…まったく、何やってんだか」
仔獅子座(ライオネット)の蒼摩(そうま)。
栄斗やユナたちと同じく今回のキャンプに参加してきた
次世代の青銅聖闘士の一人である。
賢「餌はイクラとハニーワームがあるけど…」
ワームモン「賢ちゃん、ハニーワームって何?」
賢「蜂の巣に寄生する芋虫で、釣り餌の定番だよ」
賢は笑顔でそう言うと、ワームモンの目の前で
ハニーワームを釣り針にブスリ!と刺し込む。
ワームモン「ちょ…ちょっと複雑な気分だよ…(汗」
大輔「うわ! もう釣れたぞ!」
ブイモン「やったね大輔!」
蒼摩「ほら、お前らもどんどん釣れ!
今夜は忙しくなるからな。メシはなるべく早く
済ませねーと」
伊織「蒼摩さん、何でですか?」
伊織から問われた蒼摩の目つきが途端に怪しくなる…。
蒼摩「夏の思い出…欲しくねーか?」
大輔「――!!」
賢「――!!」
タケル「――!!」
伊織「――!!」
蒼摩「そこに魚(オンナ)が泳いでいるっていうのに、
男が手をこまねいて見てていいわけないだろ?」
大輔「マ、マジッすか…!?」
蒼摩「俺が手伝ってやるよ。なあに、お前らなら
落とすのは難しくねえ。あとはお前らのやる気次第だ。
各自、今の内に攻略目標を決めておけ!」
タケル「こ、攻略って…(汗」
1085
~その日の夜~
ブリアン島少し山奥の神社***
ここはキャンプ地から少し山奥を登ったところにある神社。
――と言っても、日本領でもない無人島に元々神社がある訳が無いので、
当然この日のイベントのために前もって設置された即席のセットである。
骸骨女(紫穂)「ヴがあああぁぁぁ!!!!!」
夜の肝試しイベント。ゴールである神社にやって来たカップルを
骸骨女の扮装をした紫穂が脅かすが…。
アルマジモン「だぎゃ?」
紫穂「キャアアァ――ッッ!!!」
元々幽霊などが苦手で恐がりの紫穂は、
夜の闇でよく見えないデジモンの人影を見て
逆に悲鳴を上げて腰を抜かしてしまう始末であった。
伊織「紫穂さん、どうしたんですか?」
アルマジモン「オレはお化けじゃないだぎゃ!(怒」
骸骨女(紫穂)「だって~!だって~!)ガクガクブルブル」
幽霊(蓮太郎)「おいおい、脅かす側がビビッテどうするんだよ!」
伊織と共にゴールに着いたものの、
お化けと間違われ憤慨するアルマジモン。
未だに立ち上がれず震えたままの紫穂。
そして紫穂と同じく裏方として幽霊役に回り、
三角の白紙の額烏帽子(ぬかえぼし)をつけ
白衣を着た蓮太郎である。
骸骨女(紫穂)「なんで肝試しなのよ! こんなのつまんない!
花火とかキャンプファイヤーでもいいじゃない!」
幽霊(蓮太郎)「文句があるならあの蒼摩って奴に言ってくれ。
肝試しを提案したのはアイツだろ。お前があんまり
恐がるから仕掛け側にしてやったんじゃないか」
骸骨女(紫穂)「納得いかないわ! この隙に薫ちゃんや葵ちゃんに
抜け駆けでもされたら誰が責任とってくれるわけ!?」
幽霊(蓮太郎)「でもあの皆本って人は"引率のお兄さん"から、
決してブレたりしないと思うぜ」
骸骨女(紫穂)「まーね、その点は皆本さんもあなたも
つまんない人よね。延珠ちゃんとティナちゃんが可哀想…」
幽霊(蓮太郎)「…ん? 何か言ったか?」
骸骨女(紫穂)「いえ別に」
皆本の第一印象を述べた蓮太郎に対して、
「お前がそれを言うか!」という感情を顔に出す紫穂。
幽霊(蓮太郎)「わかったらちゃんとお化けらしく仕事しろ。
みんなが迷わないための監視員も兼ねてるんだからな。
ビクビクしてると本物の幽霊が寄ってくるぜ」
骸骨女(紫穂)「ちょ、やめてよ!マジで殺すわよ!」
1086
神社へと続く山道***
京「キャーキャー賢くーん!!!!!!」
賢「苦しい…苦しいよ京さん!」
目の前を浮遊する火の玉に驚いた京が
咄嗟に賢に抱きつく。
京「だって…」
賢「よく見なよ京さん。毛糸球が燃えているだけさ。
きっと裏方に回ったヒーローの誰かが念動力か何かで
燃やしてるんだよ」
怖がる京を賢は必死に宥める。
賢の指摘どおり、この火の玉は蒼摩が火の属性の小宇宙(コスモ)を
利用して作り出したものだった。
蒼摩「賢、グッジョブだ! このまま一気にフラグを!」
一方、同じ山道ルートの少し離れた位置では…。
ティナ「へぇー、お爺様が税金の面でいろいろとご苦労を…」
ケンタ「そうなんだよ」
延珠「延珠ちゃんと呼んでくれて構わないのだ!」
北斗「ありがとう延珠ちゃん」
大輔「なぜだああ~!! なんでヒカリちゃんとペアじゃないんだああ~!!
