本編1097~1109

『ロビンソン・クルーソー作戦 怪獣島冒険記』-2

作者 ティアラロイド、ユガミ博士、凱聖クールギン
1097

ブリアン島・東の平原***


一晩中、荒れ狂った嵐は夜明けには収まり、何とか3日目の朝を迎えた。
この日はブリアン島滞在の最終日で、夕方には船で島を離れる予定である。

健「やっと嵐が止んだと思ったら、今日は朝からやけに蒸し暑いな…」
数美「気温がもう35℃を超えているわ。
 熱中症にならないように、注意が必要ね」
学「嵐といい、この異常な暑さといい、
 何かおかしいな。不吉な予感がする」

元々、熱帯のブリアン島は高温多湿の気候ではあるのだが、
それにしてもこの日の猛暑は異常であった。

名護「起きなさい! 朝はラジオ体操の代わりにまたイクササイズだ。
 早く着替えて外に集合しなさい!」

名護啓介が子供達を野原に集めてイクササイズを始めようとしたその時、
山の方から断続的な地鳴りが聞こえてきた。

ドォン…! ドォン…!

虎太郎「な、何の音だ!?」
鷹介「地面が揺れてる…!」
名護「お、落ち着きなさい!」

何かが咆えるような声がキャンプ場に響く。
次の瞬間、山の陰から巨大な怪獣が姿を覗かせた。
胴体が太く頭が小さい流線形の体型、全身を覆う蛇腹のような凹凸…。
怪獣の中でも特に激しい凶暴性で知られる、どくろ怪獣レッドキングである。

レッドキング「キシャ――ォ!!」

イサミ「か、怪獣~!?」
トシ「レッドキングだ!」
学「みんな、逃げろ!」

咆え猛りながらレッドキングはキャンプ場の方へ向かって来る。
星川学らの大人達は子供達を誘導し、避難させた。
テントを踏み潰し、キャンプ場を我が物顔で蹂躙するレッドキング。
だがその時、レッドキングの足元の地面が盛り上がり、
レッドキングの片足をすくって転倒させた。

バラゴン「ガォォ――!!」

地中から、地底怪獣バラゴンが顔を出したのである。
巨体を地上に現したバラゴンは雄叫びを上げ、レッドキングに戦いを挑んだ。

文矢「あれはバラゴン…!」
鵺野「バラゴンは肉食で、人間を食べる怪獣だ。
 レッドキングといい、随分まずい手合いが現れたな…」

激怒してバラゴンに挑みかかるレッドキング。
四足獣のバラゴンが後ろ脚で立ち上がり、レッドキングと組み合った。
バラゴンはレッドキングの腕に噛み付き、流血させる。

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レミ「どういう事?
 事前の調査では、この島に怪獣なんていなかったのに」
文矢「昨日の嵐と、この異常な暑さが関係しているのかもな」
数美「確かに、今日の猛暑は今までのデータから考えてもおかしいわ」
学「島に何かが起こったんだ。
 異常気象が発生して、眠っていた怪獣達が一斉に目を覚ました」
健「こうなったら、ファイブロボでやっつけようぜ」
学「よし…。ファイブマシン、発進!!」

腕のVチェンジャーブレスで巨大メカを呼び出そうとする学だが、
どういうわけか通信が繋がらない。

文矢「どうしちまったんだ。通信ができない!」
レミ「ブレイバーベースとも連絡が取れないわ!」
数美「きっと磁気の影響だわ。
 この島全体が、強烈な磁気に覆われているのよ」
健「でも、昨日まではそんな事なかっただろ!」

そうしている間にも、レッドキングとバラゴンの壮絶な死闘は続く。

レッドキング「キシャ――ォ!!」
バラゴン「ガォォ――!!」

口から熱線を吐いてレッドキングを攻撃するバラゴン。
逆上したレッドキングは太い腕をバラゴンの首に回し、
ヘッドロックで締め上げると、
そのままフェイスバスターの要領で顔から地面に叩きつける。

バラゴン「グォォ……!!」

怯んだバラゴンは尻尾でレッドキングを殴って倒れさせると、
その隙に地面を掘って逃亡した。
胸を力強くドラミングして勝利の雄叫びを上げるレッドキング。

健「とにかく、こうなったらこんな島からは一刻も早く逃げるに限るぜ」
学「ああ。キャンプは中止だ。
 全員、直ちに船まで撤収して島を離れよう」
はるか「どうやら、それしかなさそうですね…」

引率の大人達はキャンプ中止の判断を下した。
丘を一つ越えた先の海には港があって、ここへ来るのに使った飛鷹Ⅲが停泊している。

学「みんな、船まで走って逃げるんだ!
 荷物は全部置いて、とにかく走れ!」
健「まごまごしてると、怪獣に喰われちまうぞ!」

一同は船へ向かって必死に走った。
しかし海へ出てみると、そこにも怪獣がいたのである。

エビラ「キェ――!!」

ザリガニのような巨大な鋏を持った大蝦怪獣エビラが、
海中から半身を持ち上げて飛鷹Ⅲに迫る。

鵺野「まずい、船が壊される!」

エビラは巨大な鋏を飛鷹Ⅲに突き立て、船体に穴を開けると、
そのまま真っ二つに切り裂いて沈没させてしまった。
エビラの体当たりを受け、飛鷹Ⅲはバラバラの残骸となって海に沈んで行く…。