しかもよりにもよって男と!? 話が違うっすよ蒼摩さあん!!!」
龍峰「うう…なんかよくわからないんだけど……とにかくごめん(汗」
それぞれくじ引きで選ばれた、ティナ・スプラウト&天野ケンタ、
藍原延珠&草薙北斗、本宮大輔&龍座(ドラゴン)の龍峰のペアが
時間差を置いて順次出発してゴールの神社を目指していたのであった。
1087
勇太「うう~、怖いなあ。」
勉「大丈夫ですよ、勇太君。驚かすのは、他の皆なのですから
怖がる必要はありません!」
勇太と勉のペアはゴールを目指すが、お化けの苦手な勇太は
怖がるが、勉が怖がる必要が無いと励ます。・・・というわりには
勉の恰好はお祓いをする時の衣装に着替えていた。どう見ても、
怖がっている証拠である。
ピタ
勇太「ひぃぃぃ~~、今誰かが触った様な・・・」
勉「き、きっと誰かが背中にコンニャクを付けたとか、そんな所ですよ。
はは・・・はは...」
悪寒を感じた勇太に、勉は誰かが仕掛けたのだと言うが、
顔を引き付けながら、苦笑していた。
ピタ
勉「うわぁぁぁ、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・ブツブツ」
勇太同様、背中に誰かが触った様な感覚がした勉は
念仏を唱えだす。
がさがさ
勉「だ、誰ですか!?」
化け猫A「にゃぁぁぁぁ」
化け猫B「にゃぁぁぁぁぁ」
勇太&勉「「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」」
茂みから両目を光らせた化け猫が2匹飛び出したので、
驚いた勇太と勉は向こうへと逃げ出すのであった。
化け猫B(虎太郎)「へへ、驚かせ成功♪アトム、サーチライト消していいぞ」
化け猫A(アトム)「分かったよ、虎太郎君」
茂みから現れたのは、化け猫に変装した虎太郎とアトムだった。
因みに虎太郎は虎猫の様に縞模様があり、アトムの方は両目の
サーチライトがついていた。
鷹介「それにしても、アトムって猫の恰好が似合うよね」
力哉「アトムキャットって所だな」
コンニャクをぶら下げた竿を持った鷹介と力哉も、茂みから
現れて猫そっくりなアトムに感心した。
一方、別のルートでは...。
フランケンシュタイン(大介)「うがぁぁぁ」
りえ「ああん?てめぇ、『稲妻崩しのりえ』と知って、ガンたれにきたのか!」
フランケンシュタイン(大介)「ひぃぃぃ」
ダンゴ「お、おい。大介が怖がっているから辞めなよ~」
りえ「あ~ん。団さまが言うなら、許すわ」ルンルン
フランケンシュタインの怪物に扮した大介だったが、スケ番で
団五郎と同じバトルスーツ・フラッカー1号の搭乗者で、一方的に
慕っている轟りえがガンを飛ばす。それにより、大介は逆に
怖がったので、団五郎がりえを止めて、途端にりえは態度を
変えるのであった。
~キャンプ場~
きゃぁぁぁぁ
伊達「おっ、悲鳴が聞こえてきた。青春だねえ~」
イスカンダル「全くだのう」
キャンプ場では、外科医の伊達明はイスカンダルと共に
持ち込んだおでんを食べながら、肝試しの様子を見ていた。
イスカンダル「・・・所で、お主は医者でありながら相当強いと聞く。
どれ、余に仕えて共に世界を治め、ゆくゆくはあの満天の
星の海を旅しようではないか?」
イスカンダルは伊達の医療技術とバースとなってグリードと戦った戦闘経験
から、自分の臣下に加えようと星空を指さしながらスカウトを持ちかける。
伊達「はっはっは、アンタ面白い事を言うね。
でも、まだまだこの世界には傷ついている人達が大勢いるんだ。
俺はその人等を治療しなければならないんでね。断るよ」
イスカンダル「・・・そうか、残念だのう」
伊達に断られ、肩を落とすイスカンダルだが、すぐに気持ちを
切り替えて、おでんを口にするのであった。
1088
~肝試しの後~
駆「へへ、風呂だ~!」
虎太郎「俺も入るぜ!」
ザッパ~ン
駆「気持ちいいぜ」
勉「駆君、虎太郎君。風呂に飛び込んではいけません」
肝試しが終わり、ブリアン島へ来て最初の入浴となった。
風呂に飛び込んだ駆と虎太郎に勉が注意をする。
ひでのり「そうですよ。まずは体を洗ってから、湯船に浸かるのです」
あきら「よ、我らが銭湯愛好家!」
ヨッパー「言う事が違うぜ」
地球防衛組の一人で、銭湯愛好家である近藤ひでのりは
お風呂でのルールを駆達に教える。あきらとヨッパーはそれを
囃し立てた。
葛城「おお、イサミ。胸成長したかぁ~♪」
トシ「ピク」
イサミ「や、やめて下さい。葛城さん!」
ソウシ「ピク」
壁の向こうにある女湯から、葛城がイサミの胸を触ろうとする
会話が聞こえてきて、トシとソウシが反応する。
まい「ゆい、肌スベスベになってないか?」
ゆい「そういう、まいも日に焼けて、健康的な小麦色じゃないかしら?」
ミニナイト「はっはっは、ゆい。ゆい」
剣「やめろ、ミニナイト」
続いて、神代ゆい、まいの会話を聞いて、ミニナイトが壁に
近づこうとするが、剣がそれを止めようとする。
エリカ「しのぶ、また胸大きくなってない?」
しのぶ「そ・・・そうかな?」
薫「ふふふ、ならこの私が確かめてあげよう。うりゃぁー」
しのぶ「け、結構よ!」
さらにしのぶの胸を揉もうと、薫がセクハラを始める。
大輔「この壁の向こうには、ヒカリちゃんがいるんだよな...」
ボン「向こうには...」
チョビ「女の子がいっぱい...」
風呂に入浴していた男子達は、女の子の会話を聞こうと
壁に集まってくる。
名護「おっほん」
男子一同「―ギクッ」」
名護「君達、君達が思春期の男子だという事は十分分かっている。
女の子にも興味を持つだろう。しかし、君達の年齢だと悪戯で
済むだろうが、覗きは本来、犯罪行為だ。そのような行為を
この名護啓介は見過ごすわけにはいかない。もし、したならば、
それ相応の罰が下る事を覚えておきなさい」
男子一同「―は、はい」
湯気の向こうから現れたのは、「素晴らしき青空の会」所属の
バウンティハンター・名護啓介。その凄みから、男子一同は
おとなしく湯船に浸かるのであった。
名護「そんな下らない事よりも、自分が世界のために何ができるかを考えなさい。
そもそも私がこの合宿に敢えて参加したのは、
ブレイバーズの、そして人類の未来を担う若い君達を教育し、
ゆくゆくは私がブレイバーズの長となって、
世界の在り方を管理していくためなのだ。
私は正しい。君達は、私を信じてついて来なさい」
男子一同「はぁ…」
良い事を言っているようでどこか勘違いしているような、
よく分からない説教をしてから名護は立ち上がった。
名護「では、私はもう出る」
1089
○皆本光一→ブリアン島に上陸。
○明石薫→ブリアン島に上陸。食材の下ごしらえ中に愚痴をつぶやく。
○野上葵→ブリアン島に上陸。食材の下ごしらえ中に愚痴をつぶやく。
○三宮紫穂→ブリアン島に上陸。食材の下ごしらえ中に愚痴をつぶやく。肝試しではお化け役に。
○パタリロ・ド・マリネール8世→ブリアン島合宿の名誉幹事を引き受けていた。千鳥かなめと口論する。
○タマネギ部隊→パタリロに付き従って、ブリアン島に先駆けで上陸していた。
○千鳥かなめ→ブリアン島に上陸。パタリロと口論する。
○相良宗介→ブリアン島に上陸。かなめの指示で、パタリロのペンションを破壊。
その後魚釣り担当チームに同行。魚捕獲に手榴弾を用いようとし、アマゾンを慌てさせる。
○エリ→食材の下ごしらえ中に、藍原延珠や明石薫から愚痴を聞かされる。
○鷲座のユナ→食材の下ごしらえ中に、藍原延珠や明石薫から愚痴を聞かされる。