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エビラに船を壊され、呆然とする一同。

そこへレッドキングが迫り来る。

アトム「こうなったら、僕が...」

日本が誇る最高のスーパーロボット、アトムは服を脱ぎ捨てて
足をジェットを噴射して空へ飛び上がって、指からビームを放つ
もののレッドキングには効かなかった。

アトム「うっ...何だろう力が入らない」
健「様子がおかしいぞ?」
文矢「そうか、アトムもロボット。地磁気の影響で、回路に異常が起きたんだ!」

アトムも地磁気の影響で、ボディに搭載されている電子回路に
異常が起きてしまう。そして、レッドキングによるパンチで
アトムは吹き飛ばされ、海の中へと沈んでいってしまった。

吼児「アトムが!」
剣「なら、俺がライガーを呼び出すぜ!」
レッドキング「ギャオオオオ!」
剣「うわぁ!」

剣はライガーを呼び出そうとするが、レッドキングによる地響きで
剣は地面に倒れ、頭を打ってしまう。

ゆい&まい「「剣」」
伊達「...大丈夫だ、気絶しているだけだ。エリちゃん、手当てを頼む!」
エリ「分かりました、伊達先生」

医療スタッフとして参加した、医者である伊達明が剣が気絶しているだけ
と判断し、保険医をしている護星天使のエリに介抱を任せた。

レッドキング「キシャ――ォ!!」
エビラ「キェ――!!」

得意のメガトンパンチでアトムを撃破したレッドキングは、
なおも収まらない激しい闘争本能を海上のエビラに向け、激しく咆えた。

レッドキング「キシャ――ォ!!」

地面の岩を蹴ってエビラにぶつけるレッドキングだが、
エビラは巨大な鋏で飛んで来た岩をキャッチし、投げ返す。
それを受け止め、今度は腕でエビラに岩を投げつけるレッドキング。
剛速球と化した岩がエビラの頭に命中し、
ダメージを負ったエビラは水中に身を隠した。

レッドキング「キシャ――ォ!!」

勢いづいたレッドキングは浜辺から海へ乗り込み、
エビラに止めを刺そうとする。
しかしエビラの姿はそこにない。
周囲を見回していたレッドキングは、水中のエビラに足元をすくわれ引っ繰り返った。
倒れたレッドキングの右腕をエビラの左の鋏が捕らえる。

レッドキング「キシャ――ォ!!」
エビラ「キェ――!!」

右腕を鋏まれたまま、エビラとがっぷり四つに組み合うレッドキング。
エビラはレッドキングを水中に引きずり込み、溺死させようとする。
しかしレッドキングは怪力でエビラの左の鋏を引きちぎり、拘束を逃れた。

エビラ「キェ――!!」

鋏を片方失って悶え苦しむエビラ。
レッドキングの右腕からも血がどくどくと流れている。
エビラは泳いで沖へ逃れ、レッドキングも陸に上がって勝負は痛み分けとなった。
ブレイバーズの面々が唖然として見守る中、
レッドキングはそのままジャングルの奥へと姿を消した。

1100

ブリアン島・西の岬***


昨晩、マグネドンが襲来したGショッカー基地は
あちこちが破壊され、瓦礫の山となってしまっていた。

ジャガーバン「おのれ怪獣め…。
 基地は壊され、気象コントロール装置も踏み潰されて実験は大失敗だ」
カニバブラー「装置が暴走したせいで、島の気候は完全に狂ってしまったようだな。
 まるで恐竜時代に戻ったかのような暑さだ」
アルマジーグ「魔神提督との連絡も取れん。
 謎の磁気嵐のせいで通信不能になっているのだ」
モグラング「今回の作戦の主将はお前だろう、ジャガーバン。
 これからどうするのだ?」
ジャガーバン「撤退が不可能となれば、我らはここを死守するしかない。
 とにかく基地を復旧し、装置を作り直して気象コントロール実験を再開するのだ
 我らGショッカーに敗北の二文字はない!」

その時、上空をパトロールしていたムササビードルが叫んだ。

ムササビードル「緊急事態発生!
 巨大なカマキリのような怪物が基地に接近中!」
ジャガーバン「何だと!?」

カマキラス「キキィ――!!」

ジャングルの奥から現れたカマキリの怪獣・カマキラスが基地に向かって来たのである。
機関銃による戦闘員達の銃撃をものともせず、
送電線を鎌で切り裂き、鉄塔を押し倒してカマキラスは暴れる。

ジャガーバン「ううむ、何て奴だ!」
カニバブラー「あ、あれを見ろ!」

カニバブラーが驚愕して海の方を指す。
岬の岩壁を這い登って、巨大なタコの怪物がこちらに向かって来ていた。
南洋の深海で体長100m級にまで異常成長した、大ダコ怪獣スダールである。

スダール「………」
カマキラス「キキィ――!」

カマキラスとスダールは睨み合う。
スダールは長い足を伸ばしてカマキラスを捕まえようとするが、
カマキラスは前足の鎌でそれを突いて撃退する。
やがてカマキラスは倒した鉄塔を前脚でシュートし、スダールにぶつけた。
怯んでやや後退するスダール。
しかし次の瞬間、スダールは口から黒い墨を吐いてカマキラスに浴びせた。

カマキラス「キキィ――!?」

墨を浴びて混乱したカマキラスに一気に襲いかかり、
スダールは八本の足でしっかりと絡め取る。
凄まじい力でカマキラスを押さえつけると、
スダールはそのままカマキラスを頭から呑み込んで行った。
食べ切れなかった片足の鎌だけを地面に残し、
カマキラスはスダールの胃袋の中に消えてしまった。