○藍原延珠→食材の下ごしらえ中に愚痴をつぶやく。→夜の肝試しでは草薙北斗とペアに。
○ティナ・スプラウト→食材の下ごしらえ中に愚痴をつぶやく。夜の肝試しでは天野ケンタとペアに。
○山本大介→魚釣り担当チームに指導役として同行。
○仔獅子座の蒼摩→男子の面々に女子との思い出作りを唆し、肝試しを提案。
○本宮大輔→夜の肝試しに参加するが、当てが外れて龍峰とペアに。
○一乗寺賢→夜の肝試しに井ノ上京とペアとなり参加。
○井ノ上京→夜の肝試しに一乗寺賢とペアとなり参加。
○高石タケル→魚釣りに行く。
○火田伊織→肝試しにアルマジモンとペアになり参加。
○アルマジモン→夜の肝試しに火田伊織とペアになり参加。三宮紫穂にお化けと間違われ憤慨する。
○里見蓮太郎→肝試しに幽霊役として裏方に回る。
○天野ケンタ→夜の肝試しではティナ・スプラウトとペアに。
○草薙北斗→夜の肝試しでは藍原延珠とペアに。
○龍座の龍峰→夜の肝試しでは本宮大輔とペアに。
○名護啓介→女湯に興味を示した男子一同を注意する。
1090
○石田五郎→ザウラーズにテント設置の指示。話を聞いてくれないので怒りを爆発する。
○峯崎拳一→テント設置を行う。
○藤吉雅夫→テントを設置して、昼食を食べる。
○白金太郎→テントを設置。昼食の時に、結花に食べさせてもらう。
○水原結花→昼食の時に、金太に食べさせてあげる。
○日向仁→昼食の時に、マリアに口にご飯粒がついている事を指摘される。
○白鳥マリア→昼食の時に、仁に口にご飯粒がついている事を指摘する。
○小島勉→肝試しの時に、勇太とペアを組む。化け猫に扮したアトムと虎太郎を怖がる。
○佐藤大介→肝試しで、フランケンシュタインの怪物に扮して驚かすが、
りえにビビる。
○近藤ひでのり→虎太郎と駆流に風呂のマナーを教える。
○月城飛鳥→足を怪我した雲雀を救護用のテントに連れていこうとする。
しかし、柳生を怖がって逃げ出す。
○雪見ソウシ→足を怪我した雲雀を救護用のテントに連れて行こうとする。
しかし、柳生を怖がって逃げ出す。
○雲雀→テント設置している時に、足を怪我する。
○柳生→雲雀を怪我させたと思い、飛鳥とソウシを睨みつける。
○イスカンダル→テントを設置。肝試しの時には伊達をスカウト
しようとするが、断られる。
○桜咲鈴雄→テントを設置する。昼食の時に瑠璃から林檎のウサギをもらう。
○桜咲小鈴→テントを設置する。
○梅木瑠璃→テントを設置する。昼食の時に鈴雄に林檎のウサギを送る。
○両津勘吉→爆破されたペンションから、金目の物が無いか物色する。
○ジョディー・爆竜・カレン→昼食を用意する。
○轟駆流→りんねの作ったおかずを食べる。
○稲葉りんね→駆流に自分の作ったおかずを食べてもらう。
○友永勇太→肝試しで、勉とペアを組む。化け猫に扮したアトムと虎太郎を怖がる。
○霧隠虎太郎→肝試しで、アトムと一緒に化け猫となって驚かす。
○風祭鷹介→肝試しで、こんにゃくを使って驚かす。
○流崎力哉→肝試しで、こんにゃくを使って驚かす。
○アトム→肝試しで、虎太郎と一緒に化け猫となって驚かす。
○轟りえ→肝試しで、団五郎とペアを組む。フランケンシュタインの怪物である
大介にビビらせるが、五郎に言われて態度を変える。
○団五郎→肝試しで、轟りえとペアを組む。
○大牙剣→風呂場で、女湯に行こうとするミニナイトを制する。
○ミニナイト→女湯に行こうとするので、剣に止められる。
○伊達明→救護スタッフとして、同行。イスカンダルからスカウトされるが断る。
1091
【今回の新登場】
○石田五郎(熱血最強ゴウザウラー)
春風小学校6年2組の学級委員長で、ザウラージェットのメインパイロット
及び分離した時、サンダーブラキオの砲手。普段は真面目で大人しいが、
クラス内が騒がしい時に注意しても、無視されると激怒する。唯一、
ゴウザウラー、マグナザウラー、グランザウラーを完璧に乗りこなした。
○藤吉雅夫(熱血最強ゴウザウラー)
常に何かを食べているザウラーズの一員。あだ名は「マーボー」
マッハプテラの武器を担当。普段はのんびりとしているが、食べ物が
関わると行動的になる。クラスメイトの大山育代とは休日に食べ歩きをする仲。
○白金太郎(熱血最強ゴウザウラー)
ザウラーズの一員である柔道少年。あだ名は「金太」当初は、ランドステゴ
の武器管制、ゴウザウラーの戦略及び分析を担当していたがマグナティラノに
乗り込み、マグナザウラーのパイロットとなる。ある事が切欠で結花とは恋仲となる。
○水原結花(熱血最強ゴウザウラー)
ザウラーズの一員である、一番小柄な少女。マッハプテラのレーダー担当。
気が弱くクーコ、はるえと共に「弱虫コンビ」に数えられる。金太とは恋仲
○小島勉(絶対無敵ライジンオー)
地球防衛組・出席番号3番。参謀格であり、コンピューターオペレーター。
普段は社交的だが、典型的ながり勉タイプ。探究心が強い。心霊道場を
営む祖母の影響で、オカルト方面の知識も豊富。夢はIT技師かコンピューター
プログラマー。ザウラーズの小島尊子とは親戚同士。
○佐藤大介(絶対無敵ライジンオー)
地球防衛組・出席番号5番。獣王回路系モニター、バクリュウオー・ファイター時
センサー系モニターチェック担当。クラス一背が高く、気は優しくて力持ち。
年下の弟妹が大勢いるので、両親の不在には彼らの面倒を見ている。夢は
エンジニアで、ライジンオーの整備も担当している。
○近藤ひでのり(絶対無敵ライジンオー)
地球防衛組・出席番号4番。主にライジンオーのレーダー担当。地元有数の
企業「絶対グループ」の御曹司で優しい性格をしている。2年生の頃、川に
溺れた掛けた事があるので泳げなかったが、克服。以来、銭湯愛好家となる。
実家が資産家ではあるものの、夢はピアニスト。
1092
○大牙剣(獣神ライガー)
善神アーガマの血を引く少年で、ライガーの操者。右手に獅子の痣を持つ。
明朗快活な熱血漢で、少しスケベ。また面倒見の良いガキ大将な気質がある。
祖父と共に釧路に住んでいたが、ドラゴ帝国の魔竜戦士に襲われて、ライガーの
操者として目覚めた。
○団五郎(獣神ライガー)
剣の親友で、愛称は「ダンゴ」剣同様スケベで一緒に悪ノリする事が多い。
実家は魚屋。仲間に加わるが、力になれない事に悩んでいたが、後に開発
されたバトルスーツのパイロットに登録された事から、バトルスーツ隊の
一員となって戦った。
○轟りえ(獣神ライガー)
趣味でロボットの研究をしている轟博士の娘で、自称『稲妻崩しのりえ』
を名乗る男嫌いなスケ番。逆恨みで剣を襲うが、ライガーに助けられて
剣に惚れる。その後、バトルスーツフラッカーのパイロットとなり、終盤で
団五郎に惚れた。
○神代ゆい(獣神ライガー)
善神アーガマの血を引く、双子姉妹の姉。ロングヘアーで女の子らしい服を
着ており、お淑やかな性格をしている。妹のまいと協力して重装馬ベガルーダ
を召喚する。終盤、「邪神ドラゴを復活させるための鍵」だという事が発覚した。
○神代まい(獣神ライガー)
善神アーガマの血を引く双子姉妹の妹。ショートヘアーで動きやすい服を
着ており、活発な性格をしている。姉のゆいと協力して重装馬ベガルーダを
召喚する。「善神アーガマを蘇らせる」役割を担い、剣、リュウ・ドルクと
共にアーガマを復活させ、姉の救出と邪神ドラゴの撃破を行った。
○ミニナイト(獣神ライガー)
封印の岩そっくりの小岩から生まれた小さな竜。寄生ドラゴナイトを好物としている。