スダール「………」

戦慄するGショッカーの怪人達を後に残して、
満腹になったスダールは海へ帰って行った。

カニバブラー「カマキリとタコがあんな巨大な怪物になるとは…」
モグラング「この島はどうやら、
 異常気象のせいで怪獣島になってしまったようだな」
ジャガーバン「他にもまだ怪獣がいるかも知れん。
 基地の守りを厳重に固めるのだ!」

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ブリアン島・東の平原***


どうにかレッドキングは去ったが、エビラに船を壊された一同。
アトムは海の彼方へ吹っ飛ばされ、剣を始め何人かは大した事は
無いが負傷してしまう。そして学達はこれからについて話し合いを行なう。

鵺野「まずい事になりましたね…。まさか怪獣が出るとは」
健「船が破壊されちゃ、島から帰れない」
レミ「船に積んであった食糧も、全部海の底よ。
 これからの食事はどうするの?」
両津「な~に、ここは南の島だろ?
 魚でも木の実でも、適当に取って食ってりゃ飢える事はないっすよ」
文矢「それより、問題は怪獣だな…。
 レッドキングもバラゴンも、いつまた襲って来るか分からない」
数美「ファイブロボも呼べないし、島の外との連絡も取れないわ。
 きっと地磁気が狂っているのよ」
鈴雄「アレクセイさん、あなたの戦車なら救援を呼びに行けたりは出来ませんか?」
イスカンダル「そうしたいのはやまやまだが、今余の戦車は粉々だからのう。
  魔力さえ回復すれば修復できるのだが、そこまで回復しておらん」
仁「じゃあ、いつかの時にやったあのたっくさんの兵隊さんも出せないのか?」
イスカンダル「あれは、余の切り札。発動するまでの魔力も回復が必要だ」
吼児「そんな...」

鈴雄はイスカンダルの宝具なら、この状況を打開出来るのではないかと聞くが
この前の酒盛りで『神威の戦車』は粉々になり、切り札である『王の軍勢
<アイオニオン・ヘタイロイ>』も発動するまでの魔力が回復していなかったので
状況を打開出来ないと話す。

勉「通信機も、この島の特殊な磁気で使用が出来ません」
尊子「通信機の修理が必要ね」

地球防衛組とザウラーズの頭脳である小島勉と小島尊子は
通信機の修理を行う事を決める。

結花「私達、日本に帰られるのかな?」
春枝「あのアトムも怪獣には勝てなかったし...」
金太「安心しろ、ユカ。俺が絶対、日本に帰らせてやる!」

ザウラーズの山本春枝や水原結花は不安な表情を見せるが、
白金太郎(あだ名は金太)が励ます。

学「皆、希望を捨てちゃいけない。かならず全員生き延びて、日本へ帰ろう」
健「もしかしたら、他のブレイバーズ達が助けに来るかもしれない」
文矢「そうだ。それにファイブロボは呼べなかったけど、こっちには
   凄腕の忍者に霊能力者、ガイストクラッシャーに聖闘士も
   いるんだ。きっと帰れる筈さ!」
レッカ「応、俺達に任せとけ!」
クラマ「調子に乗るなっつーの!」
シレン「全員が助かり、最高のファンファーレを奏でよう」

不安を払うかのように、学は皆に希望を捨ててはいけないと説く。
それに続くように、一同は諦めず、希望を持つようになった。

健「しかし、絶海の孤島でのサバイバルか…。
 これじゃまるでロビンソン・クルーソーだな」
学「いいじゃないか。作戦名はそれにしようか。
 “ロビンソン・クルーソー作戦”。俺達の生き残りを賭けたミッションだ」

とにかく、落胆している場合ではない。
学は率先して元気を出そうと努め、大きく手を叩いた。

宗介「ならば、対怪獣用のバリケードを敷かねば...」
ボルボ「手伝うぞ、宗介!」
かなめ「あ、ちょっと...」

宗介とボルボは早速、怪獣から身を守る為のバリケードを敷きに
かなめが止める間も無く、飛び出していくのであった。

1102

○名護啓介→再びイクササイズを実施しようとするが、怪獣が出現したため中断。
○星川学→怪獣が出現したため、子供達を連れてキャンプ場から逃げる。
        希望を捨てるなと皆に説いて勇気付ける。
○星川健→怪獣が出現したため、子供達を連れてキャンプ場から逃げる。
○星川数美→怪獣が出現したため、子供達を連れてキャンプ場から逃げる。
○星川文矢→怪獣が出現したため、子供達を連れてキャンプ場から逃げる。
○星川レミ→怪獣が出現したため、子供達を連れてキャンプ場から逃げる。
○鵺野鳴介→怪獣が出現したため、子供達を連れてキャンプ場から逃げる。
○高木はるか→怪獣が出現したため、子供達を連れてキャンプ場から逃げる
○花丘イサミ→怪獣が出現したため、キャンプ場から逃げる。
○月影トシ→怪獣が出現したため、キャンプ場から逃げる。
○大牙剣→ライガーを呼び出そうとするが、レッドキングに咆えられて気絶する。
○伊達明→気絶した大牙剣を診て、エリに看護を任せる。
○エリ→気絶した大牙剣を看護する。
○アトム→レッドキングと戦うが、パンチで撃墜され海に転落する。
○レッカ→星川学らに励まされて勇気を取り戻す。
○クラマ→星川学らに励まされて勇気を取り戻す。
○シレン→星川学らに励まされて勇気を取り戻す。
○山本春枝→怪獣出現に不安になるが、白金太郎に励まされる。
○水原結花→怪獣出現に不安になるが、白金太郎に励まされる。
○白金太郎→不安になっている山本春枝や水原結花を励ます。
○小島勉→通信機の修理に取りかかる。
○小島尊子→通信機の修理に取りかかる。
○イスカンダル→宝具を使えないかと相談されるが、魔力不足のため使用不能。
○相良宗介→対怪獣用のバリケードを設置する。
○ボルボ西郷→対怪獣用のバリケードを設置する。
●レッドキング→ブリアン島に出現。キャンプ場を襲い、バラゴンを撃破。
          エビラと戦って左の鋏をもぎ取る。
●バラゴン→ブリアン島に出現。キャンプ場を襲い、レッドキングと戦うが敗退する。
●エビラ→ブリアン島に出現。飛鷹Ⅲを破壊し、レッドキングと戦って左の鋏をもぎ取られる。
●カマキラス→ブリアン島に出現。Gショッカー基地を襲い、スダールと戦って食べられる。
●スダール→ブリアン島に出現。Gショッカー基地を襲い、カマキラスと戦って捕食する。
●ジャガーバン→カマキラスとスダールの襲来を受ける。
●アルマジーグ→カマキラスとスダールの襲来を受ける。
●モグラング→カマキラスとスダールの襲来を受ける。
●カニバブラー→カマキラスとスダールの襲来を受ける。
●ムササビードル→カマキラスとスダールの襲来を受ける。