ドラゴ人だが、剣や神代姉妹との出会いによってドラゴ帝国を嫌っている。
非常に大食いで、エッチな性格をしている。最終的に本来の人間の姿に戻った。
○伊達明=仮面ライダーバース・プロトタイプ(仮面ライダーOOO)
鴻神会長に雇われ、バースの装着者となった医者。銃弾を頭部に受けたので、
それを摘出する手術費用「1億円」を稼ぐべく、雇われる。フランクな性格で
おでんが好物。手術の為、後藤にバースを譲った後、一時引退して、日本を離れる。
そして手術は無事に成功して、バース・プロトタイプ(プロトバース)を装着して戦う。
1093
~上陸2日目・午前~
ブリアン島上陸2日目は、海水浴である。
それぞれ水着に着替えた子供たちは、
準備体操を終えた後、一斉に海へと飛び込んでいく子もいれば、
砂遊びやビーチバレーに興ずる子たちもいる。
健「お~い、くれぐれも岸から遠くまで行き過ぎるんじゃないぞ~!」
沖合いでは、海水浴中の子供たちが岸から離れすぎて
遭難したりしないように、大人や高校生たちが何人かの組に分かれ
ボートに乗って警戒している。
ヒカリ「どお…? 大輔くん タケルくん」
タケル「うん、とっても可愛いよ」
大輔「……(ヒカリちゃんの水着姿だぁ…!)」
女子の水着姿に見とれる健全?な男子もいれば…
延珠「どうじゃ蓮太郎、妾の水着姿は?」
蓮太郎「うん、いいんじゃないか」
ティナ「お兄さん、私の水着は…どうでしょうか?」
蓮太郎「うん、いいんじゃないか」
延珠「………」
ティナ「………」
実は蓮太郎は浜辺に寝転がりながら、ビーチハラソルの下で
ずっと昆虫の本を読んでおり、延珠とティナのいる方向には
全く目を向けていない。適当に空返事で返しているのは明白だった。
延珠「もういいのだ!(怒」
ティナ「行きましょう延珠さん!(怒」
蓮太郎「…ん? 二人とも何怒ってんだ…??」
そしてしんせん組は海辺で水の掛け合いっこをして戯れている。
トシ「わぁっ!?(バッシャーン」
イサミ「ふっあははははは!!!ちょwwwwトシwwww何やってんのwwwwwあははははは!!!」
トシ「やったなああっっ!!!お返しだ!!」
イサミ「キャァッ!!」
こうして午前中の日程は順調に過ぎていく…。
1094
2日目の午後はトレーニングの時間。
講師として招かれた大人達が、これから戦いに身を投じるブレイバーズの子供達に
強くなるためのレッスンをする。
名護「イクササ~イズ!!
悪と戦うためには、強い体でなければならない。
この動きは、強い体を作るための基礎だ」
まずは準備運動から。
「753」のTシャツを着た名護啓介がお手本役として皆の前に立ち、
強引に訓練メニューに入れさせた我流のエクササイズをやって見せる。
名護「腕振りなさ~い! 振りなさい!
速くしなさい跳びなさい!」
イサミ「何か変なエクササイズ~!」
トシ「いや、でもこれ、結構きついぞ~」
ソウシ「侮り難し、名護さんのイクササイズ…」
名護「走りなさい! 走りなさい!
敵を追って走りなさい!
走りなさい! 走りなさい!
未来へ向かって走りなさ~い!!」
イクササイズで体をほぐした後はより本格的な筋力トレーニングという事で、
高校生ながらミスリル所属の軍人でもある相良宗介が皆の前に立ったが…。
宗介「では、続いて筋力トレーニングに移る。
このブートキャンプではお前達の肉体のみならず、根性をも徹底的に鍛え直す。
いいか、お前達は○○○だ。
お前達は△△△の×××で……あだっ!」
「マオ姐さんの新兵訓練罵り手帳」を片手にお下劣な隠語による罵倒を始めた宗介の頭を、
千鳥かなめはハリセンで思い切り引っ叩く。
宗介「痛いじゃないか」
かなめ「バカ! 良い子のみんなに向かって何つー下品な言葉を…!