【今回の新規登場】
●どくろ怪獣レッドキング(ウルトラマンシリーズ)
 多々良島に生息していた凶暴な怪獣。
 怪獣の中でも特に好戦的で、腕力に優れている。
 頭が小さく、知能はあまり高くない。

●地底怪獣バラゴン(フランケンシュタイン対地底怪獣/怪獣総進撃/ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃)
 中生代の爬虫類が変異した怪獣。地底を掘り進み、口からは熱線を吐く。
 肉食性で人間を常食としている。普段は四つ足だが、
 興奮すると後ろ足で立ち上がる事もある。

●大蝦怪獣エビラ(ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘/ゴジラ FINAL WARS)
 レッチ島近海に生息している巨大な蝦の怪獣。
 両手の鋏を武器とする。肉食性で、海に入った人間を好んで捕食する。
 ある木の実から取れる黄色い汁が苦手で、それを撒かれると近付いて来ない。

●両刀怪獣カマキラス(怪獣島の決戦 ゴジラの息子/ゴジラ FINAL WARS)
 ゾルゲル島の大カマキリが巨大化した怪獣。
 前足が鎌になっており、獲物を刺して攻撃する。
 マッハ0.5で飛行する事もできる。

●大ダコ スダール(ウルトラQ)
 コンパス島近海に生息している巨大な蛸の怪獣。
 コンパス島では島の守護神として崇められている。
 八本の長い足で船を絡め取り沈没させる。



1103

ブリアン島・東の平原***


両津「あ~っ! 魚がない!?」

4日目の朝。
両津勘吉が朝食の焼き魚を準備しようとクーラーボックスを開けると、
中に入れてあったはずの魚が全部無くなっていた。
そしてクーラーボックスの周囲には、何かの生物の足跡が…。

学「足跡は森の方へ続いている。
 何者かが夜の間にキャンプ場に忍び込んで
 魚を盗んで行ったんだ」
両津「ちくしょー、魚泥棒め! 許さんぞ!」
ボルボ「おい、待て両津!」
宗介「このまま放置しておくのは危険だ。
 再犯防止のため、略奪者には制裁を加える必要がある」
かなめ「ちょ、ちょっとソースケ!?」

両津は足跡を追って森へ入った。
ボルボ西郷と相良宗介も両津に続き、謎の侵入者を追跡する。

宗介「…! 何かいる」

宗介が何者かの気配を感じ取り、両津とボルボを制した。
確かにガサガサと茂みの奥で何かが動いている。
宗介は隠し持っていたスローイングナイフを茂みに投擲した。

ジラ「ギャォォ――ン!!」

攻撃を受け、体長2mほどの二足歩行の怪獣が茂みから飛び出す。
宗介はすかさずアサルトライフルの射撃をその怪獣――ジラに浴びせた。
銃弾を浴びて悲鳴を上げながらジラは横転する。

ジラ「ギャゥゥ――!!」
宗介「くっ!?」

大きく振られたジラの尻尾が、宗介の頭を掠めた。
宗介に噛みつこうと、腹這いのまま襲いかかるジラ。
宗介が後ろに飛び退いて避けた所に、両津とボルボがジラの頭に拳銃の弾を叩き込んだ。
脳天を撃ち抜かれ、ジラは絶命した。

かなめ「ソースケ、大丈夫!?」
宗介「ああ。それにしてもジラか…。魚泥棒はこいつだな」
ボルボ「ジラ?」
宗介「以前ニューヨークに出現し、米軍に撃滅された記録がある怪獣だ。
 その時の交戦データはミスリルでも把握している」
かなめ「ああ、確かアメリカにゴジラ出現!って騒がれたけど、
 後で日本の学界があれはゴジラとは認めなかったって奴でしょ?」
宗介「学術上の分類はどうだっていい。
 ゴジラであろうとなかろうと、危険な生物なのは間違いない。
 魚食性だから、きっと魚の匂いに釣られてやって来たんだろう」
両津「それで魚を盗み食いしてたって訳か」
宗介「ただ幸運なのは、こいつはまだ子供だという事だ。
 成長したジラの大きさはこんなものじゃない。しかし…」
かなめ「…しかし?」
宗介「米軍との交戦時に確認された特徴として、ジラは一度に大量の卵を産む。
 一緒に孵化した仲間がどこかにいるはずだ。
 こいつが、この島で最後の一匹とは思えない…」