大体、小学生にそんなスラングが分かるわけないでしょう」
宗介「しかし、新兵は皆こういう言葉を浴びながら心身共に強くなっていくのだが」
かなめ「これはブートキャンプじゃなくてレクリエーションなんだから、
そこまでしなくてもいいの! この戦争ボケ!」
講師は強制退場させられてしまったが、
ともかくも腹筋や背筋、スクワットなどの筋力運動を、
大人達が効果的なやり方を細かく指導しながら子供達にさせていく。
宗介「仕方がない。俺はその間に、キャンプ場の設営をさせてもらう」
かなめ「は? 設営ならこの通りもうちゃんと終わってるじゃない」
宗介「いや、肝心の防御機能がまだ構築されていない。
このキャンプ場はこのままでは丸腰だ。
だから全体を鉄条網で囲い、有刺鉄線を張り巡らせて敵の侵入を……いでっ」
どこからか巨大な柱と有刺鉄線を取り出した宗介に、
かなめのハリセンが再び炸裂した。
基礎体力をつける訓練の後は実戦の技術指導。
今回は忍術からそれを学ぶという事で、
隠流の鶴姫と瑠美乃流の高木はるかが指南役となりレクチャーする。
鶴姫「忍者八門とは、忍術の全ての流派に共通する、
忍者になるための基本となる八種類の必修科目の事です。
今日はその中の一つ、素手で相手と戦う骨法術について皆さんにお稽古します」
はるか「巨大ロボットを操縦して戦う皆さんにも、
格闘のイメージトレーニングをしておく事はきっとためになるはずよー」
一通りのレッスンを終了した後は、いよいよ練習試合。
学んだ事を活かしながら、各自、任意の相手を選んで手合わせする。
トシ「かつ姐さん、リベンジマッチお願いします!」
葛城「いいわよ。いらっしゃい!」
月影トシは半蔵学院での修行で戦って負けた葛城に再戦を挑んだ。
今度は雑念に惑わされず「龍の目」をしっかりシュートしたトシ。
葛城はそれを跳ね返し、勝負はもつれる。
1095
夜は巨大な焚き火を囲んでキャンプファイヤー。
皆で手を繋いでマイムマイムを踊りながら楽しく過ごすが、
途中で空模様が怪しくなり、ぽつりぽつりと雨が降り始める。
吼児「…雨だ」
仁「ちぇっ、せっかく盛り上がってるのにな」
学「残念だが、キャンプファイヤーは中止だ」
はるか「みんな、急いでテントに入って~!」
慌ただしくキャンプファイヤーは撤収。
そうこうしている間に、雨はどんどん勢いを増して大降りになった。
ブリアン島・西の岬***
その頃…。ジャングルを挟んだ島の反対側では、
ジャガーバンを主将とするGショッカーの怪人達が
密かに基地を建設し、気象コントロール装置の実験を行なっていた。
モグラング「おお、雨が降って来た!」
ムササビードル「気象コントロール実験は成功だな!」
アルマジーグ「Gショッカーの偉大な科学力をもってすれば、当然の事よ」
カニバブラー「我らショッカーとネオショッカーの力を合わせた合同プロジェクト、
何があろうと失敗させるわけには行かんのだ!」
ジャガーバン「天候を自在に操る事ができれば、
世界各地に大雨による洪水、日照りによる旱魃、
そして大雪による氷河期を巻き起こす事ができる。
人間どもの文明は荒れ狂う大自然の力によって壊滅するのだ!」
パラボラアンテナ型の装置から空へ向かって発せられるエネルギー波によって
雨足はどんどん強まり、土砂降りの豪雨となって島を洗う。
ジャガーバン「そろそろいいだろう。天候を元に戻せ!」
アリコマンド「ジャガーバン様、計器に異常発生です!」
ジャガーバン「何だと!?」
ショッカー戦闘員「気象コントロール装置が暴走しています。
エネルギー波の放射を制御できません!」
ジャガーバン「何という事だ。
すぐに装置をストップしろ! ええいどけ!」
ジャガーバンが自ら装置を動かそうとしたその時、
激しい地鳴りが起こった。
モグラング「地震か!?」
アルマジーグ「あ、あれを見ろ!」
窓の外を指差すアルマジーグ。
そこにはこちらを覗き込む、巨大な怪獣の目玉が爛々と光っていた。
四つ足の黒い怪獣は尻尾の一振りで基地を破壊し、戦闘員達を瓦礫の下敷きにする。
マグネドン「グゥォォォ――!!」
カニバブラー「怪獣だ!」
ゲバコンドル「基地が破壊される!」
ジャガーバン「こちらブリアン島。緊急事態発生!