その時、キャンプ場の方で悲鳴が聞こえた。

マリア「キャーッ! 怪獣!!」
仁「うわっ! ティラノサウルスか!?」

別のジラ達がキャンプ場に乱入し、暴れ始めたのである。

宗介「しまった…!」
両津「よし、助けに行くぞ!」

悲鳴を聞いて、宗介達は急ぎキャンプ場へと駆け戻った。

1104

キャンプ場では、ジラが1頭だけでなく何頭ものジラが所狭しと
暴れていた。侵入してきたジラを相手に生身では戦えないメンバーを
守るべく、生身で戦闘出来るメンバーが戦っていた。蒼摩達、青銅聖闘士や
ガイストクラッシャー、半蔵学院の善忍等は既に装着したり、変身している。

イスカンダル「ふん、怪獣め。余のペットにしてくれるわ!」
ジラ「ギャォォォン」ゴォォォ
イスカンダル「む、こ奴何たる熱い息を吐くのだ!」

イスカンダルはいつもの、TシャツにGパンの姿ではなく
戦闘衣装に姿を変え、短剣をジラ相手に振り回すが
ジラの吐くホットブレスにイスカンダルは怯む。

吼児「うわぁ!」
レッドガンバー「させるか、うおぉぉりゃぁぁあ!!」
蒼摩「―フレイムデスペラード!」
ジラ「ギャォォオオン!」
蒼摩「大丈夫か!?」
吼児「ありがとうございます。蒼摩さん、力哉君」

ジラに襲われる吼児をレッドガンバーに変身した力哉は尻尾を掴み
ぶんぶんと振り回した後、仔獅子座の蒼摩が必殺技で助け出す。

ブルーガンバー「―はっ!龍峰さん、そこの物陰にジラがいます!」
龍峰「廬山昇龍覇!」

ブルーガンバーに変身した鷹介は、強化された聴力によって
物陰に潜んでいるジラを存在を感じ取り、龍峰に教え、龍峰は
必殺の廬山昇龍覇で倒した。

イエローガンバー「よっしゃー、天界・・・いや、シュリケンジャー。
          コンビネーション戦法だ!」
シュリケンジャー「分かった!」

イエローガンバーに変身した虎太郎とシュリケンジャーに変身した
天界は高速に動き、複数のジラを翻弄していく。

レッカ「ウェポンフォーム、炎狼剣」
大輔「フレイドラモン、レッカを援護だ!」
フレイドラモン「応、ナックルファイア!」

レッカはフレイム・フェンリルをウェポンフォーム『炎狼剣』という
斬馬刀の様な剣に変え、襲いかかるジラを倒していく。大輔も
ブイモンをフレイドラモンにアーマー進化させ、援護をさせた。

刃「―かみなり斬り!」
イズナ「俺の怒りは派手だぞぉぉ!!」

刃は十八番のかみなり斬りでジラを斬っていき、雷属性のガイスト
『ライトニング・ドラグーン』を装着したイズナが雷をぶつける。

飛鳥「秘伝忍法・半蔵流乱れ咲き」
栄人「十文字岩石崩し」
クラマ「真銅忍法、秘伝・山嵐」

土属性の忍者である飛鳥、狼座の栄人、真銅クラマは
それぞれの必殺忍法でジラを倒していった。

ユナ「ディバイントルネード」
葛城「トルネードシュピンデル」
ハヤト「金剛鳥人拳・黄金旋風掌」

風属性を持つ鷲座のユナ、葛城、金剛ハヤトは竜巻を起こして
ジラを吹き飛ばしていく。

ジラ「ギャァァァ」
シレン「このようなコンサートは中止にさせてもらう」
斑鳩「私もお手伝いさせてもらいます」

シレンが凍りつかせ、斑鳩の炎が燃やしていく。

柳生「雲雀、行くぞ!」
雲雀「うん、柳生ちゃん。秘伝忍法『うさぎさんお願い、蹴散らせ』」

雲雀と柳生はそれぞれ忍兎と巨大イカを召喚し、忍兎がイカの上に
さらにその上に雲雀と柳生が乗り、イカの足はプロペラの様に回転して
突撃した。

ジラ「ギャァァァス」
ナミダ「やった。怪獣が逃げていくぞ」
ハチロー「助かった~」

青銅聖闘士達以外にも、ザ・チルドレンのエスパー能力や蓮太郎達の
格闘、しんせん組の彼らの斬撃と彼らの活躍もあり、残ったジラ達も
森の中へと逃げて行き、それぞれ安堵するのであった。

1105

ジラの襲撃を受けて、昨日から調達していた食糧は全滅してしまう。

ハチロー「うう、お腹が減ったよ」
ナミダ「今から、また食糧を調達をするのかな?」

ジラの大群がキャンプ場を襲ってきた事で、食糧も無くなり、
不安とストレスから子供達の間に、どよめきが起きる。

学「(いかん、皆に動揺が起きている。どうすれば...)」
パタリロ「これは、やはり島からの脱出を考えた方がいいかもしれないな」
皆本「パタリロ殿下」

皆の動揺に学がどうすればいいかと考えている時に、パタリロが
タマネギ部隊に扇を煽られながら発言する。

皆本「しかし、海には船を破壊したエビラがいます。
   脱出となると、相手をするには危険すぎます」
パタリロ「だが、いつまでも救援を待つだけという訳にはいかないだろう?
      通信機も使い物にならないし、下手すれば救援が来る前に
      全滅という事もありえる。脱出とまではいかなくても現状を知らせる
      メッセンジャーを送る必要はあると、僕は思うんだけどな」

幸いにもレッドキングと戦って以来、島に近づいてこないエビラだが
皆本はそれを危険視する。だが、パタリロは現状、通信機が
回復するかも分からないし、他の怪獣によって全滅という場合を
想定して、脱出もしくは外部に現状を知らせるメッセンジャーを送る
必要があると説いた。

学「・・・確かに、殿下の言う事にも一理あるな...」
パタリロ「だろ?それに、ここに参加している者の中には
      生身で巨大な相手に戦った事がある奴らだっているし」チラ

パタリロの言葉に、学は一理あると感じた。そのままパタリロは
言葉を続けて、自分の何倍ものの大きさや力を持った敵と戦った事の
ある刃や青銅聖闘士達に目を向ける。

刃「・・・確かに、図体はデカイかもしれないが様はでっかい海老みたい
  な物だろう?鬼丸やかぐやみたいな敵じゃないしな」
蒼摩「俺達も、マルスやサターンと戦ったんだ。やれない事はないぜ」
レミ「でも、もしそれが元で陸へと来てしまったら...?」
大介「それなんだが・・・先程、森へ逃げたジラを少し追跡した時に
    見つけたんだが、この木の実を見つけた」

刃や蒼摩達はこれまで魔人や神といっても良い強大な敵と戦ってきたので
怪獣を相手にやる気を見せる。だが、レミはそれが元で陸へと上がってきて
危険を増すのではないかと危惧する。そんな時、大介(アマゾン)は
ある木の実を皆に見せた。

大介「エビラはある木の実から作られる黄色い汁が苦手なんだ。
    これを海に撒けば、エビラは島に近づいてこない筈だ」
宗介「そういえば、ミスリルの資料にも『赤イ竹』と呼ばれる秘密結社が
    レッチ島の秘密基地で使用したという記述を見た事がある」

大介はエビラが弱点としている木の実から作られる黄色い汁を説明し、
海に撒いてバリケードの役割を与える事を提案。宗助も以前、ミスリル
の資料で呼んだ『赤イ竹』の記述を思い出す。

健「だげど、エビラまでどうやって移動するんだ?」
賢「それなら、僕達のデジモンで移動させましょう。アーマー進化
  させれば、空と海で移動できます」
学「・・・良し。エビラへは刃君や聖闘士を乗せたデジモン達が。
  その間、他の怪獣に警戒しつつ万が一に備えて海にバリケード
  として黄色い汁を撒くとしよう」

話し合いの末、エビラに対する作戦が決定した。エビラへはアーマー
進化したホルスモン、サブマリモン、ぺガスモン、ネフェルティモンを
移動役として、その背中にパートナーの子供達と青銅聖闘士達。
メッセンジャー役には刃のお供である庄之助が現状を知らせる為の
手紙を足に括り付けて同行。残りは、怪獣の警戒及び黄色い汁を
海に撒く作業をする事に決まったのであった。

1106

空からホルスモンの背に京とユナ、ぺガスモンの背にタケルと蒼摩、
ネフェルティモンの背に光と龍峰。海からはサブマリモンと伊織が
向かうのであった。

ユナ「宜しくね、京」
京「ふふ、まっかせなさーい!」
タケル「頑張りましょう、蒼摩さん」
蒼摩「応、タケル!」
光「宜しくお願いします、龍峰君」
龍峰「こちらこそ」

それぞれエビラを向かう前、お互いを健闘しあう。

大輔「くぅ~、光ちゃんと一緒に乗るなんて羨ましい~~」
ブイモン「しょうがないよ。ライドラモンは陸上しか移動できないし、
      フレイドラモンやエクスブイモンだと人を乗せにくいし」

光と一緒にネフェルティモンに乗る龍峰を羨む大輔だが、ブイモンの
言うとおり人を乗せるとなるとライドラモンが適しているが、陸上でしか
移動できないし、フレイドラモンは乗せるスペースが無い。エクスブイモン
は肩に乗せる事は出来るが、戦闘して海に落ちる可能性があった。

刃「庄之助、頼んだぞ!」
庄ノ助「ピエー」

刃に励まされた庄之助は、羽を広げてガッツポーズをする。

学「蒼摩君、このメンバーの中では一番の年長者は君だ。
  彼らを任せたよ」
蒼摩「応!」
葵「いざとなれば、私がテレポートで皆を助けるで」
伊織「お願いします。葵さん」

学は、年長者である蒼摩に京達を任せる。そして万が一の時には
葵がテレポートで助ける手筈となった。
そして、エビラへと向かう蒼摩達。そして残りは大介(アマゾン)
指導の下、木の実から黄色い汁を作り出して海に撒き始めた。