魔神提督、応答願います! 魔神提督――!」
アリコマンド「駄目です! 通信機も異常をきたしています!」
強い磁気を帯びた磁力怪獣マグネドンの接近により通信は機能せず、
気象コントロール装置も狂って暴走を始めた。
天候に働きかけるエネルギー波が際限なく放射され、
どんどん雨は強まって嵐になっていく。
マグネドン「グォォ――!!」
マグネドンは遂に気象コントロール装置を踏み潰し、完全に破壊した。
エネルギー波を浴びた空には黒雲が渦巻き、雷鳴が轟き、
制御不能となった凄まじい暴風雨が荒れ狂った。
1096
○星川健→ボートに乗って海水浴の監視をする。
○高石タケル→ヒカリの水着姿に見とれる。
○本宮大輔→ヒカリの水着姿に見とれる。
○花丘イサミ→海水浴をして戯れる。
○月影トシ→海水浴をして戯れる。キャンプの訓練で葛城にリベンジを挑む。
○藍原延珠→蓮太郎に水着姿を見せるが、素気ない反応をされる。
○ティナ・スプラウト→蓮太郎に水着姿を見せるが、素気ない反応をされる。
○里見蓮太郎→延珠とティナに水着姿を見せられるが、反応は素気ない。
○名護啓介→キャンプの訓練メニューとしてイクササイズを実施。
○相良宗介→キャンプの体力トレーニング講師を務めるが、途中退場。
○千鳥かなめ→「マオ姐さんの新兵訓練罵り手帳」を使い出した宗介にツッコミを入れる。
○鶴姫→キャンプの訓練で忍術指導の講師を務める。
○高木はるか→キャンプの訓練で忍術指導の講師を務める。
○葛城→キャンプの訓練で月影トシと再戦。
●ジャガーバン→ブリアン島で気象コントロール実験を行なっていたが、マグネドンに妨害される。
●アルマジーグ→ブリアン島で気象コントロール実験を行なっていたが、マグネドンに妨害される。
●モグラング→ブリアン島で気象コントロール実験を行なっていたが、マグネドンに妨害される。
●カニバブラー→ブリアン島で気象コントロール実験を行なっていたが、マグネドンに妨害される。
●ムササビードル→ブリアン島で気象コントロール実験を行なっていたが、マグネドンに妨害される。
●マグネドン→ブリアン島に出現。Gショッカー基地を破壊する。
【今回の新規登場】
●ジャガーバン(新・仮面ライダー劇場版 8人ライダー対銀河王)
ネオショッカー怪人。
剣と盾を武器とするジャガーの改造人間で、怪人軍団を率いて8人ライダーと戦った。
●アルマジーグ(新・仮面ライダー劇場版 8人ライダー対銀河王)
ネオショッカー怪人。
鋭い爪を武器とするアルマジロの改造人間で、体を丸めて球体となり体当たりする。
●モグラング(仮面ライダー)
ショッカー怪人。
地中を自由に動き回る事のできるモグラの改造人間で、
人々を誘拐してモグラ人間に改造するのが使命。
当初は目が見えなかったが、ゾル大佐からエレクトロアイを与えられて視力を得た。
●カニバブラー(仮面ライダー)
ショッカー怪人。
水中での活動能力に長けたカニの改造人間で、
ライダーキックに耐えるほどの頑丈な甲羅で身を覆われ、
口から吐き出す白い泡で人間を溶かしてしまう。
●ムササビードル(仮面ライダー)
ショッカー怪人。
飛行能力を持つムササビの改造人間で、
必殺技は、高速飛行から真空状態を発生させるスリップストリーム。
髭を抜かれると飛べなくなってしまう。
●磁力怪獣マグネドン(帰ってきたウルトラマン)
北極の地底のマグマが固まり、生命を持つようになった怪獣。
全身から強い磁力を発し、飛行機の墜落事故を続発させた。
口からは火炎を吐き、背中の角からは怪光線を放つ。
体をバラバラにされても磁力で引き合い再生する事が可能。
最終更新:2020年11月22日 14:12