~ブリアン島・近海~

エビラへと近づく、選ばれし子供と青銅聖闘士そして庄ノ助。
だが、そこに突如、海から何かが飛び出した。

タケル「な、何だ!?」
京「た、タコ~!?」

それは昨日、西の岬に現れてカマキラスを食べてしまった
大ダコ怪獣スダールだった。スダールの足が、デジモン達に
襲いかかる。

蒼摩「皆、逃げろ!」

蒼摩に言われ、空を飛んでいたホルスモン達はそこから離れて
スダールの攻撃を躱す。

ホルスモン「―テンペストウィング!」
ぺガスモン「―シューティングスター!」
ネフェルティモン「―ナイルジェリー!」

すかさずホルスモン達はそれぞれの得意技でスダールへ反撃。
しかし、スダールは怯まずにいた。

伊織「サブマリモン、僕らも攻撃です!」
サブマリモン「了解だぎゃ。アクアバルカン!」

海中にいる伊織とサブマリモンも攻撃を行う。
だが、スダールはものともせずに何と、足でサブマリモンを
絡めとってしまう。

光「伊織君、サブマリモン!」

攻撃をしていたデジモン達も伊織とサブマリモンがスダールに
捕まったので、攻撃を止める。


~ブリアン島・東の海岸~

仁「お、おい!?でっかいタコが出てきたぞ」
両津「あれは確か・・・大ダコ怪獣スダール!」
吼児「知っているんですか、両津さん!?」
両津「ああ、何でもコンパス島って所のタコの怪獣だ。
   あの長い足で、いくつのもの漁船を沈めたんだが
   確か何本もの槍に刺されて、仕留めたって聞いた事がある」

東の海岸から見ていた仁がスダールに襲われるデジモン達を
見つけ、怪獣に詳しい両津がスダールの情報を教える。

賢「伊織君とサブマリモンが捕まった!」
大輔「助けねえと!」

捕まった伊織とサブマリモンを助けるべく、大輔はブイモンを
進化させようとするが、その時、異変が起きる。

カマキラス「キキィ―」
浩美「今度は、でっかいカマキリが出た!」
学「あれは、カマキラスか!?」
数美「変身して、子供達を守りましょう」
大介「うん。変身アーマーゾーン!」

カマキラスの登場に、事態は大混乱。カマキラスから子供達を
守るべく学達、星川兄弟は「ファイブマン」へ。大介は仮面ライダー
アマゾンへと変身。その他、変身出来る者達も変身して子供達を守る。

スダール「―!」
龍峰「皆の方にも怪獣が!」
ユナ「あの怪獣、皆の方へ移動するわ!」

カマキラスに気が付いたスダールは、カマキラスを捕食しようと
他のブレイバーズの下へ移動した。

1107

ライドラモン「―ブルーサンダー!」
スティングモン「スパイキングフィニッシュ!」
カマキラス「キキィ―!!」

一方、ブイモンが友情のデジメンタルで進化したライドラモンと
ワームモンから進化したスティングモン等の活躍により、
カマキラスが仕留められる。そこへスダールが現れた。

アマゾン「あれでは、伊織が...」
両津「ええい、ここは一か八かだ。どりゃぁぁぁぁ!!」
スダール「・・・」

両津は槍をスダールの眉間に向けて投げるが、足ではじいた。

両津「くっそ~、なかなか手強いぞ。このスダール」
伊織「・・・だ、だったら、ここから攻撃だ。サブマリモン!」
サブマリモン「―アクアバルカン」
スダール「―!」

捕まっていたサブマリモンは、アクアバルカンでスダールの顔面を
攻撃。それにより、スダールはサブマリモンを捕まえていた足を離す。

ファイブレッド「よし、今の内に一斉に攻撃だ!」
蒼摩「よし、焼きダコにしてやる!」

サブマリモンと伊織が助かったので、スダールに向けて
一斉に攻撃を行う。

スダール「―」バターン
大輔「よっしゃー、倒したぜ!」

スダールが倒れた事により、喜ぶ一同。そんな中、両津とパタリロは
じっと、倒れたスダールを見ていた。

パタリロ「お前達、喜べ。食糧は手に入ったぞ!」
あきら「え、もしかして・・・このタコを食べるの?」
ヨッパー「いくら何でも、怪獣を食うなんて」
ときえ「大丈夫なの?」

突然、パタリロがスダールを食糧にするという発言に
一同は怪獣を食べるという事に不審に思う。

学「確かに、スダールはタコが巨大化しただけの怪獣。
  食べられないという事は無いと思うが...?」
蓮太郎「・・・マジかよ(汗」

学の説明に蓮太郎も呆れる。

両津「安心しろ、わしがちゃんと調理してやる。ボルボ、ジョディー
    手伝え!」
ジョディー「OK!」
ボルボ「今は困難な状況だ・・・仕方がない」
宗介「うむ。戦場でも、食糧の確保は重要だ」
かなめ「マジで、食べるの?」

両津は早速、ジョディ―とボルボに手伝ってもらいながら
解体作業を始める。食糧の調達の重要さを知っている宗介も
この件に肯定した。

その後、無事エビラ対策の黄色い汁を海に撒く作業も終わり
両津によってタコ料理が出された。始めは嫌な顔をしていた
子供達だったが、食べてみると、意外と美味しく皆、完食した。
怪獣との戦闘で、お腹が空いていた事もあり、より美味しく感じたのだろう。

庄ノ助「ピエー」
刃「今回、ダメだったけどお疲れさん、庄ノ助。これでも食べな」

結局、エビラを倒せずメッセージも届けられなかったので
落ち込む庄ノ助に、刃は励ましてタコ料理を食べさせるのであった。

1108

宗介「千鳥、ちょっと一緒に来てくれないか」
かなめ「えっ…?」
宗介「他の皆も、手が空いている者は来てくれ。
 これから岩場で魚釣りをする」

スダールを皆が美味しく食べ終えた頃、
釣り道具を担いだ相良宗介は千鳥かなめと他の子供達を誘って
海岸の岩場へ行き、釣りを始めた。
既に陽は沈みかけ、海原を赤く染め上げている。

かなめ「綺麗な海…。
 メリダ島で二人きりで釣りしたのを思い出すわね。
 ソースケが教えてくれた、あの秘密の場所でさ」
宗介「ああ。今回は、あの時よりちょっと賑やかだけどな」
かなめ「でも食糧の調達なら、さっきのタコ怪獣で十分なんじゃないの?
 まだまだ食べ切れないくらい大きいんだし」
宗介「肯定だ。今釣っているのは俺達が食べる分じゃない」
かなめ「じゃあ何のため?」
宗介「安全上の措置、といったところかな。
 できればマグロが望ましいが、種類は問わない。
 とにかくたくさんの魚が欲しい」
かなめ「何だかよく分からないけど、了解」

目的不詳の夕釣りはしばらく続いた。
陽が沈む頃には、バケツに一杯の魚が釣れ上がっていた。
宗介はそれを皆が食べるクーラーボックスには入れず、
自分のテントの中に仕舞い込んでしまう。
そして夜、宗介はバケツを持って森へ出かけて行き、
何やら怪しげな作業に一人勤しんでいた。

かなめ「ソースケ、何してるのかしら…?」

不審に思いながらも敢えて咎める気にもなれず、
かなめはテントの寝袋の中で眠りに就いた。
こうして大波乱があった4日目の夜も更けて行った…。

1109

○相良宗介→魚を盗み食いしたジラを追跡して倒す。かなめと子供達を連れて夕釣りをする。
○千鳥かなめ→宗介に誘われて夕釣りをする。
○両津勘吉→魚を盗み食いしたジラを追跡して倒す。その後、仕留めたスダールを食糧にする。
○ボルボ西郷→魚を盗み食いしたジラを追跡して倒す。両津の手伝いで、スダールの解体作業をする。
○ジョディ―・爆竜・カレン→両津を手伝って、スダールの解体作業を行う。
○イスカンダル→キャンプ場に乱入してきたジラを撃退する。
○仔獅子座の蒼摩→キャンプ場に乱入してきたジラを撃退する。エビラと戦うべくぺガスモンに乗る。
○流崎力哉→キャンプ場に乱入してきたジラを撃退する。
○風祭鷹介→キャンプ場に乱入してきたジラを撃退する。
○霧隠虎太郎→キャンプ場に乱入してきたジラを撃退する。
○龍座の龍峰→キャンプ場に乱入してきたジラを撃退する。エビラと戦うべく、ネフェルティモンに乗る。
○天界→キャンプ場に乱入してきたジラを撃退する。
○白銀レッカ→キャンプ場に乱入してきたジラを撃退する。
○本宮大輔→キャンプ場に乱入してきたジラを撃退する。
○ブイモン→キャンプ場に乱入してきたジラを撃退する。カマキラスとはライドラモンに進化して撃退する。
○鉄刃→キャンプ場に乱入してきたジラを撃退する。
○庄之介→メッセンジャーの役割をもらったが、スダールに邪魔されて役割を果たせなかった。
○黒曜イズナ→キャンプ場に乱入してきたジラを撃退する。
○飛鳥→キャンプ場に乱入してきたジラを撃退する。
○狼座の栄斗→キャンプ場に乱入してきたジラを撃退する。
○真銅クラマ→キャンプ場に乱入してきたジラを撃退する。
○鷲座のユナ→キャンプ場に乱入してきたジラを撃退する。エビラと戦うべく、ホルスモンに乗る。
○葛城→キャンプ場に乱入してきたジラを撃退する。
○金剛ハヤト→キャンプ場に乱入してきたジラを撃退する。
○シレン・クォーツハート→キャンプ場に乱入してきたジラを撃退する。
○斑鳩→キャンプ場に乱入してきたジラを撃退する。
○柳生→キャンプ場に乱入してきたジラを撃退する。
○雲雀→キャンプ場に乱入してきたジラを撃退する。
○パタリロ→外にメッセンジャーを送る事を提案する。
○井ノ上京→エビラと戦おうとするが、スダールに邪魔される。
○ホークモン→ホルスモンに進化して、エビラと戦おうとするが、スダールに邪魔される。
○高石タケル→エビラと戦おうとするが、スダールに邪魔される。
○パタモン→ぺガスモンに進化して、エビラと戦おうとするが、スダールに邪魔される。
○八神ヒカリ→エビラと戦おうとするが、スダールに邪魔される。
○テイルモン→ネフェルティモンに進化して、エビラと戦おうとするが、スダールに邪魔される。
○火田伊織→エビラと戦おうとするが、スダールに邪魔される。
○アルマジモン→サブマリモンに進化して、エビラと戦おうとするが、スダールに邪魔されて倒した。
○一乗寺賢→カマキラスを撃退する。
○ワームモン→スティングモンに進化して、カマキラスを撃退する。
○星川学→ファイブレッドに変身して、カマキラスを撃退する。
○山本大介→エビラに対して、苦手な黄色い汁を撒く事を提案する。
    アマゾンに変身して、カマキラスを撃退する。
●ジラ→キャンプ場に侵入して魚を盗み食いするが、相良宗介らに倒される。
    その後、群れでキャンプ場に乱入、撃退される。
●カマキラス→キャンプ場を襲うが、デジモン達に倒される。
●スダール→キャンプ場を襲うが、ブレイバーズの一斉攻撃を受け倒される。

【今回の新規登場】
●原子怪獣ジラ(ゴジラ FINAL WARS)
 核実験による放射能でイグアナが変異した怪獣。
 動きが俊敏でジャンプ力に優れる。魚食性でマグロが好物。
 過去に同種がアメリカに出現したと言われている。

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最終更新:2020年11月22日 14:14